ドローン事業を展開する株式会社スペースワン(郡山市<福島県>)は2月21日、同社の小林康宏(みちひろ)代表の著書、『海の産業革命 水中ドローンビジネスの教科書』の出版記念イベントを都内で開催した。書籍には水中ドローンの概要、活用例、ビジネスの構築法などをまとめてある。小林代表があいさつの中で書籍の概要を説明したほか、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の吉田弘氏、PwCコンサルティング合同会社の南政樹氏が講演した。関係先や産官学各層の来場者が講演に耳を傾け、交流を繰り広げた。
イベントの冒頭であいさつした小林代表は、スペースワンが手掛ける事業と水中ドローンにかかわる経緯に触れ、「新型コロナ禍の期間に知見がたまり、それを本に盛り込んだ。はじめての人にもわかってもらえる内容だと思っている」と紹介した。書籍はA5版、
JAMSTEC地球環境部門北極環境変動総合研究センター北極観測技術開発グループの吉田弘グループリーダーが北極の氷の下を水中ドローンで観測した経験などを「海氷下でのドローンの活躍」の演題で講演した。講演の中で書籍を手に取り「必要なことを網羅してあるすぐれた本」と紹介した。
PwCコンサルティング合同会社の南政樹シニアマネージャーは、今後AIの活用が急速に拡大する中、水中ドローンがAIの基盤となるデータ収集に力を発揮すると見込まれることや、集めたデータから知恵を創造することが対価の得られる価値につながることなどを「水中ドローンとデータビジネス」の演題で講演した。
南氏は「『風が吹けば桶屋がもうかる』を生成AIが考えたらどうなるのか。予想もしないような新しい価値を生み出すために、さまざまなデータに活用の可能性が出てくる。技術は進歩し、人ができることは増えるが、私たちはそれを人の作業の代替のためだけでなく、新しい価値の創造につなげないと、事業の継続が困難になる。品質の良いデータが豊富にあることが、次のチャンスにつながる。その意味で、積極的なデータ活用は水中ドローンののぞましい未来のひとつだと考えています。」と述べた。
このあと参加者をまじえた交流会が催された。
スペースワンは海外の展示会で水中ドローンに出会ったことをきっかけに事業に参入した。排他的経済水域と領海をあわせた日本の海洋面積は447万平方キロメートルと世界6位、深さまで含めた堆積では世界4位の海洋大国であることや今後多くの分野で活用が見込まれることから事業を本格化させ、機材導入や導入支援、人材育成、現場での運用などを展開している。2019年には一般社団法人日本水中ドローン協会(東京)を発足させ、産業の健全な発展に力を入れている。
出版した『海の産業革命 水中ドローンビジネスの教科書』はA5版、ソフトカバーの単行本で224ページ。定価は1800円+税。スペースワンが運営するAIR OCEANオンラインストアhttps://shop.airocean.jp/で購入できる。また出版を記念して期間限定のキャンペーンを展開中だ。224ページある書籍のダイジェスト版をPDFで無料進呈するほか、申込者の中から抽選で200人に書籍そのものをプレゼントするという。キャンペーンページはこちら。
SPACEONE Co.,Ltd (Koriyama City, Fukushima Prefecture), which operates a drone business, held an event in Tokyo on February 21 to commemorate the publication of “The Industrial Revolution of the Sea: A Textbook for Underwater Drone Business,” a book by Michihiro Kobayashi, the company’s representative. The book includes an overview of underwater drones, examples of their use, and methods for building a business. Representative Kobayashi gave an overview of the book in his opening remarks, while Hiroshi Yoshida of the Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (JAMSTEC) and Masaki Minami of PwC Consulting, LLC gave lectures. Visitors from related parties and all levels of industry, government, and academia listened to the lectures and engaged in exchanges.
Opening the event, Mr. Kobayashi touched on the history of SPACEONE’s business and its involvement with underwater drones, saying, “We have accumulated knowledge during the period of the COVID-19 disaster, and we have incorporated this knowledge into the book.
Mr Hiroshi Yoshida of JAMSTEC, gave a lecture titled “Activities of Drones under Sea Ice,” describing his experience using underwater drones to observe under the ice in the Arctic. During his lecture, he picked up a book and introduced it as “an excellent book that covers everything you need to know.
