ドローンで精密農業を推進するドローン・ジャパン株式会社(東京都千代田区 勝俣喜一朗代表取締役)は4月14日、「ドローンワインプロジェクト」の説明会を開き、プロジェクトの開始を宣言した。説明会では勝俣社長、春原久徳会長が概要や経緯を説明したほか、技術開発で協力している郭威東京大学特任准教授、ワイン輸入を手掛ける株式会社フィラディス(横浜市)や賛同する南仏のワイン生産者が登場し、プロジェクトで開発した新技術や、賛同生産者のブドウを使って生産したワインの発売を発表した。
「ドローンワインプロジェクト」は、ドローン・ジャパンがコメづくりなどで培ってきた、肥料や農薬に依存しない精密農業技術を、ワインブドウの栽培やワインの生産に応用する取り組みだ。うまくいけば施肥の最適化などが実現するが、実際には、雑草とブドウとの区別を画像で見分けにくいなどの課題が横たわる。この日の説明会では、AIとドローンを使った精密農業の技術の一環として、新たに雑草とブドウを見分ける技術を開発したことが発表された。東大の郭特任准教授は「3次元の圃場データで地面とワインブドウとを区別できるようになりました」と技術を解説した。生産者からは、「ブドウ樹と雑草との区別分布」、「ブドウ畑の地力分布」などへの期待が表明され、農薬や肥料に頼らない農業で生産されたブドウを原料にしたワインの生産への道筋を示した。
ドローン・ジャパンの勝俣喜一朗代表は、「この技術を活用してひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やせればいいと思い、このプロジェクトをたちあげました」と、プロジェクトへの思いと目標を述べた。
プロジェクトに賛同する南仏の生産者の畑から収穫されたブドウの一部を原料にしたワインの発売も発表された。発売されたのは2020年のヴィンテージワイン、「ビコーズ, アイム シャルドネ フロム サザンフランス」(オープン価格。ただし参考実勢価格は1500円)と、「アッサンブラージュ ブラン 2020」(1529円税込、成城石井HP)。年間でビコーズは3万5千、アッサンブラージュは3万本の出荷を予定しているという。
アッサンブラージュの生産農家、フィリップ・フェザス氏は説明会で生産の概要や大学との共同研究などに言及したうえで「これまでの25年間の変革が正しかったのか確認をする時期にきている」と自信の生産活動が節目を迎えていると述べ、「ブドウ畑のうち自分の目で確認できるのは5%ぐらいですが、ドローンを使うと100%確認できます。日本の食卓にあうものを生産することを心掛けていますが、ドローン・ジャパンの技術は、さらに高みをめざせるという点で有意義です」などと述べた。
またビコーズの生産農家、ベルナルド・カマン氏も「生産には与える水の量、時期などの最適化を判断します。さまざまな実験をする中でドローンは最終的な決断をするのに有効でした。また新技術の解析結果は、栽培方法を選択するうえで役立つ大発見でした。ドローンは小型で、安価で、短時間を実現します。半日の飛行で緻密なデータを提供してくれます。今後、最適化ができると期待しています」などと話した。
ビコーズを輸入している株式会社フィラディスの石田大八朗代表取締役も「おいしいワインづくりには(畑の)地の力を最大限に使うことが必要不可欠です。今回の新技術は有機農業の発展と生産の低コスト化に大きく貢献すると思います」と期待した。
ドローン・ジャパンは今後、このプロジェクトを進めるためのパートナーを募集するとしている。
ドローン・ジャパンが説明会の当日に公表したプレスリリースは以下の通り。
(以下、引用)
2022年4月14日
ドローン・ジャパン株式会社
「ドローンワインプロジェクト」開始
〜「ドローン&AI」を活用した“農薬・化学肥料に頼らない栽培支援技術”を開発。
その技術を発展させ、「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことを目指す活動〜
ドローンに装着する様々なカメラで「農作物」を上空からから撮影、その撮影画像を AI 解析することで「その作物の生育状況」を判断し農業に役立たせる技術が今世界で広がりつつあります。
