ドローンで精密農業を推進するドローン・ジャパン株式会社(東京都千代田区 勝俣喜一朗代表取締役)は4月14日、「ドローンワインプロジェクト」の説明会を開き、プロジェクトの開始を宣言した。説明会では勝俣社長、春原久徳会長が概要や経緯を説明したほか、技術開発で協力している郭威東京大学特任准教授、ワイン輸入を手掛ける株式会社フィラディス(横浜市)や賛同する南仏のワイン生産者が登場し、プロジェクトで開発した新技術や、賛同生産者のブドウを使って生産したワインの発売を発表した。
「ドローンワインプロジェクト」は、ドローン・ジャパンがコメづくりなどで培ってきた、肥料や農薬に依存しない精密農業技術を、ワインブドウの栽培やワインの生産に応用する取り組みだ。うまくいけば施肥の最適化などが実現するが、実際には、雑草とブドウとの区別を画像で見分けにくいなどの課題が横たわる。この日の説明会では、AIとドローンを使った精密農業の技術の一環として、新たに雑草とブドウを見分ける技術を開発したことが発表された。東大の郭特任准教授は「3次元の圃場データで地面とワインブドウとを区別できるようになりました」と技術を解説した。生産者からは、「ブドウ樹と雑草との区別分布」、「ブドウ畑の地力分布」などへの期待が表明され、農薬や肥料に頼らない農業で生産されたブドウを原料にしたワインの生産への道筋を示した。
ドローン・ジャパンの勝俣喜一朗代表は、「この技術を活用してひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やせればいいと思い、このプロジェクトをたちあげました」と、プロジェクトへの思いと目標を述べた。
プロジェクトに賛同する南仏の生産者の畑から収穫されたブドウの一部を原料にしたワインの発売も発表された。発売されたのは2020年のヴィンテージワイン、「ビコーズ, アイム シャルドネ フロム サザンフランス」(オープン価格。ただし参考実勢価格は1500円)と、「アッサンブラージュ ブラン 2020」(1529円税込、成城石井HP)。年間でビコーズは3万5千、アッサンブラージュは3万本の出荷を予定しているという。
アッサンブラージュの生産農家、フィリップ・フェザス氏は説明会で生産の概要や大学との共同研究などに言及したうえで「これまでの25年間の変革が正しかったのか確認をする時期にきている」と自信の生産活動が節目を迎えていると述べ、「ブドウ畑のうち自分の目で確認できるのは5%ぐらいですが、ドローンを使うと100%確認できます。日本の食卓にあうものを生産することを心掛けていますが、ドローン・ジャパンの技術は、さらに高みをめざせるという点で有意義です」などと述べた。
またビコーズの生産農家、ベルナルド・カマン氏も「生産には与える水の量、時期などの最適化を判断します。さまざまな実験をする中でドローンは最終的な決断をするのに有効でした。また新技術の解析結果は、栽培方法を選択するうえで役立つ大発見でした。ドローンは小型で、安価で、短時間を実現します。半日の飛行で緻密なデータを提供してくれます。今後、最適化ができると期待しています」などと話した。
ビコーズを輸入している株式会社フィラディスの石田大八朗代表取締役も「おいしいワインづくりには(畑の)地の力を最大限に使うことが必要不可欠です。今回の新技術は有機農業の発展と生産の低コスト化に大きく貢献すると思います」と期待した。
ドローン・ジャパンは今後、このプロジェクトを進めるためのパートナーを募集するとしている。
ドローン・ジャパンが説明会の当日に公表したプレスリリースは以下の通り。
(以下、引用)
2022年4月14日
ドローン・ジャパン株式会社
「ドローンワインプロジェクト」開始
〜「ドローン&AI」を活用した“農薬・化学肥料に頼らない栽培支援技術”を開発。
その技術を発展させ、「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことを目指す活動〜
ドローンに装着する様々なカメラで「農作物」を上空からから撮影、その撮影画像を AI 解析することで「その作物の生育状況」を判断し農業に役立たせる技術が今世界で広がりつつあります。
ドローン・ジャパン株式会社(*1)(所在地:東京都千代田区 代表取締役:勝俣喜一朗)は、2020 年より南仏のワインの生産者の協力を得ながら「ドローン&AI」を活用し、“農薬・化学肥料に頼らない栽培支援技術”として、テロワール(ワインぶどう畑)の見える化を「ブドウ樹と雑草との区別分布」、「ブドウ畑の地力分布」にして表現する技術を開発しました。
