社会課題の解決や空の産業革命の期待を担うドローン、エアモビリティなどの活躍が展望される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、ドローンや空飛ぶクルマにどんな舞台となり、どんな刺激をもたらすのか。DroneTribuneは若宮健嗣万博相(国際博覧会担当大臣)にインタビューした。若宮万博相は「未来社会の実験場にしたい」と語った。その背景には、1970年の大阪万博で積み残した課題に対する思いがあった。
――第二次岸田政権で万博相をつとめています
「大阪・関西万博」は2025年4月13日から2025年10月13日までの間、大阪の夢洲地区をメイン会場にして開催されます。海外からも多くの国に参加頂き日本の底力を世界に発信して成長を加速させる機会にできればと思っております。そのためには大阪だけでなく周辺の関西地域や全国の積極的な参加も必要です。私は万博大臣、正式には国際博覧会担当大臣ですが、そのほかに共生社会担当大臣、デジタル田園都市国家構想担当大臣、クールジャパンや知財戦略を担当する内閣府特命担当大臣でもあります。融合させるべきところは融合させ、取り組みを進めております。
――大阪・関西万博はドローンや空飛ぶクルマにとってどのようなステージになりますか
ドローンにも空飛ぶクルマにも大きな意味を持つ機会になると確信しています。具体的なことはこれから知恵を絞り創意工夫を重ねて参りますが、日本の持つ技術や創造力をお示しし、来場されるみなさま、海外からお越しのみなさまに驚いて頂き、再び日本に注目して頂ける機会にしたい。ドローンや空飛ぶクルマ、空飛ぶバイクは、周辺技術も含め、世界各国、各地域で開発が進んでいます。その中で日本は何を提案するのか、万博で何を発信するのか、ここは大きな注目点になると思っています。私としましては、こうした機体が飛ぶことで、生活がどう豊かになるのか、人々がどう幸せになるのか、といったものを示していければよいのではと思っております。
――大きな意味を持つ機会としての万博ですね
はい。「飛ぶ」を超えた価値を示したいと考えています。日本は、前回の大阪万博で世界を驚かせた実績を持っています。私自身は、小学校3年生の時に、前回の大阪万博に出かけました。そこでは特に4つ、強く印象に残ったものがあります。携帯電話、リニアモーターカー、電気自動車、ロボットです。1970年当時には、どれも身の回りにはありませんでした。私自身も初めて見るものばかりでとても驚きました。海外から来られた方もみなさん驚かれたと思います。その驚かせた4つがいまや現実になってきています。ロボットは二足歩行でないにしろ産業や介護などさまざまな現場で役立っています。携帯電話はすでに普及し、電気自動車も広がりつつあります。リニアモーターカーも計画が進んでいます。
――その時の驚きを再現したい?
それを超えたい、というのが本音です。たとえば携帯電話。1970年の万博で日本が世界に先駆けて発信して世界を驚かせましたが、現在、どこの国のメーカーが世界のマーケットでシェアを押さえているかというと、アメリカであり、韓国であり、スウェーデンであり、といった状況です。日本製は、素晴らしいのに、世界のマーケットをとっているかといえば、そうはなっていません。そこにやや“残念感”があるのです。その状況を次の万博で打ち破りたいのです。ドローンもそれになれると考えています。ドローンの開発はしばしば海外が先行している、と言われます。そのドローンで、日本のすごさを示したい。飛ばすために必要な環境や条件ですとか、ビジネスでうまくいくためのモデルであるとか、利用した企業や人々や社会が歓迎するためのスタンダードであるとか、そういったものが示せないか、と思うわけです。アフリカのルワンダで血液製剤などをドローンで運んでいるアメリカのジップライン(Zipline)という会社がありますよね。道路網の整備状況などから考えると、あの取り組みは「飛ぶ」を超えた価値があると思うのですが、そんな価値あるビジネスデルを、日本なら構築して提案できると思うのです。
――示したいのは、飛ぶことのその先、ということですか
はい。飛行そのものの質も当然ながら大事ですし、日本の強みになると思いますが、その先のことを示したいのです。ドローンや空飛ぶクルマによる生活スタイルや、ビジネススタイルの変革です。安全性と利便性のバランスをとりながら、ドローンでどのような価値を生み、どのように次の新しい生活スタイルになじませるのか。前回の大阪万博で日本が発信した技術は、マーケットを海外に占められました。しかし今の日本は当時と違います。もはや固定観念にとらわれる日本ではありません。振り返りますと、当時の日本には三公社五現業がありました。電話の事業も国の経営体制の中で運営されていました。その枠の中でもあれだけのことを発信しました。残念ながら普及に至らず、固定観念のない海外勢が普及させたわけですが、今の日本には当時の枠はありません。固定観念にとらわれない新しい発想も出てきています。ドローンが飛んで当たり前の社会を、グローバルスタンダードとして提示していければ、と思います。
――ドローンが当たり前の社会を実装するステップに?
