株式会社SkyDrive(豊田氏<愛知県>)の福澤知浩代表取締役CEOは、日本外国特派員協会(東京・丸の内)が主催の記者会見に臨み、同社のAAM「SD-05」についてコンパクトさが優位性になっている点をアピールした。この点についてDroneTribuneの質問に対し、離着陸場に要する場所が小規模で済む点、初期コストが抑えられる点などを理由にあげた。また別のメディアからのバッテリーに関する質問に対しては軽量高出力バッテリーの開発に力を入れていて「ひとつの強み」と説明し、コンパクトで差別化を図る方針を鮮明にした。コンパクトカー世界一のスズキと組んで生産する戦略も強調した。
記者会見は2月18日に行われ、国内外のメディアの報道陣が詰めかけた。1時間の記者会見のうち前半は福澤代表による同社の戦略や業界動向についてのプレゼンテーション、後半が質疑応答に使われた。福澤氏は英語も話すが、この日は主に日本語で話し、逐次英語に通訳された。福澤氏が英語の通訳のあとに英語で捕捉する場面もあった。
福澤氏は冒頭、自動車メーカーで働いていた前職時代について触れ、日常的に渋滞にまきこまれたり、満員電車に揺られたりする中で「自動車のような乗り物で日常的に飛ぶことができれば楽しいな、と考えて」SkyDriveの設立につながったと起業の経緯を説明した。
実は同社の社名「SkyDrive」や、同社のビジョンである「空を走ろう」もこの理念を活字で表現したものだ。日本国内でAAM(とくにeVTOL型のAAM)を「空飛ぶクルマ」と呼ぶ習慣が広がっているのは、この産業の活性化に力をいれようとした中央省庁が、取組をスタートさせる時点で、同社の理念を念頭に「空飛ぶクルマ」と呼び始めたことがひとつのきっかけとみられている。ただし政府の「空飛ぶクルマ」を使うときには、いわゆる「eVTOL」は入るものの、「eSTOL」が想定されていないなど、米国をなど海外で使われる「AAM」が対象とするものとはズレがある。ほかにも、旅客用機体と1人用機体との区別や、電動以外のプロパルジョン(推進機)を持つ機体を含むかどうかなどの区別についても、微妙に異なる点に注意を払う必要がある。
なお、呼称については会見後半の質疑応答で、海外メディアからSkyDriveが同社のプロダクトを空飛ぶクルマ(質問者はFlying carと発言)と呼ぶ理由に関する質問が出た。福澤氏はこれに対し「(空飛ぶクルマとは)より正確にはeVTOLです。空飛ぶクルマ、というのはニックネームのようなものです」と答えた。福澤氏はこの日のプレゼンテーションでは、原則として「空飛ぶクルマないしはeVTOL」と表現し続け、誤解を避ける工夫をしていた。これは、SNSなどでしばしば、「車輪がないのにクルマって」と言われることへの配慮とみられる。
プレゼンテーションではこのほか、2018年の会社設立から8年が経過し複数のタイプの機体を開発してきたと振り返り、同社の開発するeVTOLの主な特徴について電動で騒音が既存航空機に比べ「圧倒的に少ない」こと、垂直に離着陸できること、環境配慮型であること、の3点に整理した。
会社の現状については国内に3カ所の飛行試験場に加え開発センター、工場の5つの拠点を構え、2025年から本格的な試験飛行を開始していること、開発陣の半分弱は海外の人材で幅広く知見を集めて開発にあたっていること、離着陸設備、充電、保険などさまざまな企業から応援を受けていることなどを紹介した。
福澤氏がプレゼンテーションで力を入れたのはSkyDriveの提供する価値と戦略についてだ。eVTOLの静穏性などの価値に加え、SkyDriveの機体がその中でもコンパクトである点を強調した。
会場のモニターに、固定翼を備えた海外製の代表的なeVTOLと、固定翼のないマルチコプタータイプのSkyDriveの「SD-05型」とのサイズ比較ができる図を投影し「上がSkyDriveの機体で横がほぼ10m、下は翼のあるタイプの海外の機体でだいたい15m」と大きさの違いを示し、「ポートのサイズは機体幅の2倍ぐらいなので、翼があるタイプは東京のビルの上(に離着陸するの)は結構、厳しい。SkyDriveの機体なら都内のビルの上にとまれる可能性があります」と述べ、コンパクトであることが、活用範囲を広げる優位性を説明した。
さらに「世界各国で、SkyDriveのサイズならとまれる場所を確保できるといった声を聞きます。多くの場所にとまれるというのが大きなポイントかなと考えています」とコンパクトの優位性が広がっていると分析した。
