自動制御技術のブルーイノベーション株式会社(東京)は、一宮町(いちのみやまち、千葉県長生郡)が同社の開発したドローン自動巡回システム導入を決めたと発表した。機体、ポート、ソフトなど2セットを町役場と町内の小学校に設置する。一宮町は年間60万人のサーファーが訪れるサーフィンの町で、津波注意報が出たときなどドローンが自動で出動し、7.5㎞にわたる海岸線の上空からスピーカーで避難を呼びかける。一宮町は仙台市が導入した事例を参考にしたといい、「長い海岸線があっても迅速に対応し被害を最小限にしたい」と話している。11月15日の発表後の東京証券市場ではこの決定を好感して同社株は急反発した。
ブルーイノベーション株は一宮町へのシステムの導入が決定した週明けの11月18日、前週末15日の1株あたり719円から71円高い790円で始まり、一時121円高の850円をつけるなど終日、前日終値を超えて取引された。18日の終値も808円で、翌19日の取引も812円と続伸で始まった。
一宮町が導入を決めたシステムはブルーイノベーションが開発した「BEP(ベップ)ポート|ドローン自動巡回システム」だ。ドローンと格納庫になるポート、それを稼働させるソフトウェアで構成される。BEPとは異なるIT機器同士を連携させて果たしたいミッションを遂行させるブルーイノベーションのプラットフォームで、Blue Earth Platformの略称だ。「BEPポート」はBEPを組み込んだドローンの離発着用ポートをさす。
主な機能は監視や警戒が必要な地域、施設、現場などでの自動広域巡回だ。必要なときにドローンが自動で離着陸し、各農事には自動で充電できる。Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動していて、津波注意報などが発令された場合にドローンが離陸する。一宮町はこのシステムは2組導入する。2機のドローンは海岸まで飛行し、7.5㎞連なる海岸線を分担して飛び、上空から海岸や波の上のサーファーらに自動音声で避難指示を伝える。設置場所は一宮町役場屋上と町立東浪見(とらみ)小学校屋上を想定している。一宮町役場には非常用電源も備えている。
一宮町は長い海岸線と地域特産のフルーツなどから「緑と海と太陽のまち」を標榜する。海岸へは鉄道駅の玄関口、JR外房線の上総一ノ宮駅から自転車で10分、徒歩なら30分強。バス便もあるが、駅のバス停留所の発車は平日が15時ちょうど、16時ちょうどの2本のみ。休日の運航はなく、年末年始など運航しない時期も設定されている。
約7・5㎞の海岸線には絶好のサーフポイントが多く点在する。トラブル回避のため、禁止行為、エリア分けなどルールも作られている。この恵まれた環境が年間60万人のサーファーを引き寄せている。11月現在も、一宮海岸の駐車場は多くの車とサーフウェアに身を包むサーファーで賑わっていた。県外ナンバーも多い。
一方、街中では「津波注意」と注意を喚起する張り紙や「ここの海抜は〇メートル」と書かれた表示板が目立つ。海岸から広い範囲で海抜の低い平地が広がるため、津波発生時の避難場所も記されている。避難場所は小学校などの公共施設であったり、海岸から離れた丘陵地側にたつ寺院であったりする。町役場は海岸から約2㎞内陸だが、隣接する中央公民館には「この付近は海抜3.4メートル」と示す表示板がある。巨大地震発生時には数メートルから10mの津波も想定されていて、役所の4階より上階に避難することになる。
一宮町は津波が身近だ。さかのぼると1677年10月の延宝房総沖地震(えんぽうぼうそうおきじしん)では、各地で多くの津波被害をもたらしたといわれる。全体像を示す記録はないが、延宝5年(1677年)から享保4年(1719年)までの一帯の出来事を記した『万覚書写(よろづおぼえがきうつし)』には、一帯で住宅52軒が押し流され、137人の男女と子供が死亡し、その後1か月でさらに14~15人が死亡したとする記述が残る。町内には元禄7年(1694年)に建立された供養塔も残る。消防団の施設の玄関前には、延宝地震が再来した場合に想定される津波の高さを示した表示板もある。
システムの導入を決めた背景には、2011年の東日本大震災の津波で避難広報活動中の職員2人、消防団員3人を失った仙台市の事例が教訓となっている側面がある。仙台市は防災担当者自身の安全確保を検討し、2022年10月にブルーイノベーションの津波波避難広報ドローンの運用を始めた。運用にあたり、仙台市はシステムの主な利点を、道路寸断時でも空から俯瞰できるなど災害時におけるドローンの有用性を活用できること、防災担当者の安全確保や広域確認の迅速性確保など東日本大震災からの教訓をいかせること、行政無線やメールなどとあわせた津波避難広報の手段を多重化できることの3点をあげた。一宮町も海岸が広域で、行政無線の設置に限界があるなど、課題が重なっていた。
