ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区)は5月28日、同社が代理店として取り扱うスイスFlyability 社が開発した屋内点検用ドローン、ELIOS 3(エリオススリー)について、点検などでの飛行や撮影などを自動で再現する「リピートフライト機能」を追加したと発表した。定期点検や定点観測などで繰り返し同一のルートを飛行させる場合、2度目以降は自動で初回のパイロットによる手動操縦を再現する。同社は6月3日に千葉・幕張メッセで開幕するドローンの展示会、JapanDrone2026で新機能を紹介する予定だ。
「リピートフライト機能」は初回の手動飛行を再現する機能だ。パイロットによる手動の飛行や撮影などの作業を記録し、2度目以降は初回と同じルートを、同じ速度で飛行し、カメラの向き、画角、露出、ライトの向きなども同じ条件で行う。初回と同じ作業でデータを取得するため、サビやクラックなどの劣化の比較が可能になる。2度目以降はお手本の飛行を行ったパイロットに頼らなくてすむため、別のスタッフがボタンを押すことで同一の作業を再現できる。点検品質の均一化確保に役立つうえ、操縦人材の確保が困難な場合の対策にもなりうる。
【追加部分】この機能はソフトウェアのアップデートで導入される。追加モジュールなどは不要だ。このため、機体の外観や重量に変更はない。ブルーイノベーションは新機能を利用するための有料の追加サービスを設けており、アップデート希望者は追加サービスを申し込むことで利用できる。なお、リピートフライト機能について、点検対象の設備が増設などの変更が加わった場合、変更ルートだけを手動に切り替えて飛行させることができる。変更箇所を含めて全ルートを自動再現させたい場合には、変更後のルートを再度手動で飛行させることを推奨している。【追加部分は以上】
ブルーイノベーションは「本機能は、単なる自動飛行ではなく、『点検品質の標準化』を実現する技術です」とコメントしている。
このほか、ビジョンセンサーやLiDAR が取得した点群データに、カメラ映像の色情報を加え、カラー点群として表示する機能や、取得した点検データをクラウド上で一元管理できる「Inspector Online」に対応する機能も追加した。取得データの組織内共有で「点検業務を記録作業から経営判断データへと進化させ」るという。
ブルーイノベーションの熊田貴之社長は「今回の進化は、『ドローンを使う』段階から『ドローンに任せる』段階への転換です。これまで人に依存していた点検業務を、自動化されたインフラ運用へと進化させるものです。私たちは、点検現場における“人への依存構造”を変革し、データに基づく持続可能なインフラ管理の実現に貢献していきます。本技術は、下水道やプラントをはじめとした社会インフラの DX を加速させる基盤になると確信しています」とコメントしている。
なお、再現飛行の時に手動飛行のときと環境が変化している場合などを想定して注意も促している。 LiDAR で検知しにくい障害物が再現飛行のときに飛行ルート上に現れた場合には機体が接触する可能性があるため、再現飛行時の監視の必要性を訴えている。
もっともELIOS 3は障害物に接触しても機体姿勢を制御する機能や、見つけた障害物は回避を試みる機能を備えている。
リリース全文は以下の通り
~ELIOS 3 が実現する「省人化×定点観測 DX」~
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田貴之、以下ブルーイノベーション)は、屋内点検用ドローン「ELIOS 3(Flyability 社製)」において、点検業務の完全自動化を実現する「リピートフライト機能」とクラウド連携機能の提供を開始しました。
老朽化が進む発電所や下水道、各種プラント設備において、点検の高度化と省人化は喫緊の社会課題となっています。これまでブルーイノベーションは「高い安定性と操作性」を備える ELIOS 3 を活用したドローン点検を提供し、多くの企業で導入されてきました。
一方で、設備の経年変化を継続的に把握する定期点検には“定点観測”の再現性が重要視されており、より効率的かつパイロットの操縦技能に依存しない標準化された運用へのニーズが高まっていました。
今回のアップデートにより、ELIOS 3 は「完全自動飛行」による定期点検を実現。操縦経験の少ない現場担当者でもボタン一つで実施可能へと転換させます。誰でも同一条件での“定点観測”を可能にすることで、点検業務の実質的な自動化・省人化を実現します。
本技術は、以下の分野における DX を加速します。
なお、2026年6月3日より幕張メッセで開催される「Japan Drone 2026」にて、新機能の活用イメージをいち早くご紹介します。