また、福澤氏は「製造の部分」も提供価値にあげた。「コンパクトカーNo.1のスズキさん(スズキ株式会社、浜松市)と製造をすすめています。既にスズキの工場で一緒に製造しておりまして、量産の段階になると年間100機、またはそれ以上がこの工場で作られることになります。自動車同様、製造、輸送、から飛ばす、までを短いリードタイムで実現できます」と、コンパクトに強みを持つ日本のものづくりの力が発揮できることを強調した。
サービス面では、鉄道会社とのコラボレーションを進めている戦略をあげた。
「飛行機に乗るために空港まで遠いことがあります。この問題を解決するため鉄道会社とコラボレーションをしています。JR東日本さんはタッチ決済のSuica で電車に乗り、Suica でタッチしたらそのまま空飛ぶクルマもしくはeVTOLに乗れる世界を作りたいと話しています。現在、東北、大阪、九州の各エリアで進めています。九州では別府と湯布院のふたつの温泉地を結ぶことをJR九州と話しています。ともに温泉地として有名ですが2点間を地上で移動すると結構時間がかかりますが、空なら早いうえ景色も楽しめます。またOsaka Metro(大阪市高速電気軌道株式会社)さんとも大阪の4点を結んだ『大阪ダイヤモンドルート構想』で検討を進めています。大阪メトロさんは、新駅の駅舎の上に空飛ぶクルマのポートを設置し、電車から簡単に乗り換えられることを考えています。こういったことができるのも、SkyDriveのコンパクトさと鉄道会社ととの連携があってこそです」
コンパクトの優位性がプレオーダーにもつながっているという。
「プレオーダーはアジア圏を中心に海外でも同じように起きています。提携しているインドネシアのヘリコプタータクシーの運行会社は、国際空港からダウンタウンまで、地上で1~2時間かかるところを15分ぐらいで運航するサービスを行っています。私も乗りました。そうするとやはりダウンタウンではビルの上とか場所に制約があります。そういう時にSkyDriveなら降りられる。しかも静かで環境に優しくコストも抑えられる」
このほか、ドバイのエアロガルフ・サービシズ(AeroGulf Services)とのプレオーダーにも言及した。エアロガルフとは2026年1月、売買契約の基本条件を盛り込んだLOI(基本合意書)を締結したと発表している。福澤代表は「エアロガルフさんは2点間だけではなく観光にも使っていく方針です。観光という観点でも、SkyDriveの機体が安定したホバリングができるといった観点からプレオーダーをいただいております」と説明した。
このコンパクト性がプレオーダーにつながっている背景についてDroneTribuneは後半の質疑応答で追加質問をした。これに対し福澤代表は、SkyDriveを選んだ利用者は他社と比較して決めており、その理由がコンパクト性であると感じることが多いと答えた。
「お客様はいろいろなメーカーを比較してプレオーダーをしています。エアモビリティを使う場合、企業としてはかなり本気ですし、値段も考えます。その中でSkyDriveを選んでいただいているのはコンパクトな部分が大きいなと思っています。ひとつはポートが作りやすいこと。もう1つは初期コストを抑えられること。機体が固定翼タイブに比べ下がりますし、ポートの整備コストも軽く、充電器も簡素にできます」
DroneTribuneはこのほか、日本での生産とサプライチェーンについての考え方について質問した。これについて福澤代表は日本で生産する理由に、整備や部品交換、品質などをあげた。
「サプライチェーンが日本であった方がいい理由は、整備、部品交換がしやすい、開発が共同でしやすいといって点があります。部品によっては他の国から買ってきた方がより安全でより品質が高い、コストが安いといったこともありますので、最適なサプライチェーンにしています。万博で飛んだ機体に関しては半分弱ぐらいが結果的に日本で調達した部品です。日本の中で作っていくとよりいいよね、という話しもします。ただ最終的には機体としてベストになるように、と話しています」
また収益化のロードマップについても質問した。福澤代表は、量産体制に入ったタイミングで収支があうようになることを考えていると明かした。
