東京モーターショー2019の呼び物のひとつとなったドローンでは、展示のほかにカンファレンスやレースも開催されモーターショーの刷新を印象付けた。FAI Drone Tokyo Racing & Conference実行委員会は11月1日に、ドローン前提社会を率いるキーマンを招いたシンポジウム「ドローン前提社会を目指して」を開き、1日、2日にかけてFAI(国際航空連盟)公認のドローンレースを開催し、両日とも来場者を魅了した。

カンファレンスでは、DroneFundの創業代表パートナーの千葉功太郎氏が、「日本は課題がいっぱいある課題先進国。その特徴はメリットにかえていくことができる。政府は2022年にレベル4を実現するとコミットした。これは先進国では初めてのこと。ドローンについてはよく、日本が世界からで遅れているといわれるが、そんなことはない」と期待を込めた。そして、これからさまざまな取り組みを進めるうえで、大事なことは「まずはやってみること」と指摘した。
続いて登壇した内閣官房小型無人機等対策推進室長﨑敏志内閣参事官は「安全を守ることでドローンの普及につなげたい」、また総務省移動通信課の荻原直彦課長も「ドローンを飛ばして空の基地局のように使おうとする場合、申請から2~3カ月かかるので、現在、制度整備に取り組んでいる。2020年中には、前日とか、せめて前々日とかにインターネットで申し込めば当日に使えるようにできないか検討している。電波の手続きがドローンの普及の支障になることがないようにしたい」と、ドローンの普及を支援することを表明した。
「課題を明確にするためのセッション」では、A.L.I.Technologiesの片野大輔代表取締役社長が進行をつとめる中、慶應義塾大学SFC研究所・ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表が、「社会受容性につながる活動が大切になる。ドローンが当たり前に受け入れられる社会をつくるには、さまざまな実例が必要になる。キーワードは実例による啓発という意味で『ラフコンセンサス』。さきほどの、とりあえずやってみよう、という提案ははまさにそれにあたる」と躊躇なく取り組める環境づくりの重要性を説いた。
そのほか、千葉功太郎氏は2015年4月22日に首相官邸で不審ドローンが発見された事件を「あれで全国民が知ったのである意味では、ラッキーだった。だれでも知っているのだからネガティブからポジティブになればいいだけ」と指摘した。株式会社自律制御システム研究所の鷲谷聡之COOも「これまでの3年間は夢だったものを現実にする時間だった。今後3年は、明確に描けている目標に猪突猛進で動く時間」と述べた。





このあと、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW)の柴田巧社長、KDDI株式会社経営戦略本部次世代基盤整備室の博野雅文グループリーダー、名古屋鉄道株式会社の矢野裕取締役常務執行役員、株式会社プロドローンの河野雅一社長、NECのロボットエバンジェリスト西沢俊広PSネットワーク事業推進本部マネージャー、株式会社日立製作所ディフェンスビジネスユニットドローン事業開発センターの横山敦史部長代理が登壇し、自社の取り組みを紹介した。
JIWの柴田氏は「点検のオペレーション事情は、各社に話を聞いてみると電力も道路もガスも同じ状況だった。そこで、『オペレーショナルエクセレンス』を提供する会社を設立した。現状では作業の2~3割がドローンによる目視飛行。ドローンの自律航行などの自動化に置き換われば生産性は5割向上する」と述べた。KDDIの博野氏は「2023年度に5Gの基地局を5万局開設する。ドローンは優良なユースケースで、目視外飛行がいわゆるスマートドローンの事業のコアと考えている。まずは産業面では監視、警備で、コンシューマー向けではエンタメになるだろう」と述べた。
KDDIは今回、日本で初開催されることになったFAI公認ドローンレースで5Gを提供し、レース中継やライブ配信を支えた。
名鉄の矢野氏は、鉄道会社と空との関係をこれまでの歴史から説明し、今後、ビジネスとして成立する未来が開けているのは、サービスの代替、周辺ビジネス、ドローン前提社会のインフラ整備と説明。「作業の代替としては、1990年代に登場した無人ヘリが、数の上で2005年に有人機を逆転した。有人機パイロットの養成に時間がかかることを考えると、これからも無人機が伸びる。周辺ビジネスでは、自動車産業がメタファーになる。前提社会のインフラ整備としては、管制システムが大事だろう」と話した。
プロドローンの河野氏は、知財を重視していることを説明。「特許はロボットアームなど94件ある」と説明したうえで、「ドローン配送は中距離、長距離にこそ向いている。ドローンによる300キロ配送は実現できる。近い将来、人の手を介さないAGVも活用した輸送プラットオームができる」と展望した。
