奈良・朱雀門で全自動点検の実験 JIWとセンシンロボティクスが平城宮跡で

2020.01.09

 株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW)と、株式会社センシンロボティクスは1月8日、国営飛鳥・平城宮跡歴史公園(奈良市)で、ドローンによる全自動点検の実証実験を行った。実験は国土交通省が推進する公園のスマート化事業「パークスマートチャレンジ」の一環で、センシンが開発したシステム「SENSYN DRONE HUB」が、ドローンの離着陸や業務遂行などの自動運用を、JIWが取得データの解析を担い、汚損、亀裂、塗装の剥がれの有無の確認などを実施した。

国営公園でのドローンの実験は初 近畿地方整備局「公園の魅力アップを」

SENSYN DRONE HUBで朱雀門を全自動点検

  この日は実験では、朱雀門の前に広がる広場のわきにある駐車場にドローンを格納する基地を設置。あらかじめ設定された指示に従い、格納庫が開きドローンが起動すると、自動的に離陸し、少し離れた朱雀門まで飛行。そこからデータ取得、データ転送、SfM処理、帰還、給電を自動で実施した。午前から昼にかけて3回のフライトを実施した。午後には、風速10メートル/秒をこえる強風に見舞われると、気象センサーがドローンの離陸を見合わせる判断を下すなど、安全確保の仕組みが機能する様子も確認した。

 実験は国交省が推進する都市政策の一環で、実施にあたっては、自治体、民間企業とコンソーシアムが編成され、民間から応募のあったアイディアの中から、2019年度は11件が採択されている。今回の実験はそのうちの一件。JIWのアイディアが採用され、全自動システムを持つセンシンロボティクスが参加した形だ。

 コンソーシアムの事務局を務める国土交通省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所平常分室の宇川裕亮調査設計課長は「全国でモデル事業が展開される中、国の直轄で維持管理をする国営公園でも先導的にチャレンジを実施することになっており、今回はその一環。国営公園でドローンの実験が実施されるのは今回が初めてだ。結果を見ながら、地元などへの横展開を進めたい。平常宮跡歴史公園は平成30年に開園したばかりの新しい国営公園。この実験を機に知名度向上や利用促進も図りたい。実験は次年度も継続したい」と手ごたえを感じていた。

 実験の運用を担ったJIWの吉田達也さんは、「現在、原則として人の手で行われている構造物の維持管理や、公園の植生の解析について、ドローンが代わりにできるかどうかを確認することが実験の目的。実験が国営公園でできることは、ドローン活用の普及など、ドローン前提社会を構築するうえで大きな意義がある」と話した。

 また、全自動システムSENSYN DRONE HUBの運用を担ったセンシンロボティクスの妹尾美樹さんは「自動化は、業務フローの煩雑さや高所作業に伴うリスクから人々を解放することができる。今回も機体の現場への持ち込みや充電などの作業をすべて自動化した。構造物の実験で威力を発揮する。そのほか、大規模災害の発生時には状況の把握を担う担当者自身が被災している可能性があり、人に代わって視察ができるため災害場面での活用も想定している」と自動化の意義を強調した。

ときおり強い風が吹く中、気象センサーが存在感を発揮。強風時にはセンサーが働き、離陸をとどまらせる判断を示した
実験で使われたSENSYN DRONE HUBのシステム。格納庫が開くと中からドローンが表れる。奥の柱状設備が気象センサー
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