「収益化すごく大事な話。工場で年間100機、これは自動車のような昼夜二交代制で間に合うぐらいかなと思っていますが、そのようなフル稼働のタイミングで黒字になっていくことを目指しています」
また別のメディアからのバッテリー開発に関する質問があり、福澤代表は、高出力で軽量を兼ね備えたバッテリーの開発に力を入れていて、ここが同社の強みと考えていると答えた。
「バッテリー開発にはとてもリソースを割いています。ひとつは良いバッテリーという点、もうひとつはそれを機体に搭載する点です。なるべく軽く、でもちゃんとしたものでないといけない。コンパクトな機体に工夫して載せる点で相当な工夫をして開発を進めていてここはSkyDriveの強みだと考えています」
プレゼンテーションではこのほか、2月24日から28日の間に東京ビッグサイトでのデモフライトを一般公開することを案内した。
それ以外の主な質疑は以下の通り
――想定される利用者
「日本の鉄道会社とは誰もが日常的に乗れる値段を設定しようと話をしている。タクシーよりは高いが観光用ヘリコプターと同等かそれより安い値段にしたい」
――日本で開発を加速させる方法は
「実は日本が世界で先駆けたことがいくつかある。複数の機体が一般のイベントで飛んだのは大阪・関西万博が初めてだ。ただアメリカや中東に比べ発信が少ないとは思う。政府と連携するなどしてグローバルに発信することは大事だ」
――プロペラが12個あるがいくつはずれても飛べるのか
「一番重要な2つが止まっても引き続き飛べる」
――スピードと航続距離は。古巣のトヨタはJobyに出資しているが
「航続距離について。発売後数年間は30㎞から40kmぐらい。新興国の都市部のサイズにも合っている。スピードは時速100kmを考えている。Jobyのような固定翼を備えた機体の会社がeVTOL業界を牽引していてとてもありがたい。彼らの機体はサイズも値段も既存の飛行機に近い。需要も非常に大きいと思っている。それぞれユースケースが異なる。自動車でもコンパクトカーは日本の会社が作っていて大きなもの、さまざま用途のものを米国など海外の会社が作っているのと同じ感覚」
――都内のビルの上にとまれる根拠
「東京都のプロジェクトで検証。物理的に可能という感じ」
――現状で市街地飛行が難しい理由
「認証が取れれば都市部もローカルも飛べる。その手前の段階ではベイエリア中心」
――値段
「未公表。安全性が同等の双発型ヘリコプターに比べ半分以下の値段を目指している」
――嵐、雨など荒天での飛行
「条件はヘリコプターとほぼ同じ。ヘリコプターが飛べる環境では飛べる。ストームの場合は厳しい」
――伊勢志摩での飛行
「(提携している)近鉄さんとは伊勢志摩エリアを一番のフォーカスエリアとして考えている」



AAM開発の株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は1月15日、ドバイを拠点とするヘリコプター運行サービス会社、エアロガルフ・サービシズ(AeroGulf Services Company LLC)と、売買契約の基本条件を盛り込んだLOI(基本合意書)を締結したと発表した。20機を10機ずつ購入することや、価格、納品スケジュールなどが記されているという。型式証明(TC)取得前のため正式な売買契約で法的な拘束力もないが、具体的な売買に向けて大きな前進となった。
両者が結んだLOIそのものは公開されていないが、SkyDriveによるとエアロガルフ社が「SKYDRIVE (SkyDrive式 SD-05型)」を20機購入し、2028年に10機、2029年に10機の納品することが明記されているという。価格も具体的といい、DroneTribuneの取材に対し、「具体的な数字」であると念を押した。
価格については、通貨(ドル建てか円建てかそれ以外か)、払い込み方法やタイミング、為替変動やインフレなどをふまえた価格調整条項(エスカレーション条項)が盛り込まれているかどうか、などについては現時点では非公開だ。
また購入する数については、購入が明記された20機に加え、50 機の追加購入オプションについても合意したと公表している。このためSkyDriveは最大で70機の購入予約をエアロガルフから獲得したことになる。
売買の対象は「SKYDRIVE (SkyDrive式 SD-05型)」で、昨年2025年の大阪・関西万博でデモフライトが来場者に公開された機体だ。SkyDriveは2028年までに型式証明を取得することを仮定していて、機体の仕様もそれに基づいているという