NECの西沢氏は、NEDOの究として取り組んでいる運航管理機能を紹介。「目的の異なるドローンが同じ空域で飛ぶことを管理する。1平方キロメートルに1時間で100フライトを目標に掲げ、実際に146フライトは達成した。都市部の物流がターゲットなので、きびしい目標をたてた。また最大37機が、1平方キロメートルで同時飛行した」と成果を説明した。日立の横山氏は、「目指しているのは飛ばすことでも作ることでもなく、社会課題を解決していいことをもたらすPOWERING GOODだ」と強調した。また国際標準化の議論でも日本勢が積極的に関与している実態を紹介した。
登壇者はこのあと、TMI総合法律事務所の弁護士、新谷美保子氏と長﨑内閣参事官のファシリテーションにより行われたパネルディスカッションにも参加し、さらに議論を深めた。







FAI Drone Tokyo Racing & Conference実行委員会は、11月1日、2日にFAI(国際航空連盟)公認のドローンレースも開催。1日の予選に出場した世界各国から出場した約40人の選手から、上位16人が2日の準々決勝に進み、準決勝を経て、決勝には日本人4人が進出。国内ランキング1位の岡聖章選手と、 川田和輝選手(小学5年)、上関風雅選手(小学5年)、小松良誠選手(高校1年)が熱戦を繰り広げ、岡選手が優勝した。
決勝ではレースの合間にアイドルグループでイベントアンバサダーを務める日向坂46がライブパフォーマンスを披露し、会場を埋め尽くした来場者がライブとレースとを堪能した。
カンファレンスでKDDIの博野氏が伝えた通り、レースの様子はKDDIが開発した5G(第5世代移動通信システム)を活用した超低遅延4K伝送システムで戦況をリアルタイムで会場内の大型モニターに投影し、会場を盛り上げた。
また日向坂46のライブイベントでは、人気DJピストン西沢氏がリミックスした「誰よりも高く跳べ!」や「ドレミソラシド」などの人気曲を披露した。
レースの観戦者は4000人程度とみられ、ドローン初心者にも楽しんでもらうためのステージの第一歩を踏み出した。


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DPCAが設立10周年記念シンポジウム開催へ 12月10日にロームシアター京都で 三井不動産株式会社(東京)とKDDIスマートドローン株式会社(東京)が11月13日、東京・日本橋の高層ビル「日本橋三井タワー」屋上にドローンの離着陸場となるドックを設置し、遠隔操作のドローンで周辺の情報収集に役立てられるかどうか検証する実験を公開した。ドローンには米Skydio社のAIドローン「Skydio X10」を使い、専用の格納庫「Dock for X10」に格納して屋上に設置した。ドローンは垂直離陸し上空約200mから橋や建物、道路の状況をリアルタイムでとらえた。今後、取り組みの有効性を検証する。
実験場となった日本橋三井タワーは東京・日本橋にある高さ約200m(公式サイトでは「最高高さ194.69m」)と、現時点では日本橋エリアで最も高い建物だ。屋上にSkydio X10を格納したDock for X10を設置し、通信環境を整えるため衛星通信「Starlink Business」を準備した。隣の日本橋室町三井タワー5階に運航管理責任者が待機した。
実験は大規模災害発生を想定して実施。遠隔操作で起動したX10はDockから離陸すると8m上昇し、搭載されたカメラで周辺の様子をとらえた。ドローンの飛行はタワー屋上での垂直離着陸に限られ、目的地に向かうなどはしなかった。ドローンでとらえた映像は、運航管理者が待機する隣のビルのモニターにリアルタイムで映し出された。離陸地点から地上距離にして1.3㎞離れたビルなどもズームで、人がいる様子まで確認できた。
両社は「都心エリアで高層ビル屋上に設置したAIドローンの遠隔飛行の実証実験は初の取り組み」と話している。
三井不動産日本橋街づくり推進部の吉田信貴氏は、同社と日本橋活性化の取り組みや、産業創造とモビリティの関係などを踏まえてこの実験の意義を説明。「日本橋にとってレジリエントな街づくりを推進するうえで防災機能を高めることは欠かせない。今回は防災機能向上の実証実験で、遠隔操作で周辺の被災状況が把握できるのではないかと仮説をたてた。有効な情報なら従業員、テナント、帰宅困難者に判断材料となりうるし、行政や消防機関との連携も検討する。直接の収益事業ではないがテナントの物件価値の向上につながる面はある」と述べた。
