ドローン研究と社会実装に力を入れている慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムは11月3日、静岡県御殿場市の総合体育施設でドローンの実演展示会「第3回富士山UAVデモンストレーション」を開催した。国内初の一般公開となった「アストロ」、ソニーが技術の粋を集めた話題機「エアピークS1」など注目の新型機、話題機がデモフライトを披露したほか、ドラム缶3つの吊り下げ飛行も行われた。デモを実演した10組を含め、21組が関連技術やサービスを展示した。前回を上回る400人超が来場し飛行や展示を堪能した。御殿場市に展開する米海兵隊キャンプ富士の関係者も会場を訪れ、投稿サイトに「このようなイベントはテクノロジーの理解、地域のつながり維持、同盟関係の強化に重要」と絶賛した。
富士山UAVデモンストレーションは御殿場市が共催し、防衛省南関東防衛局が後援した。
2組のデモフライトのあと開会式が行われた。ドローン芸人の谷+1。(プラスワン)さんが進行役を務める中、古谷知之慶應義塾大学ドローン社会共創コンソーシアム代表が「御殿場市とは2019年12月に連携協定を締結して以来、自動運転、STEM教育の取り組みでお世話になっている。本日も生活の中ではなかなか見ることのないドローンが飛ぶ様子を実際に見る機会なので、楽しんで頂けることを期待しています」とあいさつした。
御殿場市の勝又正美市長もあいさつに立ち、「富士山のまち御殿場、そしてドローンのまち御殿場にようこそおいでいただきました。富士山と箱根に囲まれ、空気が清く、水が豊かな高原都市、御殿場の魅力に触れて頂きながら、ドローンの飛行をご覧いただき、有意義な一日にしていただき、よい思い出を持ち帰って頂きたいと思います」と来場を歓迎した。
来賓として登壇した渡辺秀明・元(初代)防衛装備庁長官は「世界各国の防衛でドローンは主要な役割を果たしています。民間の技術向上は重要でこうしたデモンストレーションが開催されることを心強く思っています。ドローン産業の成長は間違いなく、さらに加速することを期待しています」と期待を寄せた。
同じく来賓の佐藤丙午・拓殖大学海外事情研究所副所長は「御殿場はドローンをはじめいろいろな取り組みがなされている町だと思っております。ドローンな産業として発展すると思います。御殿場でドローンの最先端をご覧いただき、盛り上げていけたらいいと思っております」と展望した。
御殿場市に展開する米海兵隊キャンプ富士の関係者も会場を訪れ、投稿サイトに「このようなイベントはテクノロジーの理解、地域のつながり維持、同盟関係の強化に重要」と絶賛した。






富士山UAVデモンストレーションで実演したのは、実演順に、株式会社空撮技研(香川県観音寺市)、ジオサーフ株式会社(東京)、有限会社森山環境科学研究所(愛知県名古屋市)、エアロセンス株式会社(東京)、株式会社ドローンママ(東京)、株式会社イデオモータロボティクス(東京)、イエロースキャンジャパン株式会社(東京)、株式会社 WorldLink&Company (京都府京都市)、サイトテック株式会社(山梨県南巨摩郡身延町)、株式会社エアロジーラボ(大阪府箕面市)の10組。それぞれの実演はENWA株式会社(大阪市)のテレビ会議システムを使って展示会場にリアルタイム配信された。
実演のトップバッター、空撮技研は「ライン」と呼ぶ極細のケーブルでドローンを係留する暴走防止装置であるドローンスパイダーを、実機にとりつけて実演した。ドローンの上昇とともにラインがスムーズに送り出され、反対にドローンが近づいてラインがたわみがちになると素早く巻き取られ、ドローンの飛行の自由度と暴走防止の安心感を両立させる様子を示した。この日はラインが100mの「004シリーズ」と、航空法改正に対応するためラインの長さを30メートルに抑えた新型機「005」シリーズを実演した。


二番手で登場したGNSS事業を手掛けるジオサーフは、マッピングに幅広く使われているスイスsensFly社製の固定翼機「eBee X」を飛ばした。プロペラを一つだけ備えた翼長116センチの機体はほぼ樹脂製で重さは1.4キログラム。標準バッテリーデ90分の飛行が可能だ。デモではオペレーターが、起動後ファンの回転を確認し、押し出すようにリリースすると機体は予め定められたルートをたどり滑らかな飛行を見せた。デモの間には「マルチスペクトルカメラを搭載し太陽光パネルの点検に使われることも多い」などの用途も説明された。


開会式をはさんで三番手で登場した森山環境科学研究所は、スイスに本社を構えるWingtra 社製のVTOL機、 WingtraOneの飛行を披露した。ロケットのように天を仰ぐ姿勢で待機しているが、離陸は姿勢を維持したまま、プロペラでふわりと浮かび上がった。上空30メートルでホバリングしたあと、姿勢を水平に変えると、進行方向に固定翼機のようにスイっと進んだ。珍しい動きを見せたうえ、よく晴れた青空に赤い機体が映えたこともあり、競技場の観客席ではカメラに納める姿が多く目についた。

