いわゆる空飛ぶクルマなどを開発する株式会社SkyDrive(愛知県豊田市)は、ベトナムのインフラ開発を手掛けるパシフィック・グループ(Pacific Group Co Ltd、ベトナム・ホーチミン市)から、SkyDriveが設計開発中の空飛ぶクルマ「SkyDrive式SD-05型」の購入予約(プレオーダー)を受け、両者で覚書を交わしたと発表した。2026年以降にまずは10機を納品する計画だ。パシフィック社の事業環境などに応じ、最大100機まで納品するオプションが含まれる。SkyDriveの空飛ぶクルマの販売について、購入に関わる契約が公表されたのは今回が初めて。ベトナム都市部の渋滞問題への貢献が期待される。SkyDriveの空飛ぶクルマをめぐっては、国内外で複数の交渉が進んでいる。
SkyDriveによると、覚書を交わしたのは11月28日。10機のSD-05をパシフィック社に販売することが盛り込まれた。SkyDriveは機体提供の形式を販売、リースなど複数の方法を検討している。パシフィック社に対しては「販売」で覚書が交わされた。価格もふまえた覚書になっている見込みだ。また覚書には、パシフィック社は90機まで増やせる選択肢を持つことが盛り込まれた。今後、SkyDriveに生産の申し込みが殺到した場合も、パシフィック社は100社までの追加できることになる。
SkyDriveは、いわゆる空飛ぶクルマの開発する企業として世界的に知名度を高めている企業のひとつで、世界のスタートアップによるピッチコンテスト「Startup World Cup」に日本大会で優勝して世界大会に進み、10月に米サンフランシスコで開催された大会では決勝に進み、準優勝を飾っている。その後もドバイなど世界各地でプレゼンテーションが進み、現在、国内外から問い合わせを受けている。
SkyDriveは、購入について①購入先との基本合意が成立している②購入先が公表に合意している、などの基準を満たしたケースについて、購入実績を公表する方針を決めている。今回のパフィシック社の購入予約は、この基準を満たして公表された初めてのケースとなる。
※「空飛ぶクルマ」は、手軽に空を移動する乗り物をさす場合に汎用的に用いられる。日本では、電気で動き、垂直離着陸が可能で、自動で飛ぶ乗り物が「ひとつのイメージ」と説明される。「クルマ」とは、手軽であることの象徴として便宜的に使われており、必ずしも道路を走ることが求められていない。また「自動」で飛ぶことが想定されながら、パイロットが乗り込んで操縦することも排除しない。諸外国では用途によって呼び名が使い分けられている。SkyDriveもFlying vehicle、Urban Air Mobility(UAM)、eVTOLなど場面に応じて使い分けており、プレスリリースでは、空飛ぶクルマの定義はない、と断っている。ほかに使われている言葉として、自動車が空を飛ぶことを強くイメージしたFlying carや、先端技術を意識したAdvanced Air Mobility (AAM)、Advanced Air Mobility eVTOL vehicleなどが使われている。
SkyDriveの発表は以下の通り。
「空飛ぶクルマ」(※1)および「物流ドローン」を開発する株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役CEO 福澤知浩、以下「SkyDrive」)は、Pacific Group Co Ltd(本社:ベトナム、会長兼社長 Le Ngoc Anh Minh、以下、「Pacific Group」)と、空飛ぶクルマ導入に関する覚書を2022年11月28日に締結したことをお知らせいたします。本覚書により、SkyDriveは、設計開発中の「空飛ぶクルマ」の商用機「SkyDrive式SD-05型」(以下、「SD-05」)の最大100機のプレオーダー(10機の確定、90機のオプション)を合意しました。
■ 本提携の背景と今後の取り組み
SkyDriveは現在、小型で電動、2人乗りの空飛ぶクルマ「SD-05」の開発に取り組んでいます。2021年10月には、国土交通省が「SD-05」の型式証明申請を受理し(※2)、日本で初めての型式証明取得を目指して開発を推進しております。
Pacific Groupは、ベトナムにおける鉄道や高速道路など、国から公共の仕事を受託し、インフラ開発を行っています。
ベトナムでは日常的に深刻な交通渋滞が発生していて、社会問題として残っています。SkyDriveとPacific Groupは、本社会課題を解決するために、ベトナムで、空飛ぶクルマの活用が重要と考え、本プレオーダーに合意することとなりました。
今後SkyDriveとPacific Groupは、ベトナムにおいて空飛ぶクルマの活用による社会課題解決を目的として、運航オペレーター、バーティポート(離発着場)や給電インフラなど、実現にあたり必要なあらゆるステークホルダーと共に協力して進めて参ります。
■ 各コメント