KDDIスマートドローンソリューションビジネス推進1部の福井悠貴氏は、KDDIグループやKSDの強みを説明したうえで、「人流の多い東京駅前の八重洲交差点、増水などに注意を払いたい墨田川の湊橋(1928年竣工)、離陸地点から1.3㎞離れている浜町センタービルで見えるかどうかを検証ポイントにします」と述べた。
今回得られた成果は今後の検証に活用する。三井不動産の吉田氏は、「有効であれば他のエリア、他の物件への展開の推進も検討したい」と展望した。
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DJIは今年7月に発売したDJI Agricultureの農業用ドローン「DJI Agras T70P」と「DJI Agras T25P」を日本でも11月10日販売を始めた。DJI Agriculture認定代理店で購入できる。
| Agras T70Pは最大飛行速度が20m/s、積載能力は、散布時で最大70L、撒布時で最大100L、リフティング作業では最大65kgに対応する。より大きな流量と微かいミスト粒径の散布システムを備えた。また新しい安全性システム3.0を搭載し、ミリ波レーダーとTri-Visionシステムで高精度に障害物を検知し、ルート選択をよりスマートにし、障害物回避性能も向上させた。 |
| Agras T25Pで単独操作もコンパクトかつ柔軟に |
| Agras T25Pは、従来機のコンパクトで折りたたみ可能な設計を引き継ぎながら、20kg高精度スクリュー式散布システム4.0と安全性システム3.0を搭載している。散布作業時の最大積載量は20kg、流量は16L/分で、液滴サイズは50~500μmの範囲をカバーする。空中マッピングや作物保護の完全自動運用にも対応するほか、圃場や果樹園の測量をプログラムしたり、山間地の斜面で地形追従散布を行ったり、複数区画で連続的に散布・散剤処理をしたりすることができる。 |
いずれもDJI Agriculture認定代理店を通じて購入できる。Agras T70Pの公式サイトはこちら
Agras T25Pの公式サイトはこちら

インターネットインフラ、広告、金融、暗号資産事業を展開し、ドローン事業、AAM(いわゆる空飛ぶクルマ)に積極的に関わっているGMOインターネットグループ株式会社(東京、熊谷正寿グループ代表)は、2025年12月3~6日に、東京の大規模展示会場「東京ビッグサイト」で開催される「2025国際ロボット展」(主催:一般社団法人 日本ロボット工業会/日刊工業新聞社)に出展すると発表した。GMOの同展示会への出展は初めてだ。GMOは「すべての人にインターネット」を掲げ、インターネットに関わるインフラ、セキュリティ、フィンテック、メディアなどの事業を展開しつつ、AI、ドローン、エアモビリティ、ヒューマノイドでの取り組みも広げている。2026年を「ヒューマノイド元年」と位置付けるなど、今後も取り組みを拡大させる方針だ。
GMOは国際ロボット展に出展するブースで、グループ会社のGMO AI&ロボティクス商事株式会社(東京、内田朋宏代表取締役社長、GMO AIR)による人とロボットが共存する未来の体験を提供する方針だ。現時点では最新ヒューマノイドロボットの実機デモンストレーションのほか、AI・インターネットインフラ・セキュリティ技術を融合した新しいロボットソリューションや「ロボット人材派遣型サービス」の活用事例の紹介、労働力不足を解決する実証実験の成果展示などを行う予定だ。展示会の出展に関わる特設ページも開設した。
GMO AIRはすでに「ロボット人材派遣型サービス」を展開している。2025年4月に提供を始めたこのサービスでは、Unitree社「G1」を中心に、エンターテインメント領域、研究機関、実証実験現場に派遣している。用途や目的に応じて動作プログラムを実装し、多様なニーズに対応できる特徴を持つ。
日本のヒューマノイドロボット開発企業支援のため、GMOインターネットグループとして、ロボット開発企業向けにクラウドサーバー、セキュリティサービスなどを一定期間提供するなどのインフラ商材の提供支援や、開発支援基金の設立を通じた日本発のロボット技術開発の資金面での支援、GMOグループのAI・セキュリティ技術との連携による開発支援を進める方針で、同社は「日本をヒューマノイドロボット産業における先進国へと押し上げることを目指してまいります」とコメントしている。





GMOのAIやロボティクスへの取り組みは加速している。
今年(2025年)9月25日にはAIやロボティクスの第一人者が登壇する大規模シンポジウム「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式2025」を開催した。熊谷正寿グループ代表は開会挨拶の中でAIとロボット、ヒューマノイドとの関係や、AI搭載のヒューマノイドの進化、その速度に対する恐怖感などに触れたうえ、1000人の来場者を前に「間違いなく来年は世界産業史上、『ヒューマノイド元年』と言われるようになると思います」と述べ、来場者に対しヒューマノイドへの関心と注意を喚起した。