一宮町は「万が一のときでも被害を最小限に食い止めるため、導入を検討した。仙台市の事例も聞いていて、実験もして有効と判断した。DXを推進しつつ、まかせきりにはせず対応の強化につなげて町を活性化したい」と話す。
ブルーイノベ―ションの発表内容は以下の通り。
~Jアラートと連動し、自動飛行でサーファーに避難誘導を実現。令和7年度より運用開始~
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、千葉県一宮町において当社の「BEPポート|ドローン自動巡回システム」※1を活用した津波避難広報ドローンシステム(以下、本システム)の導入が決定したことをお知らせします。本システムは令和7年度より運用を開始し、一宮町の防災力を大幅に強化します。さらに、津波リスクが高い他地域への導入を拡大し、全国的な防災力向上に貢献することを目指します。
■ 新たな防災の形として
本システムはJアラート(全国瞬時警報システム)と連動しており、津波注意報以上が発令された際に、一宮町役場および東浪見小学校の屋上に設置されたドローンポートからスピーカーやカメラを搭載したドローンが自動的に発進。指定された海岸エリア(海岸線延長約7.5km)を飛行し、上空から自動音声でサーファーや海水浴客、周辺住民に対して避難指示を伝達します。これにより、迅速かつ効果的な避難指示・誘導対応が可能となり、地域の安全を強化します。
■ 導入の背景
一宮町では、大規模地震に備え、津波災害への防災対策を整備していますが、現状の防災無線だけでは、海岸線延長約7.5kmの沿岸地域に対して充分な避難指示・誘導を行うことが難しい状況です。また、一宮町は全国有数のサーフィンスポットであり、東京2020オリンピックの正式競技会場にも選ばれており、海上にいるサーファーへの迅速な情報伝達が求められています。
このような課題を解決すべく、一宮町は、当社が開発サポートした宮城県仙台市の津波避難広報ドローン事業※2の事例に着目し、本システムの導入を決定しました。この取り組みにより、一宮町はサーファーや海水浴客、周辺住民の安全をより一層強化する体制を整えます。
■ 用語説明
※1 BEPポート|ドローン自動巡回システム
施設内・建設現場・河川・ダムなどの点検や監視、警報などの広域巡回を、現場で人が介在することなく定期的に実施が可能。自動離着陸・充電が可能なドローンおよびドローンポートシステム。
https://www.blue-i.co.jp/solution/logistics/port_04.html
※2 仙台市津波避難広報ドローン事業
2022年10月より運用開始。Jアラートと連動しドローンが自動離着陸・飛行し、避難広報と状況撮影の全自動化を実現しています。
配送電事業の中部電力パワーグリッド株式会社と(名古屋市)と、自動化支援の株式会社センシンロボティクス(東京)は8月6日、鉄塔のボルト脱落や錆の検出などリアルタイムで異常を検出するAIを中電PGの送電設備点検に導入することを決めた。両者が同日発表した。両者が共同で開発を進めてきたAIの機能を拡充させ、導入にこぎつけた。両者はドローンを使った送電設備自動点検アプリケーション「POWER GRID Check」を2021年から運用している。このアプリに今回開発したAIを2024年度中に実装させ、ドローンで取得した画像から判定までを自動化する方針だ。
中電PGとセンシンが開発したAIには、ダンパやスペーサなどの電線付属品の異常や、鉄塔のボルト脱落、錆の発生などを検出する機能が追加された。鉄塔の種類や塗装ごとに学習しており複数の種類の鉄塔に対応する。錆については、発生度合いに応じたランク付け機能も持つ。
今後、変電設備の保守業務にも活用できるよう開発を継続する方針だ。
両者の発表は以下の通りだ。
株式会社センシンロボティクス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:北村 卓也、以下「センシンロボティクス」)と中部電力パワーグリッド株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役 社長執行役員:清水 隆一、以下「中部電力パワーグリッド」)は、これまで共同で送電設備異常を自動で検出するAIを開発してまいりました。
