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Oasisの来日公演が話題だが、開催の10月25、26を前にした10月24日、東京・外苑前の夜空にOasisのバンドロゴがドローンショーで浮かび上がった。ドローンショーによるロゴ投影は今年7月、ワールドツアーがスタートしたウェールズの首都カーディフのプリンシパリティ・スタジアムでも行われていて、7月4日の初日公演を翌々日に控える7月2日に、巨大ロゴで再結成を祝った。来日公演では代表曲「Don’t Look Back In Anger」のパフォーマンスでは会場である東京ドームでは、客席とともに音漏れを期待して駆けつけた会場の外のファンも含めた大合唱が起こる盛り上がりとなった。

増える音楽演出活用 ミセスもYOASOBIも

Oasisロゴのドローンショーは、ライブ参加者が会場に足を踏み入れる前から“再結成の物語”にひきこみ、熱気をさらに高める役割を担った。前回の来日公演は2009年でその年に主要メンバーであるNoel Gallagher、Liam Gallagher兄弟の仲たがいなどを背景に解散している。2024年に再結成が発表されると世界中のロック愛好家が沸き立ち、今回の日本での16年ぶりの公演では2日間にわたり10万人以上の幅広い世代を熱狂させた。

ドローンショーがライブを盛り上げる重要なツールとして活用されるケースは日本国内だけでも増えている。

7月には、ドローンショー運営や機体開発を手掛ける株式会社ドローンショー・ジャパン(金沢市<石川県>)が、7月26、27日に横浜市の山下ふ頭特設会場で開催されたMrs. GREEN APPLEの野外ライブで、1200機のドローンでバンドのロゴやメッセージを浮かび上がらせた。同社は8月5日にも音楽ユニットYOASOBIメンバーからライブを終えて帰路に就く参加者に向けて「ありがとう I♡石川 いくら」「石川ありがとう YOASOBI あやせ」のメッセージを浮かび上がらせて来場者に感動の余韻を残した。

また音楽にあわせて夜空に歌詞を投影させたのは、大阪・関西万博でギネス世界記録を樹立した株式会社レッドクリフ(東京)だ。花火大会にあわせて約1300機のドローンで夜空にシンガーソングライター、KANさんの代表曲『愛は勝つ』の歌詞と楽譜を投影した。参加者はドローンショーの歌詞をカラオケのテロップとして、会場に流れる音楽にあわせて合唱した。この取り組みは大塚製薬株式会社(東京)の炭酸栄養ドリンク「オロナミンCドリンク」発売60周年記念特別プロジェクト「元気ハツラツ!大空大合唱」の一環で8月30日の秋田県大仙市で開催された第97回全国花火競技大会「大曲の花火」など全国3カ所で会場を盛り上げた。

音楽とドローンの組み合わせについては、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の熊田知之事務局長も10月17日の認定スクールフェスタ2025の中で軽く触れている。音楽の演出効果としての役割は続々と実証されていることもあり、今後も活用は増えそうだ。

なおOasisが東京ドームで来日公演を開催した10月25、26日は日本のロックバンドHEY-SMITHが主催し、ELLEGARDEN、THE ORAL CIGARETTES、SiM、coldrain、など20組以上の人気ロックバンドが集結するロックフェス、「OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL」(ハジマザ)が開催され、さらにロックバンドL’Arc〜en〜Ciel(ラルクアンシエル)での活動で知られるhydeも10月25、26日、千葉・幕張メッセでライブ「HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR -JAPAN FINAL」を開催しており、参加するライブの決断に迷うロック愛好家が続出した。ドローンショーがその差別化の役割を担う可能性もある。

Oasis日本公式がSNSに公開したドローンショーの画像

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村山 繁
DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
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