同社は昨年(2024年)9月にGMO AIRを設立して、「AIとロボットをすべての人へ。」を掲げて活動することを公表した。12月には、熊谷代表の思考やフィロソフィー、GMOインターネットグループのカルチャーを学習した社内向けバーチャル知的ナビゲーター「AI 熊谷正寿」を発表し、今年(2025年)9月24日には、そのAIをヒューマノイド「Unitree G1」に搭載した「ヒューマノイド 熊谷正寿」を発表した。「ヒューマノイド 熊谷正寿」は投げかけられた質問に対し熊谷代表の思考に基づいて回答できる。「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式2025」でお披露目されたほか、終了後の報道陣の取材には、生身とヒューマノイドの“2人の熊谷正寿”がそろって記者団からの質問に答えてみせた。
大会議の冒頭のあいさつの中で、熊谷代表は「AIはパソコンやスマホの画面の中だけですが、ロボットに搭載されてフィジカルに世の中をかえていきます」とAIがロボットに搭載されることの意義を確認。「ヒューマノイド 熊谷正寿」についても「私は寝て食ってサボりますが、彼は電池を食わせれば24時間365日働けます。また私は年を取りますが彼は無限にコピーできます。無限の可能性を秘めているのがヒューマノイドだと感じています」と述べていた。
すでにドローンやAAM市場へのかかわりも強く持っている。ドローンについてはハッキングなどへの対策として、サイバーセキュリティ、情報セキュリティの点から関わっていて、ドローンの大規模展示会Japan Droneにスポンサーに名乗りを上げ、ブースも出展してきた。
AAMについては2023年1月23日に、熊谷代表が、アメリカの1人乗りAAMの開発を手掛けるLIFT社(LIFT Aircraft INC.)から操縦士証「BEGINNER PILOT CERTIFICATE」を日本人として初めて取得したと発表し、3月15日には丸紅株式会社(東京)が大阪城公園(大阪市)で行った実証実験で熊谷代表自身が、LIFT社の1人乗り乗りエアモビリティ、HEXA(ヘクサ)の操縦する様子を公開した。その後もGMOがスポンサーとしてかかわったJapan DroneのブースにHEXAを展示するなど、エアモビリティの社会受容性向上に貢献した。
GMOインターネットグループは「現在、ヒューマノイドロボットの技術革新は急速に進み、将来的には自動車産業を超える規模の産業革命をもたらす可能性があります。一方で、日本は中国・米国・欧州諸国に比べ、この分野での産業化分野において遅れをとっている状況にあります。他国では産官学が一体となってヒューマノイドロボット産業の育成に注力しており、日本においても同様の取り組みが急務となっております」と課題を指摘し、「GMOインターネットグループは、AI技術、堅牢なインターネットインフラ、高度なセキュリティ技術を融合し、ロボット社会実装の安全性と信頼性を支える基盤を提供することで、日本の社会課題解決に貢献してまいります。今回の出展は、日本のロボット産業の発展を後押しし、産官学連携による社会課題解決を推進するという、GMOインターネットグループの姿勢を示すものです」と出展の意義を伝えている。
参考「2025 国際ロボット展」(https://irex.nikkan.co.jp/)



一般社団法人DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)は設立10周年を記念するシンポジウムを2025年12月10日、京都で開催する。国交省、JAXA、海事協会などが登壇する。参加は事前申し込みで無料になる。
シンポジウムのタイトルは「ドローンと共に紡ぐ、“災害対応の未来”と“産業の確立”に向けて〜人とドローンが共に生きる時代へ『守る・伝える・創る ドローンが拓くこれからの未来〜』。一般社団法人 地域再生・防災ドローン利活用推進協会 ( RUSEA )が共催、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)などが協賛し、京都市にある多目的ホール「ロームシアター京都サウスホール」で行われる。会場にはデモブースが設置され、ドローンやロボットが展示される。午前11時半に開場し、12時半からステージで講演、パネルディスカッションなどが行われる。