Masaki Minami, Senior Manager of PwC Consulting, LLC, spoke on “Underwater Drones and Data Business,” explaining that underwater drones are expected to play an important role in collecting data that will serve as the foundation for AI as the use of AI expands rapidly in the future, and that creating wisdom from the data collected will lead to excellent business value.
Mr. Minami asked, “If we consider that generative AI will bring about innovations like the ‘wind blows and the bucket shop gets rich,’ what do you think will happen? The possibility will arise that generative AI will utilize a variety of data, including seemingly unrelated ones, to create new value that we would not expect. Technology is advancing and people can do more, but if we do not use it not only to replace human tasks but also to create new value, we may face a situation that makes it difficult for us to continue our business. Therefore, the abundance of good quality data will help us seize the next opportunity. In that sense, I see proactive data utilization as one of the peek-a-boo futures for underwater drones.” He continued, “We are looking forward to the next opportunity to use data actively.
After the session, a social gathering was held with the participants.
SPACEONE entered the ROV business after encountering underwater drones at CES exhibition. SPACEONE is now engaged in the ROV business in earnest because Japan is the world’s sixth largest oceanic power with a combined exclusive economic zone and territorial waters of 4.47 million square kilometers, and the fourth largest in terms of sedimentation, including depth, and because it is expected to be used in many industries in the future. SPACEONE is currently developing its ROV business by selling ROV equipment, providing support for companies to install ROV equipment, training personnel to use ROVs, and operating ROVs in the field for structural inspections and marine surveys.
SPACEONE’s publication, “Industrial Revolution in the Sea: A Textbook for Underwater Drone Business,” is an A5 size, softcover book with 224 pages. The text is written in Japanese. The price is 1,800 yen plus tax. The book is available at the AIR OCEAN online store operated by Space One at https://shop.airocean.jp/. SPACEPNE is also running a limited time campaign until March 6, Japan time. If you sign up, you will receive a digest version of the 224-page book in PDF format. Two hundred lucky applicants will also be entered into a drawing to win a free copy of the actual book. CLICK HERE for the campaign page.
水中ドローン協会は「水中(みずなか)会議」というイベントも開催している:関連記事はこちら
ドローンショーを企画・運営する株式会社レッドクリフ(東京)は4月9日、大阪・関西万博を報道陣向けに公開する「メディアデー」で、万博仕様のドローンショーを公開した。事前の告知をしておらずサプライズ開催となったが、多くの関係者が夜空のショーに魅了され拍手を送った。また翌日の4月10日には、開幕日である4月13日に日本で最大機体数での特別演出のショーを計画していることや、2025年日本国際博覧会協会企画催事の「プラチナパートナー」となったこと、2つのギネス記録に公式に挑戦することも発表した。
レッドクリフはメディアデーが行われた4月9日の午後7時半から、音楽にあわせて噴水の水や火が動くショーに続く形で行われた。夜空に点滅する光がぽつぽつと表れ、線をつくり、動きだし、やがて彩りがあざやかに華やかになってアニメーションを描き出す5分程度の幻想的なショーで、見終わった人から拍手があがった。協会企画催事「One World, One Planet.」やスポンサーのロゴ、運営したレッドクリフのブランド名もコンテンツとして表示され、見る人に感動を与える広告媒体としての存在感を示した。
