一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長は、JUIDAが「創立5周年記念シンポジウム・交流会」を8月19日に開催するのを前に、DroneTribuneのインタビューに応じ、黎明期を振り返り、今後を展望しました。「ここまで大きくなるとは思っていませんでした」と成長速度が予想を上回ったことを明かす一方、今後の取り組みの方向について「機体登録で安心の制度化を」と明確に示しました。
――JUIDAの創設から理事長として歩んできました
鈴木理事長 創設した当時は、これほどドローンに深く関わることになるとは、思ってもみませんでした。ドローンに「空飛ぶクルマ」が入ってきていて、ドローンというカテゴリーそのものも変化しています。これまでも大きく変化してきましたが、これからも今までとは異なった大きな変化が起こるのだと思います。
――どんな5年でしたか
鈴木理事長 ドローンが今の電動マルチコプターとして広がりだしたのは2010年以降です。その後DJIのPhantomシリーズが出て、Amazonが宅配にドローンを使うと動画を流し始めたのが2013年12月1日で、2014年ごろには、今後はドローンが広がるとみていました。当時、ユーザーの立場の団体がなく、「作りましょう」と声をかけられて、「ではやりましょう」みたいな話から始まりました。最初は10人ほどの規模でのスタート。会員が1万人規模になるなど予想できませんでした。
――目指していたのは?
鈴木理事長 ドローンと呼ばれているものが、ちゃんと、安全に使える環境づくりです。それには、ネットワークがないと困るだろうということではじめました。とはいえ、ネットワークがどれほど広がるか、までは予想していませんでした。そもそも当時は、「小型無人航空機」というカテゴリーがなかったので、暗中模索で動いていました。
――当初は不審がられました
鈴木理事長 ありましたね。ドローンを持って歩いていると、不審なものを持っているように見られたり、「何やってるんだ」って言われたり、通報されたり、などという話がたくさんありました。ただしわれわれは、業務用のツールとして定着するだろうな、と思っていました。社会にネガティブなとらえ方があることを知ったのはJUIDAを設立した後です。そこで、ドローンが不審なものとして受け止められることがないよう、使うための安全ガイドラインの必要性を感じて、事業者や国交省航空局、経産省などに入って頂いて、意見交換を始めたんです。2015年1月あたりから、何回か会合をやって、議論をし始めた2015年4月22日、首相官邸で不審なドローンが落下しているのが見つかった。いやこの日はですね、国交省航空局の松本大樹安全企画課長(当時)の誕生日だったんです。松本課長の功績は大きくて、大変なご尽力をされました。その松本課長の誕生日に、首相官邸の屋上でドローンが見つかった。私はその日、あるところで講演をしていたのですが、連絡が入ってNHKのニュースに出ることになりました。その日の夜のニュース番組、翌朝のニュース番組、午前11時まで、帰らずに出ることになりました。『おはよう日本』にも出ました。その日は渋谷の放送センターに近いホテルで仮眠してそのまま、という、そんな出来事がありました。
――ドローンにとっては大きな出来事でした
鈴木理事長 ドローンを国民が広く知るきっかけとなったと思います。
――航空法改正のきっかけにもなりました
鈴木理事長 そうなんですが、当初はすぐに法改正なんて、できるわけないよねって思っていました。特に航空法改正は時間がかかると聞いていたこともあって、すぐに小型無人機の制度ができるとは思ってもみなかったわけであります。ところがそれが実現する。それにはそれまで議論を重ねていたことが生きるわけです。このときの改正法、施行は2015年12月10日なんですが、交付されたのは9月11日でして、この日って、私の誕生日なんです。松本さんがいつもおっしゃっていました。「事件が起きたのははわたしの誕生日、交付されたのが鈴木先生の誕生日」って。(笑い)
――JUIDA設立の5年間には質的、量的にいろんな変化があったと思いますが、その変化について、こうなってくれてよかったと思うことと、こうなっていればよかったと思うことは?
