株式会社SkyDrive(豊田氏<愛知県>)の福澤知浩代表取締役CEOは、日本外国特派員協会(東京・丸の内)が主催の記者会見に臨み、同社のAAM「SD-05」についてコンパクトさが優位性になっている点をアピールした。この点についてDroneTribuneの質問に対し、離着陸場に要する場所が小規模で済む点、初期コストが抑えられる点などを理由にあげた。また別のメディアからのバッテリーに関する質問に対しては軽量高出力バッテリーの開発に力を入れていて「ひとつの強み」と説明し、コンパクトで差別化を図る方針を鮮明にした。コンパクトカー世界一のスズキと組んで生産する戦略も強調した。
記者会見は2月18日に行われ、国内外のメディアの報道陣が詰めかけた。1時間の記者会見のうち前半は福澤代表による同社の戦略や業界動向についてのプレゼンテーション、後半が質疑応答に使われた。福澤氏は英語も話すが、この日は主に日本語で話し、逐次英語に通訳された。福澤氏が英語の通訳のあとに英語で捕捉する場面もあった。
福澤氏は冒頭、自動車メーカーで働いていた前職時代について触れ、日常的に渋滞にまきこまれたり、満員電車に揺られたりする中で「自動車のような乗り物で日常的に飛ぶことができれば楽しいな、と考えて」SkyDriveの設立につながったと起業の経緯を説明した。
実は同社の社名「SkyDrive」や、同社のビジョンである「空を走ろう」もこの理念を活字で表現したものだ。日本国内でAAM(とくにeVTOL型のAAM)を「空飛ぶクルマ」と呼ぶ習慣が広がっているのは、この産業の活性化に力をいれようとした中央省庁が、取組をスタートさせる時点で、同社の理念を念頭に「空飛ぶクルマ」と呼び始めたことがひとつのきっかけとみられている。ただし政府の「空飛ぶクルマ」を使うときには、いわゆる「eVTOL」は入るものの、「eSTOL」が想定されていないなど、米国をなど海外で使われる「AAM」が対象とするものとはズレがある。ほかにも、旅客用機体と1人用機体との区別や、電動以外のプロパルジョン(推進機)を持つ機体を含むかどうかなどの区別についても、微妙に異なる点に注意を払う必要がある。
なお、呼称については会見後半の質疑応答で、海外メディアからSkyDriveが同社のプロダクトを空飛ぶクルマ(質問者はFlying carと発言)と呼ぶ理由に関する質問が出た。福澤氏はこれに対し「(空飛ぶクルマとは)より正確にはeVTOLです。空飛ぶクルマ、というのはニックネームのようなものです」と答えた。福澤氏はこの日のプレゼンテーションでは、原則として「空飛ぶクルマないしはeVTOL」と表現し続け、誤解を避ける工夫をしていた。これは、SNSなどでしばしば、「車輪がないのにクルマって」と言われることへの配慮とみられる。
プレゼンテーションではこのほか、2018年の会社設立から8年が経過し複数のタイプの機体を開発してきたと振り返り、同社の開発するeVTOLの主な特徴について電動で騒音が既存航空機に比べ「圧倒的に少ない」こと、垂直に離着陸できること、環境配慮型であること、の3点に整理した。
会社の現状については国内に3カ所の飛行試験場に加え開発センター、工場の5つの拠点を構え、2025年から本格的な試験飛行を開始していること、開発陣の半分弱は海外の人材で幅広く知見を集めて開発にあたっていること、離着陸設備、充電、保険などさまざまな企業から応援を受けていることなどを紹介した。
福澤氏がプレゼンテーションで力を入れたのはSkyDriveの提供する価値と戦略についてだ。eVTOLの静穏性などの価値に加え、SkyDriveの機体がその中でもコンパクトである点を強調した。
会場のモニターに、固定翼を備えた海外製の代表的なeVTOLと、固定翼のないマルチコプタータイプのSkyDriveの「SD-05型」とのサイズ比較ができる図を投影し「上がSkyDriveの機体で横がほぼ10m、下は翼のあるタイプの海外の機体でだいたい15m」と大きさの違いを示し、「ポートのサイズは機体幅の2倍ぐらいなので、翼があるタイプは東京のビルの上(に離着陸するの)は結構、厳しい。SkyDriveの機体なら都内のビルの上にとまれる可能性があります」と述べ、コンパクトであることが、活用範囲を広げる優位性を説明した。
さらに「世界各国で、SkyDriveのサイズならとまれる場所を確保できるといった声を聞きます。多くの場所にとまれるというのが大きなポイントかなと考えています」とコンパクトの優位性が広がっていると分析した。