はい。どれだけ示せるかはこれからですが。その前に、もしかしたらドローンを軍事用と感じておられる方がいらっしゃるかもしれませんので、生活の利便性を高めるものと認識して頂けるようにしたいです。良い面、悪い面がそれぞれあると思いますので、そのいい面を育てる。悪い面を減らす。AIを組み合わせることでそれができるかもしれません。普及のためには製品やサービスが普及しやすい価格になることも大事だと思います。万博会場やその周辺エリアでのサービスの中に取り込むことも考えられます。オリンピック・パラリンピックで、日本のおもてなしの心を示すことに取り組みましたが、万博でも日本の思いやりを届けられれば。行き届いていないところに手を差し伸べるようなことができれば。
――地方活性化であるデジタル田園都市国家構想にもつながりそうです
はい。デジタル田園都市国家構想は、地方も含めて全国で光ファイバーをめぐらせ、Wi-Fiが使えるように整備して利便性を高める政策です。地方の生活の中で、行き届いていない部分を満たしていく対策です。現状の生活で買い物が不便なのであれば、ドローンで宅配してもらえれば早くて便利かもしれません。その通信インフラを整えることが必要となりますので、デジタル田園都市国家とドローンは非常に相性が高いと私は思っています。私はよく街頭演説で「不便」や「不満」など不の要素を取り除く取り組みに価値があるのではないか、とお話します。日常生活もそうです。産業もそうです。不便なところがあればそれを取り除く。農業ではたとえば農業従事者の負担となる散布や生育状況の監視、養殖ではいけすの監視に使うことで、負担を取り除く。それを可能にすることに取り組むつもりです。
――それがグローバルスタンダードになればよいと
はい。不の要素を減らせば、そこで生まれたゆとりで新しい価値を生み出せます。ドローンも大きく寄与します。人々の時間の使い方や働き方も変わってくるでしょう。万博で新たな生活スタイルとかモデルを見せることで、デジタル田園都市国家構想の実現につながってくると思います。ノウハウを凝縮したものが国際ルールになれば知的財産になりますし、各国を魅了するモデルにできればクールジャパンになります。私は万博、デジタル田園都市国家とともに、クールジャパン、知的財産を担う特命大臣でもあります。それぞれがすべてつながるのです。万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」(Designing Future Society for Our Lives)をテーマに掲げております。それをふまえて、私は万博を未来社会の実験場にしたいと思っています。
――「大阪・関西万博」の「関西」への広がりをどうお考えですか
大事なことです。大阪の盛り上がりを関西全域に広げたい。ちょうど関西広域連合の8府県が大阪を囲むようにあり、それぞれ個性豊かな風土と文化を持っています。ドローンという切り口に限りませんが、関西広域連合やそこに参加する府、県、市の持つ役割にも照らして、より盛り上げられる施策につなげられればよいと考えております。万博には約2,800万人の来場を見込んでおります。特に海外からご来場の方には会場を囲む関西エリアに足を運んで頂き、たとえば京都や奈良などの古都の風情や個性や魅力を味わって頂きたいです。大阪で議論が盛り上がっておりますが、これからそれ以外の地域での議論も活発化していくと期待しています。
――経済効果も見込まれますね
インバウンドの効果も高いと思います。海外からお見えの方は年々増えておりまして、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2018年、2019年は年間で3000万人を超えました。約5兆4000億円の経済効果がありました。これは消費税の税収の2%にあたります。しかも海外の型がご自身の国にお帰りになったあとにもお買い上げいただいたり、PRして頂いたりと波及効果もあります。関西に限らず全国で、万博を地域の魅力をアピールする場にして頂いてはいかがかなと思っております。とくに関西エリアでの盛り上がりと積極的な参加を期待しています。
――デジタル田園都市国家構想に沿ったインフラ整備が進むと地域の利便性はますます高まりそうです
そうです。日本の「田舎」と呼ばれる地方都市の温泉や風景や土地の言葉や食べ物に触れて頂くことがより便利になると思います。日本にお越しのみなさまにはぜひ「田舎」にも赴いて頂き、楽しんで頂き、それを発信して頂ければと思います。発信するために必要なインフラは整えて参ります。北海道のニセコのように、海外で先に人気に火が付く、ということが各地で起こる可能性があります。地方でこそ作れるビジネスモデルに期待しているのはそこのところです。一極集中の打開につながる期待もあります。
――デジタル田園都市国家が進んで地域の利便性が高まった場合、その利便性を生かす人材の育成は
大変、重要です。地方には、自分の生活スタイルを変えたくない、住んでいる場所も変えたくない、友達が少なく交流も限定的ながらそのままでいい、買い物もここ、と決まった生活スタイルで過ごしておられて、別に新しいことを必要としていない、とおっしゃる方、刺激的なことなどいらない、とおっしゃる方がいらっしゃると思います。そこで私が思っていますことが、それぞれの自治体や地区に、よりどころになる寄り合いの進化版のようなものを作ることです。昔からあったところなら、それを少しおしゃれにして、必要で欲しい情報がそこに行き届くようにして、その土地を訪れた方も気兼ねなくは入れて交流ができるようにして。海外の方も入れるようにして。そこでは地域同士の交流の場でもあり、別の地域の人からの交流も気兼ねなくできる。訪れると地元の人から地域の名産の農作物の話や見どころの話が聞ける。豚汁をふるまってもらうこともあるかもしれません。そこが楽しいと、それまで新しい刺激はいらない、と思っていた人の中にも、楽しんでくださる方が出てくるのではないかと思うのです。そこで重要になるのが、そういうことを仕掛けるコーディネートする方です。それまで東京に造っていたアンテナショップを地元につくることで地元に訪れる方を増やしたり、定住者を増やすための医療、教育、仕事の確保をしたり。それができる機能的な設備もあればよいと思います。そうなると、買い物サービスや肉体労働の手段としてドローンは不可欠になりそうです。
――ところで若宮大臣は未来のドローンとか空とクルマといったら、どんなものを想像しますか?