レッドクリフは4月13日の開幕から10月13日の閉幕までの期間中、天候などの事情で中止を余儀なくされる事情がなければ、連日、1000機のドローンショーを実施することを計画している。今回公開されたショーが、万博期間のショーの土台となるとみられる。ただしプログラムの内容は固められておらず柔軟な対応も可能で、今後、内容の変更やブラッシュアップが加わる可能性がある。
さらにレッドクリフはメディアデーの翌日の4月10日、2025年日本国際博覧会協会企画催事のプラチナパートナーとして参画すること、開幕初日には特別演出(機体数未公表)を実施すること、会期中に飛行するドローンの数で2つのギネス記録に挑戦することなど、盛りだくさんの内容を同時に発表した。
ギネス記録への公式な挑戦は、挑戦するタイトルを厳密に正確にすることが求められていて、今回レッドクリフが挑戦するタイトルは「Largest aerial display of a tree formed by multirotors/drones」(マルチローター ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ)と、挑戦するタイトル:Most multirotors/drones launched in a year(一年間に飛行させたマルチローター/ドローンの最多数)の2つだ。
それぞれ挑戦日程が決まっていて、前者が2025年4月13日万博開幕日、後者は2025年3月17日~10月13日となっている。
レッドクリフは今年(2025年)3月13日にSHIBUYA CREATIVE TECH実行委員会と共同で東京・渋谷などの上空で実施した「DIG SHIBUYA DG DRONE SHOW」で「日本最大のドローンショー」とギネスの認定を受けたばかり。このときは2200機のドローンを飛ばした。
さらに大阪・関西万博ではいくつかのギネス認定記録がすでに生まれていて、レッドクリフはそれに続く可能性がある。
レッドクリフが4月10日に公表したプレスリリースの内容は以下の通り。
〜開幕初日(4/13)に日本最大機体数での特別演出実施、および会期中の累計飛行数における世界最多記録に挑戦!〜
ドローンショーを企画・運営する株式会社レッドクリフ(本社:東京都港区、代表取締役:佐々木 孔明、以下「レッドクリフ」)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において、協会企画催事のプラチナパートナーとして参画することが決定しましたので、お知らせいたします。
会期中、全184日間にわたり、協会企画催事「One World, One Planet.」の一部として、1,000機のドローンショーを実施します。さらに、開幕初日となる4月13日(日)には特別演出(機体数未公表)を実施するほか、会期中に飛行するドローンの数で、2つのギネス世界記録™に挑戦します。
本ドローンショーは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が主催する催事「One World, One Planet.」のメインコンテンツとして実施され、レッドクリフは運営を担います。「One World, One Planet.」は光と音、テクノロジーが融合するスペクタクルショーであり、「願い」をテーマに、万博会場と世界をリアルとデジタルの両面でつなぐ壮大なエンターテインメントです。毎夜、万博の夜空を彩る圧巻のドローンショーが、来場者に感動と未来への希望を届けます。
2020年ドバイ国際博覧会では、中国館が150機のドローンを駆使したショーを毎晩開催し、万博の夜空を鮮やかに彩りました。大阪・関西万博では、協会企画催事「One World, One Planet.」として、レッドクリフが1,000機による圧倒的なスケールのドローンショーを実施し、新たな驚きと感動を創出します。
2つのギネス世界記録™に挑戦
レッドクリフは、大阪・関西万博の会期中に「ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ」および「年間で飛行させたドローンの最多数」の2部門において、ギネス世界記録™への挑戦を行います。世界中が注目する万博の舞台で、かつてないスケールと創造性をもって、日本発のエンターテインメントの新たな可能性を世界に示します。
①挑戦するタイトル:Largest aerial display of a tree formed by multirotors/drones(マルチローター ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ)
挑戦予定日:2025年4月13日(日)
挑戦場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博):大阪市此花区
②挑戦するタイトル:Most multirotors/drones launched in a year(一年間に飛行させたマルチローター/ドローンの最多数)
挑戦実施期間:2025年3月17日(月)~10月13日(月)
挑戦最終日: 2025年10月13日(月)
挑戦場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博):大阪市此花区
大阪・関西万博におけるドローンショー概要
開催日時:2025年4月13日(日)〜10月13日(月)日没後
開催場所:つながりの海上空(大阪府大阪市此花区夢洲中1丁目)
使用機体数:1,000機
観覧方法:予約不要、観覧無料。チケットをお持ちの方のみ万博会場内でご覧いただけます。
※開催時刻は季節により変更します。
※天候により中止となる場合があります。
株式会社レッドクリフ 代表取締役 佐々木 孔明のコメント
「この度、大阪・関西万博という世界的な舞台で、1,000機のドローンショーを毎日実施できることを大変光栄に思います。ドローンショーは、光とテクノロジーが融合した次世代のエンターテインメントとして、見る人の心を動かし、未来への希望を描く力を持っています。184日間にわたり、万博の夜空に感動を創り出し、訪れるすべての方に特別な体験を提供できるよう尽力いたします。さらに、期間中にはギネス世界記録™にも挑戦し、日本から世界へ新たな驚きを届けたいと考えています。日本が誇るドローンショーの技術と表現力を世界中の方々にご覧いただける絶好の機会と捉え、この挑戦を通じて日本のエンターテインメントの可能性を発信してまいります。ぜひご期待ください。」
会社概要
名称 :株式会社レッドクリフ(REDCLIFF, Inc.)