また、福澤氏は「製造の部分」も提供価値にあげた。「コンパクトカーNo.1のスズキさん(スズキ株式会社、浜松市)と製造をすすめています。既にスズキの工場で一緒に製造しておりまして、量産の段階になると年間100機、またはそれ以上がこの工場で作られることになります。自動車同様、製造、輸送、から飛ばす、までを短いリードタイムで実現できます」と、コンパクトに強みを持つ日本のものづくりの力が発揮できることを強調した。
サービス面では、鉄道会社とのコラボレーションを進めている戦略をあげた。
「飛行機に乗るために空港まで遠いことがあります。この問題を解決するため鉄道会社とコラボレーションをしています。JR東日本さんはタッチ決済のSuica で電車に乗り、Suica でタッチしたらそのまま空飛ぶクルマもしくはeVTOLに乗れる世界を作りたいと話しています。現在、東北、大阪、九州の各エリアで進めています。九州では別府と湯布院のふたつの温泉地を結ぶことをJR九州と話しています。ともに温泉地として有名ですが2点間を地上で移動すると結構時間がかかりますが、空なら早いうえ景色も楽しめます。またOsaka Metro(大阪市高速電気軌道株式会社)さんとも大阪の4点を結んだ『大阪ダイヤモンドルート構想』で検討を進めています。大阪メトロさんは、新駅の駅舎の上に空飛ぶクルマのポートを設置し、電車から簡単に乗り換えられることを考えています。こういったことができるのも、SkyDriveのコンパクトさと鉄道会社ととの連携があってこそです」
コンパクトの優位性がプレオーダーにもつながっているという。
「プレオーダーはアジア圏を中心に海外でも同じように起きています。提携しているインドネシアのヘリコプタータクシーの運行会社は、国際空港からダウンタウンまで、地上で1~2時間かかるところを15分ぐらいで運航するサービスを行っています。私も乗りました。そうするとやはりダウンタウンではビルの上とか場所に制約があります。そういう時にSkyDriveなら降りられる。しかも静かで環境に優しくコストも抑えられる」
このほか、ドバイのエアロガルフ・サービシズ(AeroGulf Services)とのプレオーダーにも言及した。エアロガルフとは2026年1月、売買契約の基本条件を盛り込んだLOI(基本合意書)を締結したと発表している。福澤代表は「エアロガルフさんは2点間だけではなく観光にも使っていく方針です。観光という観点でも、SkyDriveの機体が安定したホバリングができるといった観点からプレオーダーをいただいております」と説明した。
このコンパクト性がプレオーダーにつながっている背景についてDroneTribuneは後半の質疑応答で追加質問をした。これに対し福澤代表は、SkyDriveを選んだ利用者は他社と比較して決めており、その理由がコンパクト性であると感じることが多いと答えた。
「お客様はいろいろなメーカーを比較してプレオーダーをしています。エアモビリティを使う場合、企業としてはかなり本気ですし、値段も考えます。その中でSkyDriveを選んでいただいているのはコンパクトな部分が大きいなと思っています。ひとつはポートが作りやすいこと。もう1つは初期コストを抑えられること。機体が固定翼タイブに比べ下がりますし、ポートの整備コストも軽く、充電器も簡素にできます」
DroneTribuneはこのほか、日本での生産とサプライチェーンについての考え方について質問した。これについて福澤代表は日本で生産する理由に、整備や部品交換、品質などをあげた。
「サプライチェーンが日本であった方がいい理由は、整備、部品交換がしやすい、開発が共同でしやすいといって点があります。部品によっては他の国から買ってきた方がより安全でより品質が高い、コストが安いといったこともありますので、最適なサプライチェーンにしています。万博で飛んだ機体に関しては半分弱ぐらいが結果的に日本で調達した部品です。日本の中で作っていくとよりいいよね、という話しもします。ただ最終的には機体としてベストになるように、と話しています」
また収益化のロードマップについても質問した。福澤代表は、量産体制に入ったタイミングで収支があうようになることを考えていると明かした。
「収益化すごく大事な話。工場で年間100機、これは自動車のような昼夜二交代制で間に合うぐらいかなと思っていますが、そのようなフル稼働のタイミングで黒字になっていくことを目指しています」