『007/私を愛したスパイ』という映画で水中にもぐるクルマを思い出します。普段は道路を走り、必要なときに海や川を潜る潜水艦仕様になって、いざとなれば空も飛ぶ、みたいなものにあこがれますね。あれば映画の中ですが、普段の生活にも使えて、災害のときには別の姿で活躍できる機体があればいいなと思いますね。
――ありがとうございました。
■わかみや・けんじ
国際博覧会担当大臣、共生社会担当大臣、デジタル田園都市国家構想担当大臣、内閣府特命担当大臣。
1961年9月2日、東京都千代田区生まれ。永田町小学校(現麹町小学校)、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学商学部卒業。大学卒業後セゾングループに入社。グループ代表の堤清二氏の秘書等を務めたのち、2005年9月の衆院選に自由民主党公認で出馬し初当選。これまでに外務副大臣、防衛副大臣兼内閣府副大臣、防衛大臣政務官、衆議院外務委員長、衆議院安全保障委員長などを歴任。60歳。
万博相就任時以来、消費者を取り巻く環境の変化に対応できる制度の構築、食品安全の確保、日本の産業競争力の強化や新型コロナにより打撃を受けたクールジャパン関連産業の存続と発展に努めること、万博相として日本の魅力を世界に発信し、日本の子供に夢、希望、驚きを与える取り組みを掲げている。担務が多いが「所管する担務が多岐に及んでおりますが、すべての課題にスピード感を持って対応してまいります」と話す。
安全保障政策に強く、「日本の、経済だけ仲良くしてほしい、というスタイルは、安全保障の連携の面では限界があった」と断言する。関係各国との多面的な信頼関係の構築が、新型コロナウイルス感染症対策ワクチン確保にもつながった。
政策では、「安心した暮らし、安全な生活を守る」「次世代教育と豊かな働き方による、経済発展」「現場を重視した効率的な予算を」「自然災害への備えと環境保全」「自由で開かれたインド太平洋地域の安定と発展へ」などを掲げる。
システムインテグレーター大手、株式会社インテック(富山県富山市)とデバイス制御のブルーイノベーション株式会社(東京都文京区)は、3月から今月にかけて相次いで資本提携、業務提携を締結した。資本提携は3月18日に結んだ。インテックがブルーイノベーションに出資する内容で金額は非公表だ。業務提携は5月13日で、両者が強みを持つ技術を持ち寄り「ドローン・ロボットDXソリューション」の開発や事業の共創を進める。2023年度には、双方の顧客基盤を生かしたプロダクトの相互販売に踏み切る計画だ。
ドローン・ロボットDXソリューションの第一弾として、倉庫内での棚卸や搬送業務のロボット化・自動化を進める。ブルーイノベーションの熊田貴之代表取締役社長CEOは提携により「ドローンやロボット利活用シーンの拡大、新たなソリューション開発が加速する」と談話を発表している。インテックの今里直人専務執行役員も「空間や場所を問わないソリューションを幅広く展開する」とコメントしている。
発表文は以下の通り
TISインテックグループの株式会社インテック(本社:富山県富山市、代表取締役社長:北岡隆之、以下インテック)とブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田貴之、以下ブルーイノベーション)は、業務・資本提携契約を締結しました。
本業務提携において、両社は共同で以下に取り組みます。
1.インテックの IT プラットフォームサービスや業種に特化したソリューションと、ブルーイノベーションの複数のドローンやロボット、各種センサーなどさまざまなデバイスを遠隔で一括制御・統合管理する独自のデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform®(BEP)※1」を組み合わせたビジネスの共創
2.ブルーイノベーションが有するドローン業界の先進的情報と、インテックが有する全国的な顧客基盤を活かした共同マーケティングの実施
3.両社の顧客に対する互いのソリューション・サービス販売と、個別システムの企画・開発
■背景
少子高齢化や人手不足といった社会課題が深刻化する中、ドローンやロボット導入による業務の省人化、自動化が期待されています。
インテックは金融や製造、流通、公共など、幅広い分野のお客様のビジネスを支える広域仮想ネットワークを提供しています。2021年からはローカル 5Gなどのマルチワイヤレスネットワークにも注力し、ワイヤレスDX(※2)を展開するとともに、お客様現場のDXを支えるインフラ機能の拡張を図っています。
ブルーイノベーションは、複数のドローンやロボット、各種センサーなどさまざまなデバイスを遠隔で一括制御・統合管理するデバイス統合プラットフォーム「BEP」を独自開発。「BEP」はネットワークを介して建物や通信といった既存インフラシステムと連携し、インフラ点検や物流・運搬、防災、警備、清掃などの分野を中心に、ドローンやロボットによる業務の省人化、自動化やDX化を支援しています。両社は双方の技術を融合し、空間や場所を問わず、常にドローンやロボットが最適に稼働するネットワーク環境を基盤とした各分野のDXソリューションを共同で開発・提供することで、社会課題の解決に寄与すると考え、業務提携を決定しました。
