ドローンの大規模展示会「Japan Drone 2024 / 次世代エアモビリティEXPO 2024」(JapanDrone)事務局は6月10日、6月5~7日の開催3日間に2万1273人の来場者があったと発表した。前回(2023年6月開催)の1万9008人を2265人(11.9%)人上回った。3日間の最終日に発表された表彰式JapanDrone&AAM Awardでは、来場者の投票で決まるオーディエンス賞にイームズロボティクス株式会社(南相馬市<福島県>)の型式認証2種を取得した「E6150TC」が選ばれた。
JapanDroneへの来場者は、6月5日が6961人、6日が7062人、7日が7250人で、いずれも前回の初日、二日目、三日目を上回った。前回を上回る261組が出展したほか、講演、パネルディスカッションなどステージ企画も能登半島関連、AAM(アドバンスト・エア・モボリティ)海外事情関連などを中心に盛況だった。
Japan Drone & AAM Awards 2024では、用意された4部門ごとの賞と部門横断で審査される審査員特別賞、来場者投票で決まる「オーディエンスアワード」が発表された。「オーディエンスアワード」には、イームズロボティクス株式会社の型式認証2種取得「E6150TC」が選ばれ、審査委員長の鈴木真二JUIDA理事長から表彰状を受け取った。
なお、部門別では「ハードウェア部門」ではイームズロボティクス株式会社の型式認証2種取得「E6150TC」、「ソフト・アプリケーション部門」ではドローン・ジャパン株式会社、パナソニックシステムデザイン株式会社、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社の機体管理・サポート基盤パッケージ「DOP SUITE(ドップスイート)」、「Advanced Air Mobility部門」ではGMOインターネットグループ株式会社の脆弱性診断「GMOサイバーセキュリティ for Drone/eVTOL」、「海外部門」ではZhuhai Ziyan Unmanned Aerial Vehicle Co., Ltd. (ズィヤンUAV社)の「Shadow S3 Long Endurance Patrol Unmanned Aircraft」がそれぞれ選ばれた。審査員特別賞には三菱重工業株式会社が選ばれた。
最終審査には「ハードウェア部門」でJX金属株式会社の3D成型可能な電磁波シールド「Mighty Shield」、株式会社空解の長距離型VTOL「QUKAI MEGA FUSION 3.5」、「ソフト・アプリケーション部門」でブルーイノベーション株式会社の「ドローンポートシステム 「BEPポート」、海外部門でAiu Limited「X8Lタンデム翼ティルトローターeVTOL」
京都、大阪、奈良の京阪奈地域でドローンの普及を目指す有志団体「京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会」(事務局・奈良市)は5月24日、奈良県庁で会見し、プロジェクトの具体的な活動の第一弾として「第一回京阪奈ドローンフォーラム」を7月22日に、奈良市の大型ホール、奈良県コンベンションセンターで開催すると発表した。ドローンや空飛ぶクルマの実装をめぐっては、大阪を中心に関西圏で催事、事業、実証実験など利用拡大や社会実装に向けた取組が急増している。奈良でも大型フォーラムが開催されることで、関西圏でのドローン実装論議に足並みをそろえることになり、活躍が展望される大阪・関西万博の機運醸成も進みそうだ。
京阪奈ドローンフォーラムはドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティに詳しい有識者の講演やパネルディスカッションと、技術、機体、取組の展示などで構成する。実行委員会の増尾朗実行委員長(マスオグループ代表)は「ドローンや空飛ぶクルマは、大阪・関西万博が開催される2025年をマイルストーンとして本格的な展開が期待されています。私たちもこのフォーラムをキックオフとして、万博開催の時期をめどに、京阪奈エリアでのドローン前提社会、デジタル田園都市国家構想の構築に向けて、意識の醸成と社会実装の進展を目指します」と抱負を述べた。