鈴木理事長 やはりよかったことは、航空法の改正が迅速だったこと。何をしてはいけないかが明確になったことで、利用者が使いやすくなった面があります。持っているだけで通報された経験をお持ちの方も、それを守ればいいわけです。
――こうなっていればよかった、ということはありますか
鈴木理事長 逆に法制度がほかよりもはやく進んだひずみ、とでもいいますか。そんな面もあります。今、議論されているのは機体の登録制度です。ドローンは今、自動車のようにナンバープレートをつけているわけではなく、どこかに落ちていても、誰のものだからわからない。海外からの旅行に来られた方が、ルールを知らないまま飛ばして話題になることがありますが、機体の登録や、業務用機体の審査など、管理された状況に関する制度があれば、問題にはならないわけです。そうはいっても、すべてが整うまで待っていては時間ばかりかかるので、とりあえず飛ばし方の部分の制度化を先行したわけです。そこがほかより早く整備されたがゆえに、未整備部分が問題視されています。そこをJUIDAとしても取り組んでいかないといけないと思っています。手始めが機体の登録制度。誰がどのドローンをもっているかわかるようにする。放置してあっても誰の自動車だかわかるようになっているのと同じです。それがあると所有者が責任をもって管理する環境が整います。
――必要性の説明が大切ですね。安全性を高める、とか・・・
鈴木理事長 安全ということよりも、安心して使える、ということでしょうか。安心を制度化する意味で必要だと思っています。不正な使い方をする人への抑止効果もあると思います。が出てくると思う。少なくともブレーキがかかるでしょう。今は場所によってはどこでもだれでもとばせるのですが、それが、ある種の不安になっている面もあります。登録はある種の規制強化ではありますが、安心の制度化です。自動車には車検制度があります。隣に走っているクルマはちゃんと整備されたクルマなわけです。安心してクルマを使える背景になっています。。前を走っているクルマが突然、停まるかもしれない環境では安心して走れないですよね。ドローンにもその安心がないといけない。その第一歩が登録です。つきつめていくと、ちゃんと整備しているのか、ということにもなってくるので、さらに制度作りが必要かもしれません。利用を広げる意味でも、あまりにも怖がってもいけないのでバランスが大事です。
――利用も広がりました。空撮、測量、点検、農業。
鈴木理事長 農業は昔からラジコンヘリによる農薬散布という長い歴史をもっています。ここはすでに市民権を得ているところでしょう。点検、測量は新しく始まったところ。空撮も広がりました。今目にする上空からの映像はほとんどがドローンですね。10年前にはほとんどなかったですが、いまや日常的ですね。
――次に起きるのは?
鈴木理事長 私は人間の根源に、自由に空を飛びたいという、思いがあると思っています。ビジネスとして事業化が進むことの一方で、純粋に、空を飛べる体験がもっと、広がっていいと。その意味で自由に飛ばせるフィールドがもっと提供されればいいなと思っています。大分県湯布院町で、ドローンの方々だけが泊まれる日を設けている温泉旅館を運営しておられる方がいらっしゃいますね。(=「ドローンの宿 時のかけら)。これはすごいな。と思いました。敷地を持つ寺社仏閣などが飛ばせる場所を提供して頂けたりしたらいいな、とも思います。「空を自由に飛べるということは素晴らしいことだ」と共有してくれるといい。
――初めての人がドローンに触れる入口のひとつにスクールがあります
鈴木理事長 スクールの意義は導入教育にあると思っています。使ったことがない人が、標準化されたカリキュラムのもとで、もっとも効率のいい教育を受けて、ちゃんと動かせるようになり、どういうところに気を付けたらいいかを分かる。その次にはもっと専門的で高次なことをやりたいということもあるでしょうから、そこはJUIDAの中で議論をしていますが、底辺を広げることに貢献していると思います。もっと多くの人が、空を飛ぶ体験ができればいいと思っています。
――学ぶという意味では、事故から学ぶことの重要性も多く聞きます
鈴木理事長 重要です。安全を維持する上では事故から学ぶ文化が必要です。事故を起こした人への責任追及では済まされません。その文化を作ることもわれわれの重要な使命だと思っています。事故にならなくても、ちょっと怖い目にあった、というときには、ちゃんとそれを届け出て、それをみんなで共有できることが必要。事故になる前にヒントがあります。「ハインリッヒの法則」というのがありますね(=ひとつの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという労働災害の経験則)。ささいなことの中から、重大なことの芽を発見するということが事故を防ぐ重要な手段ということで、こんなあぶないことをしちゃったよ、みたいなことが、共有できる環境を整えなくてはいけないと考えていまして、JUIDAが取り組む課題のひとつです。あぶないからやめてしまえ、では進化がない。
