世界最大のテクノロジーの祭典、CESを主催するコンシューマー・テクノロジー・アソシエーション(CTA)は7月28日、年明け1月に米ラスベガスで開催を予定していた「CES 2021」について、2021年1月6日から9日の期間に、“オールデジタル”で開催すると発表した。過去50年間にわたりラスベガスで大規模に開催されてきたイベントは、開かれないこととなった。
オールデジタルでの開催を決めたのは、新型コロナウイルス感染症の収束が見込めない中、「ラスベガスに何万人もの人々を安全に招集し、直接会ってビジネスを行うことはできない」ため。またオールデジタルであれば、最新プロダクトや新たな発想に触れるなど、テックコミュニティを安心して満喫できると、安全確保を重視していることを強調した。(An all-digital CES 2021 will allow the entire tech community to safely share ideas and introduce the products that will shape our future. You’ll be able to participate in all the awe-inspiring moments of CES wherever you are in the world. We are designing a unique experience for the tech industry.)。
さらに、オールデジタル開催が、出展者が既存のオーディエンスと新しいオーディエンスを結びつけるためのユニークな体験を提供できることや、参加者の自席が「最前列の席」となり、最先端テクノロジーを見学したり、最新の製品発表に参加できたり、世界中のグローブランドやスタートアップと交流することができることを強調、新たな体験を訴求していく考えだ。
CTAは先月6月初旬には、感染対策などを十分にしたうえで本開催とオンライン開催とを併用するスタイルで開催する方針を打ち出していた。しかし、新型コロナウイルス感染症に収束機運がみられないことから、ラスベガス多数の来訪者が集結するリスクを重視、方針を転換した。
CESは、世界各国のテクノロジー関連企業が、競うように最新プロダクトを出展することで知られていて注目度が高く、日本からも多くの企業が出展している。今年1月に開催されたCES2020にはブルーイノベーションが日本のドローン関連企業として単独で出店したほか、エアロネクストなどもスタートアップとして進出し、話題を集めていた。
なお、1年後の2022年に予定されている「CES 2022」については、現時点では展示会とデジタルショーの両方の要素を取り入れ、ラスベガスで開催予定だという。
日本のテクノロジー関連では、日本のテクノロジーフェス、CEATECもWEBサイト上に会場を構築して「CEATEC 2020 ONLINE(シーテック 2020 オンライン)」として開催することを決めている。接触リスクと向き合う「ニューノーマル」を前面に押し出したことが最大の特徴で、2020年10月20日(火)~23日(金)に開催し、12月31日までアーカイブのオンデマンド配信が行われる。
千葉・幕張メッセで6月18~21日に開催された建設、測量技術の展示会「第8回国際 建設・測量展」(CSPI-EXPO2026)の主催団体、「国際建設・測量展実行委員会」は、期間中の来場者が合計で5万7362人だったと発表した。前回実績を21.3%上回った。
来場者は全体で前回実績(4万7294人)より1万以上増えた。来場者の内訳は業界来場者が45700人で全体の79.7%を占めた。「VIP」が4781人、報道関係者が45人、来賓が50人、一般来場者は6786人だった。主催者はこの数字は確認作業後、修正の可能性があると伝えている。
ドローン事業者の出展者も多く、今回もDJI JAPAN、AMUSE ONESELF(アミューズワンセルフ)、スペースワン、エアロセンス、テラドローン、ジュンテクノサービス、CHCNAV、セキド、システムファイブ、ブルーイノベーションなどがブースを構えた。
DJI JAPAN、AMUSE ONESELFなどのように、ドローンの展示会にブースを構えていない顔ぶれや、スペースワンなどのようにJapan Droneの出展と異なる展示構成が見どころとなった。