フォーラムの後援には5月24日現在、奈良県、奈良市のほか、一般社団法人奈良県ビジターズビューロー、公益財団法人大阪産業局、一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)、JR西日本イノベーションズなどが名を連ねている。今後さらに加わる見込みという。フォーラム後に展開するプロジェクトを通じ、京阪奈エリアでのドローン産業の振興や社会課題解決を目指す。
フォーラムの講演には内閣官房の小熊弘明参事官、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長、慶應義塾大学の古谷知之教授(SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム代表)、空撮を通じた地方創生事業を展開する株式会社ドローンエモーションの田口厚代表取締役、ドローンを含め幅広い技術を活用するスマート物流で牛丼やラーメンを運ぶ実証で知られる株式会社エアロネクストの田路圭輔CEOらが登壇する。「いまのドローン、空飛ぶクルマの流れをリードする“主役級”」(実行委員)の顔ぶれだ。
展示では、VTOL機や有線給電型回転翼機をはじめとする国産ドローン開発を手がけるエアロセンス株式会社(東京)、AIドローン開発の米Skydioと提携し運用や認定講習を手がけるほか、ドローンの飛行、撮影、データ解析、レポート作成をWEB上で一元管理するクラウドサービス「docomo sky」を展開する株式会社NTTドコモ、ドローン研究に力を入れる慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムがブースを構える。
このほか、スイスsenseFly社の固定翼機eBeeシリーズを運用するジオサーフ株式会社(東京)、おコメ、ワイン用ブドウなど農業のスマート化を推進するドローン・ジャパン株式会社(東京)、壁面にピタっと吸着して作業を助けるドローンなど用途に適した産業用ドローンを製造する菱田技研工業株式会社(大阪府)、業務用ドローンの研究開発や製造を手掛ける株式会社D-wings(大阪府)、陸海空のドローン制御技術開発を手掛けるDig-it works(ディジットワークス)株式会社(千葉市)などが機体、技術、取組を持ち寄るなど、あわせて20件のブースが出展される見込みだ。中にはこのフォーラムで新型機を披露することを計画している事業者もある。
フォーラムが開催される7月22日は、万博開幕1000日前の7月18日に近いことから、事務局は万博機運を京阪奈エリアでの醸成も意識していると説明。空飛ぶクルマ、エアモビリティの社会受容性の浸透を通じ、「2025年には奈良をはじめ京阪奈でドローン前提社会といえるような実装が進んでいる」(増尾実行委員長)ような未来を展望している。
増尾委員長は会見で「ドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリィには限りない可能性があります。観光にも物流にも人の輸送にも密接にかかわりますし、機体だけでなく周辺技術であるITやAIの普及、DXの促進ももたらします。地域を形作る行政、価値を生み出す企業、未来を切り開く学生など多くの層にフォーラムにお越し頂き、プロジェクトを盛り上げて頂きたいと思っております」と述べた。
主催する京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会は、増尾実行委員長が代表を務めるマスオグループのほか地元企業、アクセラレーターら有志が集う。この日の会見には、増尾氏のほか、足立靖氏、石見亜紀子氏、中島秀豊氏が同席した。
ドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティをめぐっては、万博をきっかけに導入機運が高まる大阪を中心に、関西圏は周辺エリアで実装に向けた活動が広がっている。兵庫県では地元発祥の兼松株式会社などと連携し「HYOGO 空飛ぶクルマ研究室」を創設した。9月1日には内閣官房小型無人機等対策推進室と兵庫県とが主催する普及促進イベント「第一回ドローンサミット」を神戸市で開催する。空飛ぶクルマ開発で注目度が高まる株式会社SkyDriveは大阪府、大阪市とすでに連携しているが、近鉄グループホールディングス株式会社(大阪市)が出資を決めるなど活躍の舞台を広げている。近鉄沿線の観光都市、三重県の伊勢・志摩での運用も視野に入る。同様に南海電気鉄道株式会社もSkyDriveとの連携協定を締結し、和歌山県を含む南海沿線での空飛ぶクルマの運用を目指す。奈良でのフォーラム開催はドローンや空飛ぶクルマ、エアモビリティの関西圏での機運の底上げにつながることになる。