また別のメディアからのバッテリー開発に関する質問があり、福澤代表は、高出力で軽量を兼ね備えたバッテリーの開発に力を入れていて、ここが同社の強みと考えていると答えた。
「バッテリー開発にはとてもリソースを割いています。ひとつは良いバッテリーという点、もうひとつはそれを機体に搭載する点です。なるべく軽く、でもちゃんとしたものでないといけない。コンパクトな機体に工夫して載せる点で相当な工夫をして開発を進めていてここはSkyDriveの強みだと考えています」
プレゼンテーションではこのほか、2月24日から28日の間に東京ビッグサイトでのデモフライトを一般公開することを案内した。
それ以外の主な質疑は以下の通り
――想定される利用者
「日本の鉄道会社とは誰もが日常的に乗れる値段を設定しようと話をしている。タクシーよりは高いが観光用ヘリコプターと同等かそれより安い値段にしたい」
――日本で開発を加速させる方法は
「実は日本が世界で先駆けたことがいくつかある。複数の機体が一般のイベントで飛んだのは大阪・関西万博が初めてだ。ただアメリカや中東に比べ発信が少ないとは思う。政府と連携するなどしてグローバルに発信することは大事だ」
――プロペラが12個あるがいくつはずれても飛べるのか
「一番重要な2つが止まっても引き続き飛べる」
――スピードと航続距離は。古巣のトヨタはJobyに出資しているが
「航続距離について。発売後数年間は30㎞から40kmぐらい。新興国の都市部のサイズにも合っている。スピードは時速100kmを考えている。Jobyのような固定翼を備えた機体の会社がeVTOL業界を牽引していてとてもありがたい。彼らの機体はサイズも値段も既存の飛行機に近い。需要も非常に大きいと思っている。それぞれユースケースが異なる。自動車でもコンパクトカーは日本の会社が作っていて大きなもの、さまざま用途のものを米国など海外の会社が作っているのと同じ感覚」
――都内のビルの上にとまれる根拠
「東京都のプロジェクトで検証。物理的に可能という感じ」
――現状で市街地飛行が難しい理由
「認証が取れれば都市部もローカルも飛べる。その手前の段階ではベイエリア中心」
――値段
「未公表。安全性が同等の双発型ヘリコプターに比べ半分以下の値段を目指している」
――嵐、雨など荒天での飛行
「条件はヘリコプターとほぼ同じ。ヘリコプターが飛べる環境では飛べる。ストームの場合は厳しい」
――伊勢志摩での飛行
「(提携している)近鉄さんとは伊勢志摩エリアを一番のフォーカスエリアとして考えている」



AAM開発の株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は1月15日、ドバイを拠点とするヘリコプター運行サービス会社、エアロガルフ・サービシズ(AeroGulf Services Company LLC)と、売買契約の基本条件を盛り込んだLOI(基本合意書)を締結したと発表した。20機を10機ずつ購入することや、価格、納品スケジュールなどが記されているという。型式証明(TC)取得前のため正式な売買契約で法的な拘束力もないが、具体的な売買に向けて大きな前進となった。
両者が結んだLOIそのものは公開されていないが、SkyDriveによるとエアロガルフ社が「SKYDRIVE (SkyDrive式 SD-05型)」を20機購入し、2028年に10機、2029年に10機の納品することが明記されているという。価格も具体的といい、DroneTribuneの取材に対し、「具体的な数字」であると念を押した。
価格については、通貨(ドル建てか円建てかそれ以外か)、払い込み方法やタイミング、為替変動やインフレなどをふまえた価格調整条項(エスカレーション条項)が盛り込まれているかどうか、などについては現時点では非公開だ。
また購入する数については、購入が明記された20機に加え、50 機の追加購入オプションについても合意したと公表している。このためSkyDriveは最大で70機の購入予約をエアロガルフから獲得したことになる。
売買の対象は「SKYDRIVE (SkyDrive式 SD-05型)」で、昨年2025年の大阪・関西万博でデモフライトが来場者に公開された機体だ。SkyDriveは2028年までに型式証明を取得することを仮定していて、機体の仕様もそれに基づいているという