■背景と課題:手動操縦の限界と「定点観測」の難しさ
近年、老朽化が進む発電所や下水道などのインフラ設備において、ドローンを用いた内部点検のニーズが急拡大しています。しかし、GPS の届かない屋内や狭暗所でのドローン操縦は難易度が高く、「パイロットの育成や確保が困難」という課題がありました。さらに、設備の経年劣化を見極める定期点検では、前回と全く同じ位置・角度で撮影することが重要になります。しかし手動操縦では再現性に限界があり、サビやクラックなどの微小な変化(差分)を正確に比較することが難しいという課題も指摘されています。
こうした課題は、国土強靭化やインフラ長寿命化計画においても重要視されており、点検の高度化と省人化は国家レベルでの対応が求められています。
■本アップデートによる3つの解決策
1.点検品質を標準化する「リピートフライト機能」

本機能は、単なる自動飛行ではなく、「点検品質の標準化」を実現する技術です。
初回の手動飛行によって取得した点検ルートを記録し、次回以降は同じ経路を自動で飛行します。飛行ルートだけでなく、飛行速度やカメラの向き(チルト)、画角、露出設定、ライトの向きや強弱などの設定も記録されるため、毎回同じ条件で設備を点検することが可能になります。この「完全な再現性」は、サビやクラックといった経年劣化の『差分検知の精度向上』に直結し、より精緻な予防保全を可能にします。
また、自動飛行中に障害物を検知した場合の回避機能や、必要に応じて任意のタイミングで手動操作へ切り替える機能など、安全性にも配慮した設計となっています。
初回のルート設定を当社や熟練パイロットが行えば、2 回目以降は操縦経験の少ない現場担当者でも「ボタン一つ」で同一条件のデータ取得が可能になります。これにより、「特定の人にしかできなかった作業」を「誰が実施しても同一品質の点検」へと進化させ、点検業務の“属人性”を構造的に排除します。
(リピートフライト機能を動画で見る: https://youtu.be/AguAXJdl2Gs)
2.直感的に異常を把握できる「カラー点群化機能」

ELIOS 3 に搭載されたビジョンセンサーや LiDAR が取得した点群データに、カメラ映像の色情報を付与することで、カラー点群として表示します。これにより、従来の点群では判別しにくかった設備の腐食や汚れなどを視覚的に把握しやすくなり、点検結果の解析や報告書作成の効率向上に貢献します。
3.データを組織で共有・活用する「Inspector Online」