■催事:第一回京阪奈ドローンフォーラム
■日時:7月22日(金)、12:00~17:00(講演:13:00~16:00予定)
■内容:講演、パネルティスカッション、展示
■参加:無料
■申し込み:公式サイトの申し込みフォームから
ドローンで精密農業を推進するドローン・ジャパン株式会社(東京都千代田区 勝俣喜一朗代表取締役)は4月14日、「ドローンワインプロジェクト」の説明会を開き、プロジェクトの開始を宣言した。説明会では勝俣社長、春原久徳会長が概要や経緯を説明したほか、技術開発で協力している郭威東京大学特任准教授、ワイン輸入を手掛ける株式会社フィラディス(横浜市)や賛同する南仏のワイン生産者が登場し、プロジェクトで開発した新技術や、賛同生産者のブドウを使って生産したワインの発売を発表した。
「ドローンワインプロジェクト」は、ドローン・ジャパンがコメづくりなどで培ってきた、肥料や農薬に依存しない精密農業技術を、ワインブドウの栽培やワインの生産に応用する取り組みだ。うまくいけば施肥の最適化などが実現するが、実際には、雑草とブドウとの区別を画像で見分けにくいなどの課題が横たわる。この日の説明会では、AIとドローンを使った精密農業の技術の一環として、新たに雑草とブドウを見分ける技術を開発したことが発表された。東大の郭特任准教授は「3次元の圃場データで地面とワインブドウとを区別できるようになりました」と技術を解説した。生産者からは、「ブドウ樹と雑草との区別分布」、「ブドウ畑の地力分布」などへの期待が表明され、農薬や肥料に頼らない農業で生産されたブドウを原料にしたワインの生産への道筋を示した。
ドローン・ジャパンの勝俣喜一朗代表は、「この技術を活用してひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やせればいいと思い、このプロジェクトをたちあげました」と、プロジェクトへの思いと目標を述べた。
プロジェクトに賛同する南仏の生産者の畑から収穫されたブドウの一部を原料にしたワインの発売も発表された。発売されたのは2020年のヴィンテージワイン、「ビコーズ, アイム シャルドネ フロム サザンフランス」(オープン価格。ただし参考実勢価格は1500円)と、「アッサンブラージュ ブラン 2020」(1529円税込、成城石井HP)。年間でビコーズは3万5千、アッサンブラージュは3万本の出荷を予定しているという。
アッサンブラージュの生産農家、フィリップ・フェザス氏は説明会で生産の概要や大学との共同研究などに言及したうえで「これまでの25年間の変革が正しかったのか確認をする時期にきている」と自信の生産活動が節目を迎えていると述べ、「ブドウ畑のうち自分の目で確認できるのは5%ぐらいですが、ドローンを使うと100%確認できます。日本の食卓にあうものを生産することを心掛けていますが、ドローン・ジャパンの技術は、さらに高みをめざせるという点で有意義です」などと述べた。
またビコーズの生産農家、ベルナルド・カマン氏も「生産には与える水の量、時期などの最適化を判断します。さまざまな実験をする中でドローンは最終的な決断をするのに有効でした。また新技術の解析結果は、栽培方法を選択するうえで役立つ大発見でした。ドローンは小型で、安価で、短時間を実現します。半日の飛行で緻密なデータを提供してくれます。今後、最適化ができると期待しています」などと話した。
ビコーズを輸入している株式会社フィラディスの石田大八朗代表取締役も「おいしいワインづくりには(畑の)地の力を最大限に使うことが必要不可欠です。今回の新技術は有機農業の発展と生産の低コスト化に大きく貢献すると思います」と期待した。
ドローン・ジャパンは今後、このプロジェクトを進めるためのパートナーを募集するとしている。
ドローン・ジャパンが説明会の当日に公表したプレスリリースは以下の通り。
(以下、引用)
2022年4月14日
ドローン・ジャパン株式会社
「ドローンワインプロジェクト」開始
〜「ドローン&AI」を活用した“農薬・化学肥料に頼らない栽培支援技術”を開発。
その技術を発展させ、「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことを目指す活動〜
ドローンに装着する様々なカメラで「農作物」を上空からから撮影、その撮影画像を AI 解析することで「その作物の生育状況」を判断し農業に役立たせる技術が今世界で広がりつつあります。