国土交通省航空局安全部無人航空機安全課の江口真氏、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小林啓二氏、一般財団法人日本海事協会の平田純一氏が講演し、登壇者とドローン事業者によるパネルディスカッションやDPCAのこの10年の歩みと今後の展望についてのプレゼンテーションが行われる。
DPCAは「改めてドローンの価値と社会的役割を見つめ直し、未来への提言を行います。2026年以降に向けたドローンの制度改正や新たな防災活用の潮流、業界の方向性を、行政・研究機関・指定試験機関・産業界・教育界の視点から多角的に議論・共有するシンポジウムです」と話している。
DPCAの発表はこちらhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000077546.html
参加申込はこちら:https://dpca10th-symposium.peatix.com/
協賛やデモブース出展の問い合わせはこちら:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc77ZWE8A9-bGT69UBGfiwRil35qi68BT-zsnmLJVOKUrLRSw/viewform



一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、2025年11月26、27日に大阪で「第2回 Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2025 in 関西」を開催する。ドローンとエアモビリティの産業応用、地域実証、自治体連携をテーマにした展示やセミナーを展開する。台湾の電子機器受託製造大手Wistron、米Inspired Flight Technologies社の産業用ドローン「IF800」などを扱う株式会社栄光エンジニアリングが出展するほか、自治体、水中ドローンなどの展示も見込まれる。入場は無料で、会員登録と来場登録が求められる。
Japan Drone in 関西はJUIDAが主催し、株式会社コングレが共催する大規模展示会JapanDrone(本開催は例年、千葉・幕張メッセ)の関西版で、JR大阪駅の玄関口に広がるグランフロント大阪にあるナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターで行われる。地方イベントでありながら初出展の団体や初公開のプロダクトが登場することもあり、多くの関係者が出展の動向に関心を寄せている。大阪では二年連続でJapanDroneの地方開催が二度目を数える初のケースとなる。前回の2024年開催時には株式会社ORSO(東京)が新製品をお披露目し会場を活気づけた。
展示では測量、点検、防災、物流などのドローン関連のソリューション展示が中心になるとみられる。エアモビリティ(いわゆる空飛ぶクルマ)関連では、空港連携やモビリティハブ構想など、地域発の実証構想が出展されるとみられる。
出展企業のうち、株式会社栄光エンジニアリング(茨城県つくば市)は、米Inspired Flight Technologies社の産業用ドローン「IF800」「IF1200」を紹介することを公表している。同社はInspired Flight社の日本国内代理店だ。またExyn Technologies社の自律飛行型3Dマッピングシステム「Nexys」「Nexys Pro」、Teledyne Optech社の軽量LiDARシステム「EchoONE」を展示する予定だ。
株式会社ユニック(東京都足立区)は陸上ドローンとしてオール電動ラジコン草刈り機 「ユニモワーズ モデルS」を出展する。最大45度の急傾斜で安定走行し、特許取得済みの刈刃機構で草丈1mを超える雑草を効率的に粉砕する。前後カメラの映像を確認しながら遠隔操作が可能だ。ほかにコンパクト電動ミニブルドーザー「ユニドーザー」も展示する見込みだ。
台湾の大手電子機器受託製造企業(EMS )Wistron(ウィストロン)も出展企業に名を連ねている。コンピューター、通信、家電などの電子製品を、研究開発から製造、販売まで手がける台湾のODM(Original Design Manufacturer)で、ドローンとの関連では、台湾のドローン開発企業である経緯航太科技(GEOSAT Aerospace & Technology Inc.)に出資している。展示内容は今後公表される見通しだ。GEOSATは外為法上の輸出管理コントロールリストに掲載されている企業であることも注目ポイントだ。