DJI JAPANは産業用ブランド「DJI ENTERPRISE」を前面に押し出して、「MATRICE 400」や「DJI Dockシリーズなどを展示した。CSPIの公式ページでは「Matrice 350 RTK」の展示を予告していたが、新型機が発表されたことから「MATRICE 400」が展示の中心になった。映像伝送システムが一新され制御感覚が格段に向上し効率性が向上したバッテリーシステム、包括性が高まった安全機能、パワフルな積載性能などが話題を集めブースでも多くの来場者が足を止めていた。
DJI Dockシリーズでも最新機、DJI Dock 3が展示の中心で、DJI Matrice 4D、またはMatrice 4TDの高性能ドローンを搭載し24時間365日のリモート操作を可能になったことで話題を集めた。このほかフレームベースのLiDAR、独自開発の高精度IMUシステムを備えるZenmuse L2は、フルサイズセンサーカメラと交換可能な単焦点レンズを3軸ジンバルスタビライザーに搭載するZenmuse P1は、広角カメラ、ズームカメラ、赤外線サーマルカメラ 、レーザー距離計、NIR補助ライトの5つの主要モジュールを搭載するZenmuse H30シリーズも展示された。
ブースでは連日、講演も開催。DJI Dockの活用法のほか、このところドローン事業者の間で話題の機体認証などが取り上げられ、多くの来場者が足を止めていた。DJI JAPAN標準化政策ディレクターの浦野靖弘さんは「ソリューションを求める来場者に関心をもっていただけた」と話していた。
スペースワンは6月上旬のJapanDroneで話題になった大きなLEDディスプレイをCSPIににも投入し、入口に近い場所で来場者の目を引いた。カナダのDeep Trekker社が開発した管路点検用ロボットパイプクローラー「PIPE TREKKER(パイプトレッカー)」シリーズ「A-150」と「A-200」を目立つように配置したことがJapanDroneとの大きな違いで、開場早々、このクローラーの説明を求めた来場者がブースに立ち寄っていた。A-150は管径150~600mm、A-200は管径200~900mmに対応する。それぞれHDカメラやパン・チルト・ズーム機能を搭載しているほか、水深50mの耐水圧構造を備えていることが特徴だ。このほかJapanDroneでも話題だった中国CHASING社の最新水中ドローン「CHASING X」がブース正面に展示されて来場者んぼ足を止めていた。8基の大型スラスターを搭載し、どの方向へも移動できる。高精細4Kカメラと12,000ルーメンの高輝度LED照明で鮮明で安定した映像の取得に寄与する。
ブルーイノベーションはコンパクトなブースの中にフライトエリアも設けて屋内空間の点検・測量ドローン「ELIOS 3」と、点検用ペイロード「UT 検査ペイロード」を展示した。
AMUSE ONESELFは入口に近い一角に広々としたブーススペースを確保。陸域と浅水域で使えるグリーンレーザースキャナシステム「TDOT 7 GREEN」や、ドローン搭載用レーザースキャンシステム「TDOT」と秒間最大2,400,000パルス、400ラインのリーグル社製「VUX120」を融合したハイエンドレーザースキャナシステム「TDOT 7 NIR-S」、汎用型レーザースキャナシステム「TDOT 7 NIR」のほか、国産エクステンダーで搭載なしの場合に4時間と長時間飛行を可能としたハイブリッドドローン「GLOW.H」などを展示し、多くの来場者が訪れていた。
ジオサーフは高精度な位置情報ソリューションを開発する中国ComNav Technology社のJupiter Laser Visual RTKを中心に展示。Jupiter Laser Visual RTKは最先端のGNSS、IMU、レーザー、デュアルカメラ技術を統合したハイエンドGNSS受信機で、従来到達が困難だった場所や、信号が遮断された場所、危険な場所で没入感ある測量や杭打ち作業が可能になる。
CSPI-EXPOは、前回まで「建設・測量生産性向上展」だったが、今回から「国際 建設・測量展」に名称を変更し、開催目的を建設・測量業界の発展貢献をさらに明確化していた。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は2025年6月24日、陸上自衛隊中部方面隊と災害時応援協定を締結したと発表した。応援エリアをさらに拡大した。
JUIDAは中部方面隊の第3師団、第10師団と個別に協定を結んでいた。今回中国地方を管轄する第13旅団、四国地方を管轄する第14旅団も含むことになった。すでに東部方面隊、東北方面隊と提携を結んでいて、応援エリアの拡大を進めている。JUIDAの公式サイトの中で紹介している。