SkyDriveは公表している範囲で、415機のプレオーダーを獲得している。納品するためには正式な売買契約が不可欠だが、現時点では型式証明を取得していないなど要件を満たせていない。今回のエアロガルフとのLOIは、正式契約の土台となる骨子を現時点で可能な範囲の具体的に盛り込んだ仮契約の意味を持っていて、プレオーダーからLOIに進んだのは今回が初めてだ。SkyDriveはDroneTribuneの取材に対し、現在のプレオーダー先についても「随時LOIへのアップグレードを図っていきたい」と話している。
SkyDriveが発表したプレスリリースには、契約をかわした両者のコメントやエアロガルフ社の概要などが掲載されている。


AAM(アドヴァンスト・エア・モビリティ)運航事業を手掛け、大阪・関西万博の運航事業者にも名を連ねる株式会社Soracle(ソラクル、東京)が、2027年中にも大阪・関西エリアで旅客運航を目指す計画を明らかにした。9月10日に大阪府、大阪市と連携協定を結んでおり、その席で計画を明らかにした。米Archer Aviation(アーチャー・アヴィエーション)のパイロット1人を含めた5人乗りのeVTOL型AAM、Midnight(ミッドナイト)を使うことを想定しているという。
Soracleは2026年にも大阪府内で実証飛行を実施し、必要な審査をふまえ27年にも大阪ベイエリアでの遊覧飛行などを始める。周回して出発点に戻る運航のほか、離陸地点から別の場所に移動する二地点間飛行も想定する。
大阪府と大阪市との連携協定は、ソラクルの事業環境を整えることや、運航網整備に必要なインフラ整備に向けた調査、制度の整備、関連ビジネスの展開支援などの事業環境整備に向けた取り組みを進める。締結式では太田幸宏CEOが、大阪に来れば全国に先駆けて空飛ぶクルマに乗ることができる未来を実現し、中長期的には関西・瀬戸内海地点を結ぶ観光体験を創ると抱負を述べた。
吉村洋文知事は「さまざまな課題はあろうかと思いますが、Soracleさんと協力し、大阪府・市も全面的に当事者として取り組むことで、2027年に商用運航を、そして大阪に来れば空飛ぶクルマに乗ることができるということをめざしていきたいと思います。大阪・関西から、空の移動革命を実現していきましょう」と述べた。
Soracleの公式発表はこちらにあります


スウェーデン航空ベンチャーJetsonは、同社が開発した1人乗り用のパーソナルeVTOL型AAM「Jetson ONE」を米カリフォルニア州で購入者に初めて納入したと公表した。引き渡しを受けたのは経験豊富な航空愛好家パーマー・ラッキー氏で、50分ほどの地上訓練を受けたのちその場で飛行に挑み、低高度での飛行を楽しんだ。同社が公開した動画にその様子が納められている。納品時にはJetson創業者兼CTOのトマシュ・パタン氏(Tomasz Patan)とCEOのステファン・デアン氏(Stephan D’haene)が開封と飛行前点検を手伝った。
Jetson ONEは機体重量が86㎏で、飛行そのものについて航空当局のライセンスの有無の制約を受けず、機体のトレーニングを受ければ引き渡しを受けられるウルトラライトクラスに当たる。同クラスのパーソナルAAMには、米LIFT Aircraft社の「HEXA」や米Pivotal社の「Helix」がある。
日本ではこのうちHEXAが2年半前の2023年3月に、大阪城公園でデモフライトを行っている。このさいAAMの普及に力を入れているGMOインターターネットグループ株式会社(東京)の熊谷正寿代表が、日本国内で日本の民間人とし初めて搭乗し、披露の様子を公開した。現在開催中の大阪・関西万博では「空飛ぶクルマ」のひとつとして飛行が披露された。
なお日本でのAAMの議論の中心は操縦士が搭乗して旅客運航する「商用運航」などが中心で、個人用AAMの導入環境に関する議論は大きな進展を見せていない。一方で米国で飛行経験を積むことはいまでも可能だ。