そして、その技術を活用・発展させ、「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことを目指す活動をこの度「ドローンワインプロジェクト」と称し開始します。
また、協力生産者の畑から収穫されたブドウの一部を原料にした、2020 年のヴィンテージワイン、「ビコーズ, アイム シャルドネ フロム サザンフランス」(株式会社フィラディス輸入(*2)(所在地:神奈川県横浜市 代表取締役:石田大八朗)と、「アッサンブラージュ ブラン 2020」(株式会社成城石井輸入(*3) (所在地:神奈川県横浜市 代表取締役:原昭彦)が、それぞれ本日、販売開始されます。
ドローンワインプロジェクト:Landing Page: https://www.dronewine.net/
紹介 VIDEO: https://youtu.be/SW1jZaXhUzw
1. ドローンワインプロジェクトとは(=SDGs 15 陸の豊かさ)
気候変動に影響を及ぼしているとされる「農薬と化学肥料の過剰な使用」を食い止め減少させてゆくことは、
SDGs の観点から農業分野が取り組むべき緊急かつ大きな課題です。その課題解決策として、農薬と化学肥料を最小限もしくは使用しない農業のための“技術開発”が求められています。
(参照:農林水産省 「みどりの食料システム戦略」 https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html)
そこで、ドローン・ジャパン社はフィラディス社と成城石井社が既に輸入・販売しているフランスのワインの生産者の協力のもと「ドローン&AI」を活用した農薬・化学肥料に頼らない“栽培支援技術”(栽培の有機化を支援する技術)を開発しました。
・なぜフランス?
2,000 万 ha にも及ぶ農地を誇る農業大国フランス。現在、フランスの有機栽培農地の割合は全体の 10%であるのに対し日本国内はまだ 0.5%ほど。フランスでの化学肥料の年間使用量は農地規模比率で日本より 40%少ないとされています。(参照:総務省「世界の統計 2021」https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf)
日本の政府目標である“2050 年に有機栽培農地比率 25%(現在から 50 倍)”に向けた取り組みにおいてフランス農業は日本が目指すべきロールモデルとなり得えます。
・なぜワイン用ブドウ?
フランスにおいて全農地のうち最大の面積を占めるのがワイン用ブドウ畑。その有機栽培支援技術を「ドローン&AI」でダイナミックに研究・実証・開発してゆくことが、今後日本の農地、ひいては世界の有機栽培比率を上げる大きなヒントとなると考えます。
・ドローンワインプロジェクトとは、
「ひとりでも多くのワイン用ブドウの有機栽培生産者を増やす」ことで「SDGs 15 陸の豊かさ」を推進するプロジェクトです。
2.現時点において当プロジェクトで開発した「ドローン&AI」技術について
ドローンの「自律航行方法」「カメラの種類と設定」から「解析手法」まで様々なパターンを試行し、その解析結果を生産者に実際のワイン用ブドウの生育状況と比較検証してもらいながら、テロワール(ワインブドウ畑)の見える化を実現しました。特に、下記2点の技術については生産者からも高い評価を得られています。
ドローンで撮影した画像を色とあわせ 3 次元情報を加えることで、「ブドウの葉と雑草の区別分布」を可能にする新たな AI 画像解析技術。この分布図は雑草と“共生”するワイン用ブドウの栽培に活用でき、農薬・化学肥料を少なくすることに役立ちます。
ワイン用ブドウの樹勢の生育期ごと「形・色・大きさ」を学習、AI 画像解析することで地力分布図をつくる技術。この地力分布図から精密な肥料設計・計画が可能となり、化学肥料を少なくすることに役立ちます。
3. 生産者(南仏)のその具体的な活用
―フィリップ フェザス氏:ガスコーニュ地方、成城石井社取り扱い生産者
「ブドウ樹と雑草との区別分布」を農薬・化学肥料を少なくする雑草と共生する栽培に活用
(インタビュー動画 https://youtu.be/RPnIuZpebMA)
―ベルナルド カマン氏:ラングドック地方、フィラディス社取り扱い生産者
「ブドウ畑の地力分布」を参考とした「精密施肥」で化学肥料を少なくする栽培に活用
(インタビュー動画 https://youtu.be/AOolkyb4ybM)
4.ドローンワインプロジェクトの協賛パートナー フィラディス社 社長 石田大八朗のメッセージ
(インタビュー動画 https://youtu.be/BNnfAedBf8w)