SkyDriveは公表している範囲で、415機のプレオーダーを獲得している。納品するためには正式な売買契約が不可欠だが、現時点では型式証明を取得していないなど要件を満たせていない。今回のエアロガルフとのLOIは、正式契約の土台となる骨子を現時点で可能な範囲の具体的に盛り込んだ仮契約の意味を持っていて、プレオーダーからLOIに進んだのは今回が初めてだ。SkyDriveはDroneTribuneの取材に対し、現在のプレオーダー先についても「随時LOIへのアップグレードを図っていきたい」と話している。
SkyDriveが発表したプレスリリースには、契約をかわした両者のコメントやエアロガルフ社の概要などが掲載されている。


SkyDriveはアブダビ首長国の政府機関である交通統合センター(ITC)とAAM(いわゆる空飛ぶクルマなどの先進的エアモビリティ)の社会実装に向けた協力覚書(MOU)を結んだと発表した。空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」(SD-05型)の導入可能性を調査し、離着陸場や充電設備などのインフラ整備、エコシステム構築、事業化検討を進めることが盛り込まれた。アブダビはすでに複数のAAM企業と提携を拡大しており、SkyDriveにとっても今回のMOUをUAE展開の加速につなげたいところだ。
SkyDriveがアブダビのITCとのMOUの調印式は、2025年11月11日にアブダビで開催された自動運転技術、ドローン、スマート交通インフラをテーマとした国際的なイベント・展示会「DRIFTx 2025」で行われた。今回のMOUでSkyDriveは同社の「SKYDRIVE(SD-05)」をアブダビの都市交通に活用する可能性を探る。離着陸場としてのヴァーティポート整備や充電インフラの検討、AAMのエコシステム形成、需要調査を含む事業化の検討などが中心となるとみられる。SkyDriveはITCと協力してAAMの導入に必要となる制度面の調整や技術要件の整理も進めていく姿勢を示している。
SkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは、「世界の中でも空飛ぶクルマの早期商用化を目指し、インフラや規制の整備を先進的に進めているアブダビ首長国と提携できることを光栄に思います。今回の提携は『日常の移動に空を活用する』という、われわれの目標を現実のものにするために、非常に重要な一歩となると考えております。今後、ITCと協力しながら、アブダビ首長国の住民の方、ビジネスや観光で訪れる方に、革新的で持続可能な移動体験を提供できるように活動をおこなってまいります」とコメントした。
ITCのDr. Abdulla Hamad AlGhfeli氏は「われわれは、未来のモビリティへの移行を加速させるため、国内外での戦略的パートナーシップを進めています。今回の合意は、スマートで統合的な交通システムを構築し、最新の自動運転や先進的な航空モビリティの技術を導入するという、アブダビの強いコミットメントを示すものです。今後、人々の生活の質を高め、アブダビ首長国を先進モビリティシステムの世界的な中心地にするという、政府の統合交通インフラのビジョン実現に貢献します」と期待を示している。
SkyDriveは今回の合意以前からUAEでの事業展開を進めてきた。2023年にはAAMのインフラ開発を手掛けるカナダのVPortsと協力し、ドバイに設置が進む「AAMインテグレーター・ワールドセンター」を活用する覚書を締結している。また、2025年にはドバイのヘリコプターチャーター会社AeroGulf Servicesと同社の「空飛ぶクルマ」の導入を検討するMOUを交わした。今回のITCとの連携はこうしたUAEでの活動の延長線上と位置づけられる。ドバイの観光市場、アブダビの都市交通政策が現時点でのUAEでのAAM展開だ。
アブダビ政府はAAMを都市交通戦略の柱として掲げ、多くの国際企業と協力関係の構築を進めている。Joby Aviationとは飛行運航、訓練、製造拠点の検討を含む包括的MOUを締結しており、Archer Aviationとはアブダビ空港やEtihadトレーニングなど複数機関との協力関係の枠組みを構築している。また英Skyportsとはヴァーティポートネットワーク整備に関する協力が進むなど、AAM実装に向けたパートナーはすでに多岐にわたる。