■今後の展開
ドローン・ロボットDXソリューションの第一弾として、物流業界を対象に倉庫内での棚卸および搬送業務のロボット化・自動化を進め、今後はさらにドローンによる屋外業務なども含めた物流倉庫内のDXソリューションへと拡張し、サービス展開を図っていきます。
両社は、ドローンやロボットが最適に稼働するネットワーク基盤を活かした新たなソリューション開発とその社会実装を加速させ、各産業分野の DX 推進と地域課題の解決、ひいてはヒトとロボットが共生するスマートシティの実現に貢献していきます。
■ブルーイノベーションの熊田貴之代表取締役社長CEOの談話
ブルーイノベーションが提供している、BEP を軸とした「スマートシティ・ロボティクスプラットフォーム」は、環境に適した通信が欠かせません。今回の協業で、インテックのマルチワイヤレスネットワークの技術とブルーイノベーションのBEPの技術がコラボすることで、ドローンやロボット利活用シーンの拡大、新たなソリューション開発が加速し、「スマートシティ・ロボティクスプラットフォーム」を共に創り上げていきたいと考えています。
■インテックの今里直人専務執行役員の談話
インテックはこれまで、お客様の経理、人事、営業等業務での IT 活用支援を行ってきましたが、昨今では点検、観測、監視等業務での IT 活用や、AI・ロボットを活用した現場の DX 化支援のご要望が増えています。ブルーイノベーションは、ドローンやロボットを利用した先進的なサービスや実証実験を数多く手がけています。今回の業務提携により、空間や場所を問わないソリューションを幅広く展開することで、お客様のさらなる DX 化を支援していきます。
【用語説明】
※1)デバイス統合プラットフォーム 「Blue Earth Platform®(BEP)」複数の自律移動ロボットや各種センサーを協調・連携させて複雑な業務を達成させるためのソフトウェアプラットフォームです。「ロボットを動かす」「情報を集める」「情報を管理する」にフォーカスしており、利用者は自律移動ロボットのスペックや制御方法等を意識することなく、ネットワーク上で繋がった複数のドローンやロボットが、ひとつの命令で複数の業務を自動で遂行します。
※2)ワイヤレスDX
行政や医療、製造など8 つの産業分野でケーブルや端末、空間や場所などに制約のない環境を創出し、お客様の課題解決を支援するインテックの新しいソリューションの総称
測量などの現場作業で、ドローンはもはや定番の道具だ。千葉・幕張メッセで5月25日に開幕した「第4回建設・測量生産性向上展」(主催、建設・測量生産性向上展実行委員会)では多くのブースで陸、海、空のドローンを出展し、そのことを証明している。展示会では中国の水中ドローンメーカーCHASINGの「CHASING M2 PRO MAX」やラトビアのメーカーFIXARの「FIXAR 007」が初めてお披露目されるなど、この日にあわせて公開を準備してきた技術も多い見ごたえがある。定番化した道具は今後、技術の高さや使い勝手のよさを競うことになりそうだ。
株式会社スペースワン(福島県郡山市)は水中ドローン「M2 PRO」の進化版として登場したばかりの「CHASING M2 PRO MAX」を公開した。一般向けに公開されるのはこの展示会が初めてだ。として展示した。知床の観光船「KAZU1」が曳航中に再沈没した深さ180mを超える水深200mまでの最大潜航能力を持ち、8つのスラスター(水中用のプロペラ)はそれぞれ大きくなり、モーター出力も前モデルと比較して30%向上。前後左右、チルト、横回転など水中で360度の移動ができる。稼働半径は最大400mだ。
太陽光の届かない水の中での活動に欠かせない照明も強化された。ひとつ4000ルーメンの明るさを持つLEDフィルライトを2つ外付けする。本体から腕が伸びたように設置することで照らす角度を最適化し、本体のカメラが映し出す映像にか、水中のプランクトンなどが反射する悪影響を軽減する。アクセサリーを取り付けやすくしたドッキングステーションが内蔵されるなど操作性も向上した。
株式会社World Link&Company(京都市)は、ドローン開発が盛んなラトビアの回転翼(プロペラ)と固定翼の融合型の機体、「FIXAR 007」を公開した。同社に「一週間ほど前に届いたばかり」で一般には初公開だ。回転翼で浮上し、上空で水平飛行に切り替わるVTOL(またはSTOL)で、プロポ操作による操縦を前提としない自動航行機だ。
