一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、大分県や県内の企業、大学などで構成する「大分県ドローン協議会」に対し「ドローン点検技術管理者向け講座」を提供した。JUIDAは地方創生に力を入れる姿勢を明らかにしており、今回の取り組みもその一環。今後、東京以外でのイベント開催や、東京以外に拠点を構える企業、団体との連携を拡大する見通しだ。
受講したのは大分県内の企業の管理職など41人。講座は1月中旬の5日間と2月10日の6日間にわたって提供された。原則オンラインで開催され、一部、指定された会場で行われたカリキュラムもあった。
カリキュラムは「ドローンサービス提供者コース」、「ドローン導入者コース」、「建築点検コース」、「設備点検コース」と受講者の業務に沿った対象別講座で構成された。点検全体にかかわる内容については「共通講座」が設定され全受講者に提供された。このほか選択講座も準備された。
具体的には、初日の1月18日に共通講座として、サービスの設計に必要となる「ドローンの法律、技能、運用」が6時間行われた。2日目の18日も共通講座として、サービスのイメージを獲得するための「活用事例」が4時間、技術開発の難易度などを解説する「技術開発」の講座が2時間、提供された。3日目はコースごとの対象講座があり、4日目に空撮概論や提案書の作成を内容とする講座、5日目に建築、設備点検などの講座を選択して受講するカリキュラムを織り込んだ。最終日には受講者からの選抜者の発表や表彰が行われた。
JUIDAの鈴木真二理事長や幹部職員、一般社団法人日本建築ドローン協会の宮内博之副会長、ブルーイノベーションの熊田貴之社長、熊田雅之専務のほか、UAE(アラブ首長国連邦)のドローン点検テクノロジー企業、ファルコン・アイ・ドローンズ(FEDS)社のラビ・ブ・ラシドCEO、ドローンを使った構造物異常検知を手がけるPRENAV 社のネイサン・シュエットCEOらも登壇した。
「ドローン点検技術管理者向け講座」はJUIDAが大分県ドローン協議会から「令和2年度大分県ドローン協議会 ドローン産業人材育成事業」として受託した事業。JUIDAは今後も、催事の地方開催や、地方で活躍する企業、地方自治体と連携した取り組みを強化する方針だ。
慶應義塾大学と包括連携協定を結んでいる福島県田村市にある福島県立船引高校で、9月10日、「ドローン特別講座」が開催され、船引高校でドローンに関連する活動を展開している「ドローン科学探求部」の1~3年生が、ドローンの操縦訓練に励んだ。この日も、慶應義塾大学SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表が直接手ほどきをした。中には南氏の短い助言でコツを飲み込み短時間で上達する生徒もいて、ドローンの取組に積極的な田村市での担い手育成がまた一歩、進み始めた。
この日は同校の体育館を会場に、ドローンの操作に親しんだ。講師の南氏が参加者に与えたテーマは「〇を描く」。体育館の床に描かれたバスケットボールのコートなどを利用して、トイドローンが円を描くように飛ばすことを求めた。初心者は空中に停止させるところから、手元のプロポの左右スティックの倒し方や、スティック操作に応じた機体の反応を理解させていった。
経験者には、「ノーズ・イン・サークル」や「8の字」などの飛行を求め、技量の向上を促した。
講座の途中で、周囲と距離を取る必要性や、その距離の確認方法など、飛行させるために知っておくべき基礎知識もまじえた。
トイドローンのあとには、Phantom4も操作。屋外で撮影をするなどの活動により近い飛ばし方について指導を受けた。この日は、過酷な現場でドローンを運用している専門家も南氏の補佐として学校を訪れ、生徒の指導を手伝った。
福島県立船引高校は、慶大が田村市と2016年12月に協定を締結して以来、ドローン指導を取り入れている。南氏を中心にドローンの専門家が学校に出向き、直接、指導をする「ドローン特別講座」を提供しており、これまでに映像クリエイター、ドローンレーサーら第一線で活躍する専門家が指導に関わってきた。