今回、米国で購入者に納品されたJetson ONEは、アルミとカーボンファイバーのフレームに8つのローターを備え、ジョイスティックで操作するタイプの機体で、最高速度102㎞で20分まで飛行できる性能が公表されている。主に個人利用向けの機体だが、救助訓練に参加した経験も持つ。ポーランドとスロバキアの国境にまたがるタトラ山脈では、ポーランド山岳救助隊(GOPR)と連携して緊急時を想定した訓練に2機のJetson ONEが2機用いられたことが今年7月に公表されている。ルバニ山(標高1211m)頂上など遠隔地への迅速対応ミッションを含む訓練で、目的地まで4分未満で到着するなど、現場に迅速に到着し、応急対応を実施したり、状況を把握したりする「ファーストレスポンダー」としての役割を果たす可能性を示した。
Jetson ONEは税抜きで12万8000ドルで注文を受け付けているが、2025年、2026年分の注文はすでにいっぱいになっている。
参考:GMO熊谷氏、HEXA搭乗し飛行を公開
参考:GMO熊谷氏にHEXA公開搭乗の理由を聞く
参考:米Pivotal、パーソナルAAM発売開始

AAM開発の米ジョビー・アビエーションは6月30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでパイロットが搭乗し、垂直離着陸の固定翼飛行を実施した。ジョビーは「2026年に最初の乗客を運ぶ」と2026年のサービス開始を目指している。ジョビーは開催中の大阪関西万博で「運航事業者」にもなっている。
ジョビーによるドバイでの飛行は、「piloted, vertical-takeoff-and-landing wingborne flights」で、パイロットが乗り、垂直離着陸をしたうえで、機体の固定翼で移動した飛行で、「eVTOL分野では初めての取り組み」としている。ジョビーはこの飛行を通じて、ドバイ地域での商用市場準備の取り組みを開始したことも明らかにした。ジョビーは直接運航、航空機販売、地域パートナーシップを商業化戦略の3本柱と位置付けていて、今回の試験飛行が「重要な一歩」と話している。
試験飛行はドバイ道路交通局、ドバイ民間航空局、UAE民間航空総局と連携して実施された。またドバイ道路交通局長官兼理事会会長のマタール・アル・タイヤー会長が立ち会った。
ジョビーは、ドバイ国際空港(DXB)、ペルシア湾の人工島であるパーム・ジュメイラ、現在建設が進められている世界第2の面積の人工のマリーナであるドバイ・マリーナ、超高層ビルブルジュハリファで知られるドバイ・ダウンタウンでの商業サービス導入を目指している。バーティポートはすでに建設が進められている。
ジョビーはDXBからパーム・ジュメイラまでをエアタクシーサービスで移動した場合、移動時間は12分で、45分かかる車での移動時間が大幅に短縮されると見込んでいる。
ジョビーがエアタクシーサービスで使う機体は電動で、パイロット1人と最大4人の乗客を乗せ、最高時速200マイル(約320km)で輸送できる設計と説明していて、ジョビーは「短時間の通勤、小旅行、地域間のシームレスな移動のために、より速く、より静かで、より便利な空の旅を提供します」と話している。
ジョビーの発表はこちら

次世代エアモビリティ(AAM)運航の株式会社Soracle(ソラクル、東京)と、AAM開発の米Archer Aviation Inc.(アーチャー・アビエーション社、米カリフォルニア州)は、戦略的関係構築に向けた基本合意書を締結した。アーチャーは11月7日付で、ソラクルは11月8日付でそれぞれ発表した。両者で商用運航実現に向けた協業の検討を始める。合意にはソラクルによるアーチャー製AAM「Midnight(ミッドナイト)」の最大100機(5億ドル)の購入権が含まれていて、開発の進捗状況に応じて機体の引き渡し前に一部の前払いを実施する。
ソラクルは今回の合意に沿って、日本国内における空港シャトル・地域内輸送・地域間輸送など国内外の利用者を想定して魅力的な路線を開拓し、新たな価値を創造する交通ネットワークの構築を目指す方針だ。合意はソラクルがミッドナイトを最大100機(約5億ドル)購入する権利も含み、開発の進捗状況に応じて前払いを行う。
アーチャー製AAMミッドナイトはパイロット1人を含めた5人乗りのeVTOL。回転角度を変えられるチルトローターと固定翼を併用する機体で、最高速度は240km/h、航続距離160km。すでに米国内で試験飛行を重ねていて2025年末までにFAA(米連邦航空局)から型式証明の取得、2026年の商用運航実現を目指している。日本国内でも航空当局である国土交通省航空局の認可取得を目指す。