ELIOS 3 で取得した点検データをクラウド上で一元管理できる 「Inspector Online」 に対応しました。現場で取得したデータをチーム内や遠隔地の拠点と即座に共有でき、点検データを「蓄積・比較・意思決定」に活用する基盤を提供し、点検業務を“記録作業”から“経営判断データ”へと進化させます。
■ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之 コメント
今回の進化は、『ドローンを使う』段階から『ドローンに任せる』段階への転換です。これまで人に依存していた点検業務を、自動化されたインフラ運用へと進化させるものです。
私たちは、点検現場における“人への依存構造”を変革し、データに基づく持続可能なインフラ管理の実現に貢献していきます。本技術は、下水道やプラントをはじめとした社会インフラの DX を加速させる基盤になると確信しています。
■ ELIOS 3について
ELIOS 3 は、Flyability SA(本社:スイス、以下Flyability社)が開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種です。世界初の3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載。点検・施設情報をリアルタイムで3Dデータ化し、位置特定が可能です。また、最新のSLAM技術により操作性・安定性も大幅に向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現しています。ブルーイノベーションは 2018年に日本おける独占販売契約をFlyability社と締結し、ELIOSシリーズを活用した屋内点検ソリューションの提供を開始しました。ブルーイノベーションは、2025年現在、我が国ではプラントや発電所、下水道などを中心に400ヶ所を超える現場でELIOSシリーズの導入実績があり、わが国では屋内点検のDXソリューションのパイオニアとしてリードしてきました。
■ 安全上の注意
リピートフライト機能による自動飛行は、手動飛行中に LiDAR により記録された周辺環境の 3D マップをもとに飛行します。そのため、手動飛行の時にはなかった、ガラスなどの透明な物体や、細いワイヤーといった LiDAR で検知しにくい障害物が経路上に存在する場合、機体がそれらに接触する可能性があります。ELIOS 3は障害物接触時にも姿勢制御を維持し、回避動作を試みるなど安全性に配慮した設計となっていますが、自動飛行中であっても操縦者は常に飛行状況を監視し、安全を確認しながら運用する必要があります。
(以下、会社概要など省略)
ドローンの運用と開発、AIによる画像解析技術開発などを手がける株式会社NTT e-Drone Technology(NTTイードローン、朝霞市<埼玉県>)は9月9日、「ELIOS 3活用術まる分かりイベント」をNTT中央研修センタ(東京)で開催し、スイスFlyability社製の球体ドローンELIOS3の性能や事例を紹介した。この中でイードローンは、下水道点検で取得した画像から損傷の進行具合を把握するサービスを2026年にも提供する方針を表明した。イベントでは操縦体験も行い、ELIOSシリーズの代理店であるブルーイノベーション株式会社(東京)も技術協力として参加した。
イードローンは7月23日にブルーイノベーションと販売パートナー契約を締結しており、ブルーイノベーションの扱うELIOS 3がイードローンの取り扱う製品群に並んだ。この日はイードローンが下水道点検に活用できるドローンとして、米Skydio社の産業用AIドローン、Skydio X10と大きさや特徴を比較しながらELIOS 3を紹介した。特定の製品に焦点をあてたイベントの中で、他の製品と具体名を表に出しながら比較するのは珍しく、利用者がメモを走らせていた。狭小空間ドローンとして知られる株式会社Liberaware(千葉市)との比較はなかったが、参加者からの質問に対し多角的な検討を進めていると回答する場面があり、3製品の比較が実現する可能性もある。
イードローンは会社紹介として、海外製やメーカーの製品を仕入れるだけでなくものづくりの側面も持つと説明。オペレーターを育成するひとづくり、地域活性化に役立たせる地域づくりとともに、事業の3本柱として紹介した。
取り扱っている製品として、農業で作物の生育状況や土壌のばらつきに合わせて、場所ごと肥料をまく量を調整する可変施肥支援機能を搭載した自社開発製品「AC102」や、Skydio、ANAFI、エアロセンスなどの機体を紹介。今後、米アセント社(Ascent Aerosystems)の全天候対応同軸型ドローン「SPIRIT」や250g未満の「Helius」などもラインナップに加える方針であると説明した。
ELIOS3の特徴については1mの幅、高さがあれば点検可能と、実質3mほどの空間で運用しているSkydio X10との使い分けの判断基準のひとつと紹介した。
イードローンのAIサービスについては、ドローンによるインフラ点検で、取得した画像から損傷の有無を検知する「eドローンAI」を今年4月にサービスを始めたと紹介。そのうえで、「コンクリートのひびは場所をマーキングしたうえで、幅、長さを算出します。鋼材のサビは面積を算出します。精度は95%です」と述べたうえで、鋼材のサビ検出で、国交省の技術カタログに掲載された初めての技術であることを紹介した。サービスとして低価格であり、ワンストップで運用できるなどのメリットにも言及した。
とくに、ワンストップについては、AIが検出するために画像に要求する仕様を満たしているかどうかが重要になる点を指摘。イードローンはドローンの撮影もし、その画像をAIで検出もできることを紹介し「安心してまるなげしてほしい」などとアピールした。
AI開発の今後の展開として、ひび、サビの検出パターンを拡大する方針だ。サビについては、面積に加え、深さを検出し鋼材の腐食の進行度を色でわかる技術を開発中だ。サビによる減肉が進めば鋼材の厚さが減って強度が落ちたり、構造物の危険度が高まったりするため、点検現場からは素早く検知できる技術の開発が求められている。イードローンはこの技術を2025年度後半にもリリースする計画だ。
さらにコンクリートでも、サビの幅、長さに加え、剥離、露筋、漏水、遊離石灰の検出技術を開発中だ。
こうしたAI解析の技術を今後、ELIOSとも組み合わせる方針で、下水道管路の壁面の損傷を検知する技術を2026年にもリリースできるよう開発を進めている。管理の壁面に使われているコンクリートは、橋梁のコンクリートと異なるため、橋梁点検で磨いた損傷検知技術が、そのまま下水道現場で転用できるとは言い切れない側面があるため、イードローンは下水道の管理者などに協力を求め、サンプルを集めてAIの再学習を進める方針だ。
イベントではこのあと、ELIOS3についてブルーイノベーションが説明した。機能、性能、特徴に加え、プラントの点検で作業時間を大幅に短縮した実例なども紹介した。また会場内で机の下などの狭い空間を飛ぶ様子を実演したり、参加者に操縦を体験してもらったりとELIOS3への理解を深めた。
イベントは2回行われ、あわせて100人の希望者が参加した。