https://uas-japan.org/information/36636/
狭小空間点検用の小型ドローン「IBIS」の開発で知られる株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)は6月25日、マレーシアのAerodyne Group(エアロダイングループ、Aerodyne Geospatial Sdn. Bhd.)とIBISを運用する人材育成に関わる覚書を交わしたと発表した。東京株式市場では発表を好感し、リベラ株はじりじりと値を上げ、一時、1646円をつけた。なお、覚書締結の時期、人材育成の時期、規模などについては発表では触れていない。
発表は6月25日午前11時に行われた。午前10時に1577円で寄り付いていたリベラウェア株は一時1517円まで売られたが、この発表のあと株価はじりじりと値を上げた。
発表によると、リベラウェアはAerodyne Groupの訓練機関「Aerodyne Flight Institute(AFI)でIBISを運用する人材の育成を進める。人材育成はカリキュラム構築、教材の英語対応化、OJT実施などを含む。マレーシアで育成した人材の海外展開も視野に入れるという。
リベラウェアは今回の覚書は「海外市場への事業拡大および収益基盤の多角化を推進するため」と位置付けている。
発表はこちらから。
または以下の通り。
~マレーシアにおける高度スキル人材育成プログラムで「IBIS」パイロットを育成~
株式会社Liberaware(千葉県千葉市、代表取締役 閔 弘圭、以下「当社」)は、海外市場への事業拡大および収益基盤の多角化を推進するため、このたびマレーシアを拠点とするAerodyne Geospatial Sdn. Bhd.(所在地:マレーシア・セランゴール州サイバージャヤ、代表者:Kamarul A. Muhamed、以下「Aerodyne Group」)との間で包括的な業務提携に関する覚書(MoU)を締結いたしました。
本提携は当社が経済産業省より採択された「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」を通じて実現したものです。ドローンを用いたインフラメンテナンスのデジタルソリューションによる現地完結型エコシステムを構築することを目標とし、Aerodyne Groupの人材育成事業を通じた当社IBISシリーズ(以下、「IBIS」)のパイロット人材育成や、両者の顧客基盤をもとにした実際の現場でのOJT(On-The-Job Training)実施のほか、マレーシアで「IBIS」並びに当社のデジタルソリューションを活用できる高度人材を育成することを目標としています。また、上記を通じて、マレーシア市場での新たな事業機会を創出し、アジア地域全体への展開を視野に入れた協業体制を構築いたします。
■本提携の背景
当社は2016年の創業以来、「狭くて、暗くて、危険な」かつ「屋内空間」の点検・計測に特化した世界最小級のドローン開発と運用を行っており、東京電力福島第一原子力発電所の原子炉格納容器内や下水道管路内、JR東日本グループをはじめとする大手企業のインフラ設備において、「IBIS」による点検実績を積み重ね、設備情報のデジタル化・DX推進に貢献してまいりました。
一方、Aerodyne Groupは、2014年の創業以来、Drone Tech、Data Tech、Digital Transformationの3領域を統合した「DT3」モデルに基づくインフラ支援サービスを提供してきました。多種多様なドローンを活用し、AIによるデータ解析と独自プラットフォームによる点検・可視化を通じて、世界45か国以上で事業を展開し、社会インフラの高度化に寄与しています。同社はドローンサービス業界において、2021年より3年連続で世界No.1(Drone Industry Insights調査)に選出されており、人材育成の面でもマレーシア政府と連携した国家的スキームを推進するなど、国際的に高い評価を受けています。
この度、両社の経営資源やノウハウをお互いに活用することで、マレーシアにおける持続可能な人材育成と、その他の海外拠点で、現地完結型ソリューションの提供体制の整備が可能と考え、提携に至りました。
■本提携の目的