5.今後の目標と取り組み
2050 年に日本国内の有機栽培面積を 25%に飛躍拡大させていくことを支援する「ドローンによる AI 画像解析技術」を開発・発展させていきます。また、「ドローンワインプロジェクト」を拡大させるために応援いただく方々を募り、この技術を活用するワイン用ブドウの有機生産者・有機圃場を増やしていくことに取り組んでまいります。
<*(1)~(3) の説明>
*(1)ドローン・ジャパン株式会社 http://www.drone-j.com/
ドローンワインプロジェクト Page にて詳細 https://www.dronewine.net/
*(2)株式会社フィラディス
プレスリリース https://firadis.co.jp/news-release_dronewine/
*(3)株式会社 成城石井
アッサンブラージュ ブラン 2020 https://www.seijoishii.com/d/83492
ドローン物流と既存物流を融合させた「新スマート物流」を提唱、展開している株式会社NEXT DELIVERY(小菅村<山梨県>、田路圭輔代表取締役)は10月8日、足利市<栃木県>、足利市内で燃料小売などのカーライフサポートを手がける両毛丸善株式会社 (河内覚代表取締役)と3者で、足利市内での新スマート物流の実施を見据えて「新スマート物流社会実験に関する覚書」を交わした。ドローン事業専門の部署を持つ両毛丸善がドローンの運航を担う。災害時にも通常時にも物流機能を担う運用を目指し、飛行ルートの検証などの可能性を探る。早ければ来年(2026年)1月にも運航に着手する。
3者による覚書の締結は足利市役所内で行われた。新スマート物流の可能性について研究するため相互に協力する。具体的には足利市内で新スマート物流の拠点整備や災害発生時にも緊急物資輸送に使えるルートを検証したり、中山間地などの物流困難地域への物資輸送をしたりすることなどを盛り込んでいる。
地元の企業、両毛丸善が新スマート物流の社会実験を推進し、足利市が地域コミュニケーションやフィールド調整など行政としてサポートする。これまで新スマート物流はNEXT DELIVERYが中心に運用してきたが、今回は地元企業が中心となる点が特徴で、地元企中心のフェーズフリー型新スマート物流のモデルケースを目指す。
NEXT DELIVERYの田路圭輔代表取締役は「両毛丸善さまという地元企業とパートナーを組むことができました。このように地元主導でしっかり新スマート物流を実装に向けて進めるのは、今回がはじめてのケースになると思います。ドローンの運航というのは機体の操縦だけではなくて、運航、システム、着陸地点の調整などすべきことがいろいろとあります。それをわれわれと同じクオリティで担える地元の事業者を探しておりましたが、両毛丸善さまはすごいチームもありビジョンも持っていて、展開できると確信しています。必ずや成功させたいと思っていますし、そのためにわれわれが持つ技術やノウハウを注ぎ込み、われわれのオペレーションを完全に移植して参ります」とあいさつした。
両毛丸善の河内覚代表取締役は「ドローンの利便性、将来性に着目し4年前にドローン事業の準備に入り、3年前に事業に着手しました。空撮、農薬散布に取り組みながら、究極の目的であった物流への参入が難しかったところで、今回、覚書を締結できることになり嬉しく思っております。ハードルは高いですが、災害時も平時も使えるようドローンを使った物流で地域貢献、地域課題解決にさらに力をいれて参ります」と応じた。
足利市の早川尚秀市長は、「NEXT DELIVERYさまとは2年前に実証実験を共同で行いました。今回は両毛丸善さまに入って頂いたことが大きいです。両毛丸善さまの大きな決断で覚書が買わせました。われわれも全力で支えます。まずは実験を積み重ね、近い将来ドローンも使った物流に向けた大きな一歩になると思っています。足利のような歴史ある町で、ドローンの先端の取り組みが行われ、地域課題の解決につなげることが大切だと思っています。まち全体が実験場というつもりで、市としても実装までしっかり役割を果たし、協力しながら成功に導いていきたいと考えています」と抱負を述べた。
締結式の会場には、足利市の実験に投入される機体「PF4」も持ちこまれた。PF4はNEXT DELIVERYがモンゴルで活用していて、日本国内の連携協定などの提携の会場で公開されたのはこの日が初めてだ。5㎏の荷物を往復40㎞の範囲を自動航行で飛行させることができる。NEXT DELIVERYの田路代表は「それまでのAirTruckという機体より詰める箱が大きくなり飛行速度も速くなりました」と説明した。さらに、「ドローン配送は、定期配送の可否が社会実装のカギだと思っています。たとえば毎日午後4時に必ず1便飛ぶ、と決めてそこに地域の荷物を持ちこんでもらって飛ばす。災害があったときに避難生活を送っている方に届けるようなものを普段からそのルートで運び続けるわけです。一日1便から2便、3便、4便と増え、その地域では両毛丸善さんのドローンが毎日飛ぶようになると、それまでとはまったく違う世界になると思っています」と展望した。