ブルーイノベーション株式会社(東京)は屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」に、作業を一時中断して出発地点まで戻っても中断した位置に自動で最適ルートで戻って作業を再開できる「レジューム機能」が備わったと発表した。ソフトウェアのアップデートで使える。バッテリー交換などで離陸地点に戻ったあとの作業再開時などの活用を想定している。
レジューム機能はELIOS3を開発するスイスのドローンメーカー、Flyability SAが開発した。屋内空間などの点検作業のために飛行しているさいに「Smart RTH」機能で離陸地点に戻りバッテリー交換をしても、自動で点検地点に復帰させることができる。ブルーイノベーションによると、復帰位置はSmart RTHの作動地点から水平方向、高さともに10cm未満で復帰できるという。
復帰途中に新たな障害物が生じてもリアルタイムで回避ルートを再計算し復帰を実現するため「複雑な屋内環境においても、作業者は操縦ではなく点検業務そのものに集中できます」と話している。




スイスのドローンメーカーフライアビリティ社(Flyability SA)は、屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」用の新しい大容量バッテリーを発表し、6月26日に販売を始めた。日本でも同社の正規販売代理店ブルーイノベーション株式会社(東京)が6月27日に発売を発表した。新しい大容量バッテリーを使うと1回の充電で、Rev 6 LiDARを搭載した場合の飛行時間が13分30秒となり、標準バッテリーの9分10秒から47%増えるという。
発表によると、ELIOS3用の新しい大容量バッテリーの容量は187Wh(8200mAh)と標準バッテリーの99Whから増強された。LiDAR搭載時の飛行時間を9分10秒が13分30秒に増やすことで作業効率を高める。なお、ペイロードがない場合の飛行時間は17分(標準バッテリーでは12分50秒)、UTペイロードを搭載した場合は11分30秒(標準バッテリーでは7分30秒)だ。また推奨充電サイクル(推奨充電回数)も標準バッテリー(50回)の2倍の100回になる。充電時間は大容量バッテリー専用の充電器を使えば、標準バッテリーと同じ1時15分だ。
一方、使用可能な周囲の気温は従来の45度から35度にかわるので注意が必要だ。
利用にあたって利用者はユーザーマニュアルを理解することとファームウェアのアップデートが義務付けられる。
ELIOS3は、コンピュータービジョン、LiDARテクノロジー、NVIDIAのグラフィックエンジンを独自に組み合わせた「Flyaware」と呼ぶSLAMエンジンを搭載する屋内点検ドローンで、屋内を飛行中に自己位置を高い制度で推定し、リアルタイムで3Dマップを作成したうえパイロットの手元のタブレットにもリアルタイムに表示するなど屋内点検に求められる機能を集めている。GeoSLAMsソフトウェアパッケージとの統合で三次元データ化も可能だ。Flyabilityが英Cygnus Instruments(シグナス・インスツルメンツ社)との提携で開発され、2024年5月に導入された「UT 検査ペイロード」を使えば、立ち入り不可能な空間内の高い場所や狭小空間で、超音波による壁面の厚さ測定も可能だ。
フライアビリティ社は大容量バッテリーを、フライト最適化への取り組みを強化する技術と位置付けている。今年(2025年)4月に搭載したスマートRTH(Smart Return-to-Home)から始まっていて、最短の安全なルートで出発点に戻る機能や、バッテリー交換後にElios 3が自律的にスマートRTH発動地点に正確に戻りミッションを再開、継続するという。フライアビリティは「これにより飛行時間が短縮され、運用効率が向上し、パイロットはバッテリーや飛行時間の管理ではなく、最も重要なデータ収集に集中することができる」と発表している。
ブルーイノベーションも「これにより、パイロットはより余裕をもった飛行計画を立てることができ、点検業務の安全性と効率性が大幅に向上します。さらに、充電可能回数が従来の2倍に増加したことで、バッテリーの交換頻度と運用コストの削減にも貢献します」とコメントしている。
ブルーイノベーションの発表はこちら
フライアビリティ社の説明はこちら