ドローン・ジャパン株式会社(*1)(所在地:東京都千代田区 代表取締役:勝俣喜一朗)は、2020 年より南仏のワインの生産者の協力を得ながら「ドローン&AI」を活用し、“農薬・化学肥料に頼らない栽培支援技術”として、テロワール(ワインぶどう畑)の見える化を「ブドウ樹と雑草との区別分布」、「ブドウ畑の地力分布」にして表現する技術を開発しました。
そして、その技術を活用・発展させ、「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことを目指す活動をこの度「ドローンワインプロジェクト」と称し開始します。
また、協力生産者の畑から収穫されたブドウの一部を原料にした、2020 年のヴィンテージワイン、「ビコーズ, アイム シャルドネ フロム サザンフランス」(株式会社フィラディス輸入(*2)(所在地:神奈川県横浜市 代表取締役:石田大八朗)と、「アッサンブラージュ ブラン 2020」(株式会社成城石井輸入(*3) (所在地:神奈川県横浜市 代表取締役:原昭彦)が、それぞれ本日、販売開始されます。
ドローンワインプロジェクト:Landing Page: https://www.dronewine.net/
紹介 VIDEO: https://youtu.be/SW1jZaXhUzw
1. ドローンワインプロジェクトとは(=SDGs 15 陸の豊かさ)
気候変動に影響を及ぼしているとされる「農薬と化学肥料の過剰な使用」を食い止め減少させてゆくことは、
SDGs の観点から農業分野が取り組むべき緊急かつ大きな課題です。その課題解決策として、農薬と化学肥料を最小限もしくは使用しない農業のための“技術開発”が求められています。
(参照:農林水産省 「みどりの食料システム戦略」 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html)
そこで、ドローン・ジャパン社はフィラディス社と成城石井社が既に輸入・販売しているフランスのワインの生産者の協力のもと「ドローン&AI」を活用した農薬・化学肥料に頼らない“栽培支援技術”(栽培の有機化を支援する技術)を開発しました。
・なぜフランス?
2,000 万 ha にも及ぶ農地を誇る農業大国フランス。現在、フランスの有機栽培農地の割合は全体の 10%であるのに対し日本国内はまだ 0.5%ほど。フランスでの化学肥料の年間使用量は農地規模比率で日本より 40%少ないとされています。(参照:総務省「世界の統計 2021」https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf)
日本の政府目標である“2050 年に有機栽培農地比率 25%(現在から 50 倍)”に向けた取り組みにおいてフランス農業は日本が目指すべきロールモデルとなり得えます。
・なぜワイン用ブドウ?
フランスにおいて全農地のうち最大の面積を占めるのがワイン用ブドウ畑。その有機栽培支援技術を「ドローン&AI」でダイナミックに研究・実証・開発してゆくことが、今後日本の農地、ひいては世界の有機栽培比率を上げる大きなヒントとなると考えます。
・ドローンワインプロジェクトとは、
「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことで「SDGs 15 陸の豊かさ」を推進するプロジェクトです。
2.現時点において当プロジェクトで開発した「ドローン&AI」技術について
ドローンの「自律航行方法」「カメラの種類と設定」から「解析手法」まで様々なパターンを試行し、その解析結果を生産者に実際のワイン用ブドウの生育状況と比較検証してもらいながら、テロワール(ワインブドウ畑)の見える化を実現しました。特に、下記2点の技術については生産者からも高い評価を得られています。
ドローンで撮影した画像を色とあわせ 3 次元情報を加えることで、「ブドウの葉と雑草の区別分布」を可能にする新たな AI 画像解析技術。この分布図は雑草と“共生”するワイン用ブドウの栽培に活用でき、農薬・化学肥料を少なくすることに役立ちます。
ワイン用ブドウの樹勢の生育期ごと「形・色・大きさ」を学習、AI 画像解析することで地力分布図をつくる技術。この地力分布図から精密な肥料設計・計画が可能となり、化学肥料を少なくすることに役立ちます。
3. 生産者(南仏)のその具体的な活用
―フィリップ フェザス氏:ガスコーニュ地方、成城石井社取り扱い生産者