本提携は、経済産業省による「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の支援を受けて実施されるもので、マレーシアにおいて当社「IBIS」および関連デジタルソリューションの運用が可能な高度スキル人材の育成を主目的としています。
Aerodyne Groupが運営する訓練機関「Aerodyne Flight Institute(以下、「AFI」)」において、「IBIS」に特化した教育プログラムを新設し、現地での訓練、実フィールドでのOJT、高度人材の育成を通じて、マレーシア国内で業務が完結するエコシステムの構築を目指します。さらに、育成された人材を活用し、両社のグローバルな顧客基盤を活かした海外展開も視野に入れています。
■主な提携内容
今回の業務提携では、以下のような取り組みを共同で進めてまいります。
・AFIへの「IBIS」カリキュラム設置
– 日本国内で運用中の「IBIS」トレーニングセンターをモデルに、同様の機能をマレーシア国内に構築
– 「IBIS」インストラクター資格を有する技術者の育成、トレーニング教材・各種マニュアルの英語化
・顧客フィールドにおけるOJTの実施
– カリキュラムを履修した現地人材に対し、日本の操縦者監修のもと、実環境でのOJTを実施
– 「IBIS」の操作技術に加え、対象プラントや工場設備の基本知識を習得
・育成された高度人材の海外展開支援
– 両社のグローバルネットワークを活用し、育成人材が海外の顧客現場で活躍できる機会を創出
– マレーシアを起点とした人材育成・派遣モデルを他国へも展開可能なスキームへ発展
■ 今後の展開
本提携を通じて、当社は経済産業省の推進する「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を、Aerodyne Groupはマレーシア政府の推進する「Shared Prosperity Vision 2030」の目標、特に「マレーシアを高所得国家へ導く新たな人材育成」「第4次産業革命(IR4.0)分野への若年層の参画促進」といった方針を、両社で補完しあいながら両政府の政策を実現してまいります。
また、今回の取り組みを通じて、マレーシアの高度人材を東南アジア地域の諸外国に派遣することで、日本国内のグローバル企業の顧客に対しても、これまで以上に円滑かつ高品質なサービス提供が可能となる体制を構築できることを見込んでいます。
そして、Aerodyne Groupが有する広範な顧客基盤に対して、「IBIS」の有効性を積極的に提案していくことで、短期的にはマレーシア市場での成功事例の創出を図り、中長期的にはそのノウハウを同社の45か国に広がる海外市場へ拡大していくことも想定しております。
なお、本提携の業績に与える影響は軽微ですが、中長期的には両社の技術連携や市場開拓を通じて相互の業績向上に寄与することを期待しています。
▼Aerodyne Groupについて
Aerodyne Groupは、ドローンテクノロジー(Drone Technology)、データテクノロジー(Data Technology)、およびデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)を融合した「DT3」ソリューションを提供するグローバルリーダー企業です。世界45か国に展開し、リアルタイムのデータ解析、自動化、予知保全を通じて、企業のデジタル変革を支援し、業務の効率化と生産性の最大化を実現しています。ドローン業界における権威ある調査機関であるDrone Industry Insights(ドイツ)が発表する「グローバル・ドローン・サービスプロバイダー・ランキング」では、2021年から3年連続で世界第1位に選出されており、イノベーションとドローン運用面で業界を牽引する存在として高く評価されています。また、Aerodyne Groupは、自社運営のAerodyne Flight Instituteを通じて、マレーシア民間航空局(CAAM)認定のドローンパイロット養成機関としても先進的な取り組みを展開しています。これまでに1,000名を超えるプロフェッショナルドローンパイロットを育成・認定しており、受講者は民間防衛、石油・ガス、法執行機関など多様な業界から集まっています。これにより、同社のトレーニングプログラムが、ミッションクリティカルな分野においても広く信頼されていることが示されています。
会社名:Aerodyne Geospatial Sdn. Bhd.