ブルーイノベーション株式会社(東京、東証5597)は、同社が日本国内での独占販売権を持つスイスFlyability社が開発した球体ドローン、ELIOS3(エリオススリー)の導入で1日作業が1時間になるなど大幅な時間削減を達成した、東北電力系の点検事業者、株式会社東日本テクノサーベイ(仙台市泉区<宮城県>)の事例を公表した。水力発電所の水路内点検や、火力発電所内の緊急点検などで成果をあげたと伝えている。
ELIOS3はFlyability社開発の球体ガードを備えたELIOSシリーズの最新機種。施設内など非GNSS空間を飛行するほか、搭載する3Dマッピング用LiDARセンサーがリアルタイムで取得した施設内情報を3Dデータ化し、位置を特定できる。
ブルーイノベーションは2018年にFlyability社と日本国内での独占販売契約を結んだ。ブルーイノーベーションは独自開発したBlue Earth Platform(BEP)と呼ぶ複数デバイス連携技術とELIOS3とを融合させた点検サービス「BEPインスペクション」を開発し、発電所、下水道など300件を超える運用実績がある。作業時間短縮、労力軽減、費用負担軽減、点検品質向上などが報告されている。東日本テクノサーベイでの活用報告もその一例だ。
発表内容は以下の通り。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、 代表取締役社長:熊田 貴之、 以下 ブルーイノベーション)は、株式会社東日本テクノサーベイ(以下 東日本テクノサーベイ宮城県仙台市泉区将監四丁目5番2号)が屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」※1を導入し、点検作業時間を大幅に短縮することに成功したことをお知らせします。ELIOS 3 は、作業時間の短縮だけでなく、作業員の業務負担軽減や安全確保、さらには点検品質の向上・仮設費用の削減にも貢献しています。
■ELIOS 3 導入の背景
近年、インフラ施設の点検作業において、作業員の高齢化に伴う人材不足と、技術継承が喫緊の課題となっています。特に、長年の経験とノウハウを持つベテラン作業員の引退や設備の老朽化が相次ぐ中で、少数の作業員で効率的な点検を実現することが求められています。
この課題に対し、東北電力グループである東日本テクノサーベイは、ドローンをはじめとする様々な技術を活用し、作業効率の向上や作業環境の改善に取り組んでいます。同社では、ELIOS シリーズの最新機種である ELIOS 3 の効果を検証した結果、その抜群の飛行安定性と操作性の良さにより、飛行経験の浅い操縦者でも十分に点検作業を遂行できると判断され、導入に至りました。
■ELIOS 3 導入による成果
同社では、ELIOS 3 の導入により、水力発電所や火力発電所における点検作業の効率化と安全性の向上を実現しました。
① 水力発電所の水路内点検
従来、水力発電所の水路内点検は、人が直接水路に入り目視により行われていますが、水路によっては急傾斜や暗所、狭所等を有する現場も多く、100m 程度の点検を行うのに丸1日かかる個所もあります。このため、作業員の安全面でのリスクや業務負担、作業員による点検精度のバラつきや変状個所の見落とし等が大きな課題でした。
今回 ELIOS3の導入により、このような現場の点検作業時間がわずか1時間程度と大幅に短縮されました。さらに、作業員が暗くて狭い水路内に入る必要がなくなり、作業環境や安全性が大幅に向上しました。また、付属ソフト「Inspector」によるデータ化(3次元点群データ)により、点検品質も従来に比べ一層向上しました。


② 火力発電所内での緊急点検
火力発電所では、地震発生後の緊急点検においてELIOS3が活躍しました。従来、大きな地震発生後には設備内に仮設足場を設置し、人による目視点検を行いますが、通常運転できるまでに仮設の設置・撤去を含め2~3週間の点検期間を要し、かつ数百万円の仮設費用がかかっていました。しかし、ELIOS 3を使用することにより、たった1日で点検が完了し大幅な時間短縮と仮設費用の削減を実現しました。