株式会社SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩
ベトナムの名物とも言える、都市部のバイク、自動車がひしめき合う道路は、活気があり刺激的に感じます。しかし、一方で交通渋滞という社会問題を引き起こしているという現状、また排気ガスを多く排出するという環境問題を考えると、解決する必要がある重要な社会課題の一つかと思います。バイクや自動車の数は増加するばかりで、道路や駐車場の整備に時間を要する状況の中、空を使った移動手段「空飛ぶクルマ」をベトナムの新しい交通インフラの一つとして整備し、ベトナムの社会課題の解決に貢献できると嬉しく思います。国内に多種多様なビジネスネットワークを持つPacific Groupと提携し、Pacific Groupと共にベトナム市場に「空飛ぶクルマ」という新しい移動方法と、移動の楽しみを提供できることを楽しみにしています。
Pacific Group Co Ltd 会長兼社長 Le Ngoc Anh Minh
ベトナム政府は、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)で、2050年までに温室効果ガスの排出量を正味ゼロにすることをコミットしました。これにより、ベトナムの企業や地域は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスや有害物質を極力排出しない、高い環境調和性を持った先進エネルギー(ゼロエミッションエネルギー)を使用する傾向にあり、今後、ゼロエミッションエネルギーを使用した移動手段は必須になると思います。一方で、ホーチミン、ハノイ等のアジアの大都市で、新しい交通手段を提供するためには、空飛ぶクルマが必要だと感じています。そのために、Pacific Groupは、SkyDriveやベトナム運輸省、ベトナム民間航空会社、ベトナム防衛省などの複数の当局と密接に連携し、空飛ぶクルマに関する動向や技術を説明し、航空許可と規制緩和をする必要があります。交通機関や規制、社会受容性等、障害が沢山ありますが、Pacific GroupはSkyDriveと共に一つ一つ解決していきたいと思っています。来年2023年はベトナムと日本の外交関係樹立50周年を迎えます。Pacific Groupのビジネスの為だけではなく、両国の化学と友好関係を強化するためにも、SkyDriveと共に活動を行っていきたいと思っています。
■「SD-05」の概要
「SD-05」は、「電動」「垂直離着陸」といった特徴を備えたコンパクトな航空機です。2人乗り(乗客1名とパイロット1名)で、パイロットが操縦しますが、コンピュータ制御のアシストにより、飛行を安定させています。当社は、将来的に「空飛ぶクルマ」が、自動車のように日常的に空の移動手段として使われる世界を目指して、開発を進めてまいりました。
この機体は、日本で初めての国土交通省の型式証明取得を目指しており(※3)、事業開始の皮切りとして、2025年の大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現を目指しています。最大航続距離は約10km、最高巡航速度は100km/hで移動できるように設計しています。ただし、今後の設計開発の進捗によりデザインや仕様変更の可能性があります。
※1 空飛ぶクルマとは:明確な定義はないが、「電動」「自動(操縦)」「垂直離着陸」が一つのイメージ。諸外国では、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)や UAM(Urban Air Mobility)とも呼ばれ、新たなモビリティとして世界各国で機体開発の取組がなされている。モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでおり、日本においても 2018 年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、2030 年代の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されている。
引用元:国土交通省(令和 3 年 3 月付) https://www.mlit.go.jp/common/001400794.pdf 引用元:経済産業省(令和 4 年 3 月付)https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/air_mobility/pdf/008_01_02.pdf
※2 型式証明申請受理に関する当社リリース
日本初、SkyDrive「空飛ぶクルマ」の型式証明申請が国土交通省により受理されました
※3 型式証明取得に関する当社リリース
https://skydrive2020.com/archives/9238
株式会社SkyDrive:https://skydrive2020.com/
Pacific Group Co Ltd:https://pcgroup.vn/