代表者:Kamarul A. Muhamed
所在地:Persiaran Cyber Point Selatan Cyber 8, 63000, Cyberjaya, Selangor
設立:2014年
事業内容:
・Drone as a Service(DaaS):送電線、通信塔、発電所、建設現場などにおける高頻度・広範囲な点検サービスをドローンで提供。
・インフラDX支援:エネルギー、通信、農業、都市インフラ分野において、ドローンとデジタル技術を組み合わせた統合ソリューションにより、業務の効率化や予知保全を実現。
・Software as a Service(SaaS):DRONOSは、インフラ点検およびアセットインテリジェンスのためのクラウドネイティブかつAI搭載のSaaSプラットフォームです。ドローンによる自律飛行データの処理、AIによる設備や損傷の自動検出、デジタルツインによるレポーティングを可能にし、通信塔や送電線、石油・ガスパイプラインなどの重要設備における現場リスクの低減、点検コストの削減、意思決定の迅速化を支援します。
・人材育成と研修:政府認定のドローンスクール運営事業者(RPTO)として、Aerodyne Flight Instituteを通じ、ドローンパイロットおよび点検スペシャリストの育成・訓練を実施。
▼株式会社Liberawareについて
株式会社Liberawareは、「誰もが安全な社会を作る」をミッションに掲げ、世界でも珍しい「狭くて、暗くて、危険な」かつ「屋内空間」の点検・計測に特化した世界最小級のドローン開発と、当該ドローンで収集した画像データを解析し顧客に提供するインフラ点検・維持管理ソリューションを行っております。弊社は、ビジョンでもある「見えないリスクを可視化する」ことに邁進し続け、人々に安全で平和な社会をお届けします。
会社名:株式会社Liberaware(リベラウェア)
代表者:閔弘圭(ミン・ホンキュ)
所在地:千葉県千葉市中央区中央3-3-1
設立:2016年8月22日
山を削ったり土を盛ったりしてできる法面の緑化に専門技術を持つ東興ジオテック株式会社(東京)とドローン開発のエアロセンス株式会社(東京)は6月23日、種子や肥料などを混ぜた人工土壌をドローンで吹き付けるための工法を共同開発したと発表した。緑化材料を供給するホースを有線給電ドローンに搭載して使う。法面緑化は人手頼みの傾向が強く、新技術で作業の負担軽減を目指す。さらなる自動化への検討を続け、将来的なモルタル吹付施工も視野に入れる。
両者は開発した植生基材吹付工法を「グリーンインパルス」と呼ぶ。法面垂直高が80mを超える現場での吹付が可能なハイグリーンショット工法(長距離高揚程植生基材吹付工法)と、金網張り付け工程を省けるノンラスグリーン工法をベースに、ドローン施工を組み合わせた。
施工では、材料供給ホースと給電ケーブルをドローンにつなぎ、ドローンで吹き付ける。種子や肥料などを混合した人工土壌をドローンで吹き付ける植生基材吹付工法は前例がないとみられる。
発表は以下の通りだ。
法面作業の安全性向上と労働力不足の解消に布石
高松コンストラクショングループの一員で、法面保護、地盤改良などの事業を展開する東興ジオテック株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:吉井睦雄、以下、東興ジオテック)とエアロセンス株式会社(所在地:東京都北区、代表取締役社長:佐部浩太郎、以下、エアロセンス)はこのたび、法面吹付用の大型有線給電ドローンと吹付工法を共同開発したことをお知らせいたします。
エアロセンスが有する有線ドローンの技術を生かして開発を行った、法面吹付用の大型ドローンによる植生基材吹付工法(工法名:グリーンインパルス)は、大型ドローンでありながら、有線給電により長時間の施工が可能で、これまで作業員が行っていた法面での吹付作業をドローンが担うことにより、法面施工の安全性の向上と労働力不足の解消を図ります。 また、ドローンで法面への吹付をおこなう際、クレーンやバックホウ(ショベルカー)などの重機を利用することなく、かつ高所でも施工が可能となるため、法面から山腹崩壊地をはじめとする災害復旧工事まで施工範囲が大幅に広がります。なお、ドローンによる種子や肥料などを混合した人工土壌を吹き付ける植生基材吹付工法はこれまでに例がなく、国内初の技術(※1)となります。