所在地 :東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB
代表者 :代表取締役 佐々木 孔明
設立 :2019年5月15日
事業内容:ドローンショーの企画・運営、ドローン機体販売、ドローン空撮、ドローンプログラミング教室の企画・運営
資本金 :5,000万円
URL :https://redcliff-inc.co.jp/
株式会社レッドクリフについて
「夜空に、驚きと感動を。」をミッションに、高品質なドローンショーを企画・運営する、空のクリエイティブ集団。国内ドローンショー市場でシェアNo.1(株式会社 富士キメラ総研「映像DX市場総調査 2024」|2023年実績)を誇るリーディングカンパニーで、特に1,000機以上の大規模なショーに強みを持つ。ベテランアニメーターによる高品質のアニメーションと、業界最先端のドローン性能による安全かつ唯一無二のドローンショーを実現。2024年8月、国内初となる花火搭載ドローンを用いたショーを成功させ、国内最大規模の3,000機のテスト飛行も実施。さらに同年9月、中国・深圳にて7,998機のドローンによる世界最大のディスプレイとしてギネス世界記録™を更新(※)。日本の伝統的な祭りやイベントとの融合を図り、地域社会の活性化にも貢献。
株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は4月9日、大阪・関西万博の報道陣向け公開日である「メディアデー」で、万博期間中にデモ飛行を計画している機体「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実機を初公開し、万博会場内ポート「EXPO Vertiport」で飛行させた。報道向け公開飛行では、操縦士を乗せない遠隔操縦でポートの敷地をゆっくり離陸し、地上から高さ5 mの低高度を前進、転回するなどの動きを見せた。報道陣のほか会場関係者も含め幅広い年齢層の観衆が見守り、「カッコいい」「すごいやん」「見なあかんやつ」の声が上がった。SkyDriveは万博期間中に来場者向けの一般公開も計画している。
飛行が公開された「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実機は、これに先立ち3月28日に公開されたフルスケールモックアップとほぼ同一のスタイルだ。仕様は同じながらキャビンの窓ガラスや、搭乗者用のシート、エクステリアの一部がより実践向けになっていることが分かる。
デモ飛行会場となった万博会場内の「EXPO Vertiport」には、多くのメディア関係者のほか、開幕直前の会場会計者らが集まり、フェンスの向こうに置いてある機体を見つけると「やばっ。かっこいい」「初公開?これ見なあかんやつ」と期待を寄せる声が聞かれた。子供連れの若い夫婦は子供から「見たい、見たい、飛ぶところ見たい」とせがまれていた。
上空をヘリコプターが旋回する中であいさつに立ったSkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは「3人乗りのタイプ飛行は初めてで楽しみしております。この機体はサービスを開始するタイプの機体なので大阪の上空で飛ぶ様子を想像していただければうれしいです。また音もヘリコプターの約3分の1です。(上空を見て)あのヘリコプターが飛んでいるあたりまで上昇すると音は(地上では)ほぼ聞こえません。そのあたりも体感頂けると思います。万博で多くの方に見てもらって、わくわくしてもらうことが大事だと思っています。そのうえで乗ってみたいとおっしゃっていただけることを目指します」と述べた。
飛行前には係員が「Wi-Fiやスマホの電源をOFFにしていただくか、機内モードに、と周囲に協力を呼び掛けていた。
報道陣に向かって左向きでポートに待機した機体は、午後5時にローターが回り出し、重低音とともに機体が離陸。5mほど上昇したところで姿勢を維持し、数メートル前進して、90度左旋回して報道陣に正面を向けるなどの動きを見せた。この日の飛行は、事前に当局から許可がおりているポート敷地内に限定されたが、約3分50秒の飛行の間、報道陣のカメラや、居合わせた関係者らのスマホが追いかけ続けた。機体が元の位置に着陸すると観衆から大きな拍手があがった。
福澤CEOは「成功だったと思います。万博は『未来社会の実験場』という観点で新しいテクノロジーを実装する様子をご覧いただく機会になるので、それに先立ちフライトができたことはとても意義が大きいことだと思っています」などと感想を述べた。