――ところで鈴木理事長は空への憧れから研究の道に入ったのでしたね
鈴木理事長 私自身は飛行機に乗ると酔っちゃったりするので、小さい飛行機は乗れないんですけどね。旅客機はいいんですけど。そういう意味で自由に操縦することはかないませんでしたけれど、飛行機に携わる仕事ができた、という意味では、子供のころからの夢がかなったと思っています。
――ドローンにも携わることを決めたのは、空を飛ぶから、っていうのは本当ですか
鈴木理事長 はい。それだけの話(笑い)。もともと飛行機が子供のころから好きで、大学の航空学科に入ったんですけど、入ってみると安全に対する、非常に重い責任を負わないといけない、といったところに直面します。『マッハの恐怖』(柳田邦男氏の航空事故の原因を究明したノンフィクション)という本が出てそれを読むと、空を飛ぶのを、カッコいい、ということでこの道を目指したことに、ちょっと反省をするわけです。もっと重い事実だな、と。そこで安全をいかに維持、向上させるか、というところに取り組まないといけないな、と思いまして、それで落ちない飛行機を研究しようと思ってずっときたわけです。単に飛ぶ、ではなく、安全に飛ぶを追求したいわけです。有人機と無人機とは違うわけですが、私の中の存在感としては、あまり違わないです。飛ぶことを自由にコントロールするという意味において。同じような存在です。
――JUIDAとしてほかに取り組むことは
鈴木理事長 実はもうひとつ、JUIDAでやろうとしていることがあります。いま、ドローンの技術、テクノロジー、創意工夫などを共有する場がないのです。学会、技術論文集、発表、というアカデミアの世界があるのですが、ドローンでは育っていない。技術の発表先がほとんどないのです。すそ野を広げることも大事ですが、技術のレベルをあげること、頂点を高くするということも必要。そういった技術を発表する場として、ドローンの技術ジャーナルのようなものを作ることに取り組みたいと思っています。
――ドローンの業界をリードし得るプレイヤーがどんんどん登場し、買活しています。伝えたいことは
鈴木理事長 心強い限りで、どんどん活躍して頂きたいです。伝えたいことがあるとすれば、ビジネスには競争がありますので自社の利益を追求することになるのですが、それだけでは社会全体に広がらない側面もあるということ。みんなで築くプラットフォームなり文化なりも視野に入れて頂ければいい。みんなで基盤を作って、みんなで広げられればいいと思います。
――ありがとうございました。
AAM(アドヴァンスト・エア・モビリティ)運航事業を手掛け、大阪・関西万博の運航事業者にも名を連ねる株式会社Soracle(ソラクル、東京)が、2027年中にも大阪・関西エリアで旅客運航を目指す計画を明らかにした。9月10日に大阪府、大阪市と連携協定を結んでおり、その席で計画を明らかにした。米Archer Aviation(アーチャー・アヴィエーション)のパイロット1人を含めた5人乗りのeVTOL型AAM、Midnight(ミッドナイト)を使うことを想定しているという。
Soracleは2026年にも大阪府内で実証飛行を実施し、必要な審査をふまえ27年にも大阪ベイエリアでの遊覧飛行などを始める。周回して出発点に戻る運航のほか、離陸地点から別の場所に移動する二地点間飛行も想定する。
大阪府と大阪市との連携協定は、ソラクルの事業環境を整えることや、運航網整備に必要なインフラ整備に向けた調査、制度の整備、関連ビジネスの展開支援などの事業環境整備に向けた取り組みを進める。締結式では太田幸宏CEOが、大阪に来れば全国に先駆けて空飛ぶクルマに乗ることができる未来を実現し、中長期的には関西・瀬戸内海地点を結ぶ観光体験を創ると抱負を述べた。
吉村洋文知事は「さまざまな課題はあろうかと思いますが、Soracleさんと協力し、大阪府・市も全面的に当事者として取り組むことで、2027年に商用運航を、そして大阪に来れば空飛ぶクルマに乗ることができるということをめざしていきたいと思います。大阪・関西から、空の移動革命を実現していきましょう」と述べた。
Soracleの公式発表はこちらにあります
スウェーデン航空ベンチャーJetsonは、同社が開発した1人乗り用のパーソナルeVTOL型AAM「Jetson ONE」を米カリフォルニア州で購入者に初めて納入したと公表した。引き渡しを受けたのは経験豊富な航空愛好家パーマー・ラッキー氏で、50分ほどの地上訓練を受けたのちその場で飛行に挑み、低高度での飛行を楽しんだ。同社が公開した動画にその様子が納められている。納品時にはJetson創業者兼CTOのトマシュ・パタン氏(Tomasz Patan)とCEOのステファン・デアン氏(Stephan D’haene)が開封と飛行前点検を手伝った。