最大の特徴は機体の構造がシンプルなこと。翼に機械的な稼働部がなく、回転翼、固定翼ともチルト(角度をかえる機構)がない。回転翼は地面に向けて真下ではなく、角度をつけてとりつけられていて、離陸時には角度をつけて飛び上がる。このため垂直に飛び上がることを前提としたVTOLに分類するより、STOLではないか、と言われることもある。ただし既存STOLのように離陸のために滑走設備は不要だ。
「既存機の半額」「セッティングに2分」「ミッション設定が3Dで可能」など多くの特徴を持つ。プロポの附属はなく必要に応じFUTABAなどを使うことになる。ペイロードが2㎏なので用途は限定的で「広範囲の飛行が必要な測量などに向いていると考える。セッティングが手軽なので日本市場で受け入れられやすいでのではないでしょうか」と担当者は話している。
同社のブースにはACSLのPF―2、ソニーのAirpeak S1などの話題機も展示されている。
展示会では株式会社ジュンテクノサービス、金井度量衡株式会社、株式会社Ace-1ほか多くのブースでドローンや、ドローンを活用したソリューションの展示、説明が行われている。展示会は27日まで。
京都、大阪、奈良の京阪奈地域でドローンの普及を目指す有志団体「京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会」(事務局・奈良市)は5月24日、奈良県庁で会見し、プロジェクトの具体的な活動の第一弾として「第一回京阪奈ドローンフォーラム」を7月22日に、奈良市の大型ホール、奈良県コンベンションセンターで開催すると発表した。ドローンや空飛ぶクルマの実装をめぐっては、大阪を中心に関西圏で催事、事業、実証実験など利用拡大や社会実装に向けた取組が急増している。奈良でも大型フォーラムが開催されることで、関西圏でのドローン実装論議に足並みをそろえることになり、活躍が展望される大阪・関西万博の機運醸成も進みそうだ。
京阪奈ドローンフォーラムはドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティに詳しい有識者の講演やパネルディスカッションと、技術、機体、取組の展示などで構成する。実行委員会の増尾朗実行委員長(マスオグループ代表)は「ドローンや空飛ぶクルマは、大阪・関西万博が開催される2025年をマイルストーンとして本格的な展開が期待されています。私たちもこのフォーラムをキックオフとして、万博開催の時期をめどに、京阪奈エリアでのドローン前提社会、デジタル田園都市の構築に向けて、意識の醸成と社会実装の進展を目指します」と抱負を述べた。
フォーラムの後援には5月24日現在、奈良県、奈良市のほか、一般社団法人奈良県ビジターズビューロー、公益財団法人大阪産業局、一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)、JR西日本イノベーションズなどが名を連ねている。今後さらに加わる見込みという。フォーラム後に展開するプロジェクトを通じ、京阪奈エリアでのドローン産業の振興や社会課題解決を目指す。
フォーラムの講演には内閣官房の小熊弘明参事官、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長、慶應義塾大学の古谷知之教授(SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム代表)、空撮を通じた地方創生事業を展開する株式会社ドローンエモーションの田口厚代表取締役、ドローンを含め幅広い技術を活用するスマート物流で牛丼やラーメンを運ぶ実証で知られる株式会社エアロネクストの田路圭輔CEOらが登壇する。「いまのドローン、空飛ぶクルマの流れをリードする“主役級”」(実行委員)の顔ぶれだ。
展示では、VTOL機や有線給電型回転翼機をはじめとする国産ドローン開発を手がけるエアロセンス株式会社(東京)、AIドローン開発の米Skydioと提携し運用や認定講習を手がけるほか、ドローンの飛行、撮影、データ解析、レポート作成をWEB上で一元管理するクラウドサービス「docomo sky」を展開する株式会社NTTドコモ、ドローン研究に力を入れる慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムがブースを構える。
このほか、スイスsenseFly社の固定翼機eBeeシリーズを運用するジオサーフ株式会社(東京)、おコメ、ワイン用ブドウなど農業のスマート化を推進するドローン・ジャパン株式会社(東京)、壁面にピタっと吸着して作業を助けるドローンなど用途に適した産業用ドローンを製造する菱田技研工業株式会社(大阪府堺市)、業務用ドローンの研究開発や製造を手掛ける株式会社D-wings(大阪府再開し)、陸海空のドローン制御技術開発を手掛けるDig-it works(ディジットワークス)株式会社(千葉市)などが機体、技術、取組を持ち寄るなど、あわせて20件のブースが出展される見込みだ。中にはこのフォーラムで新型機を披露することを計画している事業者もある。