■株式会社東日本テクノサーベイ ご担当者様のコメント
設備の定期点検や緊急点検等で ELIOS3を活用し、工期短縮や仮設費用削減など目に見える形で成果を上げています。また、ELIOS3に搭載されている LiDAR※2により点群データが取得されるため、複雑な設備の形状把握などの面でもお客様に大変喜ばれています。今後もドローン等の新技術を活用し、インフラ設備の持続可能性を支えるための取り組みを続けてまいります。また、測量ペイロード※3・UT 検査ペイロード※4 といった魅力的な追加ツールが発表されましたが、今後もユニークなペイロードオプションの追加に期待しています。
(株式会社東日本テクノサーベイ 測量計測部 副長 今野 雄介氏)
■株式会社東日本テクノサーベイについて
東日本テクノサーベイは、東北電力グループの一員として、電力設備の計画・保守に係わる測量調査ならびに水門扉・水圧鉄管等の鋼構造物やコンクリート基礎等の既設構造物の健全性調査等に携わることにより、電力の安定供給に寄与しています。
https://www.hts.tohoku-epco-gnw.jp/

※1 屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」
ELIOS3は、Flyability 社(スイス)が開発した非 GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種です。世界初の3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載。点検・施設情報をリアルタイムで3Dデータ化し、位置特定が可能です。また、最新のSLAM技術により操作性・安定性も大幅に向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現しています。ブルーイノベーションは2018年に日本における独占販売契約を Flyability社と締結し、ELIOSシリーズを活用した点検ソリューション「BEPインスペクション」の提供を開始しました。
「BEP インスペクション」は、ドローン点検の現場の運用サポート、機体の提供だけでなく、ドローン導入時の講習やパイロット育成のための教育ソリューションなども提供しており、プラントや発電所、下水道などを中心に 300 ヶ所を超える現場での実績があります(https://blue-i.co.jp/inspection/ )。
また、ブルーイノベーションはドローンを活用したソリューションを点検以外の分野でも幅広く提供しており、2024 年 1 月 1 日に発生した令和 6 年能登半島地震では、被災地での捜索や状況確認などの災害時活動で貢献しています(https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240111_1.html )。
※2 LiDAR
「Light Detection And Ranging」の略。レーザー光を照射して、その反射光の情報をもとに対象物までの距離や対象物の形などを計測する測距センサーの一種です。
※3 測量ペイロード
ELIOS 3 に搭載する専用ペイロードの一種で、高精度な点群データを短時間で取得可能な測量デバイスです。
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240118.html
※4 UT 検査ペイロード
ELIOS 3 に搭載する専用ペイロードの一種で、非破壊検査(UT 検査|超音波厚さ測定)が可能な UT 検査用デバイスです。
https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240409.html
ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区|東証 5597)
1999 年 6 月設立。複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームである Blue Earth Platform(BEP)を軸に、以下ソリューションを開発・提供しています。
・点検ソリューション(プラント・工場・公共インフラなどのスマート点検、3D モデル化など)
・教育ソリューション(法人の人材育成、パイロット管理システム提供など)
・物流ソリューション(ドローンポートシステム提供など)
・ネクストソリューション(監視、清掃システム提供など)
ブルーイノベーション株式会社(東京)は4月9日、球体点検ドローンELIOS3にとりつけて使う新たな検査装置「UT検査ペイロード(UT Payload)」を5月7日にリリースすると発表した。同日に運用サービスを始め、7月には販売も始める方針だ。詳細は今後調整する。UT検査ペイロードには人の耳でとらえられる可聴域を超えた高い周波数の超音波を発生させるプローブと呼ばれる端子が備わり、検査対象の壁にくっついて超音波を発生させ壁の厚さを測定したり内部の空洞の有無などを検査したりする。ELIOS3に搭載することで、足場を組まずに高所壁面の検査が可能になる。橋梁などの定期点検では詳細点検の必要性を判断するための一次点検に限らず、より詳細な二次点検にも対応可能という。インフラの維持管理の重要性が高まる中、非破壊検査の効率化に貢献しそうだ。4月10~12日に東京ビッグサイトで開催される展示会でデモンストレーションを実施する。