従来の法面への吹付施工は、作業員がロープにぶら下がりノズルを持って施工する人力施工が主流で、重労働かつ高所作業で危険をともなうことに加え、作業員の平均年齢が高く後継者不足も喫緊の課題となっています。法面事業で国内3位のシェアを有する東興ジオテック(※2)では、グリーンインパルスを運用することでこれらの課題解決と、作業の大幅な効率化と省人化および安全性を向上させて、施工現場のオートメーション化を図ります。
今後は山腹崩壊地をはじめとする、これまで機械施工が困難だった現場の完全無人施工を実現させるために、吹付厚さのリアルタイム計測技術の充実と機体の改良による完全自動航行(施工)技術を検討してまいります。また、将来的にはこのドローン技術をモルタルの吹付施工などに活用していくことも視野に入れています。
【グリーンインパルスの展開について】
東興ジオテックは、従来の植生基材吹付工法では施工が困難だった法面垂直高80m以上の現場を吹付可能にしたハイグリーンショット工法(長距離高揚程植生基材吹付工法)と、通常の植生基材吹付工法で必要な吹付前に法面全面に金網を張り付ける工程を省略できるノンラスグリーン工法をベースに、ドローン施工を組み合わせる新しい吹付工法を「グリーンインパルス」と名付け、山腹崩壊地をはじめとする長距離高揚程圧送が必要な現場の新たな技術として活用を目指します。
【グリーンインパルスの構成について】
ドローンによる施工システムは、材料供給ホースと給電ケーブルをドローンに接続し、ドローン操作システムを用いて吹付をおこなう仕組みです。ドローン機体は6つのプロペラを有し、ペイロードは約40kg、ホースを装填した状態で最高約30m上空まで飛行できます。地上の電源装置とドローンは車載可能なため、山間の場所でも現場運用でき、地上からの吹付厚さのリアルタイム計測技術を備えているため、吹付厚さの計測作業を地上からおこなうことも可能です。
さらに、東興ジオテックでは、現在開発中の全自動施工プラントを組み合わせることにより、将来的には通常5名程度必要となる作業員の数(監督者を除く)を2名に削減し、従来の約6割の省力化を見込んでいます。
【植生基材吹付工法について】
植生基材吹付工法(または厚層基材吹付工法)は、法面緑化工法のひとつで、植物が発芽・生育するための生育基盤をエアーの力で圧送して法面に吹き付ける緑化工法です。植生基材吹付工法は、東興ジオテックが1974年に開発して以降、50年以上作業員がロープにぶら下がりながらノズルを持って生育基盤を吹き付ける施工が行われてきました。
昨今では法面施工においても機械化やICT技術の活用による生産性の向上が図られるようになりつつありますが、吹付作業については重機を使った機械化にとどまり、近年頻発している豪雨災害や地震災害で生じた山腹崩壊地など、重機が搬入できない現場では人力施工を余儀なくされています。また、生物多様性国家戦略2023-2030において、法面緑化工事における外来種等の使用回避・拡散防止の具体的施策も示されています。
【植生基材吹付工法について】
植生基材吹付工法(または厚層基材吹付工法)は、法面緑化工法のひとつで、植物が発芽・生育するための生育基盤をエアーの力で圧送して法面に吹き付ける緑化工法です。植生基材吹付工法は、東興ジオテックが1974年に開発して以降、50年以上作業員がロープにぶら下がりながらノズルを持って生育基盤を吹き付ける施工が行われてきました。
昨今では法面施工においても機械化やICT技術の活用による生産性の向上が図られるようになりつつありますが、吹付作業については重機を使った機械化にとどまり、近年頻発している豪雨災害や地震災害で生じた山腹崩壊地など、重機が搬入できない現場では人力施工を余儀なくされています。また、生物多様性国家戦略2023-2030において、法面緑化工事における外来種等の使用回避・拡散防止の具体的施策も示されています。
東興ジオテックは、法面分野の専門業者として多数の緑化工法を保有し、主にインフラ整備や災害復旧におけるさまざまな要求に応えてまいりました。1996年から運用している独自の在来種子貯蔵出荷施設(RSセンター)を保有する強みを活かし、これまでの法面緑化に加えて地域生態系に配慮する必要がある地域等において在来種による自然回復緑化をグリーンインパルスで展開し、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現に貢献してまいります。