今後は夏に予定している二地点間運航や、万博の一般来場者の前での飛行に向けて準備を進める方針だ。
デモ飛行終了後には関西電力株式会社(大阪市)がEXPO Vertiport内に整備した充電設備を使って充電する様子も公開された。充電設備は電源装置、冷却装置、電源を最適に制御する制御装置であるエネルギーマネジメントシステム(EMS)で構成される。充電設備からのびたケーブルは制御装置を経由して、そこから機体の左側面の電源口につながる。SkyDriveは通常8割までの充電をしていて、その場合には約20分で充電が終わるという。
SkyDriveがデモ飛行直後に公開したプレスリリースは以下の通り。
~豊田市の自社開発施設での飛行試験や開発の映像も初公開~
「空飛ぶクルマ」の開発およびドローン関連サービスを提供する株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役 CEO 福澤知浩、以下「当社」)は、2025 年4 月 9 日(水)に開催された 2025 年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)のメディアデーで、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」の公開フライトを行ったことをお知らせします。また、併せて豊田市にある自社開発施設での飛行試験や開発の映像を公開いたしました。
■公開フライトについて
2023 年 2 月に、大阪・関西万博『未来社会ショーケース事業出展』の「スマートモビリティ万博」における空飛ぶクルマの運航事業者に選定され(※2)、大阪・関西万博を当社の最重要マイルストーンと設定し、機体開発に邁進してまいりました。
2024 年より愛知県豊田市の自社飛行試験施設にて飛行試験を積み重ね、安全性を十分に確保した上で、本日、2025 年夏に予定している二地点間飛行・周回飛行に先んじて、万博会場内ポート「EXPO Vertiport」にて「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」の公開フライトの実施となりました。
高度は約 5 m、飛行時間は約 4 分間、パイロットは搭乗せず、自動制御とリモート操縦での安全を徹底した運航となりました。
■豊田市の自社開発施設での飛行
豊田市の自社開発施設での試験飛行の様子を公開しました。本映像の機体は、大阪・関西
万博の会場にて飛行を行った「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」と同じ型式の初号
機です。
■開発ストーリー動画も公開
開発の軌跡とエンジニアの姿を伝える動画を公開しました。ぜひご覧ください。
■コメント 株式会社 SkyDrive 代表取締役 CEO 福澤 知浩
当社は、「100 年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに、創業以来、機体開発・事業開発に邁進してまいりました。2020 年 8 月には、日本初の空飛ぶクルマの公開有人デモフライトに成功(※3)、それを機に、グローバルで多くの方に当社を知っていただきました。以降、株主や顧客の皆さまをはじめ多くの方のご支援を賜り、前進することができた結果、本日、ここ大阪・関西万博の会場にて、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」をお披露目できたことを、大変嬉しく思っております。改めて、様々な形で応援・協働いただいているパートナーの皆さま、関係者の方々、深く感謝いたします。そして数々の困難に立ち向かい日々チャレンジを続ける SkyDrive のメンバー全員にお礼を言いたいと思います。空飛ぶクルマは、CO₂排出を抑えた、持続可能な社会に向けたクリーンモビリティであり、また静粛性に優れており、街に馴染むエアモビリティです。これから幕を開ける大阪・関西万博では、「日常的に空を移動する未来」を感じていただきたいと思います。なお、大阪においては、Osaka Metro 様と「新大阪・梅田」「森之宮」「天王寺・阿倍野」「ベイエリア」の 4 つのエリアを結んだ「大阪ダイヤモンドルート構想」を発表しました。このように、万博後の社会実装に向けた計画も日本各地で進んでおります。引き続き、空の移動革命を現実のものとするため、機体開発、事業開発に尽力してまいります。