4月9日にブルーイノベーションの本社で行われた発表会では、UT検査ペイロードを搭載したELIOS3が展示され、熊田貴之社長、田中健郎取締役が機能や動作を説明したほか、ELIOSの本体容器に張り付けた小さな鉄製プレートの厚さを実際にUT検査ペイロードで検査する様子を実演した。熊田社長は、「ELIOSはELIOS3以降、センサー類の搭載が可能になり拡張性が広がっています。放射線量測定のRADペイロード、レーザー照射量が2倍の130万発となった測量ペイロードに続く今回は『診る』という新しい機能を搭載しました。これまでのドローンによる点検は簡易的な一次点検を担ってきましたが、今回はより詳細な二次点検ができることが大きなポイントです」と説明した。
UT検査ペイロードは、超音波の送受信をするプローブヘッド(探触子、トランスデューサー)、プローブを対象物に接触させる飛行の妨げにならないよう工夫されたプローブアーム、探触子と測定物の間の空気層をなくし超音波を測定物に伝えるためのジェル、カプラント(接触媒質)と、作業中に適量を供給するディスペンサー、点検の妨げになる表面のほこりを払う清掃モジュールなどで構成される。超音波測定機器大手、英シグナス・インスツルメンツ社(Cygnus Instruments)が、ELIOSを開発したスイスのフライアビリティ(Flyability)社と共同開発した。測定結果はリアルタイムでA-Scan表示される。ELIOS3専用ソフトで測定位置を3D表示できる。
デモンストレーションでは、パイロットがFPVでUT検査ペイロード搭載のELIOS3を飛行させた。会場にはあらかじめ本体容器の壁面に5cm四方程度の小さな鉄製のプレートをはりつけてあり、プレートの厚さの測定がミッションだ。ELIOS3がアーム先端を前に、チョウチンアンコウのように進みながら検査対象の鉄板に近づく。接近すると期待がレーザーポインタを照射してプローブの設置点を確認しながら、機体位置を細かく調整して接触させる。接触すると、操縦者の手元のコントローラー画面にA-Scanの波形や、測定されたプレートの厚さなどが数字で表示される様子が、モニターにうつしだされた。
UT測定は、超音波を照射した時間と反射した音波の受信した時間から肉厚を測定する。測定対象の材質が変わると音波の一部が反射する特性から、内部の腐食やキズなどによる空洞の有無も判定できる。ELIOS3は3Dモデリングでできるため、測定した素材の厚さを3Dモデル上に表示させることもできる。
熊田社長は「圧倒的なパフォーマンスを発揮できるようになったと思います」と期待をのぞかせた。
ブルーイノベーションは10~12日に東京・臨海副都心の東京ビッグサイトで開催される国愛海事展SeaJapan2024にFlyability社とともに実機を展示し、デモンストレーションも行う。
同社が発表したリリースは以下の通りだ













ブルーイノベーション株式会社
ドローンで非破壊検査(UT 検査|超音波厚さ測定)が可能
屋内点検・測量ドローン「ELIOS 3 用 UT 検査ペイロード」、5月 7 日リリース
ELIOS 3・UT 検査ペイロードを用いた運用サービス提供開始
4 月 10 日から開催 Sea Japan(東京ビッグサイト)にてデモンストレーションを披露
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之)(以下、ブルーイノベーション)は、この度、屋内点検・測量ドローン「ELIOS 3」※1に着脱可能な専用ペイロードシリーズの新製品として、ドローンによる遠隔かつ安全な超音波厚さ測定を可能にする「UT 検査ペイロード」(以下、UT検査ペイロード)をリリースし、運用サービスは5月7日より、販売サービスは 7 月(予定)より開始します。
なお、UT検査ペイロードは、4月10日から東京ビッグサイトにて開催される Sea Japan のブルーイノベーション / Flyability 共同ブース(ブースNo. 1A-12)において、ELIOS 3 と共に実機展示ならびにデモンストレーションを実施します。

UT 検査ペイロードは、ELIOS 3 の開発メーカーである Flyability 社※2が、超音波厚さ計の世界的トップメーカーである Cygnus Instruments 社※3 と連携して開発した、ELIOS 3 に最適化されたUT 検査用デバイスです。
UT 検査ペイロードを搭載した ELIOS 3 を用いることで、プラント施設やインフラ施設(道路橋、トンネル、下水道など)、自動車や航空機の工場、船舶ドックなど、従来は足場や特殊な機材等を要した点検対象箇所において、遠隔で安全に、かつ効率的・低コストでドローンを用いた超音波厚さ測定が可能になります。
さらに、高精度な点群データを短時間で取得可能な「測量ペイロード」※4(2024 年 1 月販売開始)とUT検査ペイロードを併用することで、従来はそれぞれのチームで行っていた外観目視検査や測量、厚さ測定といった複数の点検作業が ELIOS 3 のみで実施可能(パイロットチーム2名)となり、点検業務における作業効率を飛躍的に向上させます。
【【ご参考事例】※5
5 年ごとの定期検査が義務図けられている船舶において、足場が必要となる大型船舶のバラストタンクの厚さを測定する場合、UT 検査ペイロードを導入することで足場設置などが不要となり、15,000 時間の作業を削減しました。また、測量ペイロードと組み合わせることで、従来 16 名以上で行っていた点検作業を 2名で行うなど、効率化・省人化を実現しています】
※1 ELIOS 3:https://blue-i.co.jp/elios3/
※2 Flyability 社:https://www.flyability.com/
※3 Cygnus Instruments 社:https://cygnus-instruments.com/
※4 測量ペイロード:https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240118.html
※5 参考事例:https://www.flyability.com/casestudies/drone-elios-3-ut-ship-hull-inspection
■UT 検査ペイロード|機能