足利市は2021年の山林火災対応をきっかけに、災害時の空のトラブルを防ぐための
「緊急用務空域」の仕組みが創設されるきっかけとなった地域で、ドローンの運用にとって新たな枠組みが生まれた地域として知られている。
ドローン機体構造技術の株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、田路圭輔代表取締役社長・グループCEO)は、独自の特許取得済み重心制御技術「4D GRAVITY®」を搭載した物流専用ドローン「PD4B-M-AN」を、株式会社プロドローン(愛知県名古屋市、戸谷俊介代表取締役社長)と共同開発し、名古屋市で開催された第4回ドローンサミットで発表した。
物流専用ドローンPD4B-M-ANは4つのローターを持つマルチコプターで、バッテリーを含む機体重量は20㎏。最大3㎏までの荷物を運べる。4D GRAVITYの技術を取り入れた荷室を、機体の本体と分けたうえで結合していて、飛行中にドローンが進行方向に前傾しても荷室は前傾せず、荷物が傾かない構造になっていることが特徴だ。これにより飛行性能、機動性の向上も図れる。
エアロネクストとプロドローンは2024年2月に4D GRAVITYテクノロジーライセンス契約を締結していて、プロドローンの汎用機体「PD4B-M」に4DGRAVITYを取り入れた。
エアロネクストの子会社、株式会社NEXT DELIVERY(小菅村<山梨県>)が受託した「あいちモビリティイノベーションプロジェクト空と道がつながる愛知モデル2030」の物流ドローン社会実装モデル推進事業として近く、現場で飛行する予定だ。
千葉・幕張メッセで開催中の農業技術関連展示会「農業WEEK」で、株式会社NTT e-Drone Technology(NTTイードローン、朝霞市<埼玉県>)が発表した鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の展示に来場者が集まっている。ブースでは担当者からこれまでの実験の様子や今後の展開などに聞くこともでき、来場者から「発表されていない現場での実験の様子なども聞くことができ、期待が高まった」などの声が聞かれた。農業WEEKでは株式会社石川エナジーリサーチ(太田市<群馬県>)や中国・上海のポジショニング技術のCHC Navigation(CHCNAV)などそのほかのドローン関連技術や自動操舵技術も展示されている。開催は10月3日まで。
NTTイードローンの鳥獣害対策専用ドローン「BB102」は農業WEEKの「NTTグループ」ブースで出展されている。取り回しのよさなどで農業関係者から評価の高い散布ドローン「AC102」を見にきた来場者が、その隣に展示してある「BB102」を見つけ、足をとめて説明に聞き入り、ひとだかりができていた。
展示ブースではBB102が黒い布に赤色と緑色をランダムに照射する様子が実演されていて、担当者から緑の色が鳥獣の痛点を刺激することや、赤い色がエサのようにみえることなどが説明された。
イードローンが9月30日に発表したプレスリリースには、効果が確認された鳥獣として、カラス、ハト、イノシシ、シカ、カワウ、サギ、ハクビシンなどが示されていたが、ほかにも効果的な鳥獣があるなどの話を聞くこともできる。担当者に聞くと、全国で被害が広がっているクマも、このレーザー照射にいやがる様子を見せたと話していて、今後の検証次第ではさらなる効果が期待できそうだ。その場合、クマの出没現場にどのようにドローンを飛ばすか、など具体的な対応法も論点になる可能性がある。
このほか、ある湖で実験したらはっきりと鳥獣がいやがる様子を見せたことなどの実験現場の話も聞くことができる。
農業WEEKではイードローンのほかにも、石川エナジーリサーチの農業用ドローン、CHCNAVのリモートセンシング技術、自動操舵技術などが展示されている。