空飛ぶクルマとは:電動化、自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段です。諸外国では、Advanced Air Mobility(AAM)や Urban Air Mobility(UAM)と呼ばれています。引用元:国土交通省(令和 6 年 4 月付) https://www.mlit.go.jp/koku/content/001739488.pdf
AAM開発の米アーチャー(Archer Aviation Inc.)のニクヒル・ゴール(Nikhil Goel)CCO(最高商務責任者)は、「日本における空飛ぶクルマの商用化を支援する取組みとして、2026 年のデモンストレーション運航を計画し実現したいと考えています」との談話を、万博のAAM運航事業者でアーチャー製の機体の運航を目指してきた株式会社Soracle(東京)のプレスリリースを通じて公表した。
Soracleは4月3日に公表したリリースで、万博期間にアーチャーのAAM「MIDNIGHT」の実物大模型を展示する方針を表明。展示機関を調整していると明かした。昨年(20024)年9月以降、実施を目指してきたデモ飛行については正式に断念することを表明。理由については「タイミングが合致せず」と伝えた。一方で利用者を乗せて運航する商用運航を目指す方針を維持し、「2026年に大阪・関西エリアでの実証運航を実施します」と宣言した。
また、リリースの中でArcher社最高商務責任者(CCO)ニクヒル・ゴール(Nikhil Goel)氏のコメントも公表し、商用運航への方針維持と日本でのデモ飛行方針を示した。ゴール氏は米国でAAMを活用する輸送事業をリードしたUber Elevate社の共同設立者で、2023年7月にArcherの経営に参画することが公表されている。
Soracleの発表は以下の通り
株式会社 Soracle(以下「Soracle」)は、2025 年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」)において、eVTOL “Midnight” 実機サイズのモデル機体を展示いたします。また、空飛ぶクルマによる旅客輸送サービスの商用化に向けて、2026 年に大阪・関西エリアでの実証運航を実施します。
大阪・関西万博における取組み
Soracle は、2024 年 9 月、大阪・関西万博「スマートモビリティ万博 空飛ぶクルマ」協賛契約を締結し、日本航空株式会社から「空飛ぶクルマ」運航事業を承継のうえ、米国 Archer Aviation Inc.(以下「Archer 社」)とともにeVTOLデモンストレーション運航を目指してまいりました。しかしながら、タイミングが合致せず、Archer 社は大阪・関西万博会期中のデモンストレーション運航に対応できなくなりました。そのため、大阪・関西万博において Soracle は、Archer 社の実機サイズのモデル機体展示を行うことといたしました。
このモデル機体展示では、Archer 社が開発を進める“Midnight”を間近に体感いただき、新しい空の移動手段として eVTOL の可能性を感じていただけるよう準備を進めてまいります。
【モデル機体展示概要】
・展示期間 調整中(詳細については決まり次第公表予定)
・展示場所 モビリティエクスペリエンスエリア内 EXPO Vertiport
・展示機体 eVTOL “Midnight” 全長 約 10m、全幅(翼長)約 15m、全高 約 4m
eVTOL 社会実装に向けた取組み
Soracle は、日本初の eVTOL による旅客運送事業を実現すべく、大阪・関西万博でのモデル機体展示の実施と並行し、航空運送事業許可の取得準備を進めています。なお、Archer 社“Midnight”の機体開発は着実に進んでおり、2026 年には、当該機を使用して大阪・関西エリアにおける有人・二地点間の実証運航を計画しています。詳細については、決まり次第公表いたします。
Archer 社 最高商務責任者(CCO)ニクヒル・ゴールのコメント
「現在、機体の型式証明取得と商用化に向けて必要なマイルストーンを通過できるよう、有人試験飛行プログラムに社を上げて取り組んでいます。そのため、Archer 社として、現時点では米国での飛行試験に注力することが必要であると判断しました。残念ながら大阪・関西万博でのデモンストレーション運航についてはタイミングが合致せず対応できませんが、日本における空飛ぶクルマの商用化を支援する取組みとして、2026 年のデモンストレーション運航を計画し実現したいと考えています。大阪・関西万博においては、Soracle と連携し、Midnight 機の実機サイズのモデル機体展示を実施し、来場者の皆さまが空飛ぶクルマを間近でご覧いただける機会を提供します。Archer 社は、日本におけるパートナーと共にこうした取組みを進めていけることを楽しみにしています。」