フォーラムが開催される7月22日は、万博開幕1000日前の7月18日に近いことから、事務局は万博機運を京阪奈エリアでの醸成も意識していると説明。空飛ぶクルマ、エアモビリティの社会受容性の浸透を通じ、「2025年には奈良をはじめ京阪奈でドローン前提社会といえるような実装が進んでいる」(増尾実行委員長)ような未来を展望している。
増尾委員長は会見で「ドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリィには限りない可能性があります。観光にも物流にも人の輸送にも密接にかかわりますし、機体だけでなく周辺技術であるITやAIの普及、DXの促進ももたらします。地域を形作る行政、価値を生み出す企業、未来を切り開く学生など多くの層にフォーラムにお越し頂き、プロジェクトを盛り上げて頂きたいと思っております」と述べた。
主催する京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会は、増尾実行委員長が代表を務めるマスオグループのほか地元企業、アクセラレーターら有志が集う。この日の会見には、増尾氏のほか、足立靖氏、石見亜紀子氏、中島秀豊氏が同席した。
ドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティをめぐっては、万博をきっかけに導入機運が高まる大阪を中心に、関西圏は周辺エリアで実装に向けた活動が広がっている。兵庫県では地元発祥の兼松株式会社などと連携し「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」を創設した。9月1日には内閣官房小型無人機等対策推進室と兵庫県とが主催する普及促進イベント「第一回ドローンサミット」を神戸市で開催する。空飛ぶクルマ開発で注目度が高まる株式会社SkyDriveは大阪府、大阪市とすでに連携しているが、近鉄グループホールディングス株式会社(大阪市)が出資を決めるなど活躍の舞台を広げている。近鉄沿線の観光都市、三重県の伊勢・志摩での運用も視野に入る。同様に南海電気鉄道株式会社もSkyDriveとの連携協定を締結し、和歌山県を含む南海沿線での空飛ぶクルマの運用を目指す。奈良でのフォーラム開催はドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティの関西圏での機運の底上げにつながることになる。
■催事:第一回京阪奈ドローンフォーラム
■日時:7月22日(金)、12:00~17:00(講演:13:00~16:00予定)
■内容:講演、パネルティスカッション、展示
■参加:無料
■申し込み:公式サイトの申し込みフォームから
ドローンを活用した障害者向けサービスの研究開発などを行う株式会社シアン(東京都千代田区)と、障害者向けのPC入力支援技術開発を手がけるテクノツール株式会社(東京都稲城市)は、目の動きによる入力をドローン操作に応用する視線入力技術を開発し、5月19日、サイエンスパーク「湘南ヘルスイノベーションパーク」(湘南アイパーク、神奈川県藤沢市)で、筋ジストロフィー患者で身体機能に大きな制限を抱える梶山紘平さんが、この技術を使って視線入力でドローンを飛行する様子を公開した。ドローンは梶山さんが視線を動かして入力した通りに飛行し、障害者によるドローンの操縦の可能性を実証した。梶山さんは操縦後、「自分にとってこれは脱寝たきりプロジェクト」と述べた。2024年の実用化を目指し、今後も開発を進める。
実演は、テクノツール、シアン、梶山氏の3者が進める「ドローンアクセシビリティプロジェクト」の一環。重度肢体不自由者がドローンの操作による業務参加を目指す取り組みで、昨年(2021年)10月以降、技術開発を進めてきた。
この日使われたシステムは、PC、モニター、タブレット、カメラなど既存技術に入力のソフトウェアを組み合わせてある。モニター画面に、「上昇」「前進」などが明示されたコkマンドパネルが配置されていて、操縦者は希望するコマンドの記されたパネルに視線を送ると、システムが視線を検知し、検知した動作がドローンに伝わる。
実演では梶山さんが電動車イスに乗った状態でPC、モニター、タブレット、カメラなどを組み合わせた入力システムの前に待機。梶山さんの場所から50mほど離れた場所に、テザー(ドローンスパイダー)につながれたPhantom4pro V2.0が置かれた。梶山さんが入力システムのコマンドに視線を送ると、ドローンは梶山さんの指示通りに上空10mまで上昇し、その後前後、左右、回転の動きを見せた。