エアロセンスは現時点でアピールしたい目玉機体2種のうち、この日はVTOL機、エアロボウイングの実演を披露した。広範囲を1フライトでカバーでき、災害調査、測量、スマート農業などに使われる機体だ。離陸前は直前のWingtraOneと異なり、水平状態で待機。起動すると、その姿勢でふわりと浮かび上がり、上空で方向を転換し滑るように進む。白と青の機体が富士山に映え、来場者にシャッターチャンスを提供した。


五番手で登場したドローンママはこの日唯一の、飛ばないドローンを実演した。競技場入り口前の広場に無人操縦装置を取り付けたトラクターを用意。周囲への配慮から運転手が乗車したが、動き出すとハンドルに触れずに直進した。飯原夏子代表は「直進は実は難しく、段差があるところでは小刻みなハンドル操作が求められます。このトラクターは自動で小刻みにハンドルを制御して直進に進めます」と解説した。さらにパイロンを立てた間を自動でS字走行する様子もみせ、囲んだ来場者をうならせた。システムは中型、小型にも取り付け可能で、同社は現在、割安なキャンペーンを打ち出して利用を呼び掛けた。

イデオモータロボティクスはこの日が国内初の一般公開となる小型空撮機ASTROの飛行を実演した。ASTROは米Freefly Systemsがこの秋に発表したばかりで、オープンソースのドローン用OS開発を手掛けるスイスのAuterionと協業した機体として知られ、次世代フライトコントローラーAuterion Skynodeを搭載している。4本アームの伝統的な回転翼機スタイルながら、この日のデモでは、軽やかなプロペラ音と俊敏な動きで観客先を魅了した。マニュアルモードの場合の最高速度は時速95㎞。ソニーのデジタル一眼カメラ「Sony α7R IV」用の専用ジンバルの搭載ができ、その場合でも28分の飛行が可能という。

イエロースキャンジャパンは、有人機にもUAVにも使えるLiDAR ソリューションYellowScanExplorerを実機に搭載して飛行。「センチメートル単位の精度で飛行できる」と説明した。また、全方位衝突回避が可能な非GPS環境下で自律飛行を可能にするHovermapを搭載した機体も披露。SLAMベースで「機体が自動で飛行すべきコースを探し当てて飛んでいきます」などと説明した。

WorldLink&Companyは、ドイツWingcopter(ウイングコプター)社製のVTOL機と、ソニーが開発したプロフェッショナル向けドローン「Airpeak S1」を飛行した。Wingcopter はテフィルトローターと呼ばれる向きを変えることのできるプロペラのアームが特徴で、この日のデモでは、プロペラが回転すると機体は待機中の姿勢のまま浮かび上がると、空中でアームが方向を変え、グライダーのようにスムーズに動き出した。飛行中には「ANAが取り組む離島輸送にもつかわれている」などと説明がされた。また、ソニーの「Airpeak S1」はフルサイズミラーレス一眼カメラを実際に搭載して離陸。上空で着陸用の脚を上げ、撮影の視野を広げると、一気に機体を傾けて力強く飛ぶ様子を見せるとともに「映像のためのドローンです」などと解説した。


この日、最も大きな機体を持ち込んだのはサイトテックだ。重い荷物を運ぶYOROIシリーズの最新作「Y12B1750」が幅3メートル、バッテリー込み総重量60㎏の赤い機体がフィールドに姿を現すとどよめきが起きた。6本のアームを備え、40㎏の荷物を運べる仕様だが、「実験では80キロを吊り上げたこともある」などとポテンシャルの高さを示唆した。
デモフライトでは、4mの単管パイプ2本、あわせて25㎏を吊り上げ、上空で機体を回転させて積み荷を揺らしながら安定した飛行を披露した。また荷物を地上1メートルまで降りたところで切り離して降ろし、安定を維持しながら積み荷を降ろした。さらにドラム缶3つ約40キロをぶらさげた飛行も披露。単管パイプのように揺らしながら安定して飛行できることを示した。同社は「すでに山や谷などで運用されている」と話した。なお大きな機体の準備や撤収などの一連の作業がすべて速やかで、鍛えられたオペレーションぶりも印象的だった。