ソラクルは「eVTOLを用いた地球に優しく、より身近で新しい移動価値を創造することを目指し」て「eVTOLの社会実装の早期実現に向けた準備を加速」すると抱負を述べている。
アーチャーの事業開発担当シニア・ディレクター、アンドリュー・カミンズ氏は「私たちはソラクルとフライト新時代の先頭に立てることを誇りに思います。革新的で持続可能で便利な代替交通手段をもたらすことに全力を尽くします」とコメントしている。
ソラクルは今年(2024年)6月、住友商事株式会社と日本航空株式会社が50%ずつ出資して設立されたAAM運航を目指す合弁会社で、大阪・関西万博で独ヴォロコプター社(Volocopter)製AAMヴォロシティ(VoloCity)を飛行させる計画を進めてきた日本航空から事業を引き継いでいる。大阪・関西万博でデモフライトをする機体について、ヴォロシティからアーチャーのミッドナイトへの変更は9月26日に公表している。
ソラクルの発表内容は以下の通り。
~Soracle は大阪・関西万博デモンストレーション運航を契機に、eVTOL の社会実装を目指します~
株式会社 Soracle(以下「Soracle」)は、米国 Archer Aviation Inc.(以下「Archer 社」)と戦略的関係構築に向けた基本合意書を締結しました。
両社は、2024 年 9 月 26 日付で発表いたしました 2025 年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」)でのデモンストレーション運航プログラムの実施に加え(※)、eVTOL の商用運航実現に向けた協業の検討を開始することに合意しました。
Soracle は、日本国内における空港シャトル・地域内輸送・地域間輸送など、様々なユースケースを想定した路線を開拓し、eVTOLを用いた地球に優しく、より身近で新しい移動価値を創造することを目指しています。今般 Archer 社との基本合意書には同社が開発・製造する eVTOL ”Midnight”の最大 100 機の購入権取得を含んでおり、eVTOL の社会実装の早期実現に向けた準備を加速して参ります。
Soracle は、2025 年 4 月から大阪・夢洲で開催される大阪・関西万博に、未来社会ショーケース事業「スマートモビリティ万博 空飛ぶクルマ」に、シルバーパートナーとして協賛いたします。本事業は、eVTOLをより身近に感じていただくことで、大阪・関西万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を体現するものです。Soracle は Archer 社 eVTOL “Midnight”を用いた万博会場の周遊および会場と大阪ヘリポートを結ぶ2地点間のデモンストレーション運航を予定しています。
■Soracle 概要
社名 :株式会社 Soracle
事業内容:eVTOL による航空運送事業(許可取得予定)
設立 :2024 年 6 月
代表者 :代表取締役 太田幸宏・佐々木敏宏
所在地 :東京都中央区
ホームページ:https://www.soraclecorp.com/
■Archer 社概要
社名 :Archer Aviation, Inc.
事業内容:eVTOL 設計・開発・運航
設立 :2018 年
代表者 :Founder & CEO Adam Goldstein
所在地 :アメリカ合衆国カリフォルニア州
ホームページ:https://archer.com/
■Archer 社 eVTOL “Midnight” 概要
Archer 社が設計・開発する4人乗客(パイロット除く)ベクタードスラスト型のeVTOL。当該機は米国における試験飛行の実績を重ねており、2025年末までのFAA(連邦航空局)からの型式証明取得、2026 年の商用運航の実現を目指しております。
【運航性能(目標)】 最高速度 240km/h・航続距離 160km・最大積載量 454kg
(※) Soracle、JAL から大阪・関西万博 「空飛ぶクルマ」運航事業を承継
~Archer 社 eVTOL “Midnight”にて大阪・関西万博 デモンストレーション運航を実施~
https://www.soraclecorp.com/wp-content/uploads/2024/09/Press_240926.pdf