ほかにも、ドローンなどの受託造形サービスを手掛けるYokoito Additive Manufacturing(株式会社YOKOITO)イタリアの総合測量、TAKE OVER RILIEVI INTEGRATI S.R.L、水中ドローンの運用、普及促進で知られる株式会社ジュンテクノサービス(埼玉県)、トヨタ自動車株式会社が100%出資するソフトウェア開発やエンジニアリングの株式会社トヨタシステムズ(名古屋市)、水素燃料電池ドローン用の高圧ガスCFRP容器等を製造販売JFEコンテイナー株式会社(東京)などが話題を集めそうだ。
自治体の出展が目立つことも特徴だ。「主催者展示ゾーン」と名付けた展示エリアを設置しており、ここに愛知県、愛媛県、大分県、大阪府、香川県、東京都、長崎県、兵庫県、福島県、今治市(愛媛県)、加賀市(石川県)が取り組みなどを展示する。国土交通省、経済産業省も出展予定だ。なお福島県はこことは別のブースも出展する。
なお入場には会員登録をしたのち入場登録が求められる。必須項目に「回答しない」や「街頭するものがない」の選択肢が設けられていないものがある。登録者の入場は無料だ。



DJIは11月4日、産業用ドローン向けの新型LiDARペイロード「Zenmuse L3」を発表した。高精度マッピングやインフラ点検などを想定したレーザー測距装置で、従来モデル「Zenmuse L2」に比べ測距性能やRGBカメラ解像度が大幅に向上している。国内では、販売代理店の株式会社セキド(東京)と株式会社システムファイブ(東京)が取り扱い開始を告知したほか、株式会社FLIGHTS(東京)はZenmuse L3対応の測量支援ソフトを公開し関連セミナーを告知した。DJI JAPANも製品紹介セミナーを予定している。
Zenmuse L3は1535ナノメートル波長のレーザーを採用した航空LiDARで、最大測距距離は約950メートルに達する。RGBカメラも従来モデルL2の単眼20MPから、L3でDual 100MPとなり、写真測量データの解像度が5倍になった。1秒あたりの最大測定点数は24万点で、1回の飛行で取得できる3Dデータが広域、高密度になった。
作業高度は、L2の最大150m程度からL3で最大500mに大幅に向上。これにより、同一飛行時間あたりのカバー面積が広がった。広域マッピングの効率が向上することになる。
RGBカメラはDual 100MPであるうえメカニカルシャッター付きセンサーを搭載し、L2の20MPから大幅に機能が引き上げられた。森林や反射率の低い対象でも安定した写真測量が可能になった。測量、林業、インフラ点検、防災などの業務効率化に威力を発揮すると期待できる。
Zenmuse L3を搭載できる機体は「DJI Matrice 400」で、搭載には「Zenmuse L3 single gimbal connector(専用ジンバル接続ブラケット)」が必要となる。その他の機体への対応について公式には触れていない。将来的な追加対応は検証中という。
国内でも正規代理店が11月4日付で取り扱い開始を発表している。セキドは製品紹介ページを公開するとともに、DJI産業ソリューション導入を検討する企業や官公庁向けの相談窓口を設置した。今後、導入企業向けのウェビナーや体験会も順次実施予定だ。
システムファイブも、取り扱い開始を発表した。自社サイトで製品概要ページを公開し、DJI製産業ドローンとの組み合わせによるワークフロー紹介記事を掲載している。取り扱い開始に合わせ、公式動画や技術解説資料も提供し、測量・点検用途での早期導入を後押しする。
産業ドローン向けソフトウェアのFLIGHTSは、Zenmuse L3に対応する測量支援アプリ「FLIGHTS PLAN」と点群管理ツール「FLIGHTS DOCS for UAV」の最新版を発表した。DJI公式ソフトで取得したLiDARデータやRGB画像をクラウド上で可視化・管理可能で、Zenmuse L3の高密度点群に最適化した処理アルゴリズムを搭載している。
さらに同社は11月11日(火)13時より、システムファイブと共催で「Zenmuse L3紹介・測量活用セミナー」をオンラインで開催する(申し込みはこちら)。
DJI JAPANもZenmuse L3国内発表にあわせ、製品の技術背景や利用事例を紹介するオンラインセミナーの開催を案内している(11月14日13時~14時=申し込みはこちら、11月21日13~14時=申し込みはこちら)
LiDAR計測とRGB撮影を組み合わせた統合ワークフローの活用方法や、DJI Terraによる解析事例を取り上げる予定で、測量・建設・林業・点検など幅広い産業分野への訴求を狙う。
DJIのLiDARペイロードは、測量や建設分野での作業効率を大きく変える技術として注目されてきた。Zenmuse L3の登場で、飛行高度・カバー面積・解析精度の制約が緩和され、より多くの現場でドローンによる三次元計測が実用段階に入るとみられる。
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