Soracle は、大阪・関西万博でのモデル機体展示を皮切りに、2026 年の実証運航を通じて、eVTOL 社会実装を早期に実現し、地球に優しく、より身近で新しい移動価値の創造を目指します。
大阪・関西万博でのAAMのデモ飛行に関連し、株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は自社開発機「SKYDRIVE」(SD-05)を、大阪・関西万博が開幕する4月13日に飛行させる方向で調整している。丸紅株式会社(東京)も米LIFT Aircraftの1人乗り機「HEXA」を開幕日に飛行させる方向だ。デモ飛行は期間中に断続的に行われる。英Vertical Aerospaceの「VX4」は丸紅が10月に、米Joby Aviationの「S4」はJobyとANAホールディングス株式会社(東京)が9、10月に飛行を調整している。
AAMデモ飛行の検討状況は公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(大阪市)が4月3日に公表した。飛行させるのは「運航事業者」4陣営のうちSkyDrive、丸紅、ANAホールディングスの3陣営で、丸紅の2機種を含め4種類の飛行が調整されている。米Archer Aviation製「MIDNIGHT」の飛行を計画していた株式会社Soracle(東京)は万博期間中の飛行を取りやめる。
開幕日の4月13日の飛行を調整しているSkyDriveと丸紅の2陣営だ。
SkyDrive は3人乗りの「SKYDRIVE」を開幕日に実機の展示と飛行とを実施する方向で調整している。同社は7月中旬から8月下旬にかけて、万博会場の「EXPO Vertiport」と、直線距離で約4.5㎞離れた中央突堤に整備した会場外空港「大阪港バーティポート」の間の運航や周回飛行などを計画している。
丸紅は運航事業者となった当初から飛行を計画してきた英Vertical Aerospace社の5人乗り機「VX4」(VA1-100)に加え、昨秋以降、追加で投入を検討すると表明していた米LIFT Aircraftの1人乗り機「HEXA」も飛行させる。開幕日にはこの1人乗り機「HEXA」を会場内の「EXPO Vertiport」の敷地内で飛行させる方向だ。丸紅はHEXAを開幕日を含めその後一週間程度飛行させることを検討しているほか、ゴールデンウイーク期間の約10日間、6月上旬の1週間程度、7月中旬など断続的な飛行を検討している。7月以降は森ノ宮エリアでの飛行も調整している。飛行はいずれも離着陸場所が同じ周回になるとみられる。
英VAの「VX4」について、丸紅は10月に2週間ほど万博会場の「EXPO Vertiport」と直線距離で約3.5㎞の尼崎フェニックス(兵庫県尼崎市)との間の運航などを調整している。丸紅は昨年秋から期間限定した飛行になることを表明していた。
米Joby Aviationの「S4」は同社とANAホールディングスが9月下旬から弁朴が閉幕する10月13日までの数週間、万博会場の「EXPO Vertiport」を拠点に、湾岸周辺エリアを飛行させることを検討している。
なお、公表された検討状況には、「今後、事情により変更する場合がある。また、機体メンテナンス等のため、運航期間中に運休する日がありうる」と注釈が添えてある。
株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)、JR東日本スタートアップ株式会社(東京)、JR東日本コンサルタンツ株式会社(東京)の合弁会社で、鉄道設備のドローン点検などを手掛けるCalTa株式会社は4月2日、大阪・関西万博に鉄道点検用ドローンのコンセプト模型、鉄道の線路でドローンが飛行する様子を表したジオラマ、VRなどを出展すると発表した。同社の展示は4月15~21日に会場内の「フューチャーライフヴィレッジ」で開催される。
CalTa株式会社はJR東日本のメンテナンスを中心に鉄道・インフラのDX(デジタルトランスフォーメーション)促進事業を進めている。主にLiberawareの開発した小型ドローンを駅の天井裏や鉄道の建設現場などの狭小空間で活用し、取得画像から三次元データを生成させて状況を遠隔確認し、AIを組み合わせ不具合の自動検知などを進めている。