設立 2016年2月
代表者:会長兼社長 Le Ngoc Anh Minh
所在地: ベトナムホーチミン市
事業内容: ベトナムにおける鉄道や高速道路など、国から公共の仕事を受託し、インフラ開発を行っています。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は阪神・淡路大震災が発生した1月17日、ドローンによる災害対応の調整力や現場の統括力を養成する新講座、「ドローン防災スペシャリスト教育講座」を発表した。能登半島地震でドローンの運用を調整、統括した実践経験もふまえ、どこで災害がおきても現場で調整、統括できる人材の要請を目指す。避操縦にも受講を呼び掛ける。
「ドローン防災スペシャリスト教育講座」は、パソコン、スマートフォンなどを使うオンライン学習(eラーニング)形式で提供する。価格は税込み44000円で、JUIDA会員であれば38500円になる。テキストがないかわりに、3年間は繰り返し視聴できる。収録時間は4時間程度で、早送り再生での視聴に慣れていれば短縮も可能だ。終了すればJUIDAから終了証が発行される。
JUIDAが能登半島地震でドローンの運用現場を統括したさい、自衛隊や自治体、民間事業者、被災者など関係各方面との意見や都合の調整と、統括して災害対応の成果をあげることの重要性を痛感し、現場で調整役、当活役を担える人材を養成する講座をつくった。
受講対象に操縦者である必要がないことも特徴で、ドローンを用いた防災活動への関心層を広く対象としている。この中には、自治体職員、自衛隊、消防、自衛隊、DMATなどを含み、ドローン事業者も入る。
講座には、災害時のドローン運用調整、役割分担、各方面との連携を円滑に運ぶスキル、連携各方面との共通の目標設定、災害時の法令、体制構築スキル、事前準備、意思決定、最適な活用方法を判断するスキル、などが含まれている。
JUIDAの発表はこちら:https://uas-japan.org/information/information-34732/
昨年末に破産を申請したドイツのAAMメーカー、ヴォロコプターはJCAB(日本の国交省航空局)に申請している型式認証の申請について取り下げない方針だ。同社がDroneTribuneの取材に回答した。これまでに2年以上当局と良好な関係を構築しており、「今までの作業が無駄になることは特になく、申請を取り下げる予定もない」という。テスト飛行など必要な作業を続けながら、立て直しに注力し、弁護士をまじえて立て直しの方向を模索するとともに、昨年末から投資家とも接触している。
ヴォロコプターはDroneTribuneの質問に回答し、国交省航空局が申請を受理して手続きを進めている同社の2人乗りeVTOL型AAM「VoloCity(ヴォロシティ)」の型式認証(TC)取得について、申請を取り下げない方針を明確にした。航空局も受理した申請について手続きを継続する姿勢を示しており、当面は従来通り、TC取得手続きが進行む。
ヴォロコプターのTC申請については、国土交通省航空局(JCAB)、欧州航空安全機関(EASA)と日欧それぞれの航空当局が受理し、これに基づいて手続きを進めている。当局が受理したのは2023年2月21日だが、ヴォロコプターが申請したのはその前年(2022年)の末だ。これをふまえ、ヴォロコプターは「2年以上EASA&JCABと良好な関係を築いているうえで、技術説明、テスト飛行、書類の整理などを行なっております。昨年、大阪・関西万博での飛行が商用運航からデモ飛行に切り替わったことに伴い(TC取得を)急ぐ必要性が薄まり、プロセスを一時保留しておりますが、今までの作業が無駄になることは特になく、申請を取り下げる予定もありません」と話している。
一方、再建にも注力する。現時点で具体策はまとまっていない中、もともとコスト管理を徹底して対応を進めており、立て直す箇所の特定を弁護士とともにすすめている。「他社と比較し認証費用を半分以下に抑えている」ケースもある中で、EASA監査の75%を完了していて、当面は投資家との連絡も図りながら再建策構築に注力する方針だ。
ヴォロコプターがTC取得を目指しているヴォロシティは2人乗りのeVTOL型AAMで、18 個の電動ローターを搭載し35㎞の航続飛行を想定している。海外製AAMの中では日本でなじみの深い機体のひとつで、2023年3月には、実物大モデルをJR大阪駅に隣接する大規模複合施設「グランフロント大阪」で公開され、居合わせた来場者や通行人の搭乗体験を受け入れていた。もともと、大阪・関西万博で飛行を披露する機体に含まれていたが、2024年9月に飛行を担う4グループのひとつ、日本航空、住友商事グループが、運用機体をヴォロコプターのヴォロシティから、米国 アーチャー社(Archer Aviation, Inc. )のMidnight(ミッドナイト)に変更することが公表された。なお、運用機体変更のタイミングで、万博での運航チームそのものも日本航空、住友商事から両者が出資する株式会社Soracle(ソラクル、東京)に引き継がれている。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は会員向けに株式会社ウェザーニューズ社が登壇するWEBセミナーを案内している。テーマは気象リスクでJUIDA会員は無料で受講できる。登録方法などはJUIDA会員に直接連絡している。