また、日唯一のハイブリッド機を飛行させたのが国産ドローン開発を手掛けるエアロジーラボだ。デモ機は今年お目見えしたばかりのAeroRangeQUAD(エアロレンジクアッド)で、混合ガソリン4リットルを燃料に発電機で電気を起こし、4つのプロペラで飛行する。発電機から絶えずバッテリーに給電されるため、バッテリー消費の大きい回転翼機でありながら最大で140分飛行を続けることができる。機体には給油口があり、フィールドでも給油する光景が印象的だった。
デモフライトでは発電機を起動させるとフィールドにバイクのようなエンジン音が響き、その後オペレーターの指示で浮上すると、安定した飛行を見せた。積み荷がなければ2時間以上飛び続けることができる機体で、この日は10分の短時間飛行ながら、長時間飛行の潜在力を見せつけた。3月には石垣島でユーグレナバイオ燃料を使った輸送実験も成功させていて、クリーンエネルギーの活用を模索している。11月25日(木)には、飛行見学会の開催も予定している(12:00~、13:00~、14:00~、15:00~ 受付は先着順、場所は大阪府豊能郡能勢町宿野の能勢高原ドローンフィールド。希望者は、希望日程、参加者数を【Email:support@aerog-lab.com】まで連絡を)。谷紳一社長も会場を訪れデモフライトの様子を見守った。


競技場と道路を挟んで隣接する体育館では、ドローンの機体、技術、サービスなどを展示する展示会も開催され、多くの来場者がブースを訪れていた。中にはドローンの凄腕パイロットや、AGV、ドローン開発の先駆者などの姿も見られた。ドローン産業を応援し、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)のアンバサダーとして活躍するシンガーソングライターSaashaもブースをのぞき込んだり、出展者の話に耳を傾けたりしていた。陸上自衛隊東富士演習場自衛隊が立地することもあり、会場内では関係者の姿を見かけた。
出展していたのは、ENWA株式会社、菱田技研工業株式会社、エアロセンス株式会社、イエロースキャンジャパン株式会社、株式会社イデオモータロボティクス、株式会社エアロジーラボ、有限会社森山環境科学研究所、Pix4D株式会社、ジオサーフ株式会社、株式会社WorldLink&Company、有限会社ボーダック、株式会社ジェピコ、株式会社空撮技研、サイトテック株式会社、エアロファシリティー株式会社、株式会社トプテック、株式会社ドローンママ、ESRIジャパン株式会社、株式会社リヴィングロボ、株式会社NTTドコモなど。
御殿場市に展開する米海兵隊キャンプ富士の関係者も会場を訪れ、投稿サイトに「このようなイベントはテクノロジーの理解、地域のつながり維持、同盟関係の強化に重要」と絶賛した。
UAVデモンストレーションは、慶応義塾大ドローン社会共創コンソーシアムが2018年6月に神奈川県藤沢市の県立湘南海岸公園で「湘南UAVデモンストレーション」として開催したイベントが最初の取り組みとなった。このときは江ノ島を背景に国内外の機体の飛行をお披露目した。翌年の2019年以降、静岡県御殿場市に会場を移し、2019年9月に「富士山UAVデモンストレーション」を開催。以降、毎年の恒例行事となっている。すでに来年の開催も決まり、御殿場がドローンのまちとして毎年来場者を迎えることになりそうだ。