農業WEEKはRX Japan株式会社が主催し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、日本農業法人協会農業が後援する、「国際スマート農業EXPO」「次世代農業経営EXPO」など5つの農業関連展示会をまとめたイベントの総称で東京会場(幕張メッセでの開催)は今回が15回目。主催者は「J-AGRI(ジェイアグリ)」の呼び方の定着を目指している。九州でも同じ趣旨の展示会を開催していて、第4回九州農業WEEKが2026年5月27日から29日まで益城町<熊本県>の展示会場、グランメッセ熊本で開催される予定だ。
参考:イードローンが鳥獣害対策機BB102発表
AI、ロボティクスの社会実装推進事業を手掛けるGMO AI&ロボティクス商事株式会社(GMO AIR、内田朋宏代表取締役社長)は9月30日、「ロボット人材派遣型サービス」に中国・深圳のロボットスタートアップEngine AI社製のヒューマノイドロボット「PM01」をラインナップに加え、2026年1月から派遣を始めると発表した。
「PM01」は世界で初めて前方宙返りを達成した高い身体機能で話題になったヒューマノイド。イベント、研究など幅広い分野での活用が期待できる。GMO AIRは「ロボット人材派遣型サービス」として技術指導、ソフトウェア開発サポートも支援する。「PM01」を開発したEngine AIは、自動車と空クルを融合させた「Land Aircraft Carrier」を開発したシャオペンエアロ(XPENG AEROHT)のシャオペン系のテクノロジー企業グループの一員で、高い技術力で知られる。
GMO AIRは「PM01」について、ダイナミックな身体能力、柔軟なカスタマイズ性、アイアンマンに着想を得た洗練されたデザインの3点を主な特徴にあげ、「イベントや展示会で圧倒的な演出力を実現する」と説明している。
GMO AIRは、2025年4月から「ロボット人材派遣型サービス」を展開。4足歩行ロボット、ヒューマノイドロボットの中国・Unitree社(宇樹科技)のヒューマノイド「G1」を中心にエンターテインメント、研究機関、実証実験などの現場に派遣している。2026年2月にはAIとヒューマノイドロボットを手がける中国・UBTECH Robotics社(優必選科技)の「Walker E」の派遣も予定している。「PM01」が追加することでラインナップが充実する。
■サービスURL:https://ai-robotics.gmo/lp/robot-haken/
■GMO AIRについて:https://ai-robotics.gmo/
■GMOインターネットグループ株式会社について:https://group.gmo/
株式会社NTT e-Drone Technology(NTTイードローン、埼玉県朝霞市)は9月30日、鳥獣害対策専用ドローン「BB102」を発表した。搭載したレーザーで赤色と緑色をランダムに照射して鳥獣に強い違和感を与え退避行動を促す。カラス、ハト、イノシシ、ハクビシンなど幅広い鳥獣への効果が確認されたという。イードローンは「BB102」を2025年10月1日に提供を始める。10月1日に千葉・幕張メッセで開幕する展示会「農業WEEK」では、NTTグループブースで公開する。価格は「オープン価格」としている。
鳥獣害対策専用ドローン「BB102」はレーザーを搭載していることが特徴で、一般社団法人地域総研(東京)が2018年1月に実用新案登録証と商標登録証を取得した「クルナレーザー」をドローンに活用した。ドローンは自動航行機能も備える。レーザーを搭載した鳥獣害対策専用ドローンは例がないとみられる。
仕組みは赤色と緑色のレーザーをランダムに照射するもので、これが鳥獣に強い違和感を与え退避を促すという。鳥獣が慣れてしまうことへの対策としてスペックルノイズ(ちらつき)を生じさせ、忌避効果を持続させる工夫もこらした。
農林水産省によるとイノシシ、シカ、カラスなどによる農作物被害は年間約200億円規模にのぼるうえ、鳥インフルエンザ、豚熱など畜産業での防疫対策も深刻で、「BB102」で農作物被害抑制と鳥獣害対策業務の負担軽減との両立を目指す。カラス、ハト、イノシシ、シカ、カワウ、サギ、ハクビシンなど多くの鳥獣への効果が確認されていて、実験では水田、果樹園、山林、湖などさまざまな環境での有効性を示した。
イードローンによる発表は以下の通り。
株式会社NTT e-Drone Technologyは、全国的に深刻化する鳥獣害問題に対応するため開発・製造した、鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の提供を2025年10月1日(水)より開始いたします。レーザー搭載の鳥獣害対策ドローン(国内初)による高い忌避効果と自動航行機能により、農作物被害の抑制と鳥獣害対策業務の負担軽減を両立します。
1.背景と目的