エアロセンスは、国産ドローンメーカーとして多数のドローン製品ラインアップを揃え、多くの企業や自治体で導入・活用されており、国土交通省や文部科学省等、各省庁からも高い機体性能や信頼性が認められています。自社開発体制を持つ強みを生かし、機体性能の向上をはかり社会に普及させることで、ドローンの社会実装を拡大させてまいります。
(※1)東興ジオテック調べ
(※2)2024年9月時点、日経クロステック調べ
東興ジオテック株式会社について
1956年設立。芝の種子を吹付機で吹付け、広範囲の法面を急速に緑化する「種子吹付工法」を我が国で初めて京都大学と共同で開発し、法面の緑化工事分野に進出。環境アセスメントの思想をいち早く取り入れ、自然と社会との調和をはかりながら法面事業、地中事業、ロック事業、リニューアル事業、プラント事業などの特殊専門技術を活かした事業を推進してまいりました。今後も自然環境との調和をはかりながら豊かな生活環境を創造し、社会に貢献し信頼される企業であり続けてまいります。
東興ジオテックホームページ:https://www.toko-geo.co.jp/
エアロセンス株式会社について
2015年設立。「ドローン技術で変革をもたらし、社会に貢献する」をミッションに、高い技術力から生み出されるユニークなハードウェアとソフトウェアのソリューションを測量・点検・監視・物流などの分野で展開。ハードウェアの設計からクラウド・データ解析まで自社内の開発体制をフルに生かし、現場の方々がボタン一つで簡単に仕事を進めることができる “One push solution” を提供しています。受託開発や現場で実証実験などを行い、各企業に新たな価値(働き方)を創ります。
エアロセンスホームページ:https://aerosense.co.jp/
一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)は6月25日に東京都内で研究会を開く。「社会実装のさらなる拡大に向けて~欧米の動向も踏まえ~」をテーマに官公庁、会員企業の登壇者が講演する。会場と配信の両建てで実施する。
研究会では実装の拡大に向けて踏まえるべき制度の変化、期待される活用、たちはだかる課題などをとりあげる。会場参加の場合は、研究会後に開催される立食形式の情報交換会に参加することも可能だ。
研究会参加費は7700円(税込)。ただしJUAV会員は無料。また、立食の情報交換会への参加は会員、非会員とも6600円(税込)。
東京株式市場で6月11日、ドローン関連銘柄が物色された。ブルーイノベーション株式会社(東京)の株価は一時ストップ高の2023円をつけ、2023年12月に上場して以来の2000円台を回復した。同社株のストップ高は2日連続。株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)、株式会社ACSL(東京)、Terra Drone株式会社(テラドローン、東京)も買われた。ドローン4銘柄はグロース市場の午前の売買高ランキング上位10銘柄にそろって登場した。
ブルーイノベーション株は寄り付き前から買い注文を集め、前日終値の1623円より316円高い1939円で寄り付いたあと午前9時24分に、前日終値比400円高いストップ高となる2023円をつけ、上場日以来の2000円超えとなった。なお前日も獲りき時間中に、その日の値幅制限である300円高のストップ高をつけていた。
そのほかのドローン関連株も買われていて、リベラウェアは一時、前日終値113円高の1870円、ACSLも一時、前日終値比79円高い1359円、テラドローンも一時、前日終値の6240円から600円高い6940円を付けた。
ドローン関連株はトランプ米大統領が6月6日に署名した“Unleashing American Drone Dominance” と“Restoring American Airspace Sovereignty,”の2つの米国内でのドローン開発やビジネス活性化に関わる大統領令を受けて買われやすくなっていた。6月10日にはロンドンで開催されていた米中閣僚級協議で、ラトニック米商務長官が中国によるレアアース輸出規制を「解決されるだろう」と見通した発言が伝わるなど協議の進展が経済の活性化を展望させたことでハイテク株を中心に投資を呼び込み、ドローン株への物色を後押ししたとみられる。
また日本国内では、政府による道路陥没対策やコメ不足対策に関連するスマート農業対策推進などの期待から、関連技術としてドローン関連が買われやすくなっていた。
米国でもトランプ大統領令に連動する形でAAM開発のジョビー・アビエーション、アーチャー・アビエーションなどが急騰した。