このたび、新たにリアルタイム異常検出における対象範囲の拡大および鉄塔ボルト脱落・錆検出に関するAIを開発し、本日、中部電力パワーグリッドが保有する送電設備の点検での導入を決定いたしましたのでお知らせいたします。
センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドは、ドローンを用いた送電設備自動点検技術を共同開発し、この技術を架空送電設備の保守業務に特化した業務アプリケーション『POWER GRID Check』に実装し、2021年から現場運用を開始しています。この技術により、高度な操縦スキルを必要とせず、自動かつ高品質な設備の点検、撮影が可能となりました。一方、取得した画像の確認は作業員の目視で実施しており、多大な労力を要するとともに、異常個所の判定は個々の作業員の経験に基づく判断に委ねられていました。
このため、画像解析による異常箇所を検出するAIを開発し『POWER GRID Check』に実装することにより、ドローンによる画像取得から異常判定までを自動で実施することが可能となりました。
【技術確立成果】
◾️リアルタイム異常検出AI
公衆保安確保の観点から、第三者に対し災害の発生する恐れのある異常は早急に発見する必要があります。これまで、手元のモバイルデバイスに伝送されるドローンのリアルタイム映像(ライブストリーム映像)をもとに、「電線」の素線切れ・溶損や、「がいし」の破損・欠けといった異常をリアルタイムに検出するAIを開発し、2023年度からすでに現場運用を開始しておりますが、今回、新たに電線付属品である「ダンパ」※1の重錘脱落や、「スペーサ」※2の把持部外れ等をリアルタイムに検出するAIを開発しました。
※1 電線の振動や着雪の成長を抑制するための装置
※2 電線相互を規定の間隔に保つための装置
◾️鉄塔ボルト脱落・錆検出AI
鉄塔に関する異常について、「ボルト」の脱落や「鉄塔錆」を検出するAIを新たに開発しました。鉄塔種別(アングル鉄塔、パイプ鉄塔の2種)と鉄塔塗装色(未塗装、防錆塗装(グレー)、航空標識塗装(赤白)環境塗装(茶色)の4種類)別に学習・評価を実施しているため、様々な種類の鉄塔の異常を検出することができます。
「鉄塔錆」検出については、錆の度合いに応じたランク分類も可能です。
【今後】
今回、新たに開発した「ダンパ」「スペーサ」「ボルト」「鉄塔錆」に関する異常検出AIは、2024年度中に『POWER GRID Check』への実装を行い、現場運用を開始します。異常検出結果は、『POWER GRID Check』上に強調表示され確認することができます。開発したAIモデルは今後も精度向上に向けた継続的な学習が必要となるため、ユーザーのフィードバックを元に、再学習やアルゴリズムの再選定を行い、AIを高性能化するスキームを構築します。
また、変電設備への業務適用も視野に共同研究開発を行っており、変電業務向けに確立した「計器指針検出AI技術」に関しても『POWER GRID Check』への実装を来年度以降で予定しています。送電設備だけでなく変電設備の保守・保全業務も担えるアプリケーションへと開発を進めていき、引き続き一般送配電事業全体への適用を目指してまいります。
『POWER GRID Check』とは
センシンロボティクスと中部電力パワーグリッドが共同研究にて開発した技術をベースとした、ドローンを活用した送電設備点検アプリケーションです。鉄塔(支持物・がいし)と送電線(架空地線・電力線)を一括で自動点検できることが特徴で、ドローンと設備の間の安全な離隔距離を確保したうえで、自動航行により均一したデータ取得を行い、ドローンに関する特別な知識を持たない作業員でも簡単に送電線点検業務を実施することが可能です。
ブルーイノベーション株式会社(東京、東証5597)は、同社が日本国内での独占販売権を持つスイスFlyability社が開発した球体ドローン、ELIOS3(エリオススリー)の導入で1日作業が1時間になるなど大幅な時間削減を達成した、東北電力系の点検事業者、株式会社東日本テクノサーベイ(仙台市泉区<宮城県>)の事例を公表した。水力発電所の水路内点検や、火力発電所内の緊急点検などで成果をあげたと伝えている。