ドローン・ジャパン株式会社(*1)(所在地:東京都千代田区 代表取締役:勝俣喜一朗)は、2020 年より南仏のワインの生産者の協力を得ながら「ドローン&AI」を活用し、“農薬・化学肥料に頼らない栽培支援技術”として、テロワール(ワインぶどう畑)の見える化を「ブドウ樹と雑草との区別分布」、「ブドウ畑の地力分布」にして表現する技術を開発しました。
そして、その技術を活用・発展させ、「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことを目指す活動をこの度「ドローンワインプロジェクト」と称し開始します。
また、協力生産者の畑から収穫されたブドウの一部を原料にした、2020 年のヴィンテージワイン、「ビコーズ, アイム シャルドネ フロム サザンフランス」(株式会社フィラディス輸入(*2)(所在地:神奈川県横浜市 代表取締役:石田大八朗)と、「アッサンブラージュ ブラン 2020」(株式会社成城石井輸入(*3) (所在地:神奈川県横浜市 代表取締役:原昭彦)が、それぞれ本日、販売開始されます。
ドローンワインプロジェクト:Landing Page: https://www.dronewine.net/
紹介 VIDEO: https://youtu.be/SW1jZaXhUzw
1. ドローンワインプロジェクトとは(=SDGs 15 陸の豊かさ)
気候変動に影響を及ぼしているとされる「農薬と化学肥料の過剰な使用」を食い止め減少させてゆくことは、
SDGs の観点から農業分野が取り組むべき緊急かつ大きな課題です。その課題解決策として、農薬と化学肥料を最小限もしくは使用しない農業のための“技術開発”が求められています。
(参照:農林水産省 「みどりの食料システム戦略」 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html)
そこで、ドローン・ジャパン社はフィラディス社と成城石井社が既に輸入・販売しているフランスのワインの生産者の協力のもと「ドローン&AI」を活用した農薬・化学肥料に頼らない“栽培支援技術”(栽培の有機化を支援する技術)を開発しました。
・なぜフランス?
2,000 万 ha にも及ぶ農地を誇る農業大国フランス。現在、フランスの有機栽培農地の割合は全体の 10%であるのに対し日本国内はまだ 0.5%ほど。フランスでの化学肥料の年間使用量は農地規模比率で日本より 40%少ないとされています。(参照:総務省「世界の統計 2021」https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf)
日本の政府目標である“2050 年に有機栽培農地比率 25%(現在から 50 倍)”に向けた取り組みにおいてフランス農業は日本が目指すべきロールモデルとなり得えます。
・なぜワイン用ブドウ?
フランスにおいて全農地のうち最大の面積を占めるのがワイン用ブドウ畑。その有機栽培支援技術を「ドローン&AI」でダイナミックに研究・実証・開発してゆくことが、今後日本の農地、ひいては世界の有機栽培比率を上げる大きなヒントとなると考えます。
・ドローンワインプロジェクトとは、
「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことで「SDGs 15 陸の豊かさ」を推進するプロジェクトです。
2.現時点において当プロジェクトで開発した「ドローン&AI」技術について
ドローンの「自律航行方法」「カメラの種類と設定」から「解析手法」まで様々なパターンを試行し、その解析結果を生産者に実際のワイン用ブドウの生育状況と比較検証してもらいながら、テロワール(ワインブドウ畑)の見える化を実現しました。特に、下記2点の技術については生産者からも高い評価を得られています。
ドローンで撮影した画像を色とあわせ 3 次元情報を加えることで、「ブドウの葉と雑草の区別分布」を可能にする新たな AI 画像解析技術。この分布図は雑草と“共生”するワイン用ブドウの栽培に活用でき、農薬・化学肥料を少なくすることに役立ちます。
ワイン用ブドウの樹勢の生育期ごと「形・色・大きさ」を学習、AI 画像解析することで地力分布図をつくる技術。この地力分布図から精密な肥料設計・計画が可能となり、化学肥料を少なくすることに役立ちます。
3. 生産者(南仏)のその具体的な活用
―フィリップ フェザス氏:ガスコーニュ地方、成城石井社取り扱い生産者