「ブドウ樹と雑草との区別分布」を農薬・化学肥料を少なくする雑草と共生する栽培に活用
(インタビュー動画 https://youtu.be/RPnIuZpebMA)
―ベルナルド カマン氏:ラングドック地方、フィラディス社取り扱い生産者
「ブドウ畑の地力分布」を参考とした「精密施肥」で化学肥料を少なくする栽培に活用
(インタビュー動画 https://youtu.be/AOolkyb4ybM)
4.ドローンワインプロジェクトの協賛パートナー フィラディス社 社長 石田大八朗のメッセージ
(インタビュー動画 https://youtu.be/BNnfAedBf8w)
5.今後の目標と取り組み
2050 年に日本国内の有機栽培面積を 25%に飛躍拡大させていくことを支援する「ドローンによる AI 画像解析技術」を開発・発展させていきます。また、「ドローンワインプロジェクト」を拡大させるために応援いただく方々を募り、この技術を活用するワイン用ブドウの有機生産者・有機圃場を増やしていくことに取り組んでまいります。
<*(1)~(3) の説明>
*(1)ドローン・ジャパン株式会社 http://www.drone-j.com/
ドローンワインプロジェクト Page にて詳細 https://www.dronewine.net/
*(2)株式会社フィラディス
プレスリリース https://firadis.co.jp/news-release_dronewine/
*(3)株式会社 成城石井
アッサンブラージュ ブラン 2020 https://www.seijoishii.com/d/83492
ドローンのエンジニアを育成する事業を手掛けるドローン・ジャパン株式会社(東京)とソフトウェア開発のJapanDrones株式会社(長野県)は5月11日、ドローンなど自律移動機を独自に開発する事業者を対象に、開発支援と実証支援サービスを提供する新会社、アルデュエックス・ジャパン株式会社(東京)を合弁で設立すると発表した。発表当日に設立する。ドローンの動きを支えるソフトウェア、アルデュパイロット(ArduPilot)を使った独自開発の増加に伴い拡大している支援要請に答える。アルデュパイロットに精通したエンジニアチームが支援にあたり、アルデュパイロットのエンジニアとして世界的に知られるランディ・マッケイ氏が監修を担う。アルデュエックスの勝俣喜一朗社長(COO)は「日本で開発したドローンが世界に羽ばたくよう支援したい」と話している。
アルデュエックス・ジャパンは、ドローン・ジャパンとJapanDronesが50%ずつ出資する。ドローン・ジャパンの春原久徳会長が新会社CEO取締役会長に、JapanDronesのランディ・マッケイ社長がCTO取締役最高技術責任者に、ドローン・ジャパンの勝俣喜一朗代表取締役がCOO代表取締役社長にそれぞれ就任する。
提供するサービスは、自律移動機の動きを制御するためのソフトウェア、アルデュパイロットを活用した開発支援と実証支援に絞る。事業者のかわりに開発を請け負う代行サービスはしない。サービスの提供によって、事業者が開発を手掛けるドローンなどの機体が、事業者の思うような動を実現するように助言、提案、補助開発などを実施する。自律移動機は、高齢化や人手不足を背景に作業現場を中心に導入が広がっており、独自開発に乗り出す事業者が急増している。サービスはこうした事業者の要請に答える。
サービスでは最初に、アルデュパイロットの基礎を学ぶ勉強会を実施、事業者の要望、原稿、課題と対応法などを明確化するコンサルティングを実施、その後開発支援、実証支援を実施する。開発支援、実証支援にはアルデュパイロットに詳しく実績も豊富なエンジニアがあたる。サービス開始時点で7人のエンジニアでチームを編成する方針で、事業主の開発方針に応じて、その領域に強いエンジニアが担当する。全体についてランディ・マッケイCTOが監修する。
アルデュエックス・ジャパンが提供する開発支援、実証支援は以下の通り。
■自己位置推定
自律移動プロセスにとって始点となる自己位置推定(EKF:Extended Kalman Filter<拡張カルマンフィルタ>)の機体制御の適正化
■衝突回避
各機体や環境、目的に応じた衝突回避の実装
■非GPS環境での制御
各機体や環境、目的に応じたGPS・GNSSを利用しない機体制御の実装