大阪・関西万博では4月15~21日に「未来の鉄道点検」と題して鉄道点検用ドローンのコンセプト模型を展示したり、点検現場の様子をプロジェクションマッピングで演出したりすることを計画している。
プレスリリースは以下の通りだ。
~「未来の鉄道点検」をテーマに「Project SPARROW」を肌で体感できるブースを展示~
1月29日にTOPICS「2025年日本国際博覧会(EXPO 2025 大阪・関西万博)への参加決定!」でご案内の通り、「未来の鉄道点検」をテーマに、現在共同で研究開発を進めている「Project SPARROW」について、2025年日本国際博覧会(EXPO 2025 大阪・関西万博)「フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス」に参加します。この度、ブース内におけるコンテンツ内容についてお知らせします。
▼概要
イベント名:2025年日本国際博覧会(EXPO 2025 大阪・関西万博)未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス」
展示場所:フューチャーライフヴィレッジ
展示期間:2025年4月15日(火)~21日(月)
展示テーマ:未来の鉄道点検
▼ブースについて
「肌で感じるProject SPARROW」を展示コンセプトとし、コンセプトドローン展示・ジオラマ展示・VR体験など、来場者の皆様に直観的に「Project SPARROW」が作る未来を理解いただけるコンテンツを提供いたします。従来の鉄道点検業務が抱える課題を解決し、人々が安全・安心に鉄道に乗車できる未来を作り出すドローン※1を是非この機会にご覧ください。
※1 開発段階のものであり、実際に製品化されるものとは異なります
▼ブース内各種コンテンツについて
①コンセプトドローン展示
鉄道点検用ドローンのコンセプト模型を展示します。鉄道インフラの安全を守るだけでなく、地域との調和を大切にし、社会に寄り添いながら未来を切り拓く、先進的なデザインです。模型とともに現場の風景をプロジェクションマッピングや映像で演出し、未来の鉄道点検シーンをドローン視点でわかりやすく展示しています。
②ジオラマ展示
鉄道点検用ドローンが線路の上を飛行している様子をジオラマで表現します。日本の古き良き鉄道沿線の風景と、未来の鉄道点検の全景を再現します。 ジオラマ内を飛行するドローン視点の映像は、コンセプトドローン展示でご覧いただくことができ、未来の鉄道点検イメージを体験いただけます。
③VR体験
「Project SPARROW」が描く未来の鉄道点検を没入体験いただけるVRコンテンツです。ドローン視点に加え、遠隔で操縦するオペレーターの視点も体験でき、未来の鉄道点検の全体像を、迫力ある視点で体感できます。 コンセプトドローン展示やジオラマ展示で描かれた点検シーンを、VRでは内側から体験することで、鉄道点検の未来像を多角的に理解いただけます。
従来の鉄道点検業務が抱える課題を解決し、人々が安全・安心に鉄道に乗車できる未来を作り出すドローンを是非この機会にご覧ください。
参考1:「万博参加決定」の発表文
参考2:プロジェクトsparrow動画
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は4月1日、奈良県「災害時におけるドローンによる支援活動に関する協定」を締結したと発表した。また同日、陸上自衛隊東北方面隊とも災害時応援に関する協定を結んだと発表した。JUIDAは相次いで自治体や自衛隊との防災協定を結んでいる。
奈良県との協定は、「被災地等におけるドローンによる調査」「情報収集及び物資の運搬、 操縦者の派遣、機体の提供、許認可等の手続及び他機関との調整」「支援活動により得られた映像等のデータの提供等」などとなっている。
JUIDAは奈良県、東北方面隊のほか、3月28日に静岡県と、2月28日には千葉市と防災協定を結んでいる。
奈良県との協定:https://uas-japan.org/information/35534/
陸上自衛隊東北方面隊との協定:https://uas-japan.org/information/35500/
静岡県との協定:https://uas-japan.org/information/35451/
千葉市との協定:https://uas-japan.org/information/35253/