①プローブヘッド
超音波を発信するプローブ(探触子、接触する部分)は点検対象に応じて、2MHz、5MHz、7.5MHzから選択できます。また、プローブを覆うフードには強力な磁石があり、点検時の安定性を向上させます。
| 2MHz | コーティングなどの減衰材料 |
| 5MHz | 汎用、深刻な孔食または腐食のある壁 |
| 7.5MHz | ボイラーチューブなどの小径パイプ、腐食した薄板 |
②プローブアーム
プローブヘッドと ELIOS 3 のガード部分を接続します。プローブアームは、狭いマンホールの通過時や、複雑な空間内で飛行の妨げにならないよう、機体本体側に折りたためるように設計されています。
③カプラントディスペンサー(塗布装置)
プローブと点検対象の間には、プローブから発信される超音波を点検対象に伝達するのにゲル状のカプラント(接触媒質)が介在している必要があります。このカプラントディスペンサーは、必要量のカプラントをプローブヘッドに供給し、点検に最適な状態を保ちます。

UT 検査ペイロードは、プローブヘッドからレーザーポインタが照射されており、パイロットは照準を定めて対象を測定することが可能です。測定結果は、リアルタイムで表示されるほか、ELIOS 3 の飛行位置情報と共に記録され、飛行後の解析時に位置特定が可能です。
■UT 検査ペイロード 主な特長とメリット
【取付位置が自在なプローブアーム】
プローブアームは、ドローンの上部や前面、または下部に取り付け可能です。点検対象の位置に合わせて変更可能なため、幅広いシーンで測定できます。

【カプラント(接触媒質)残量表示】
カプラントの残量をリアルタイムに把握することができ、カプラントが不足した場合は、ディスペンサーのシリンジを補充または交換できます。

【清掃用モジュール】
点検対象物表面の付着物などにより測定が困難な場合、プローブヘッドを清掃用モジュールに交換し、対象を清掃することができます。清掃後、その位置を位置特定機能でマークできるため、一度機体を戻してからプローブヘッドを交換、再測定時にもパイロットは迷うことなく同じ位置で測定を行うことができます。

【リアルタイム A-Scan(測定結果の波形)表示】
UT 検 査 ペ イ ロ ー ド の 測 定 結 果 は 、 操 縦 専 用 ア プ リ「Cockpit」に A-Scan 結果をリアルタイムに表示されるため、使用するプローブヘッドの選択や清掃用モジュールの必要性など、その場で判断できます。

【測定結果の位置特定】
専用の解析ソフトウェア「Inspector」により、飛行中に記録した位置が 3D モデル上に表示されます。A-Scan 結果の同時表示も可能なため、結果を確認して再測
定の必要性など確認できます

■補足資料:A-Scan について
超音波による測定結果は、波形によって表されます。測定結果の表示の仕方によって名称が変わり、A-Scan、B-Scan、C-Scan などがあります。A-Scan は最も基本的な表示です。プローブ(探触子)からパルス波(連続波ではない波)で発信された超音波が、測定物の反対面で反射し、再度プローブに戻ってくるまで時間(伝播時間)を測定し、厚さを算出します。式で表すと、 [材質の中での音速]×[伝搬時間]÷2=[厚さ] となります。測定の結果は A-Scan の場合、図-1 のように表示されます。もし材質の中に空洞(内部きず)がある場合、図-2 のように伝搬時間が短くなり本来の材質の厚さよりも小さい数値が表示されます。