イノシシやシカ、カラスなどによる農作物被害は年間約200億円規模(※1)にのぼり、深刻な社会課題となっています。さらに、鳥インフルエンザや豚熱など畜産業における防疫対策も喫緊の課題です。
当社はこれまで農業用ドローン等の提供を通じて農業分野における省力化・効率化を支援してきましたが、今回新たに提供する「BB102」はこれまでの技術を応用し、鳥獣害対策に特化して開発した国産ドローンです。農作物の被害減少に加え、鳥獣害対策に要する人的・時間的負担の軽減を図ることで、第一次産業全体の持続可能性向上に寄与します。
※1:数値データは、農林水産省HPより出典
2.製品概要と特長
「BB102」は、上空から広範囲にレーザー照射を行えるため、地上設置型では難しかった屋上や高所を含む鳥害対策を実現します。
<特長1>「クルナレーザー(※2)」による忌避効果
赤色と緑色のレーザーをランダムに照射し、鳥獣へ強い違和感を与え退避を促進させます。また、慣れへの対策としてスペックルノイズ(ちらつき)を生じさせ、忌避効果の持続性を高めています。
※2:一般社団法人地域総研の登録商標
<特長2>自動航行機能
送信機の画面で飛行範囲を設定するだけで自動航行が可能です。養鶏場や牛舎など、広範囲のエリアを効率的に対策できます。
<特長3>FPVカメラ搭載
送信機の画面上で屋根や高所の確認が可能です。鳥獣害対策に加え、点検用途にも活用できます(目視外飛行不可)
<特長4>幅広い鳥獣への効果
カラス、ハトなどの鳥類、イノシシやシカ、さらにカワウ・サギ・ハクビシンなど、多様な鳥獣に対する忌避効果が確認されています。水田、果樹園、山林、湖など様々な環境での実証実験でも高い有効性を示しました。
4.受付開始日
2025年10月1日より開始
※デモ会、説明会、意見交換会等のご要望にも対応します。
5.価格
オープン価格
<参考>展示情報
第15回農業WEEK(会期:10月1~3日、会場:幕張メッセ)NTTグループブースにて「BB102」を展示します。
ドローンの普及促進を目指す第4回ドローンサミットが9月24日、名古屋市の大規模展示会場、ポートメッセ名古屋第1展示館C・Dホール(名古屋市港区)で開幕した。ドローンサミットの開催は、神戸、長崎、福岡につぐ4回目。開会式で愛知県の大村秀章知事は「過去最大の135の企業、団体が出展することになった」と述べた。NTT e-Drone Technologyは仏パロットのANAFI UKRを初公開し、株式会社Tech Drone(東京)はこの日公開したばかりの空撮を支援するアプリを説明するなど、各社、団体が工夫をこらした技術を披露している。サミットは25日まで。
第4回ドローンサミットは、愛知県、経済産業省、国土交通省が主催し、9月24日、25日の9:45~17:00にポートメッセなごや第1展示館C・Dホール(愛知県名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地)で開催される。フランスのadvanced business events(BCIエアロスペース)が主催する航空宇宙分野のビジネスマッチングの商談イベント「エアロマート名古屋2025」と同時開催で、エアロマートは同じポートメッセなごや第1展示館のA・Bホールで9月24日から26日まで開催される。
初日の開会式では愛知県の大村知事のほか、竹内真二経済産業大臣政務官、吉井章国土交通大臣政務官が主催者を代表してあいさつしたほか、自民党の田中和則無人航空機普及・利用促進議員連盟(ドローン議連)会長・元復興相、鶴保庸介ドローン議連幹事長が来賓としてあいさつした。愛知県の大村知事は「ドローンや空飛ぶクルマの実現のはずみとなることを期待しています」などとあいさつした。
展示会場では三菱重工業が、200㎏の重量の荷物を運べる大型ハイブリッドドローンがひときわ目立っている。25日には同型のハイブリッドではないドローンで150㎏の荷物を吊り下げて飛行する模擬飛行に挑む。
このほか有限会社森山環境科学研究所は、空中のウイルスを補修するためのドローンや、人が立ち入れない汚染空間にもぐりこむウイルス補修クローラーを展示。水中ドローンの普及に尽力している株好き会社スペースワンは、管路点検クローラーロボット「PIPETREKKER」や、水中ドローン「CHASING」「DeepTrekker」シリーズを展示している。
シンポジウム会場では、対談、パネルディスカッションなどに第一線で活躍中のキーマンが登壇している。シンポジウム会場では登壇者の発言中に、すぐ隣に配置された屋内デモフライトゾーンでの飛行音が響くこともあった。
サミットは25日まで。入場は無料で、原則、事前登録が必要だ。