船引高校はそれ以外にも、独自にドローンの練習をしたり、撮影をしたり、交流希望を受け付けたりと活動の場を増やしてきた。田村市内で開催された音楽フェスで飛行させたり、市内の総合防災訓練で撮影を請け負ったりとか領域も拡大させてきた。卒業生が県内のドローン関連企業に就職したり、農薬散布の資格を取得したりと、社会に役立てる道筋も描き始めている。
船引高校の高校案内の表紙が、平成30年、令和元年、令和2年とドローンで撮影した写真が採用されているのも、ドローンが特徴であることを示しており、船引高校のドローン活動が地域の特徴を形作り、住民の誇りとなるなど、さらに地元の活性化に貢献することが期待されている。
地方の再生、活性化にドローンを取り入れる取り組みが増えています。宮城県大崎市の温泉地、鳴子温泉でも、鳴子ドローン株式会社(宮城県大崎市)が設立され、2月2日に決起集会が開催されました。観光客にドローンを活用したサービス、アトラクションを提供することなどを検討する方針です。
鳴子ドローン株式会社は、アクセンチュア株式会社(東京)で活躍した経験を持つ地元の曹洞宗の寺院、洞川院の住職、菅原利行氏が提唱しました。会社は2月2日設立で、資本金は2020万円。事業を4月1日にスタートさせる予定です。当面は地元の有志、有力者らが幹部となって、観光、監視、農業などのサービス提供を準備する方針です。またドローンやITソリューション開発を手がけるトライポッドワークス株式会社の佐々木賢一代表取締役が技術顧問に就任しました。
決起集会は洞川院で行われ、総会の前にはオープニングアクトがわりに、落語家、古今亭菊龍さんが「徂徠豆腐」を披露して盛り上げました。集会には、宮城県議会議員、大崎市議会議員,、弁護士、現役の東大生らも参加、鍋料理を囲み、日本酒を交わしながらなごやかに行われました。また、幹部の多くはこの日、提唱者である菅原氏から名刺を「はい、これ」と渡されて初めて自身の役割を知る“サプライズ人事”で、高橋正CEOは「急遽大役を仰せつかりました。みなさんのご協力を頂きながら、鳴子活性化のためにがんばりたい」とあいさつするなど、驚きながらも地元愛などを語りました。
鳴子温泉周辺には、5色の変化を見せる酸性湖、潟沼や、紅葉の名所としても知られる鳴子峡にかかる鳴子大橋などの観光資源があり、地元の活性化に役立てる具体策を練る方針です。
日本ドローンサッカー連盟は12月21日、大分市の大型商店街にある広場「ガレリア竹町ドーム広場」で、初の公式戦となる「オートバックスカップ2019 in 大分」を開催した。連盟のチーム3団体が総当たり戦で対戦したほか、ドローンサッカーが発祥した韓国を代表する競合の2チームが本場のテクニックを見せつけた。選手や関係者がサンタクロースの装いで商店街の季節の演出に一役買っただけでなく、予想を超える迫力に買い物客らが足を止めて人垣を作り、歓声や拍手があがるなど周辺は大きな盛り上がりをみせた。
広場にはドローンサッカーのコートとなる高さ8メートルの特設ケージを設置。敵、味方の2つの対になったリング状のゴールに、球形のガードで覆った直径40センチの「ドローンサッカーボール」をくぐらせると得点になるルールだ。敵陣ゴールへの攻撃と、自陣ゴールの防御では両陣営のドローンがうなりをあげて激しくぶつかりあうところが大きな見どころだ。
ドローンサッカーボールは見た目がまるく、かわいらしく見えるが、試合がはじまると一転、激しくぶつかりあい、筋肉質の格闘技選手の姿と重なる。ゴール前の攻防は見ごたえがあり、通りがかりの買い物客も思わず足を止め、歓声をあげたり、拍手を送ったりしていた。
特に韓国チーム同士のエキシビジョンは迫力が倍増。迫る敵を押し戻したり、攻撃を邪魔するディフェンスの間をこじ開けありと、ドローンに選手の戦意が乗り移り、観戦者も手に汗を握った。
大会に出場した、えりんぬ(中川絵梨)選手は「とても楽しいです。見ている方も楽しめますし、ぜひ参加してほしいと思いました。韓国チームは力も技も群を抜いていて、目を見張りました。すごいとしか言えない。もっと練習して上達したいですし、これを通じてドローンサッカーやドローンを盛り上げていきたいです」と話していた。
日本ドローンサッカー連盟は、今年11月28日、株式会社オートバックスセブン、株式会社オーイーシー、AOSテクノロジーズ株式会社の3社が設立を発表しており、競技活動を通じた地域コミュニティの活性化などを目的に設立としている。