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NTT e-Drone、腐食の深さを推定するAIの提供を開始 画像から簡易推定 株式会社ACSL(東京)は12月23日、2026年度~2028年度を対象期間とする中期経営方針「ACSL Accelerate FY26」を策定した。今後3年間の年平均成長率を20%以上と掲げ、売上高は2025年12月期見込みの27億円を2028年12月期に50億円以上に押し上げる。新製品として軽量の小型空撮機を2026年中盤から後半に、AI搭載の小型空撮機を2028年前半に投入する計画だ。これまでの「ACSL Accelerate FY」シリーズの目標は2度とも未達、または未達見込みとなる中、「ACSL Accelerate FY26」は経営体制刷新を受けて「三度目の正直」に挑むことになる。
「ACSL Accelerate FY26」は、ACSLが2020年8月に策定した、10年後(2030年)に目指す姿を描いた「マスタープラン」の実現に向けた3か年計画だ。マスタープランでは、2030年に売上高1000億円以上、営業利益100億円以上を「目指すべき姿」として掲げている。「ACSL Accelerate FY」シリーズはこの計画を実現するための中期戦略にあたる。これまでに「ACSL Accelerate FY20」、「ACSL Accelerate FY22」を策定していて、今回の「ACSL Accelerate FY26」は第三弾で、ACSLは「マスタープランの実現に向けた成長の第三章」と位置付けている。
ACSL Accelerate FY26の対象年度は2026年度~2028年度(2026年1月1日~2028年12月31日、12月期ベースの3年間)で、期間を通じた目標売上高を「50億円~」と記した。年平均成長率を20%以上と設定している。ACSLは今年11月、2025年12月決算期の連結売上高見通しを31.5億円から27億円に下方修正している。2025年12月期の会社予想27億円を起点に単純計算すると、年20%成長では約46.6億円となり、50億円達成にはそれを上回る成長が必要になる。目標の50億円達成には成長率の20%以上の「以上」部分が重要になる。ACSLは主に防衛分野や米国市場での既存機の代替需要を重視している。
また2028年度時点での営業損益の黒字化も掲げていて、次世代機投入による利益率改善などを見込む。
重要戦略として①先端技術による機体進化②強靭なサプライチェーンの構築③北米事業の本格拡大④防衛・安全保障分野への貢献⑤社会インフラ維持・管理の国産化⑥持続的な財務基盤強化の6つを掲げている。
「先端技術による機体進化」として、2種の新型機投入を明記している。ひとつが2026年中盤から後半にかけて、軽量で長時間飛行が可能な小型空撮機を投入する計画で「次世代小型空撮機体」と記載、もうひとつが2028年前半にAIを搭載して自律飛行する小型空撮機投入の計画で「次々世代小型空撮機体」と記載している。
「北米事業の本格拡大」としては、インフラ点検や消防、警察の需要を見込む。現地での連携を進めるほか、米国市場向け製品開発も加速する方針でIRカメラなどを例示している。同社は2023年に「SOTEN」の販売を開始するなど米国市場にアクセスを進めているほか、米国の国防権限法(National Defense Authorization Act、NDAA)が定めるセキュリティ基準に準拠している。特定国由来の通信・部材・ソフトウェアを用いていないことや機体が収集した機密データが敵対的な外国のサーバーに送信されないことを証明する必要があり、準拠していない機体は、連邦政府機関が導入できないため、準拠は米国での追い風になりうる。
ただしFY22ではインド市場に成長機会を見出したが、FY26では北米市場を主要な成長軸として明確に位置付けた。インド市場では一定の売上は計上したものの、持続的な成長にはつながっていない。米国市場ではNDAA準拠を獲得している点がインドと異なるといえそうだ。それでも海外市場の環境変化リスクはつきまとう。
ACSLの業績はたびたび下方修正に見舞われている。マスタープランを発表した2020年度は当初、14.0億円〜17.0億円と公表していたが、マスタープランを8月に発表したあとの11月に10.0億円〜14.0億円に修正、結局6.21億円で着地し、新型コロナによる実証実験や受注の遅れを理由にした。2021年12月期には決算期を3月から12月期に変更することも発表した。
その後も2022年12月期では純損失を大幅下方修正するなど業績としてはふるっておらず、2023年12月期は期初見通しを非開示とし結果として純損失25.4億円を計上した。2024年12月期には売上高33.4億円と前期比3.7倍に広がりそれまでのピークをつけ、2025年12月期も当初は30億円超を見こんだものの、11月に27億円に下方修正している。
ACSL Accelerate FYシリーズの第一弾となったACSL Accelerate FY20では、2023年3月期の売上高を55億円と掲げていたが、結果として8.96億円にとどまった。しかも計画期間中に決算期を12月に変更したため「8.96億円」は2022年12月期の売上高となりACSL Accelerate FY20の目標値と単純比較ができない数字となるなど混乱を生じた。2022年11月には「ACSL Accelerate FY22」を策定し「2025年度に売上高100億円」を掲げたが、2025年12月下旬時点で27億円とする見通しが公表されている。その中で今回、「ACSL Accelerate FY26」で2028年度の売上高を50億円に設定された。
同社が2020年に発表した2030年に売上高1000億円を掲げるマスタープランは維持している。市場関係者の間には、マスタープランの掲げた数字の達成は遠くなったとの見方が広がる。一方で経営体制はこの間に刷新された。「ACSL Accelerate FY26」が着実に達成されるかどうか市場は注視することになりそうだ。




