奄美・瀬戸内町で離島含めて輸送実験 TARGET DXがドローン活用で移動・輸送の課題解決目指す

2021.02.22

 ITによる地域活性化を手がける株式会社TARGET DX(鹿児島県大島郡瀬戸内町)は2月20日、陸路、海路とも往来に課題を抱える奄美大島南部の瀬戸内町で、離島も含めたドローンによる貨物輸送の実証実験を実施した。ドローンによる空撮や輸送支援を行う、株式会社ドローンロジスティクス&ソリューションズ(高松市)が運用を担った。TARGET DXドローンロジスティクス&ソリューションズ(高松市)時間短縮、輸送コスト圧縮、配送の利便性向上などを通じ、地域住民の生活向上や定住強化、観光活性化を目指す。

与路島・ハミヤ島間1.8㎞などで実験 生活の質、旅行客の利便性向上目指す

 実験が行われた鹿児島県瀬戸内町は、鹿児島と沖縄の間にある奄美大島の南端にあり、加計呂麻島や請島、与路島などの離島も含む。今回の実験は、有人島である与路島の与路港を起点に行われた。与路島沖の無人島であるハミヤ島との間や、島内で港から500mの距離にありながら岩場越えが必要で陸路往来が困難なアデツ海岸との間を、ドローンによる物資輸送で利便性向上の可能性や課題の洗い出しを実施した。近距離ながらアクセスが困難なエリア間での物資輸送にドローンの有効性を確認することがテーマだ。

 実験は2月20日に行われた。与路港から無人島であるハミヤ島まで直線距離にして1.8㎞の輸送実験では、カップのコーヒー2杯(約400g)を運んだ。実験当日は波が高かったためハミヤ島での受け取り要員を待機させず、コーヒーを運んだドローンが島の上空まで飛行し、引き返した。

 また、与路港と岩場を隔てたアデツ海岸との輸送実験では、直線距離0.5㎞を動物用医薬品、療養食(約250g)、飲料水(約320g)、ジュース(約200g)などを運んだ。目的地上空3メートルから投下し、問題なく受け取ることができた。吊り下げて運んだ場合に高度を下げると機体が安定しなくなるため、3メートルからの投下となった。

 TARGET DXは、物資搬送そのものを成功させるとともに、海上の風の影響など課題を把握できたとしている。

 奄美南部の加計呂麻島、請島、与路島の有人島島の物流手段は、町営フェリーや海上タクシー。TARGET DXは奄美大島の古仁屋港周辺から離島への物流にドローンが加われば利便性が高まると見込み、今後、奄美大島・古仁屋港周辺から生活物資、医薬品などを与路島など離島の港や離島住民の自宅周辺に運ぶことを目指す。

 現時点では次期ステップとして、古仁屋港~加計呂麻島瀬相港(経由、直線距離6.8㎞)、加計呂麻島瀬相港~与路島(直線距離11.4㎞)を目指し、法整備と機体価格など状況をみながら、古仁屋港~与路島・ハミヤ島(直線距離:18㎞)の輸送を目指す。

 TARGET DXはもともと東京の企業で、2018年10月に瀬戸内町と地域活性化包括連携協定を締結し、創業支援・シェアオフィス「せとうちITBASE」を開設した。2020年2月に本店登記場所「せとうちITBASE」内に移転し、瀬戸内町企業誘致第1号となった。瀬戸内町活性化に力を入れていて、2021年1月27日から2月9日には瀬戸内町農泊推進協議会、与路島観光協会と連携し加計呂麻島(伊子茂港)ー与路島(与路港)間で、海上タクシーのライドシェアの実証実験を実施。3月上旬には、奄美大島空港―瀬戸内町間のタクシー等の陸上交通機関のライドシェアの実証実験も予定している。空港から瀬戸内港までは70キロほどあり2万円程度かかるタクシーの利用費の圧縮は地域の課題のひとつ。同社はライドシェアなどを通じ解決を模索する。交通費の抑制に道筋をつけ、新型コロナウイルスの感染不安がなくなったあとの観光客誘致の環境整備を進める考えだ。 

 

■ドローンでの物資輸送における離島課題解決への取り組みについて
  瀬戸内町農泊推進協議会との連携事業・農水省・農山漁村交付金(地域活性化対策)スマート定住強化型モデル事業においては、海上タクシー、タクシー等のライドシェア等のMaaS事業の他、ドローンを活用した輸送サービスにより、離島への物資運搬の問題の解決を図るべく、ドローン輸送事業の展開を予定しております。短距離、軽量の運搬の実証実験からスタートし、将来的には、輸送コストを下げ、農業高付加価値化や医療・福祉環境の改善を目指してまいります。
  
  
 ■株式会社TARGET DX概要
 社名:株式会社TARGET DX
 本店:鹿児島県大島郡瀬戸内町大字古仁屋字春日5<瀬戸内ITBASE>
 東京事務所:東京都港区南青山二丁目27-22青山安田ビル7階
 URL:http://target-dx.jp
 資本金:251,655,000円(資本準備金を含む)
 発行済み株式数:76,099株
 設立:2015年7月
 株主(敬称略):㈱GETTI 52.7%、㈱産業経済新聞社 0.03%、香川証券㈱ 0.03%、 ㈱アイビス・キャピタル・パートナーズ 0.08%、㈱ルネット0.03%、役員他
 代表取締役社長 立石聡明・取締役:上田輝彦、海津元則(公認会計士)
 事業内容
 ・ICTを活用したデジタルトランスフォーメーション事業(DX事業)
 ・MaaS事業(海上タクシー、タクシー等のライドシェア)、ドローン輸送事業、自動運転等
 出資先
 ・㈱ウェブスクウェア(出資比率38.5%)・㈱ツーテシ(出資比率76.3%)
 ・㈱タイグリスホールディングス(出資比率100%)
 ・(株)ドローンロジスティクス&ソリューションズ(出資比率100%)
  
 ■株式会社ドローンロジスティクス&ソリューションズ概要
 社名:株式会社ドローンロジスティクス&ソリューションズ
 住所:香川県高松市三条町661番地2
 URL:http://ritto-maas.com/
 株主:株式会社TARGET DX(出資比率100%)
 事業内容:・ドローンを活用した映像制作事業、
 ・ドローン輸送に関するサポート事業、輸送システムの開発、研究
 ・ドローン操縦に関する技術の教育
 ・ドローン活用とソフトウエアの開発 
2月20日に行われた与路島(左)ーハミヤ島(右)間などの輸送実験の航路
ハミヤ島にはコーヒーを運んだ
ハミヤ島に向けてコーヒーを運ぶドローン
アデツ海岸に運ぶ物資
アデツ海岸に向けて動物用医薬品などを運ぶドローン
アデツ海岸では上空3メートルから物資を投下
アデツ海岸で投下物を受け取り
実験は、搭載物が海に落下するなどの事態に備え、回収船を準備して行われた
将来的には奄美本島・古仁屋港と与路島やハミヤ島との間の物資輸送に取り組みたい考えだ
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