ELIOS3はFlyability社開発の球体ガードを備えたELIOSシリーズの最新機種。施設内など非GNSS空間を飛行するほか、搭載する3Dマッピング用LiDARセンサーがリアルタイムで取得した施設内情報を3Dデータ化し、位置を特定できる。
ブルーイノベーションは2018年にFlyability社と日本国内での独占販売契約を結んだ。ブルーイノーベーションは独自開発したBlue Earth Platform(BEP)と呼ぶ複数デバイス連携技術とELIOS3とを融合させた点検サービス「BEPインスペクション」を開発し、発電所、下水道など300件を超える運用実績がある。作業時間短縮、労力軽減、費用負担軽減、点検品質向上などが報告されている。東日本テクノサーベイでの活用報告もその一例だ。
発表内容は以下の通り。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、 代表取締役社長:熊田 貴之、 以下 ブルーイノベーション)は、株式会社東日本テクノサーベイ(以下 東日本テクノサーベイ宮城県仙台市泉区将監四丁目5番2号)が屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」※1を導入し、点検作業時間を大幅に短縮することに成功したことをお知らせします。ELIOS 3 は、作業時間の短縮だけでなく、作業員の業務負担軽減や安全確保、さらには点検品質の向上・仮設費用の削減にも貢献しています。
■ELIOS 3 導入の背景
近年、インフラ施設の点検作業において、作業員の高齢化に伴う人材不足と、技術継承が喫緊の課題となっています。特に、長年の経験とノウハウを持つベテラン作業員の引退や設備の老朽化が相次ぐ中で、少数の作業員で効率的な点検を実現することが求められています。
この課題に対し、東北電力グループである東日本テクノサーベイは、ドローンをはじめとする様々な技術を活用し、作業効率の向上や作業環境の改善に取り組んでいます。同社では、ELIOS シリーズの最新機種である ELIOS 3 の効果を検証した結果、その抜群の飛行安定性と操作性の良さにより、飛行経験の浅い操縦者でも十分に点検作業を遂行できると判断され、導入に至りました。
■ELIOS 3 導入による成果
同社では、ELIOS 3 の導入により、水力発電所や火力発電所における点検作業の効率化と安全性の向上を実現しました。
① 水力発電所の水路内点検
従来、水力発電所の水路内点検は、人が直接水路に入り目視により行われていますが、水路によっては急傾斜や暗所、狭所等を有する現場も多く、100m 程度の点検を行うのに丸1日かかる個所もあります。このため、作業員の安全面でのリスクや業務負担、作業員による点検精度のバラつきや変状個所の見落とし等が大きな課題でした。
今回 ELIOS3の導入により、このような現場の点検作業時間がわずか1時間程度と大幅に短縮されました。さらに、作業員が暗くて狭い水路内に入る必要がなくなり、作業環境や安全性が大幅に向上しました。また、付属ソフト「Inspector」によるデータ化(3次元点群データ)により、点検品質も従来に比べ一層向上しました。
② 火力発電所内での緊急点検
火力発電所では、地震発生後の緊急点検においてELIOS3が活躍しました。従来、大きな地震発生後には設備内に仮設足場を設置し、人による目視点検を行いますが、通常運転できるまでに仮設の設置・撤去を含め2~3週間の点検期間を要し、かつ数百万円の仮設費用がかかっていました。しかし、ELIOS 3を使用することにより、たった1日で点検が完了し大幅な時間短縮と仮設費用の削減を実現しました。
■株式会社東日本テクノサーベイ ご担当者様のコメント
設備の定期点検や緊急点検等で ELIOS3を活用し、工期短縮や仮設費用削減など目に見える形で成果を上げています。また、ELIOS3に搭載されている LiDAR※2により点群データが取得されるため、複雑な設備の形状把握などの面でもお客様に大変喜ばれています。今後もドローン等の新技術を活用し、インフラ設備の持続可能性を支えるための取り組みを続けてまいります。また、測量ペイロード※3・UT 検査ペイロード※4 といった魅力的な追加ツールが発表されましたが、今後もユニークなペイロードオプションの追加に期待しています。
(株式会社東日本テクノサーベイ 測量計測部 副長 今野 雄介氏)
■株式会社東日本テクノサーベイについて