JUIDAは会員向けのサービス提供に力を入れていて、ウェザーニューズのセミナーもその一環だ。セミナーはWEB会議ツールを通して行われ、ウェザーニューズの無料アプリを使いながら気象リスクを説明する。
JUIDAの会員向けには1月下旬に、JUIDAの鈴木真二理事長が年間スローガンを公表することで知られる新春パーティーを開催し、会員相互の親睦を図る。例年、ドローン議連を構成する国会議員らがかけつけあいさつをする機会にもなっている。
国交省航空局は1月6日、ドイツのAAM開発事業者、ヴォロコプターから受理している型式証明申請の手続きを当面、継続する方針を明らかにした。ヴォロコプターは昨年(2024年)末、裁判所に暫定的な破産手続きを申請しており、関係機関の対応に関心が寄せられている。航空局は、ヴォロコプターの破産を情報として把握しているものの、ヴォロコプター側から直接の報告や申請の取り下げなどの連絡は1月6日時点ではないという。航空局が申請者の財務状況を確認する決まりはなく、ヴォロコプターも事業継続姿勢を転換していないことから、当面は受理に従って手続きを進める。
航空局はヴォロコプターの破産について、同社による昨年12月30日の公表と、それをもとにした報道ベースで把握している。一方、破産に関する連絡や型式証明の取得申請に関する方針転換などの連絡はないという。航空局は「手続きにはリソース(労働、時間など)を投入しており、関心は持っている」ものの、ヴォロコプター側から方針を転換する意思表示などがないいため、「受理した状況が維持している前提で作業を続けることになる」という。
ただし、「型式証明の手続きは、航空局が一方的に行うものではなく、申請側(この場合はヴォロコプター)とやり取りをしあう」ため、その中で方針に関する意図が表明された場合には、改めて対応を検討する可能性がある。
ヴォロコプターは昨年(2024年)12月30日、4日前の2024年12月26日に、拠点のあるバーデン=ヴュルテンベルク州のカールスルーエ高等裁判所に破産手続きの開始を申請したことを公表した。裁判所は申請の翌日に暫定破産管財手続きを開始し、現在、管財人の下で対応を進めながら、事業を継続している。同社の公表文では「破産」に該当する英語をinsolvencyと表現していて、一般に資産を売却して、負債を返済しきれない債務超過の状態を示す。
日本では2023年2月21日に航空局がヴォロコプターからの型式証明の申請を受理したことを発表している。ヴォロコプターが申請した機体は「VoloCity(ヴォロシティ)」と呼ぶ2人乗りのeVTOL型AAMで、18 個の電動ローターを搭載し35㎞の航続飛行を想定している。同社は航空局に申請した翌月の3月8日、大阪・関西万博でエアタクシーとして運航を目指す機体として、実物大モデルをJR大阪駅に隣接する大規模複合施設「グランフロント大阪」で公開していた。2024年夏のパリ五輪会場の飛行を計画していたが欧州の航空当局EASA(欧州航空安全機関)から基準を満たさない個所があると指摘を受けたことなどから、ヴェルサイユ宮殿で「VoloCity」 の前のモデル「2X」を飛行させるなど計画変更を余儀なくされていた。その後、大阪・関西万博でVoloCityの飛行することになっていた日本航空、住友商事のチームが2024年9月に運用機体を変更することを表明していて、VoloCityは万博での飛行計画からはずれていた。
一方、市場投入を目指す姿勢は維持し続けていて、万博の飛行計画からはずれたさいも、引き続き商用運航を目指す方針を示していた。破産申請も事業継続をするための選択であったと言われており、同社は管財下で財務基盤の強化を目指しつつ事業継続を模索するとみられる。
<関連>
Volocopter破産申請:https://www.volocopter.com/en/newsroom/volocopter-files-for-insolvency-in-germany
航空局がTC申請受理(2023年):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001588330.pdf
大阪で実物大モデル公開(2023年):https://dronetribune.jp/articles/22336/
青森県と一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月6日、災害協定を締結した。1月7日にJUIDAが公表し、青森県も認めた。青森県が半島を抱える地形で、地震や風水害などによる陸路の寸断に見舞われたさいに支援することなどを目指す。青森県は1月4日に豪雪対策本部を設置するなど大雪の災害に見舞われているが、青森県は、この状況に対応するための出動調整は現時点では想定していないという。