「ブドウ樹と雑草との区別分布」を農薬・化学肥料を少なくする雑草と共生する栽培に活用
(インタビュー動画 https://youtu.be/RPnIuZpebMA)
―ベルナルド カマン氏:ラングドック地方、フィラディス社取り扱い生産者
「ブドウ畑の地力分布」を参考とした「精密施肥」で化学肥料を少なくする栽培に活用
(インタビュー動画 https://youtu.be/AOolkyb4ybM)
4.ドローンワインプロジェクトの協賛パートナー フィラディス社 社長 石田大八朗のメッセージ
(インタビュー動画 https://youtu.be/BNnfAedBf8w)
5.今後の目標と取り組み
2050 年に日本国内の有機栽培面積を 25%に飛躍拡大させていくことを支援する「ドローンによる AI 画像解析技術」を開発・発展させていきます。また、「ドローンワインプロジェクト」を拡大させるために応援いただく方々を募り、この技術を活用するワイン用ブドウの有機生産者・有機圃場を増やしていくことに取り組んでまいります。
<*(1)~(3) の説明>
*(1)ドローン・ジャパン株式会社 http://www.drone-j.com/
ドローンワインプロジェクト Page にて詳細 https://www.dronewine.net/
*(2)株式会社フィラディス
プレスリリース https://firadis.co.jp/news-release_dronewine/
*(3)株式会社 成城石井
アッサンブラージュ ブラン 2020 https://www.seijoishii.com/d/83492
化学肥料や農薬に頼らない米作りをドローンや関連技術で支援する「ドローン米プロジェクト」を展開するドローン・ジャパン株式会社(東京都)が、クラウドファンディングによる支援金の調達に挑戦し、募集初日の11月1日に目標額である30万円を超える金額の獲得に成功した。7500円以上の支援者には、プロジェクトに参加する農家が育てたドローン米が届く。同社は集めた支援金を、圃場確保や技術開発に使う計画だ。
ドローン・ジャパンが挑戦したクラウドファンディングは、株式会社マクアケ(東京)が運営するプラットフォームMakuakeで、11月1日の午前6時に募集を始めた。目標額は30万円に設定してあり、12月15日の期間までに目標額に到達しなかった場合には、支援金を受け取れないAll-or-Nothing方式での取組だ。
Makuakeでは支援者による資金提供を「応援購入」と呼んでおり、ドローン・ジャパンは、5000円、7500円、30,000円の3種類の応援購入のコースを準備した。目標額に設定したさいに支援者が得られらるリターンとして、Zoom用の壁紙、2021年5月に予定しているドローン体験会、Zoomで開催されるイベント「収穫祭」への招待が提供されるほか、7500円以上の支援者には、プロジェクトに参加している農家が生産したドローン米の玄米か精米4キログラムが提供される。参加している農家は5組で、支援者は生産者を選べる。
また30,000円のコースには、5組の農家それぞれのおコメが2021年1月以降5か月にわたり月替わりで毎月4キロずつ届くリターンを用意したが、準備した10の受付枠は受け付け開始の初日で埋まり、申し込みを修了した。
同社は、応援購入で獲得した資金を、ドローン米を作るための圃場確保や、圃場解析の技術開発などに充てるとしている。
ドローン・ジャパンは、ドローンと関連IT技術とを使うことで、「農薬や化学肥料に極力頼らないおコメづくりを支援しよう」と、5年前に「ドローン米プロジェクト」を発足させた。ドローンがまだ一部でしか知られていなかったころに、いち早く遠隔で操作できるドローンの可能性に着眼し、IT技術と組み合わせることで生育状況や健康状態、収穫敵機の判断材料をデータとして収集するリモートセンシングを取り入れ、農業のスマート化を後押しする力となった。ドローンによる農薬散布の普及とは目的が異なる。
三重県でプロジェクトに参加し「結びの神」を化学肥料、農薬を使用せずに栽培している「つじ農園」の辻武史さんは、「ドローン米プロジェクトでは、ドローンで撮影したデータをソフトウェアで分析することで『今、お米がどんな状態か』をより簡単に理解でき、記録が残ることで前年の栽培データが参照できます。ドローンやITを活用して、効率の中にも安全性を確保した農業を続けていきます。日本で安全なお米作りを続けていくために、多くの皆さんに興味を持っていただき、一緒に未来を考えていきたい」と話している。