アブダビは複数企業との連携を通じてAAM運用の実証基盤を整備する段階に入りつつあり、SkyDriveの参画はAAM実装の選択肢を広げる役割を担う。SkyDriveにとってもUAEでの実装に向けた取り組みが進む契機となる可能性がある。
一方、Joby、Archer、EHangなど主要プレーヤーも、アブダビの都市間移動、観光需要、物流用途などの領域でAAMの活用を見据える。SkyDriveを含む各社は今後、実装への道筋をかけて都市のニーズに合わせた運用モデル構築に取り組むことになる。SkyDriveは軽量機体をいかした短距離移動や観光用途に強みがあり、UAE市場で他社とは異なる運用領域を打ち出せる可能性がある。

AAM(アドヴァンスト・エア・モビリティ)運航事業を手掛け、大阪・関西万博の運航事業者にも名を連ねる株式会社Soracle(ソラクル、東京)が、2027年中にも大阪・関西エリアで旅客運航を目指す計画を明らかにした。9月10日に大阪府、大阪市と連携協定を結んでおり、その席で計画を明らかにした。米Archer Aviation(アーチャー・アヴィエーション)のパイロット1人を含めた5人乗りのeVTOL型AAM、Midnight(ミッドナイト)を使うことを想定しているという。
Soracleは2026年にも大阪府内で実証飛行を実施し、必要な審査をふまえ27年にも大阪ベイエリアでの遊覧飛行などを始める。周回して出発点に戻る運航のほか、離陸地点から別の場所に移動する二地点間飛行も想定する。
大阪府と大阪市との連携協定は、ソラクルの事業環境を整えることや、運航網整備に必要なインフラ整備に向けた調査、制度の整備、関連ビジネスの展開支援などの事業環境整備に向けた取り組みを進める。締結式では太田幸宏CEOが、大阪に来れば全国に先駆けて空飛ぶクルマに乗ることができる未来を実現し、中長期的には関西・瀬戸内海地点を結ぶ観光体験を創ると抱負を述べた。
吉村洋文知事は「さまざまな課題はあろうかと思いますが、Soracleさんと協力し、大阪府・市も全面的に当事者として取り組むことで、2027年に商用運航を、そして大阪に来れば空飛ぶクルマに乗ることができるということをめざしていきたいと思います。大阪・関西から、空の移動革命を実現していきましょう」と述べた。
Soracleの公式発表はこちらにあります


スウェーデン航空ベンチャーJetsonは、同社が開発した1人乗り用のパーソナルeVTOL型AAM「Jetson ONE」を米カリフォルニア州で購入者に初めて納入したと公表した。引き渡しを受けたのは経験豊富な航空愛好家パーマー・ラッキー氏で、50分ほどの地上訓練を受けたのちその場で飛行に挑み、低高度での飛行を楽しんだ。同社が公開した動画にその様子が納められている。納品時にはJetson創業者兼CTOのトマシュ・パタン氏(Tomasz Patan)とCEOのステファン・デアン氏(Stephan D’haene)が開封と飛行前点検を手伝った。
Jetson ONEは機体重量が86㎏で、飛行そのものについて航空当局のライセンスの有無の制約を受けず、機体のトレーニングを受ければ引き渡しを受けられるウルトラライトクラスに当たる。同クラスのパーソナルAAMには、米LIFT Aircraft社の「HEXA」や米Pivotal社の「Helix」がある。
日本ではこのうちHEXAが2年半前の2023年3月に、大阪城公園でデモフライトを行っている。このさいAAMの普及に力を入れているGMOインターターネットグループ株式会社(東京)の熊谷正寿代表が、日本国内で日本の民間人とし初めて搭乗し、披露の様子を公開した。現在開催中の大阪・関西万博では「空飛ぶクルマ」のひとつとして飛行が披露された。
なお日本でのAAMの議論の中心は操縦士が搭乗して旅客運航する「商用運航」などが中心で、個人用AAMの導入環境に関する議論は大きな進展を見せていない。一方で米国で飛行経験を積むことはいまでも可能だ。
今回、米国で購入者に納品されたJetson ONEは、アルミとカーボンファイバーのフレームに8つのローターを備え、ジョイスティックで操作するタイプの機体で、最高速度102㎞で20分まで飛行できる性能が公表されている。主に個人利用向けの機体だが、救助訓練に参加した経験も持つ。ポーランドとスロバキアの国境にまたがるタトラ山脈では、ポーランド山岳救助隊(GOPR)と連携して緊急時を想定した訓練に2機のJetson ONEが2機用いられたことが今年7月に公表されている。ルバニ山(標高1211m)頂上など遠隔地への迅速対応ミッションを含む訓練で、目的地まで4分未満で到着するなど、現場に迅速に到着し、応急対応を実施したり、状況を把握したりする「ファーストレスポンダー」としての役割を果たす可能性を示した。
