• 2019.10.7

    飛騨市で「神岡ドローンフェス」開催し盛況 高梨選手のFPV体験に歓声

    account_circle村山 繁

      FPV体験や操作体験などドローンのさまざまな楽しみ方を味わえる「第3回神岡ドローンフェスWITH 飛騨ミュージックファーム」が10月5日、岐阜県飛騨市神岡町飛騨のスキー場、スターシュプール緑風リゾートひだ流葉(ながれは)のゲレンデで開催され、地元住民、観光客らが楽しんだ。この日のために遠方から駆け付けた観光客もいて、会場はお祭りムードと歓声に包まれた。

    柿下実行委員長 「神岡は科学の町。“ドローンの町”として認知向上目指す」

    FPV体験会でゴーグルを装着してドローンを操縦する高梨智樹選手
    FPV体験でゴーグルを装着。体を動かしながら浮遊感を満喫する姿も

      会場は民宿「流葉山荘」の前に広がるゲレンデ。ドローンパイロットで情熱大陸にも取り上げられた高梨智樹選手が直接、来場者にレース用ドローンを使ってFPV体験してもらうコーナーでは、同時に4人がゴーグルを装着して着席し、高梨選手が会場内を自在の飛ばすドローンの映像を楽しんでいた。装着したゴーグルにドローンの映像がうつしだされると、「おおお」「すごーい」と歓声があがったり、「体を動かせば楽しい」など、来場者同士で声をかけあったりして楽しんでいた。

      このほかゲージの中でドローンのフライトを体験できるコーナー、ドローンの普及を目指す女性チーム、ドローンジョプラスのメンバーによるドローンゲームのコーナー、ゲレンデの中腹まで軽トラックで送りドローンで空撮してもらう体験コーナーなどは、いずれも順番待ちの行列ができる人気だった。

      FPVの高梨選手は「来ていただく方みなさんが、とても楽しそうにしてくださるので、こちらも楽しくなる。このイベントが続くといいと思うし、こうしたイベントが全国に広がってほしい」と終始笑顔で対応していた。

      また、飛騨市と交流のある「富山ドローンスクール」を運営する北日本自動車学校(富山市)が、山荘内にドローンの展示や体験コーナーを設置。富山ドローンスクールは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールで、一般社団法人全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)のメンバーとして指導実績を積み重ねていて、今後飛騨市での指導も視野に入るという。

      会場では地元の製麺業、有限会社 「麺の清水屋」がラーメンの売店を出店していたほか、八丁味噌などの味がきいた特性のから揚げ店、カレー、スイーツ、みたらしだんご、飲料などの屋台も軒を連ね、同時開催の音楽イベントミュージックファーム」とともに会場を盛り上げた。 

     屋外を会場にするイベントでは、開催の可否が天候次第に委ねられる。今回のイベントの開催についても関係者は、開催直前まで台風の接近の影響などについて協議を繰り返すなど、対応に追われた。開催当日は秋晴れのドローン日和となり、来場者はドローンやそのほかのイベントに楽しそうな表情を浮かべていた。このイベントを知り、東京から前日にバスで来たという女性は「もてなしてもらっていると感じられる素敵なイベント。いるだけで楽しい」と話した。数年前に大阪から地元に引っ越した男性は「ドローンに触れたことはなかったが、ドローンに関わる人たち、ここのイベントの人々が楽しそうで、ドローンに触れるきっかけになるかもしれない」と話していた。

      神岡ドローン実行委員会の柿下剛委員長は「来場されたみなさんが楽しんでいただけているようでこれほど嬉しいことはない。実は第1回、第2回と天候に恵まれず、そのときは委員長を降りることも考えた。今回はみなさんが喜んでいる表情をみられてうれしい。神岡は高齢化、人口減少が進む町ではあるが、一方でスーパーカミオカンデなど最先端の研究が行われている科学の町でもあり、今後の日本を救うカギのひとつであるドローンに触れあうにはふさわしい場所。このイベントをきっかけに地元活性化につなげていきたい」と話した。

      実行委員会の理事で、飛騨市議会議員の仲谷丈吾さんも「ドローンパークも開設していて地元をドローンで盛り上げようという機運は高まっている。みなさんにドローンの町として認知して頂けるよう取り組みたい」と話した。

      神岡ドローンフェスの開催には、ドローンによる地域おこしに取り組んでいる地域として知られる町のひとつ、徳島県那賀町が協力している。会場では那賀町が地元の産品を販売するブースを出展していたほか、那賀町の地域おこし協力隊、地元の活性化を目指す一般社団法人地域おこしドローン社の喜多幸治代表らが乗り込み、来場者に盛んに話しかけては神岡、ドローン、那賀町をPRしていた。

    神岡ドローン実行委員会、実行委員長の柿下剛さん(右)と、理事で飛騨市議会議員の仲谷丈吾さん。柿下実行委員長は「天候に恵まれなかったときには辞めようと思ったこともある」というが、名刺にはいまも「実行委員長」とある
    富山ドローンスクールが展示した機体にも多くの人が見入っていた
    ドローンジョプラスのゲームは子供たちに大人気。高齢化が進んでいる町だが、企画がおもしろければ子供たちが集まることを証明
    第1回から開催に協力している徳島県那賀町からやってきた、地域おこしドローン社の喜多さん(右)は、大阪から移り住んでいる地元にお住まいの布施住民とすぐにうちとけていた
    せっかくなので高梨選手の休憩タイムショット。あ、もちろん右が高梨選手です、はい。
    開催直前の会場の風景。台風の影響も心配されたがドローンのお祭りを開催するには絶好の天候となった

    AUTHER

    村山 繁
    DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
RECENT POST