災害協定は「災害時におけるドローンによる支援活動に関する協定書」で、青森県側は危機管理局防災危機管理課が窓口となり、書面のやりとりで締結した。
締結によりJUIDAが青森県内の地震、風水害等が発生したり、発生のおそれが高まったりしたさいに、①ドローンによる調査、情報収集及び物資の運搬②操縦者の派遣、機体の提供、許認可等の手続及び他機関との調整③映像等のデータの提供④その他、協議により必要と認められる活動―などで支援をすることが盛り込まれている。
青森県は現在、大雪に見舞われ1月4日に豪雪対策本部を設置して対応しており、協定の「風水害等」には豪雪も含まれる。JUIDA側からは寒冷地に対応できるよう発電機を搭載したハイブリッドドローンの出動も選択肢に入ることを青森県側に説明している。ただし青森県では現在、道路や街中に積もった雪の処理を優先事項と考えており、ダンプなど雪を積みだす大型車両の調達を先決の課題と認識し、ドローンの出動はしていない。
JUIDAは能登半島地震のさいに現地にかけつけ、輪島市などから支援要請をとりつけて支援活動を展開した経緯がある。青森県は能登半島同様、半島がちの地形が地理的な特徴で、能登半島の教訓をいかせる可能性がある。JUIDAは「本協定の締結により、災害発生時における迅速かつ円滑な支援体制の構築を目指し、当会と青森県が連携して取り組むこととなります。また、平時からの密接なコミュニケーションを通じて協力関係をさらに深め、万が一の際に備えて参ります」とコメントしている。
ドローンの展示会Japan Droneのスピンオフ企画第二弾となる「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2024 in 関西」が12月18日、JR大阪駅に直結する複合施設、ナレッジキャピタルのコングレコンベンションセンターで開幕した。株式会社ORSO(東京)が開発した国家資格トレーニング用のマットを初公開したほか、白銀技研株式会社(岐阜県)の1人乗り機Beedol-0などを展示、飛行機好きの有志団体が開発したソーラー無人飛行機も展示されている。開催は19日まで。
18日午前9時20分から行われた開幕セレモニーでは、主催する一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長のほか、経済産業省、国土交通省、総務省、大阪府などの来賓があいさつにたち、開催に期待を寄せたあと、登壇者によるテープカットが行われた。
展示会場では午前10時の開場とともに来場者が出展ブースを訪れた。
ORSOのブースでは開発してきた新製品「DRONE STAR トレーニングマット」を初披露。同社の小型練習機DRONE STAR TRAININGを飛行させて使い心地を試せる体験会も開かれ、来場者が次々と飛ばした。ドローン人材育成の第一人者として知られる株式会社Dron é motion(ドローン・エモーション、東京)の田口厚代表取締役が効果的なマットの使い方を伝授するトークセッションも行われ、多くの来場者が足を止めた。
田口氏のトークセッションは19日も午前11時30分から行われる。
白銀技研は1人乗りのパーソナルエアモビリティBeedol-0の実機と、機体の剛性を高めるために開発中のBeedol2号の1/4試験機を展示している。設置したモニターでは試験飛行の映像が見られる。
宇都宮市(栃木県)を拠点に飛行機好きが部活のように集まって活動している有志団体、飛行機研究所は固定翼にソーラーパネルをはりつけたソーラー無人飛行機を展示し客足を止めている。設計上は24時間の飛行が可能で、一昨年時点で7時間の航続飛行を達成している。今後24時間飛行への挑戦を目指している。
伴走するコンサルティングを展開する株式会社Suzak(東京)、上場したブルーイノベーション株式会社、株式会社Liberawareなども人垣を作っていた。
自動車整備用具の株式会社サンコー(東京)のブースには水の気化熱で空気を冷やす業務用冷風機「ECO冷風機」が展示してある。ドローンの「ド」の字も見当たらないため客足が止まりにくいが気になった来場者が展示の趣旨をたずねると「体育館など屋内練習施設で空調が未整備な場所に設置して頂くとお役に立てるかも」という発想だったことがわかり、感心して話し込む姿がみられた。
このほか講演、パネルディスカッションなどにも多くの来場者が詰めかけている。
主催は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、共催は株式会社コングレ。総務省近畿総合通信局、農林水産省近畿農政局、経済産業省近畿経済産業局、国土交通省近畿地方整備局、国土交通省近畿運輸局国土交通省大阪航空局、大阪府、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、公益社団法人関西経済連合会などが後援している。開催は19日まで。