ドローンが補助者なし目視外のレベル3.5飛行で飛行中、AIで地上の人を検知するといったん停止し、オペレーターに通知する実験が日田市<大分県>で行われた。
実験は12月1日から4日にかけて、KDDIスマートドローン株式会社(東京)、株式会社ノーベル(日田市)、株式会社ARISE analytics(東京)、大分県、日田市が、総務省に採択された「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」として実施した。機体にはMatrice 350 RTKを使い、機体側でデータ処理を行うAIを搭載した。
12月23日の発表は以下の通り。
~ 飛行ルート下の人物や着陸地点の障害物のリアルタイム検知により、安全な運航を実現へ ~
KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)、株式会社ノーベル(本社:大分県日田市、代表取締役:野元 孝通、以下 ノーベル)、株式会社ARISE analytics(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:坂本 崇、以下 ARISE)、大分県(県知事:佐藤 樹一郎)および日田市(市長:椋野 美智子)は、2025年12月 1日から12月 4日にかけて、ドローン運航におけるエッジAIを活用した地上リスク(飛行ルート下の人物、着陸地点の障害物)検知システムの実証実験(以下、本実証)を実施しました。
本実証では、大分県日田市にて災害時の被災状況確認を想定したレベル3.5飛行(補助者なし目視外飛行)を実施し、開発したエッジAIシステムが安全な運航をサポートしうる有効性を確認しました。なお、本取り組みは総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」に採択され、実施したものです。
1.実証実験の背景
ドローンの目視外飛行において、現在はオペレーターがカメラ映像を目視監視し、周辺の安全を確保しています。しかし、ドローンの社会実装を加速させるためには、以下の課題解決が不可欠です。
・安全性のさらなる向上(ヒューマンエラーの排除)
・省人化・コスト低減(監視業務の自動化サポート)
・通信帯域の効率化(運航数増加に伴う通信混雑の回避)
これらを実現するために、ドローンのカメラ映像から地上リスクを自律的に検知するエッジAIシステムを開発しました。実証フィールドには、平成29年 7月九州北部豪雨で甚大な被害を受けた大分県日田市小野地区を選定し、災害発生時の迅速な状況確認を想定したシナリオで検証を行いました。
2.実証実験の概要
・実施日時:2025年12月 1日~12月 4日
・実施場所:大分県日田市 小野地区
・使用機体:Matrice 350 RTK
・検証内容:エッジAIを活用し、以下のリスク検知およびオペレーター支援を行いました。これによりオペレーターの運航サポートとして機能し、さらなる安全性向上、オペレーターの負担低減、省人化に有効であることが確認できました。
(1)第三者の検知と回避:一般道路を歩行する人物をAIが検知し、機体を自動で一時停止させると同時にオペレーターへ通知。人物の通過確認後、運航を再開。
(2)着陸地点の安全性確認: 着陸地点にある障害物をAIが検知し、一時停止および通知。オペレーターの判断により別の安全な場所へ着陸。
3.各社の役割
| KDDIスマートドローン | 事業企画、全体統括 |
| ノーベル | ドローン運航、実証フィールド調整 |
| ARISE | AI開発、検証 |
| 大分県、日田市 | 実証フィールド選定及び提供、地域住民および関係機関への調整協力 |
4.今後の展望
5者は、本実証で得られた成果をもとに、エッジAIの検知精度向上を進めます。将来的には、平時のインフラ点検や物流、有事の災害対応など、様々なシーンにおいて安全かつ効率的なドローン運航の実現を目指し、地域課題の解決と社会実装に貢献していきます。
(注1)エッジAI
ドローンにAIを搭載し、データ処理を直接行う技術です。これにより、ドローンに搭載されたカメラ映像から人物や障害物などの地上リスクをリアルタイムに判断し、通信遅延を防ぎ即時的な運航サポートを可能にするとともに、クラウドへの通信量を大幅に削減します。
(注2)総務省 地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)実証事業概要


株式会社NTT e-Drone Technology(朝霞市<埼玉県>)は、鋼材の劣化具合を画像から推定する新サービス「腐食深さ推定」の提供を12月10日に始めた。同社が提供している損傷解析AIサービス「eドローンAI」に追加された。
新サービス「腐食深さ推定」はNTT e-Droneがドローンによるインフラ点検に役立つ技術として提供している損傷解析AIサービス「eドローンAI」のひとつだ。すでに提供している錆検出機能のオプションサービスとして開発した。
ドローンやスマートフォンに搭載したカメラで撮影した鋼材の画像があれば、腐食の深さをAIが自動で推定する。従来は肉眼で予測していた鋼材の劣化具合や健全度を定量的に評価することが可能になる。
発表によると、新サービス「腐食深さ推定」はNTT株式会社(NTTアクセスサービスシステム研究所)のR&D成果を活用し、インフラ構造物で実施した試験で誤差は平均0.29mmだった。
発表は以下の通りだ。
社会インフラ構造物は私たちの生活や経済活動を支える重要な設備ですが、その老朽化は深刻な社会問題となっています。老朽化を加速させる要因の一つに、鋼材の腐食があります。腐食が進行すると鋼材の断面が欠損し、耐久性や耐荷性能が低下し、最終的には破損や崩壊のリスクを高めます。そのため、設備管理者にとって腐食箇所の鋼材厚を正確に把握することは極めて重要です。
しかし、現行の点検方法では腐食による鋼材厚の把握は困難です。現在は検査員が目視で外観の腐食を確認するのみで、腐食深さ(断面欠損量)までは分かりません。超音波による厚さ測定も可能ですが、探触子を直接当てる必要があり、設備全体で実施するには膨大な作業コストがかかります。さらに、大型構造物では足場設置など追加コストも発生します。
その課題解決のために、NTT イードローンは、NTT株式会社(NTTアクセスサービスシステム研究所)のR&D成果※1を用いて鋼構造物の検査の効率化を支援する「腐食深さ推定」サービスの提供を開始します。
※1:社会インフラの点検DXに向け画像認識AIで鋼材の腐食深さ推定を可能とする技術の実証実験を開始
https://www.nttedt.co.jp/post/kumagaya-20241003
本サービスは損傷解析AIサービス「eドローンAI」の錆検出機能のオプションサービスで、錆検出機能と本サービスを同時にご利用いただく事で、錆領域の検出と腐食深さを同時に解析できます。また、ひび検出機能のオプションサービスとして、コンクリートの「剥離」「鉄筋露出」「漏水」「遊離石灰」を検出する機能も、あわせて提供開始いたします。なお費用につきましては、お客様のご利用方法やご要望に応じて、お見積もりをさせていただきます。
サービスホームページ
https://www.nttedt.co.jp/edrone-ai
特長① 国内初の画像から腐食深さを推定する機能
・腐食の表面を撮影した画像から腐食深さを推定する技術を社会実装したのは国内初で、他にはない機能
特長② 高精度な腐食深さ推定
・実際のインフラ構造物に発生する腐食の深さを測定したデータを収集し学習させているため、高い精度での推定を実現(実測データとの平均誤差は0.29mm)
2025年12月10日(水)