■陸上走行・水上航行の安定的なナビゲーション
陸上型・水上型自律型移動ロボットに特化した安定性や精度を高める機体制御
■機体セキュリティ対策
乗っ取りなどの機体制御に関わる機体・送信機のセキュリティ実装
■冗長化対策
フライトコントローラー・電波・電源などの冗長化実装
■機体安定化のための機体チューニング支援
各機体の挙動安定のための各種パラメータの設定およびチューニング支援
アルデュパイロットは、プログラムが公開されているオープンソースのソフトウェアで、誰でも無料で開発に参加できる。多くの開発者が参加しているため不具合の修正や刷新に素早く対応するほか、不適切な改変が行われないなどの特徴を持つ。機体に搭載されたGPS、加速度、気圧、ジャイロ、磁気方位、超音波など機体に搭載されたセンサーが測定した情報を受け取り、機体の動きを左右するモーターの回転数を自動で加減するフライトコントローラーなどに広く用いられる。柔軟性も特徴で、回転翼を備えたマルチコプター型のドローンのほか、固定翼機や航空機、地面を移動するローバー(UGV)、水の中を潜って移動する水中ドローンなど、自律移動型のロボットの制御として広く疲れている。
ドローン・ジャパンとJapanDronesは、2016年5月からこれまで5年間、ドローンエンジニアを育成する「ドローンエンジニア養成塾」を開催しており、これまでに350人を輩出している。
アルデュエックス・ジャパンの社長に就任する勝俣喜一朗氏は「日本国内での開発需要が高まるにつれて、フライトコントローラーなどソフトウェアについての相談を多く受けるようになっています。今回、そうした相談に開発と実証支援のサービスを提供することでこたえて参りたいと思っています。事業者の開発意欲を尊重し、支援をすることで日本のドローンや自律移動型ロボットが世界に羽ばたいていく手助けとなればいいと思っています」と話している。
JapanDrones株式会社(本社:長野県、代表:Randy Mackay氏)とドローンジャパン株式会社(本社:東京、代表:勝俣喜一朗)が協働で運営しているドローンエンジニア養成塾は2020年7月19日、同塾の塾生から選ばれた代表者による成果発表会&デモイベントを軽井沢で開催した。会場では養成塾の1~9期生から10組が集まり研究成果を発表し、屋外でデモンストレーションを披露した。日本で実力をつけてきたドローンエンジニアの研究の最前線である発表会とその成果が目の前で見られるデモンストレーションの様子をレポートする。(田中亘)
発表会の冒頭、ドローンジャパンの春原久徳取締役会長が登壇し、「ドローン業界におけるArduPilot」と題した挨拶を行った。
春原氏は、2014年にビジネスとしてドローンに関わってきた自身の歴史を振り返り、2015年にドローンコードで有名だった3D Roboticsのクリス・アンダーセン氏と知り合い、軽井沢に住むカナダ人のRandy Mackay氏を紹介された経緯を語った。Mackay氏の快諾により、2016年からドローンエンジニア養成塾はスタートした。春原氏は、塾の経緯を語ったあとに、ドローンエンジニア養成の中心となるArduPilot(アルデュパイロット)について説明した。
まず、春原氏はドローン関連のプログラムの種類について整理した。大きく3つに分けられ、それぞれ、ドローンの飛行そのものを司る「機体制御」、ドローンの航行を管理する「機体管理」、ドローンで集めたデータを処理する「情報処理」だ。
このうち、「機体制御」に不可欠な、オープンソースのフライトコントローラーがArduPilotだ。
ArduPilotは、ドローンに搭載されたPixhawkなどのオンボードコンピュータで動作するソフトウェア。Pixhawkのコネクタを介して、モーターの回転を制御したり、GPS機器からの位置情報などを処理したりする。また、各種センサーやコンパニオンコンピュータなどと連動して、より安全な機体制御や衝突回避を行う。
一方の「機体管理」では、Mission Plannerに代表される航行管理ソフトによって、ドローンの自律飛行を支援する。ドローン養成塾では、オープンソースで誰もが自由に利用できるArduPilotやMission Plannerの技術を教えることで、日本のドローン技術者の育成やスキルの底上げに貢献してきた。春原氏は「ArduPilotの魅力は、ソースコードがオープンなので、技術者がテクノロジを理解しつつ、自由にドローンソフトウェアが開発できる点にあり、技術者のワクワク感を喚起します」と話した。