実演終了後、梶山さんは今回のデモンストレーションについて「ゲームに夢中になっているうちに、ドローンも操作できるのではないか、と思い立ち(テクノツールの)島田さんに話をしたことがきっかけです。このプロジェクトを多くの人に知ってもらう機会が作れてよかったと思います。傍から見ればぼくは寝たきりで、何もできないと思われがちですが、テクノロジーと技術を提供する方がいれば、寝たきりとは言えなくなります。ぼくとしては寝たきりであることより、どんなテクノロジーを使っているのかが注目される社会になってほしいと思っています。ぼく個人にとってこれは脱・寝たきりプロジェクトだと思っています」とコメントした。また視線入力について「目が乾燥して、開け続けるのが大変でした」と指摘した。今後、ドローンなどの入力技術が発達した場合にしてみたいこととしては、「人間の視線を感じてみたいです。自分は歩いたことがないので、歩く視線を知りません。たとえば歩行ロボットを動かしてみたいということがあります」と話した。
ドローン運用の面から技術開発に関わってきたシアンの岩井隆浩代表取締役CEOは「産業利用までの道はまだ遠いですが、墜落することもなく飛行ができたことは大きな意味があったと思っています」と感想を述べた。同社の社会貢献担当でこの日も飛行をサポートした、中野政勝さんは「今回の実証で梶山さんはプロペラの起動、離陸、前後、左右、回転など基本の動作はすべてクリアすることができました。その意味では大成功だと思います」と述べた。
視線入力技術の開発について、テクノツールの島田真太郎代表取締役は「プロポでの入力に対応するドローンの挙動を、どのように視線入力のソフトウェアに落とし込むかが難しかった。現在も改善し続けている状態です。さらに入力の多様性もキーになると思っていますし、拡張性や汎用性も大事になってきます」と述べた。入力技術の開発に中心的に関わったテクノツールソフト開発部の本間一秀さんは、「プロポ操作の微調整を視線入力に反映させることが今後の課題です」と抱負を述べた。
「ドローンアクセシビリティプロジェクト」は今後も、身体機能に大きな制限を抱える人々の楽しみや就労機会の創出を目指す取り組みを続ける方針だ。梶山さんも視線入力のスキルを使い就労することを目指す。
業務の自動化やDXを支援する株式会社センシンロボティクス(東京都渋谷区)は、5月11日、東海地域などで配電事業を手掛ける中部電力パワーグリッド株式会社(愛知県名古屋市)と共同で送電線(架空地線・電力線)を自動追尾する送電設備自動点検技術を開発したと発表した。ドローンに標準搭載しているカメラで送電線を自動検知でき、ドローン本体に追尾用のセンサーや小型PCなどを外付けすることもない。超高圧送電線路など大型設備の点検にも対応する。今後、ソフトウェアを開発したうえで、2022年度中の点検業務での実装を目指す。
開発した技術は両者が取り組んできた送電設備にかかわる業務の効率化に関する開発研究の成果で、送電線(架空地線・電力線)をドローンで自動追尾する。すでに飛行ルートや撮影アクションの自動生成技術を開発しており、新たな技術を追加することになった。市販されているドローン、カメラを使うことが特徴で、メーカーや機種を選ばずに運用できるという。
発表は以下の通り。
社会インフラ DX のリーディングカンパニーである株式会社センシンロボティクス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:北村卓也、以下「センシンロボティクス」)は、中部電力パワーグリッド株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役 社長執行役員:清水隆一、以下「中部電力パワーグリッド」)と共同で、送電設備の業務効率化に関する開発研究を実施し、送電設備自動点検技術の大型鉄塔への適用拡大と送電線(架空地線・電力線)を自動追尾する送電設備自動点検技術を開発しました。本技術をもとにソフトウェアを開発し、中部電力パワーグリッドが保有する送電設備の点検業務で運用を図る予定です。
両社はこれまでにも飛行ルートおよび撮影アクションを自動生成し、ドローンを活用した送電設備自動点検に特化した技術を確立してまいりました。(https://www.sensyn-robotics.com/news/chuden-pg)。
このたび送電線(架空地線・電力線)自動追尾機能を追加したことで、自動点検飛行中の機体やカメラ操作が不要となり,ドローンに関する特別な知識を持たない作業員でもより簡単に送電線点検業務を実施することが可能になります。
この技術は、市場に流通している一般的なドローンを使用するため、これまで専用のセンサーを使用するなど実験的な側面が強かった自動飛行を実用レベルに押し上げるもので、送電設備の点検業務の効率化が期待されます。また、超高圧送電線路など大型設備の点検も対応可能になったため、より点検範囲が広がります。
【開発成果】
■大型送電設備(超高圧送電線路等)の自動点検飛行に対応
標準的な送電設備だけでなく、大型な送電設備(超高圧送電線路等)でも自動点検飛行が可能になりました。センシンロボティクスが保有する業務自動化プラットフォーム「SENSYN CORE」と、中部電力パワーグリッドの送電設備点検ノウハウを用いて共同開発した送電設備自動点検技術を組み合わせることで、鉄塔(支持物・がいし)と送電線(架空地線・電力線)を一括で自動点検します。また、単導体送電線だけではなく、多導体送電線も点検できるようになったため、より多くのシーンで送電線点検業務の効率化を実施することが可能になりました。