Jetson ONEは機体重量が86㎏で、飛行そのものについて航空当局のライセンスの有無の制約を受けず、機体のトレーニングを受ければ引き渡しを受けられるウルトラライトクラスに当たる。同クラスのパーソナルAAMには、米LIFT Aircraft社の「HEXA」や米Pivotal社の「Helix」がある。
日本ではこのうちHEXAが2年半前の2023年3月に、大阪城公園でデモフライトを行っている。このさいAAMの普及に力を入れているGMOインターターネットグループ株式会社(東京)の熊谷正寿代表が、日本国内で日本の民間人とし初めて搭乗し、披露の様子を公開した。現在開催中の大阪・関西万博では「空飛ぶクルマ」のひとつとして飛行が披露された。
なお日本でのAAMの議論の中心は操縦士が搭乗して旅客運航する「商用運航」などが中心で、個人用AAMの導入環境に関する議論は大きな進展を見せていない。一方で米国で飛行経験を積むことはいまでも可能だ。
今回、米国で購入者に納品されたJetson ONEは、アルミとカーボンファイバーのフレームに8つのローターを備え、ジョイスティックで操作するタイプの機体で、最高速度102㎞で20分まで飛行できる性能が公表されている。主に個人利用向けの機体だが、救助訓練に参加した経験も持つ。ポーランドとスロバキアの国境にまたがるタトラ山脈では、ポーランド山岳救助隊(GOPR)と連携して緊急時を想定した訓練に2機のJetson ONEが2機用いられたことが今年7月に公表されている。ルバニ山(標高1211m)頂上など遠隔地への迅速対応ミッションを含む訓練で、目的地まで4分未満で到着するなど、現場に迅速に到着し、応急対応を実施したり、状況を把握したりする「ファーストレスポンダー」としての役割を果たす可能性を示した。
Jetson ONEは税抜きで12万8000ドルで注文を受け付けているが、2025年、2026年分の注文はすでにいっぱいになっている。
参考:GMO熊谷氏、HEXA搭乗し飛行を公開
参考:GMO熊谷氏にHEXA公開搭乗の理由を聞く
参考:米Pivotal、パーソナルAAM発売開始
ドローンショーの株式会社レッドクリフ(東京)が、フィンテックのフリー株式会社(freee株式会社)の活用事例に登場した。レッドクリフが搭乗したのはfreeeが提供しているプロダクト「freee販売」の活用事例で、ビジネスの急拡大に伴う業務管理の効率化に役立てていることが紹介されている。取引先の業務効率化をアピールすることが多いドローン事業者にとって、freeeの活用事例はモデルになりそうだ。またドローン事業者が他の事業者の活用事例に取り上げられることも今後、増えそうだ。
フリーが公表したレッドクリフの活用事例はこちらからみられる。
それによると、事業の急拡大で案件別の収支管理や、全体の把握、属人依存の管理に限界が見えてきた中で、それまでスプレッドシートに頼ってきた業務フローを見直しに着手した。freee販売の導入で、受発注データと原価情報を集約し案件ごとの収支把握が容易になり、部門を越えたデータ共有や、各部門がそれぞれの業務に集中できる態勢が整ったという。チェック漏れリスクの軽減と業務負担の軽減が同時に果たせ、人件費、立替経費、ドローンの減価償却費を案件単位で管理できるようになり、より正確な原価管理と利益把握が実現し、経営判断の精度向上にも繋がっている。
結果として、IPO準備に不可欠な「事業計画の妥当性」や「来期の成長性の蓋然性」をデータに基づいて説明できる環境ができたという。
ドローンの事業者も、取引先の効率化をソリューションとしてアピールする事例が多く、活用事例でも導入先の作業の時間短縮効果などが掲載されることが多い。一方で、導入先にとっては、その事例が解決したい課題の一部にすぎないことや、導入による新たな負担などが発生するケースもあり、活用事例のアピールの方法について、各者が試行錯誤している。
freee販売の活用事例では、汎用性の高い困りごとを取り上げていて、freee販売の商品性のアピールになるとともに、多くの企業にそのアピールの手法そのものが参考になりそうだ。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、ドローンによるマンション外壁点検の仕事を請け負うための力を養う講座「ドローン点検スペシャリスト育成コース<マンション外壁編>」の内容を解説する「講座ご案内ウェビナー」をJUIDAの公式ページ上で公開した。ウェビナーは7月に視聴者を募って行われ、講座は8月に開講した。現在も受講生を募集している。
「ドローン点検スペシャリスト育成コース<マンション外壁編>」は、JUIDA、マンション管理など不動産管理大手の株式会社東急コミュニティー、ドローンスクール運営の株式会社ハミングバードの3者が作った講座で、5月に公表し、6月に開催された展示会「JapanDrone」で3者そろって発表会に臨んでいた。3者は新たな講座のマンション外壁点検の現場で求められる実務を盛り込んだことと位置付けている。