その成果を塾生同士で実感してもらうために、1~9期の卒業生の中から10組とRandy氏が発表会に参加した。
発表者と内容は以下の一覧の通りだ。
続いて、ArduPilotの技術概要と最新動向を伝えるために、塾長のRandy Mackay氏が登壇した。
Mackay氏は、ArduPilotの利活用を促進する最新デバイスとして、高性能なフライトコントローラーの最新機器を紹介した。その特長について Mackay氏は「最新のフライトコントローラーは、メモリとCPUが、5倍から10倍に進化しています。そのおかげで、開発言語のC++だけではなく、Lua Scriptが使えるようになりました」と説明した。Lua Scriptは、汎用スクリプト言語で、Perl、Python、Rubyと比較して高速に動作する。
Mackay氏が紹介したフライトコントローラーの多くは、CPUにSTM H7を採用し、衝突回避や非GPS下でのナビゲーションを可能にしている。加えて、ADSBによる有人飛行機の確認や、高信頼のIMUによる自律飛行のサポートなどが特徴だ。
次にMackay氏は、GSFというソフトウェアを紹介した。GSFは、複数のコンパスから得られた情報を判断して、正しい方向を見出す技術。単一のコンパスで飛行しているドローンは、地面に金属が置かれていたり、強い磁力が発生したりすると、方向を見失う危険がある。それに対して、GSFを利用すると、複数のコンパスから収集される情報を判断して、正しい方向を計算する。その様子を紹介した動画が映し出された。
さらに、飛行の安定性に貢献する最新デバイスとして、UBlox F9 RTK L1/L2 GPSが紹介された。
従来のGPS機器では、3m前後の測位ミスが起きてることがある。しかしこのUBloxF9 RTK L1/L2 GPSでは、GPSだけで75cm以下の精度があり、RTKを組み合わせると10cm以下の精度が得られる。特筆すべきは価格で、3万円から購入することが可能だ。それまで40万円以上が相場だった高精度GPSが、各段と安価で手に入れられるようになった。
最後にMackay氏は、インテル製の3Dカメラを紹介した。
そのひとつ、Intel D435 Depth Cameraは、深度計測が可能なカメラで、もうひとつのIntel T265 3D Cameraは物体の距離や位置を3次元に計測できるカメラだ。これらのカメラを活用することで、非GPS下でも飛行ナビゲーションや衝突回避が可能になる。実際に海外のエンジニアがD435カメラを搭載して屋内で衝突を回避する様子が動画で紹介された。
成果発表会はRandy Mackay氏の講義に続き、参加10組のプレゼンテーションに移った。それぞれがこれまでに力を入れてきた研究成果を披露した。
その様子は次回にお届けする。(続く)
ドローン・ジャパン株式会社(東京都千代田区)は10月27日、広く公開されているオープンソースコード、ArduPilot(アーデュパイロット)を活用してドローンのシステムを開発する人材を養成する「ドローンエンジニア養成塾」を、長野県軽井沢町で開講した。20人が参加し12月下旬までの講座で技術を磨く。
10月27日のキックオフは、軽井沢町の風越公園で開催され、ドローン・ジャパンの春原久徳会長、塾長のランディ・マッケイJapan Drones株式会社社長が登壇し、ドローンソフトウェアエンジニアの養成の必要性や、ArduPilotの特徴、有用性などについて概観した。
最初に登壇したドローン・ジャパンの春原会長はソフトウェアのエンジニアが不足している状態であることについて、データを示しながら説明したうえで、「ドローンは機械というよりもシステムであると理解したほうがいい」と、システム開発がドローンにとってきわめて重要であることを強調した。
そのうえで、フライトコードを理解することが「いったんは」重要であるということ、ドローンが最先端産業であるといわれることがあるが「技術が進んだ、ということよりもフライトコントローラーのプライスが安くなって普及したことが広がった背景」であること、ドローンプログラミングとは、大きくは機体制御、機体管理、情報処理の3つのことを示すということなどについて順を追ってていねいに説明した。