Jetson ONEは税抜きで12万8000ドルで注文を受け付けているが、2025年、2026年分の注文はすでにいっぱいになっている。
参考:GMO熊谷氏、HEXA搭乗し飛行を公開
参考:GMO熊谷氏にHEXA公開搭乗の理由を聞く
参考:米Pivotal、パーソナルAAM発売開始

株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は4月9日、大阪・関西万博の報道陣向け公開日である「メディアデー」で、万博期間中にデモ飛行を計画している機体「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実機を初公開し、万博会場内ポート「EXPO Vertiport」で飛行させた。報道向け公開飛行では、操縦士を乗せない遠隔操縦でポートの敷地をゆっくり離陸し、地上から高さ5 mの低高度を前進、転回するなどの動きを見せた。報道陣のほか会場関係者も含め幅広い年齢層の観衆が見守り、「カッコいい」「すごいやん」「見なあかんやつ」の声が上がった。SkyDriveは万博期間中に来場者向けの一般公開も計画している。
飛行が公開された「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の実機は、これに先立ち3月28日に公開されたフルスケールモックアップとほぼ同一のスタイルだ。仕様は同じながらキャビンの窓ガラスや、搭乗者用のシート、エクステリアの一部がより実践向けになっていることが分かる。
デモ飛行会場となった万博会場内の「EXPO Vertiport」には、多くのメディア関係者のほか、開幕直前の会場会計者らが集まり、フェンスの向こうに置いてある機体を見つけると「やばっ。かっこいい」「初公開?これ見なあかんやつ」と期待を寄せる声が聞かれた。子供連れの若い夫婦は子供から「見たい、見たい、飛ぶところ見たい」とせがまれていた。
上空をヘリコプターが旋回する中であいさつに立ったSkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは「3人乗りのタイプ飛行は初めてで楽しみしております。この機体はサービスを開始するタイプの機体なので大阪の上空で飛ぶ様子を想像していただければうれしいです。また音もヘリコプターの約3分の1です。(上空を見て)あのヘリコプターが飛んでいるあたりまで上昇すると音は(地上では)ほぼ聞こえません。そのあたりも体感頂けると思います。万博で多くの方に見てもらって、わくわくしてもらうことが大事だと思っています。そのうえで乗ってみたいとおっしゃっていただけることを目指します」と述べた。
飛行前には係員が「Wi-Fiやスマホの電源をOFFにしていただくか、機内モードに、と周囲に協力を呼び掛けていた。
報道陣に向かって左向きでポートに待機した機体は、午後5時にローターが回り出し、重低音とともに機体が離陸。5mほど上昇したところで姿勢を維持し、数メートル前進して、90度左旋回して報道陣に正面を向けるなどの動きを見せた。この日の飛行は、事前に当局から許可がおりているポート敷地内に限定されたが、約3分50秒の飛行の間、報道陣のカメラや、居合わせた関係者らのスマホが追いかけ続けた。機体が元の位置に着陸すると観衆から大きな拍手があがった。
福澤CEOは「成功だったと思います。万博は『未来社会の実験場』という観点で新しいテクノロジーを実装する様子をご覧いただく機会になるので、それに先立ちフライトができたことはとても意義が大きいことだと思っています」などと感想を述べた。
今後は夏に予定している二地点間運航や、万博の一般来場者の前での飛行に向けて準備を進める方針だ。
デモ飛行終了後には関西電力株式会社(大阪市)がEXPO Vertiport内に整備した充電設備を使って充電する様子も公開された。充電設備は電源装置、冷却装置、電源を最適に制御する制御装置であるエネルギーマネジメントシステム(EMS)で構成される。充電設備からのびたケーブルは制御装置を経由して、そこから機体の左側面の電源口につながる。SkyDriveは通常8割までの充電をしていて、その場合には約20分で充電が終わるという。