航空自衛隊笠取山分屯基地第一警戒隊(津市<三重県>)は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA、東京)と、災害発生時にドローンによる応援が円滑に実施できるための協定を締結した。空自部隊側から要請があれば、JUIDAのボランティア防災チーム「JUIDA‐D³(ディーキューブ)」が応援する。笠取山分屯基地第一警戒隊は今後、連絡や任務遂行までの一連の流れを訓練に取り入れる方針だ。またJUIDAの鈴木真二理事長もD³について「規模、内容を拡大していきたい」と述べ、要請にこたえる体制の確立を図る考えを表明した。
締結は12月5日、東京のJUIDAの事務所で行われ、JUIDAの鈴木真二理事長と、航空自衛隊笠取山分屯基地第一警戒隊の松永康佑隊長(兼笠取山分屯基地司令、二等空佐)が協定書に調印した。協定の名称は「航空自衛隊第一警戒隊と一般社団法人日本UAS産業振興協議会との災害時応援に関する協定」。第一警戒隊は国内に複数あるが、今回は笠取山分屯地第一警戒隊との協定だ。
一般に分屯基地は不審な飛行物体やミサイルの飛来を警戒するためレーダーで防空警戒にあたる。立地もこの任務のため山頂に置かれることが多い。地域一帯をみはらす場所にあることから、大きな災害が発生すると災害活動の拠点になることがある一方、道路が寸断されると分屯基地自身が孤立するリスクも抱える。
JUIDAと協定を締結した笠取山分屯基地も、三重県津市、伊賀市の笠取山山頂にある。防災活動の拠点となれば物資輸送や情報収集搬送の拠点となり、道路寸断などの孤立リスクに直面しつつも基地機能の維持が重要だ。このためドローンの応援を受けられることが有効だと判断した。協定は笠取山分屯基地第一警戒隊から申し入れ、JUIDAが受け入れたため、締結された。ドローンの運航はJUIDA側が担うことになる見通しだ。
調印の席で会見した松永康佑隊長は、協定の申し入れを受け入れたJUIDAに謝辞を述べたうえで、「災害が発生した際は当分屯基地から災害派遣対応として人員、物資の輸送が行われます。また山岳地帯に所在しているため、災害発生時に地域の支援拠点となりうる基地機能を維持する必要があります。そのためにもJUIDAと協定を締結することは非常に重要」と意義を説明した。
JUIDAを選んだ理由について松永隊長は「全国規模のドローン組織であるD³を組織しており規模的にも能力的にもわが国で最大規模のドローンによる災害対応が可能」と解説。「分屯基地を取り巻く厳しい気象条件や山手に位置するリスクを克服し災害に関する様々な支援をしていただける」と期待も表明した。
支援内容については「道の寸断等により孤立した地域、被災者に対する救援、支援。地域の支援基礎となる分屯基地そのものが孤立した場合の物資の輸送支援を受けること」などを挙げたほか、調印式を進行した自衛隊OBでもあるJUIDAの嶋本学参与が「山火事のさいの残火監視」を例示した。物資輸送については松永隊長が「一般的に」と断ったうえで「水、食料、毛布など入浴支援や人命救助(に必要な物資)」をあげた。
さらに年間2~3回ほどの訓練を実施する方針も表明した。訓練内容は今後詰める見込みだが、「どの物資をどの程度の重さで、いつまでに、どのぐらいの時間をかけて、どこまで運ぶか、といった計画をたてる訓練や、その要求をドローンのパイロットに伝える訓練。また、そのうえで安全を確保しながら物資が届いたことを確認するまでの一連の流れを訓練したい」などの考えを示した。
JUIDAは協定に基づく要請内容に応じて必要な機材、知識、能力を持つD³メンバーを派遣することになる。要請内容は災害により異なるため、要請にこたえられる幅広い体制を整えることが重要になる。
JUIDAの鈴木理事長は、「D³はご理解頂いた団体や組織の参加を頂いているところですが、活動を広げることが必要になってくると思います。今年設立したばかりでまだ緒に就いたところですのでこれから規模、内容を拡大していきたいと考えています」とD³の充実に力を入れる方針を表明した。
一方で、D³の母体であるJUIDAは産業振興を目的とする民間団体で、防災専門組織ではない。防災活動を進める場合、産業振興活動とのバランスや、産業振興にもたらすメリットなどの説明が求められることも想定される。JUIDAはすでに全国各地の自治体や、陸上自衛隊の部隊などと協定の締結を進めていて、今回は初めて空自部隊との協定となった。空自にとって今回の提携は「先駆け的」(松永隊長)で、今後より大きな、または上位の部隊との提携に発展する可能性もある。このため協定が会員にもたらすメリットに関する説明の機会も増える可能性がある。
鈴木理事長は協定のあいさつで「連携によりさらに災害時のドローンの活用というところが進むということが期待されます」と需要拡大に期待を表明。さらにJUIDA会員にもたらすメリットについては、「JUIDAでは全国的なスクールを展開しています。これは各地で災害が起きた時により近場で対応して頂ける体制につながっているかと思います。スクールさんにより防災活動への問題意識は濃淡があります。今後は操縦の教育だけでなく災害時の対応も各スクールと連携しながら進めていきたいという風に思っています。スクール以外の会員さんでドローンの企業さんにも多く参加して頂いております。メーカーにとっては、どういったニーズに対してどういったドローンが提供できるのか、など開発の目的を明確化するところでこういった活動に参加していただくメリットを感じていただけると考えているところでございます。今後各地でたくさんのドローンが求められるという状況にございますので、国内のドローン産業の育成というところでも役に立てればと思っています」と述べた。
JUIDA会員の中には、困っている人を助ける強い意志を持つ事業主も多く、能登半島地震のさいにはJUIDAからの呼びかけに率先して参加した会員が現地で躍動した。今後、こうした強い意志を持つ会員の活動場面の提供と、産業振興とのバランスがより重視されることになりそうだ。