■送電線(架空地線・電力線)を自動検知し、高精細な映像を取得する技術を確立
送電線(架空地線・電力線)を、安全な離隔を保った上で精緻な点検を行うに足る解像度の画像を撮影するには、高度なドローン操縦・カメラ操作技術が必要とされてきました。両社はこれまでにも送電線(架空地線・電線)のたるみに沿った飛行ルートおよびカメラアクションを自動生成する技術を確立してまいりましたが、今回、送電線(架空地線・電力線)自動追尾機能を追加したことで、操縦者の技能に関わらず精度高く・安全に送電設備点検業務を行えるようになりました。特殊なセンサーなどを用いず、一般的に市販されている汎用的な機体・カメラを用いるため、メーカーや機種に依存しない、柔軟な運用が可能となります。
今後も継続的に研究開発を行い、AI や画像解析等の高度な技術を活用したドローン制御により、送電設備点検の更なる省力化・自動化を目指します。
自治体単位で、空飛ぶクルマ、ドローン、エアモビリティの取組が加速している。兵庫県は4月27日、兼松株式会社、中央復建コンサルタンツ株式会社、株式会社パソナグループ、株式会社BUZZPORTと連携要諦を結び、大学生、高校生が空飛ぶクルマの利活用を研究する「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」を創設すると発表した。バーチャル研究室を作り、学生研究員の取り組みを協定として支援し、空飛ぶクルマの産業振興、社会受容性の醸成、担い手となる人材育成を図る。発表会では兵庫県の齋藤元彦知事が、「2025年の大阪・関西万博を前に(空飛ぶクルマを実装する社会の)未来像を示したい」と話した。
発表会には、齋藤元彦知事のほか、協定に参加した兼松の城所僚一・上席執行役員車両・航空部門長、中央復建コンサルタンツの兼塚卓也・代表取締役社長、BUZZPORTの江藤誠晃代表取締役、パソナグループの山本絹子・取締役副社長執行役員が登壇した。公民連携による空飛ぶクルマ事業の第一弾で、今後も随時、事業を拡張する。協定の連携事項は①空飛ぶクルマによる地域創生に関すること、②空飛ぶクルマを活用した観光開発に関すること、③高校生・大学生の研究活動へのメンタリング、協同活動の実施に関すること、④空飛ぶクルマの社会実装に向けた受容性向上のための活動に関すること、⑤その他、空飛ぶクルマによる県民サービスの向上、地域の活性化に関すること、と紹介された。
「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」はバーチャルラボで、県内在住または県内の大学に通う大学生の選抜メンバーで構成する「空飛ぶクルマゼミ」を運営したり、全国の高校生を対象とした観光甲子園内「空飛ぶクルマ部門」を開催したりすることを構想している。
説明会では事務を担ってきた兵庫県企画部地域振興課の高橋健二・公民連携班長がこれまでの経緯を説明した。それによると兵庫県は昨年6月から空飛ぶクルマの連携事業の構想を開始。地元発祥の兼松、淡路島にオフィスを構えるパソナなど連携の枠組みを作り20回以上の協議を重ねてきた。大阪・関西万博を当面を目標に設定して空飛ぶクルマの実装に向けた協議を重ねている大阪府の「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」にも参加して知見も獲得。その中で、地域創生、観光開発、受容性向上など兵庫県民の豊かな生活の実現に貢献することで合意し、具体策を練ってきたという。
実際、兵庫県では多自然地域と呼ぶ山間部で生活の利便性向上や不便、不安の解消にドローンを役立てる取り組みを進めるなど、ドローンの利活用には積極的だ。空飛ぶクルマは「パッセンジャードローン」とドローンの派生形ととらえられ、空域利用や遠隔・無人操縦などで議論が共通することも多く、兵庫県のように自治体でドローンや空飛ぶクルマの利活用を進める動きが広がりを見せている。
発表会で兼松の城所上席執行役員は「(空飛ぶクルマの離発着場となる)バーティポート開発を手掛ける英スカイポーツ社と業務資本提携を締結しており、神戸にルーツを持つ企業として地域に尽くしたい」と決意を述べた。パソナの山本副社長は「地方の企業にとって距離は不利益です。でも空飛ぶクルマの実装で、不利益は利益になるかもしれないと思いました。なにより若い方々のベンチャー精神に期待しています」と期待を寄せた。
齋藤元彦知事は「空飛ぶクルマの実装には、先んじて取り組むことが大事だと思っています。9月1日には県と内閣官房が主催するドローンサミットも開催されることになっていて、2025年の大阪・関西万博を前に(空飛ぶクルマを実装する社会の)未来像を示していきたいと思っています」と抱負を述べた。