SkyDriveがデモ飛行直後に公開したプレスリリースは以下の通り。
~豊田市の自社開発施設での飛行試験や開発の映像も初公開~
「空飛ぶクルマ」の開発およびドローン関連サービスを提供する株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役 CEO 福澤知浩、以下「当社」)は、2025 年4 月 9 日(水)に開催された 2025 年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)のメディアデーで、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」の公開フライトを行ったことをお知らせします。また、併せて豊田市にある自社開発施設での飛行試験や開発の映像を公開いたしました。

■公開フライトについて
2023 年 2 月に、大阪・関西万博『未来社会ショーケース事業出展』の「スマートモビリティ万博」における空飛ぶクルマの運航事業者に選定され(※2)、大阪・関西万博を当社の最重要マイルストーンと設定し、機体開発に邁進してまいりました。
2024 年より愛知県豊田市の自社飛行試験施設にて飛行試験を積み重ね、安全性を十分に確保した上で、本日、2025 年夏に予定している二地点間飛行・周回飛行に先んじて、万博会場内ポート「EXPO Vertiport」にて「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」の公開フライトの実施となりました。
高度は約 5 m、飛行時間は約 4 分間、パイロットは搭乗せず、自動制御とリモート操縦での安全を徹底した運航となりました。
■豊田市の自社開発施設での飛行
豊田市の自社開発施設での試験飛行の様子を公開しました。本映像の機体は、大阪・関西
万博の会場にて飛行を行った「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」と同じ型式の初号
機です。
■開発ストーリー動画も公開
開発の軌跡とエンジニアの姿を伝える動画を公開しました。ぜひご覧ください。
■コメント 株式会社 SkyDrive 代表取締役 CEO 福澤 知浩
当社は、「100 年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに、創業以来、機体開発・事業開発に邁進してまいりました。2020 年 8 月には、日本初の空飛ぶクルマの公開有人デモフライトに成功(※3)、それを機に、グローバルで多くの方に当社を知っていただきました。以降、株主や顧客の皆さまをはじめ多くの方のご支援を賜り、前進することができた結果、本日、ここ大阪・関西万博の会場にて、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」をお披露目できたことを、大変嬉しく思っております。改めて、様々な形で応援・協働いただいているパートナーの皆さま、関係者の方々、深く感謝いたします。そして数々の困難に立ち向かい日々チャレンジを続ける SkyDrive のメンバー全員にお礼を言いたいと思います。空飛ぶクルマは、CO₂排出を抑えた、持続可能な社会に向けたクリーンモビリティであり、また静粛性に優れており、街に馴染むエアモビリティです。これから幕を開ける大阪・関西万博では、「日常的に空を移動する未来」を感じていただきたいと思います。なお、大阪においては、Osaka Metro 様と「新大阪・梅田」「森之宮」「天王寺・阿倍野」「ベイエリア」の 4 つのエリアを結んだ「大阪ダイヤモンドルート構想」を発表しました。このように、万博後の社会実装に向けた計画も日本各地で進んでおります。引き続き、空の移動革命を現実のものとするため、機体開発、事業開発に尽力してまいります。
空飛ぶクルマとは:電動化、自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段です。諸外国では、Advanced Air Mobility(AAM)や Urban Air Mobility(UAM)と呼ばれています。引用元:国土交通省(令和 6 年 4 月付) https://www.mlit.go.jp/koku/content/001739488.pdf