ブルーイノベーション株式会社(東京)の熊田貴之社長がドローントリビューンのインタビューに応じ、「お客様」との向き合い方について語った。同社は複数のドローンやロボット、センサーなどを統合管理するデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」や、球体ドローン「ELIOS」シリーズ、ドローンポートなどの事業を展開していて、取引先、顧客との関係について模索を続けている。
ブルーイノベーションはBEP技術を軸に、「点検」、「ドローンポート」、「教育」、「ネクスト」の4つに分類したソリューションを提供している。11月14日に発表した2025年12月期第3四半期決算によると売上高は、7億7000万円で、1年前の第三四半期から4.3%増加した。売上高を構成する4ソリューションのうち「点検ソリューション」の構成比が46%と半分近くを占めた。
熊田貴之社長 「わたしたちはソリューションを提供している会社ですが、ソリューションはお客さまの声をしっかり聞くことなしに作れません。ドローンの機体を開発する、販売する、ということにだけ集中してしまうとプロダクトアウトになり、お客さまの要求に必ずしも合致せずにソリューションにならない、あるいは十分ではないということが起こりえます。ソリューションを提供するには、機体をお客さまの求める作業や動作ができるようアプリケーションが必要になるかもしれません。場合によってはドローンでない方がソリューションとしてふさわしいかもしれません。ソリューションはお客さまのご要望を伺うところから始まります。わたしたちはお客さまとメーカーとをつなぐ部分を担う面があるのかもしれません」
――持ち味はドローンやロボットなどの統合管理プラットフォーム「BEP」だ
熊田社長「はい。主な対象はドローンですが、お客さまとは無人搬送車の運用の話もしています。無人搬送車の複数制御。これにドローンが組み合わされることになれば、走る、飛ぶが統合されて、制御系に対するニーズにつながるのだと思います。それまでお客さまのご要望を伺いながら試行錯誤をしてまいります。プラットフォーマーになることは、その技術がみんなの共有財産になるということだと思っています」
――お話の随所に「お客さま」が登場し、強い意識を感じる
熊田社長「一般論ですが、ドローンに関連する産業が実証実験の段階から商売やビジネスなどの事業の段階に移りつつあることと関係しているかもしれません。実験は提供期間が実験の期間に限られます。それに対して商品を提供する事業段階になると、購入頂いた先での満足度の重要性が高まります。わたしたちも社内でカスタマーサポートの重要性に対する認識が日々高まっています」
――たとえば
熊田社長「ドローンポートは、購入頂いたお客さまのもとにずっと置いてあるわけです。そうするとお客さまからのご意見も寄せられます。問い合わせ、不安、クレーム、トラブル連絡など含めて、お客さまの声に向き合う期間が長くなります。わたしたちも十何年ドローン関連の事業に取り組んでおりますが、お客さまを担当する担当者が現場で親身に対応するフェーズから、組織として対応するフェーズに変わってまいりました。お客さまと向き合うサービスのフェーズに入ってきた、と言い換えてもいいかもしれません。ほかの会社ではすでにできているところもあるのだと思いますが、わたしたちは今年、社内にその体制をつくりました」
――トラブルを現場まかせにしない
熊田社長「はい。経営会議でも話をします。それはそのお客さまの中でわたしたちのサービスが浸透し始めている裏返しでもあると思っています。産業全体でもドローンがサービスのフェーズに入りつつあることを示しているかもしれません。いまではわれわれの提供しているプロダクトやサービスなどを通じて、LTV(Life Time Value)をしっかり提供できているか、本当の意味で長くお客さまに価値を提供するか、より強く意識するようになりました。LTVがKPIにもなりました」
――「お客さま」重視のサービスの会社だと
熊田社長「それを目指していますが、正直なところ、まだ全然です。ようやくそのフェーズに入ったという感じです。サービスがお客さまに浸透していくプロセスを体験している段階かもしれません。カスタマーサポートには大きなコストがかかる面もありまし、決して華やかなことばかりではないです。注目もされないし記事にもなりません。それを繰り返していくことが大事なのだろうと思っています。いま巨大企業になっているメーカーもそこからはじまって、やがて強いブランドになっています。わたしたちもそこを通っていかなければいけないと感じています。社内でもお客さまからの声に、現現も組織も対応する。会社としてちゃんと向き合おうという話をしています。営業、開発、保守などすべてです」
――ありがとうございました。