マンション外壁点検でのドローン導入期待は高いものの、外壁点検の現場や実務を知るドローン事業者は多くない。マンションの管理組合などから点検業務を請け負うマンション管理事業者側にとっては、現場知識の乏しいドローン事業者にドローンでの点検を依頼すると、ドローン事業者が担うべき実務を一から伝えなければならず、手間、時間、コストの負担が大きい。これがドローンの導入を阻む要因になっていると言われている。このため講座を通じてマンション外壁点検に求められる実務の知識を習得することで、マンションの外壁点検現場へのドローン導入を後押ししようとする狙いがある。
公開された動画は、全体で50分弱。事務局のあいさつ、カリキュラム概要、受講料、受講会場など講座に関わる説明が27分ごろまで行われる。この中では、点検作業後に作成し、依頼主に納める報告書の重要性が強調されている。ドローン作業者には、報告書の重要性や、報告書に掲載するための画像の要件が講座で解説されることなどが伝えられている。
その後、事務局が設定した想定質問に、担当者が回答する一問一答が行われる。一問一答の中では、講座の修了生には必ず外壁点検の仕事があっせんされるのか、タワーマンションにも対応可能なのか、など受講判断に関わりそうな質問がいくつも盛り込まれていて、担当者の回答は、受講を検討者の参考になりそうだ。
高校生FPVドローンレーサー・山本悠貴選手が、9月13日にドイツで開幕する国際レース出場に向けてクラウドファンディングを実施中だ。山本選手をスポンサーとして応援している株式会社ドローンショー・ジャパン(金沢市)がプレスリリースで山本選手の活躍を紹介している。
山本選手は今年7月12日~13日にイタリア・アルビッツァーテで開催された「World Drone Cup Italy 2025」で予選を総合3位で通過してジュニア部門の決勝に進出した。山本選手としては初の決勝進出で、決勝でも4位入賞に食い込む活躍を見せた。なお、ジュニア部門ではすでに数々の大会で優勝経験を持つ日本の橋本勇希選手が優勝している。
山本選手は、2024年10月30日から11月3日まで中国杭州市のShangcheng Sports Centre Stadiumで開催されたドローンレースの世界戦主権「2024 FAI World Drone Racing Championship(WDRC)」で、橋本選手とともに日本からの5人の選手の一人として出場し、各選手の成績を集計した国別順位で日本代表チームが3位に導く立役者の一人となっている。 なお、イタリア大会で優勝した橋本選手は、中国杭州市の大会でも個人総合、ジュニア部門の2部門で優勝している。
ドローンショー・ジャパンのプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000080729.html?fbclid
イタリア大会結果詳細: https://fpvscores.com/events/0DNj73gpMX/results
山本選手の動画:https://youtu.be/1auUXebjYTc
<参考>中国大会で日本総合3位、橋本選手は個人総合、ジュニア部門の二冠:https://dronetribune.jp/articles/24276/
山本選手のクラウドファンディング:https://camp-fire.jp/projects/876711/view?utm_campaign=cp_share_c_msg_projects_show
ブルーイノベーション株式会社は9月3日、沿岸防災ドローンとして注目されている「BEPポート|防災システム」の解説動画を公開した。仙台市と千葉・一宮町に配備されたシステムは津波警報のさいに初出動したことをきっかけに、自治体からの注目度がさらに高まっている。
動画は7分弱。「BEPポート|防災システム」について、「災害発生時の初動を支援する次世代型ソリューション」と説明していて、主に自治体の防災担当者や関係者、協力事業者らを対象としているとみられる。
開発したブルーイノベーションの紹介、災害時の初動対応に求められる3要素などの説明があり、それらの説明をうけて、2分50秒ごろから具体的な説明に入る。Jアラートを受けてBEPポートが自動的にドローンに離陸を指示する仕組みなどが説明されている。
また終盤の5分ごろからは、7月30日の津波注意報、津波警報を受けて一宮町<千葉県>のシステムが初出動した模様を紹介している。
システムは一宮町と仙台市<宮城県>に設置していて、7月30日の津波注意報、津波警報を受けてそれぞれ出動した。
なおブルーイノベーションは、東京都立産業技術研究センターの「クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業 公募型共同研究」に、同社が「BEPポート|防災システム」の活用を前提に提案した「自動離発着型ドローン多目的災害支援システムの研究開発」が採択されたことを9月1日付で発表している。孤立地域の状況調査、倒壊家屋の監視など災害現場で求められる機能を新規開発する計画だという。