さらにフライトコントローラーが自律移動にとって重要な背景と果たしている役割や、中でもドローンが自分の位置を推定することの重要性と、そのために必要なセンサーの種類などについて解説を加えた。
続いて登壇したランディ・マッケイ塾長は、「ArduPilotは世界一多く使われているドローンシステムで、マルチコプターだけではなく、クルマ、ボート、サブマリンなどでも使われている。サポートしてくれている企業は現在56社になり、日本でもドローン・ジャパン株式会社のほか、イームズロボティクス株式会社(福島県福島市)、エンルート株式会社(埼玉県朝霞市)などがある」と存在感が高まっている状況を紹介した。
またArduPilotの特徴について「柔軟性が高いので、さまざまなFCをサポートできる。信頼性が高く、バグが少ない。オープンなので、だれでもいつでも使える」の3点を指摘した。
このあとデモンストレーションなども実施。受講生は今後、選択したコースごとにドローンのエンジニアとしての腕を磨く。
パーソルプロセス&テクノロジーは、10月11日、同社の取り組みを踏まえたインフラ点検の最新動向や事例を紹介する「ドローンインフラ点検最新動向セミナー」を開催する。多くの実績を持つ曽谷英司氏、春原久徳氏、城純子氏が登壇する。入場は無料。
セミナーは、パーソル&テクノロジーが2018年にドローンソリューション部を始動、業務効率化活動などを続ける中で、取引先などから取り組み内容についての問い合わせや、取引先自身が活用を検討する意向を表明することが増えていることから、開催を決めた。最新動向や事例紹介のほか、実用化に向けた壁なども紹介する。
登壇するのは、同社が2018年に部門を創設する以前から豊富な現場経験を持つ曽谷英司氏、春原久徳氏、城純子氏。「実際の運用に役立つ」セミナーとなることを目指すという。
■概要は以下の通り
・セミナー名:ドローンインフラ点検最新動向セミナー
・受講料:無料(事前登録制)
・日時:2019年10月11日(金)10:00 ~12:00(9:30受付開始)
・会場:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 豊洲本社 コラボレーションスペース (東京都江東区豊洲3-2-20 豊洲フロント 7F、地図はこちら)
・定員:30名(名刺を持参)
■当日の式次第
【第1部】10:00-10:45
「ドローンインフラ点検の最新動向と実用例」
(休憩)
【第2部】10:50-12:00
「ドローン実用化への壁とドローンプロセスデザインの重要性」
■登壇者
曽谷英司氏
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
ビジネスエンジニアリング事業部
ドローンソリューション部
春原久徳氏
一般社団法人セキュアドローン協議会会長
ドローン・ジャパン株式会社取締役会長
城純子氏
パーソルプロセス&テクノロジーズ
ビジネスエンジニアリング事業部
ドローンソリューション部
セミナーのHP(参加申し込み)はこちら
ドローンを活用した農業、教育、コンサルティングなどの事業を手掛けるドローン・ジャパン(東京)は5月18日、「ドローンソフトウェア概要講座」を東京・九段下のドローン・ジャパンのオフィスで開催する。参加は無料だ。
セミナーでは同社代表取締役会長で、ドローン業界の論客の一人、春原久徳氏がドローンのソフトウェアアーキテクチャーとドローンオープンソーステクノロジー「ArduPilot」を中心に、これまでエンジニアたちが創り出してきた技術の実例を紹介し、概要を解説する。
あわせて、5月26日(日)に始まる「ドローンエンジニア養成塾第7期」の説明会も行われる。養成塾はArduPilotのエンジニアを養成することが目的で、開発者のRandy Machay氏が塾長をつとめ、ドローン・ジャパン講師陣とともに最新のドローンテクノロジーを紹介しながら指導するコースで、18日の説明会で、今期の概要を説明する。
日時 :5月18日(土) 10:00~12:00
場所 :九段下 ドローンジャパンオフィス
受講費:無料
申し込み:https://www.drone-j.com/seminar-20190518