「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2025 in 関西」は11月27日閉幕し、二日間の合計で3006人が会場を訪れた。事前に公開していた来場者目標の3200人には届かなかったが、期間中は来場者、出展者の笑顔がはじけた。機体メーカーなど主要プレイヤーの出展の上積みなどが、来場者拡大のカギとなりそうだ。
Japan Drone関西は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の主催、株式会社コングレの共催で11月26、27日の2日間、JR大阪駅直結の「ナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター」を会場に開催され、26日に1604人、27日に1402人が足を運んだ。講演、パネルディスカッションなどのステージには2日間で1131人が参加した。来場者の中には出展者ではないドローン事業の経営者、関係者も見られ、会場内で知人を見つけてはあいさつをかわす光景や談笑する様子が多くみられた。
関係者や愛好家の間で話題になったのは初出展、初公開プロダクトだ。360度カメラの開発で知られる中国のテクノロジー企業Insta360がパートナー企業と設立したドローンブランド「Antigravity」が、日本の展示会に初出展し、機体やコントローラー、ゴーグルを紹介した。日本での発売計画は未確定だが、来場者の多くが足を止め、製品の仕様や今後の計画を担当者にたずねていた。
台湾の電気機器メーカーWistronも、系列のドローンメーカーGEOSATとブースを共同出展し、GEOSATの機体3種が初公開された。イタリアのモニタリングソリューションを展開するTAKE OVERも老朽インフラの課題と向き合う日本市場の調査をかねて初出展し、来場者と意見交換をしていた。米Skydioが9月に発表したふたつの新型ドローンについて、日本市場向けの公式アナウンスが出ていない中、JapanDrone関西に出展したジャパン・インフラ・ウェイマークは、二機種のうちの屋内向けドローン「R10」について独自のポスターを張り出したほか、チラシも用意し来場者に配布するなど関心を集めた。
会場では多くのブースで来場者と出展者が意見交換をしたり、説明を求めたりしている様子がみられ、あちこちで笑顔がはじけていた。ジュンテクノサービスやMizubiyoriは会場内に設置されたプールで水中ドローンを実演し、来場者に囲まれていた。
自治体の取り組みなどを紹介するパネルも多く設置され、じっくりと観察する来場者がいた一方、説明員のいるところは限られ、見学者が途切れる時間帯もあった。自治体の取り組みについては、「主催者テーマ展示ゾーン」と「ドローン×地方創生:自治自治体PRゾーン」とに分かれて展示されていて、来場者の利便性に合致していたかどうかの検討が加えられる可能性がある。
Japan Drone関西はJUIDAが10年前から毎年、千葉・幕張メッセで開催しているドローンの大規模展示会「Japan Drone」の地方開催版で、大阪で開催するのは2度目。一度開催した地域で二度目を開催したのは今回が初めてだ。JUIDAの鈴木真二理事長は初日の講演の中で、「アンケートで大阪での開催を求める声が大きかったことが今回の開催につながりました」と話している。今後も来場者の声が開催方針に反映されることになりそうだ。