東日本テクノサーベイは、東北電力グループの一員として、電力設備の計画・保守に係わる測量調査ならびに水門扉・水圧鉄管等の鋼構造物やコンクリート基礎等の既設構造物の健全性調査等に携わることにより、電力の安定供給に寄与しています。
https://www.hts.tohoku-epco-gnw.jp/
※1 屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」
ELIOS3は、Flyability 社(スイス)が開発した非 GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種です。世界初の3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載。点検・施設情報をリアルタイムで3Dデータ化し、位置特定が可能です。また、最新のSLAM技術により操作性・安定性も大幅に向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現しています。ブルーイノベーションは2018年に日本における独占販売契約を Flyability社と締結し、ELIOSシリーズを活用した点検ソリューション「BEPインスペクション」の提供を開始しました。
「BEP インスペクション」は、ドローン点検の現場の運用サポート、機体の提供だけでなく、ドローン導入時の講習やパイロット育成のための教育ソリューションなども提供しており、プラントや発電所、下水道などを中心に 300 ヶ所を超える現場での実績があります(https://blue-i.co.jp/inspection/ )。
また、ブルーイノベーションはドローンを活用したソリューションを点検以外の分野でも幅広く提供しており、2024 年 1 月 1 日に発生した令和 6 年能登半島地震では、被災地での捜索や状況確認などの災害時活動で貢献しています(https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240111_1.html )。
※2 LiDAR
「Light Detection And Ranging」の略。レーザー光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形などを計測する測距センサーの一種です。
※3 測量ペイロード
ELIOS 3 に搭載する専用ペイロードの一種で、高精度な点群データを短時間で取得可能な測量デバイスです。
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240118.html
※4 UT 検査ペイロード
ELIOS 3 に搭載する専用ペイロードの一種で、非破壊検査(UT 検査|超音波厚さ測定)が可能な UT 検査用デバイスです。
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240409.html
ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区|東証 5597)
1999 年 6 月設立。複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームである Blue Earth Platform(BEP)を軸に、以下ソリューションを開発・提供しています。
・点検ソリューション(プラント・工場・公共インフラなどのスマート点検、3D モデル化など)
・教育ソリューション(法人の人材育成、パイロット管理システム提供など)
・物流ソリューション(ドローンポートシステム提供など)
・ネクストソリューション(監視、清掃システム提供など)
株式会社東京証券取引所(東京)上場部は6月25日、取引終了後に、小型ドローンの開発を手掛ける株式会社Liberaware(千葉市)の新規上場を承認したと発表した。上場予定日は7月29日、市場はグロース市場で、業種は「精密機械」に分類される。ドローン関連事業を本業にする企業の上場で精密機械に分類される企業は初めてで、東京電力福島第一原発の格納容器内点検や、能登半島地震での倒壊家屋内点検ほか豊富な屋内狭小空間の点検実績を土台に事業拡大を図ることになる。
Liberawareはドローン産業関係者の間では名の通った日本に拠点を構える機体開発事業者のひとつ。高性能小型ドローンIBIS(アイビス)を活用した事業で知名度を広げ、ゼネコン、電力などエネルギー、インフラなどでの産業で活用も拡大している。