■三重県 つじ農園 辻 武史さん 栽培品種 [結びの神] 辻さんのインタビュー動画 https://youtu.be/9BHsUVTGC2w ■新潟県 中島明則さん 栽培品種 [コシヒカリ] 中島さんのインタビュー動画 https://youtu.be/ErYFUSb-1jY ■富山県 下村豪徳さん 栽培品種 [コシヒカリ] 下村さんのインタビュー動画 https://youtu.be/IS8kmTB4u9A ■岡山県 本山紘司さん 栽培品種 [きぬむすめ] 本山さんインタビュー動画 https://youtu.be/EgoSFLzul-c ■熊本県 前田道範さん 栽培品種 [イセヒカリ] 前田さんインタビュー動画 https://youtu.be/cpGwelxgw_8 <応援購入のコースは以下の通り> 1)プロジェクト応援コース(お米なし) 支援価格 5,000円 (ⅰ)ドローン米2020サポーター特別壁紙(Zoom用PNG) (ⅱ)ドローン体験会招待(2021年初5月頃田植え後に予定(場所未定) (ⅲ)Zoom収穫祭招待(12月22日、18:30-20:30。直前に招待URLを案内) 2)農家さん応援コース (お米+参加券) 支援価格 7,500円 (5農家5コースあり) (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)に加え、4Kgの新米(玄米または精米) 5組のドローン米農家から選択 ① 三重県 つじさんの結びの神 ② 新潟県 中島さんのコシヒカリ ③ 富山県 下村さんのコシヒカリ ④ 岡山県 本山さんのきぬむすめ ⑤ 熊本県 前田さんのイセヒカリ 3)(★受付終了)5農家みんな応援コース(毎月お米が届く)← 支援価格 30,000円 (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)に加え、5組のドローン米農家から4kgのお米を毎月末お届け(2021年1月から5月まで)(玄米もしくは精米4kg×全5回) 1月:辻さん 2月:中島さん 3月:下村さん 4月:本山さん 5月:前田さん
ドローン・ジャパン株式会社(東京都千代田区)は、7月21日、この秋以降に予定されているドローンへのSIM搭載解禁を視野にいれた、データマネージメントコンサルティングや共同実証などのサービス、「DMN PoCサービス」の提供を始めたと発表した。
提供する内容はSIM搭載解禁にあわせた解決を提案するデータマネージメント・コンサルティングサービス②ドローンからの取得画像データをクラウドに自動にアップロード・仕分けし、リアルタイムで確認する「イメージファイリングソリューション」(株式会社バーズ情報科学研究所開発)の提供③“共同実証実験”の提供。ただし実証実験は10月31日までは地面を走行するローバーを使い、空を飛ぶドローンを使った空中航行ではない形で実施する。
サービスはドローンに後付けのユニットを搭載して実施する。搭載するユニットは、ドローンと接続せずに位置情報を取得でき、専用のカメラで撮った写真に緯度経度をEXIF情報として挿入し、EXIF情報が入った写真を自動的に対象のWebストレージに送信する、といった機能を備えている。
SIMの上空利用については、ドローンなどでの活用を視野に今年秋以降の制限の緩和や、利用の本格化が見込まれている。利用が進めば、ドローンに搭載したカメラの画像・映像データやドローンの状態を示すテレメトリー・センサーデータをリアルタイムに取得できる。 取得データは、用途や目的にあわせたサービスとして付加価値につながるとみられている。
想定される用途は、石油化学プラント、工場、基地局、発電所などの点検業務、行政、電話、水道などインフラ関連事業、災害調査業務、警備などの監視管理業務、農地、山林などの広域調査業務など広範囲にわたり、規制緩和により用途が拡大すると見込まれている。
ドローン・ジャパンの春原久徳会長は、「SIM上空利用のメリット確認や課題抽出で実用化へのステップを進めることが可能」と話している。
■「DMN PoCサービス提供価格」 価格:通常1,100,000円(税別) >限定650,000円(税別) (2020年9月30日まで、初期限定5社までの特別提供価格)
「DMN PoCサービス」Zoomウェビナーの申し込みはこちら https://www.secure-cloud.jp/sf/business/1594868307QdAnrpZI