廃炉作業が進む東京電力福島第一原発の格納容器内の点検作業では、東京電力が作業で活用したデバイスがLiberaware製であることを記者会見で認め知名度が広がった(このとき使われた機体は「IBIS」だった)。2021年にはJR東日本スタートアップ株式会社、JR東日本コンサルタンツ株式会社と点群データ取得や鉄道・インフラ業界のデジタル化事業を展開する合弁会社、CalTa株式会社(東京)を設立し、現在、デジタル化ソフトウェアTRANCITYを提供していることで知られる。
社会貢献にも積極的で2024年元日に発生した能登半島地震では一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の呼びかけに応じて輪島市などへの災害支援対策にあたり、倒壊家屋内の点検に同社の技術を活用した。
同社が開発したIBIS2は2023年6月に千葉・幕張で開かれたドローンの展示会「JapanDrone2023」ですぐれたプロダクトであったことで表彰された。
ドローン関連事業を本業の柱に位置付ける企業としては、株式会社ACSL(東京、分類:機会)ブルーイノベーション株式会社(東京、分類:情報・通信)に続く上場となる。
ブルーイノベーション株式会社(東京都)は3月11日、能登半島地震で被災した輪島市(石川県)で、決壊の危険性が指摘される土砂ダムを定期的に自動で点検する河川監視活動を実施したと報告した。土砂崩れにより道路がふさがり作業員が現地に近づけない中、ブルーイノベーションが開発したドローンの自動離発着システム「BEPポート」を適切な場所に設置し、ドローンが自動離陸することで点検を遂行した。点検は1月31日から2月6日にかけて行われ、五光物流株式会社(筑西市<茨城県>)、VFR株式会社(名古屋市<愛知県>)が協力した。
河川監視活動の対象となったのは輪島市内を流れる牛尾川につみあがった土砂が河川の水をせきとめている土砂ダムで、1月31日から2月6日にかけて、輪島市の要請を受け、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が統括して行われた。監視活動ではBEPポートに待機したドローンが、定期的に自動で離陸し、往復約3㎞を飛行して状況把握に必要な情報を収集した。ブルーイノベーションのドローンポートシステムは東日本大震災で被災した仙台市<宮城県>が設置している。災害支援活動として活用されるのは今回が初めてとなる。
発表内容は以下の通り
ブルーイノベーション株式会社
五光物流株式会社
VFR 株式会社
令和 6 年能登半島地震 二次災害に備え、ドローンポートシステムを活用
した自動監視システムを国内ではじめて実災害現場に導入・社会実装
ドローンポートから自動離発着するドローンにより、
河川上流の土砂ダム決壊の危険性を定期監視
この度の能登半島地震の影響により、被災された方々やご家族の皆様に、心よりお見舞い申し
上げると共に、皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、五光物流株式会社(本社:茨城県筑西市 代表取締役社長:小林 章三郎、以下五光物流)、VFR 株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長 蓬田 和平、以下 VFR)と、石川県輪島市からの要請を受け、ドローンの業界団体である一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)の指揮の元、ドローンポートシステムを活用した河川監視活動を実施しました。
本取り組みは、輪島市内を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)に出来た土砂ダムの状況を、ブルーイノベーションが開発したドローンポートシステム「BEP ポート」を活用し、自動かつ定期的に離発着するドローンにより土砂ダムを撮影・監視し、決壊の危険性有無を常時把握することで、二次災害による被害を未然に防ぐことを目的としています。
なお、実災害現場でのドローンポートシステムの社会実装は国内初となります。
■BEP ポートを活用した災害支援活動内容
・巡回点検実施日:2024年 1 月 31 日(水)~ 2 月 6 日(火)
・場所:石川県輪島市町野町
・活動内容:
輪島市を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)では、土砂災害による河口閉塞が数か所発生したため、道路も寸断され、人が近づくことが困難な状況でした。輪島市から JUIDA に、ドローンによる二次災害予防のための巡回点検要請があり、JUIDA指揮の元、ブルーイノベーションが開発したBEP ポートからドローンが自動で離発着し、牛尾川の上流往復約 3km を飛行。土砂ダムの状況を上空から定期的に監視を実施しました。
<鈴屋川の経時変化(同一地点)>
定点観測による撮影画像の比較から、河口閉塞による溜まり場の大きさに大きな変化がないことを確認することができました。
・使用機材
■協力
ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区)は3月8日、能登半島地震で被災した輪島市(石川県)で、スイスFlyability社が開発した球体ドローンELIOS3で橋梁点検を実施したと報告した。1月31日に市街地5か所、2月20日に山間部の橋梁を点検した。1月に発売したばかりの新型の高性能LiDAR「測量ペイロード」を使い高精度の点群データを取得したり、肉眼で確認できない桁下や橋脚などの損傷を確認したりして、復旧に不可欠な修繕経計画作成を下支えした。
ブルーイノベーションが活用したELIOS3は、球体ガードに覆われ周辺への接触による損傷不安を解消した点検用ドローン、ELIOSシリーズの2023年5月に導入された最新機だ。輪島市での橋梁点検ではaccuracy0.1%、precision±6mmの性能を持つ専用デバイス「測量ペイロード(ELIOS 3 SURVEYING PAYLOAD)」を搭載するなどして高精度な点群データを取得したり、180度チルトする機体特性をいかし、作業員の目の届かない個所の損傷の有無などの確認を行った。
同社の発表以下の通り
球体ドローン「ELIOS 3」を活用ライフラインの早期復旧に向け、点検員の安全を確保しつつ各種データを取得
この度の能登半島地震の影響により、被災された方々やご家族の皆様に、心よりお見舞い申し上げると共に、皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、ドローンの業界団体である一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA) の指揮の元、石川県輪島市からの要請を受け、球体ドローン「ELIOS 3」による輪島市内の橋梁点検および、山間部での橋梁点検を実施しました。
本取り組みは、地震に伴う道路や橋梁の地盤隆起で生じた段差や亀裂など、目視確認が難しい箇所をドローンで撮影・確認することで、点検員の安全を確保しつつ、橋梁使用の危険性確認および復旧・修繕計画立案に必要なデータの早期収集を目的としています。
■活動内容
1 輪島市街地の5箇所での橋梁点検
・実施日:2024 年 1 月 31 日(水)
・場所:石川県輪島市街地の橋梁5箇所
・内容:輪島市街地の 5 箇所の橋梁において、球体ドローン「ELIOS 3」 を使用して橋梁細部の状況を撮影しました。
<球体ドローン『ELIOS 3』 高性能 LiDAR 「測量ペイロード」で撮影した点群データ>
高精度な点群データを活用することにより、災害復旧のための修繕計画において、3Dモデルによる修繕コストの早期算出や、構造の安全性を向上することが可能になります。
2 輪島市 上和田橋(まがき線)の橋梁点検
・実施日:2024 年 2 月 20 日(火)
・場所:石川県輪島市門前町上和田橋
・内容:橋の安全性を確認するため、球体ドローン「ELIOS 3」を使用して、目視では確認できない箇所を撮影し、橋梁の桁下の部分や橋脚部分にひび割れがないかなどを確認しました。
■使用機材:「ELIOS 3」
・桁下や箱桁など GPS の効かない環境でも安定して飛行可能
・球体ガードと衝突耐性があるため、狭隘部に入り込んでの撮影が可能
・上下 180°チルト可能なカメラにより、床版の天面等の撮影が可能
・LED ライトにより暗所での撮影が可能
・LiDAR によるリアルタイム 3D マッピングと専用のソフトウェアにより不具合箇所の位置特定が可能
■参考
ELIOS 3 は、ドローンを活用した橋梁点検技術として、国土交通省「点検支援技術性能カタログ」に
掲載されています。
https://www.blue-i.co.jp/news/info/20230406.html