ブルーイノベーション株式会社は、屋内点検用ドローン「ELIOS2」向けの点検支援ソフトウェア「Inspector 3.0」を6月7日にリリースすると発表した。飛行した空間のの3D点群マップを生成し、撮影位置も生成した点群マップ上に表示する。ELIOS2で発見した劣化個所を修繕するさい、場所を再確認する手間が省ける。ELIOS2と同じスイスFliability社が開発した。ブルーイノベーションは6月14日から千葉・幕張メッセで開催されるドローンの大型展示会、Japan Drone 2021に出展するブースでデモンストレーションを行う。
Inspector 3.0はドローン点検につきまとう場所特定の手間を解消するソフトウェア。ELIOS2のログデータなどに基き3D点群マップをつくり飛行経路を表示する。またELIOS2での点検の最中に不具合を見つけて撮影すると、その映像や画像を生成した3D点群マップ上の該当箇所を特定する。可視映像、赤外線映像の確認ができ、映像に映し出されたクラックは長さを計測できる。取得した画像が歪んでいた場合、補正する。点検データのアーカイブ機能やレポート機能も備える。
ドローンの点検は、作業員が点検場所に出向かずにすむ利便性が高い一方、その箇所を修繕に出向くためには、検知した場所の記録、共有に工夫が必要となることが起こる。ELIOS2で点検する場合、Inspector 3.0と組み合わせることで検知場所を修繕作業に引き継げるため、特定作業負担から解放される。
「リリース」の方法や内容、料金については発表をしておらず、同社に問い合わせをすることを求めている。
ドローン、ロボット事業のブルーイノベーション株式会社(東京)は、石油化学、製鉄、電力などの工場や発電所などのプラント設備点検に特化したドローン点検サービスを、契約期間内なら定額で利用できるサブスクリプション型のサービスを3月中旬に導入すると発表した。2月24日から受付開始している。サービスは「工場・プラント施設点検向けドローンのサブスクリプション型サービス」で、点検用の球体ガードに覆われたドローン「ELIOS2」本体と、運用サポート、保守メンテナンスなどがセットになっていて、1カ月、3カ月、1年、3年のプランがある。
このサービスは、ELIOS2を使ったドローン点検の導入を期間内に定額で受けられるサブスクリプション型であることが最大の特徴。ELIOS2とアンテナ延長モジュール、予備バッテリー、スペアパーツがついており、運用サポート相談を受けられ、飛行10時間ごとのメンテナンス、飛行20時間ごとのオーバーホール、保険、修理時の代替機など、ドローンの導入から運用サポートまでがセットで提供される。
また実施できる点検は、総務省・厚生労働省・経済産業省がまとめた、 「石化プラント点検のドローン活用に関するガイドライン」に準拠している。
利用料金は契約形態ごとに異なるが、3年プランの場合の月額は原則35万円。ほかに講習、3Dモデル化などのサービスのオプションがあり追加料金で利用できる。企業などがドローン点検を導入するさいには、このサービスを使えば、ドローンを資産計上せずに経費処理できるなど財務上のメリットもある。
工場やプラント設備点検では、作業員にかわる点検手法を模索するケースが増えており、ドローンはその有力な選択肢となっている。一方で、ドローン導入には知識、操縦技能、費用などの不安もあり、ドローン導入の障害になっているとの声がある。サブスクでの提供は、ドローン導入の選択肢の幅を広げ、導入のハードルを下げることが期待される。これにより、作業負担軽減や時間短縮、 コスト削減、 点検の多様化など多くの利点をユーザーが実感する機会となることが期待される。
ブルーイノベーションは「ドローンのサブスクリプション型サービスの導入を積極的に提案し、 ドローンの導入から運用サポートまでをワンストップでご提供することで、 工場やプラントなどの施設・設備点検作業のデジタル化と安全で柔軟な点検体制、低コストでの点検運用の実現をサポートしていきます」とコメントしている。
■「工場・プラント施設点検向けドローンのサブスクリプション型サービス」
<ドローン本体(ELIOS2)スターターパック>
・アンテナ延長モジュール
・予備バッテリー
・スペアパーツ付
<定額内サービス>
・オンライン運用サポート相談
・飛行10時間ごとのメンテナンス
・飛行20時間ごとのオーバーホール
・各種保険
・修理時の代替機提供
<初期導入1日講習 (有料)>
・プラントや製鉄所、 発電所や下水道など150以上の現場でドローン飛行の実績を持つブルーイノベーションのパイロットが担当。初導入時は別料金ながら受講必須。
<その他有料オプション>
・動画デジタルアーカイブシステム使用
・追加講習
・3Dモデル化
・デジタライゼーションなどDXサービス=近日提供開始
<利用料料金>
・3年プランの場合月額35万円(プランや取引形態により異なることがある)
・現在、1カ月、3カ月、1年、3年プランを準備。詳細は問いあわせを
※点検用球体ドローン「ELIOS2」の詳細はこちら
※「工場・プラント施設点検向けドローンのサブスクリプション型サービス」は総務省、厚生労働量、経済産業省がまとめた「石化プラント点検のドローン活用に関するガイドライン」に準拠。
(プレスリリースをそのままお届けします)ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、以下ブルーイノベーション)は、株式会社東京設計事務所(本社:東京都千代田区)と共同で、下水管内でのドローンによる効率的な点検業務の実現に取り組んでおります。この度、球体ドローン ELIOS2 に小型ガス検知器を搭載し、喫緊の課題である下水管内のガス濃度測定の実証実験を、雨天時の下水貯留施設である篠籠田貯留場 (千葉県柏市篠籠田 593-2)内において行いました。ドローンが内部 100m まで飛行してガス発生状況を確認できましたが、作業員が入孔することなく下水管内部までガス濃度を測定できたのは初*となります。*当社調べ
老朽化するインフラの点検には、調査困難な箇所や危険を伴う点検作業などの課題を抱えています。下水道では、内部で発生するガスに維持管理や点検作業の上で大きく悩まされています。下水中の微生物が繫殖することで生成される硫化水素が高濃度化し、管の腐食・破損や道路陥没の原因となっていますが、硫化水素は 100ppmを超えると呼吸器損傷の危険があり、また、下水中の微生物の呼吸や酸化等で酸素欠乏状態にもなり、大気中約21%の酸素濃度が 10%に低下すると死の危険にさらされます。実際に硫化水素や酸素欠乏による死亡事故も発生しているため、作業員の安全が確保できず立入困難な箇所が多くあります。今まで投入口付近のガス濃度しか測定出来ず、危険度を判断できない状況で作業員が入っており、下水施設内部の硫化水素、酸素等のガス濃度の状況確認は喫緊の課題となっていました。今回、ELIOS2 に小型ガス検知器を搭載することで、作業員が入孔することなくガス濃度の発生状況を確認でき、安全で経済的な調査を可能にしました。
実験では、約 45 グラムの小型ガス検知器(理研計器株式会社製)を ELIOS2 に搭載し、雨水管渠内を飛行させ、飛行地点の酸素濃度および温度検知を実験しました。その結果、それぞれの地点での酸素濃度と温度を確認することができました。また、別の人孔において、硫化水素濃度を測定いたしましたが、冬季で低温のため検出されませんでした。
ブルーイノベーションでは、安全で、スピードが早く、低コストで調査可能なドローンに着目し、下水道を含めたインフラ点検の課題の解決に取り組んでおります。今後も、下水道管路や処理場内のみならず、ボイラー内の一酸化炭素濃度、タンク内の酸素濃度など、測定ソリューションの開発に取り組んでまいります。
■実証実験結果
12 月 10 日、柏市篠籠田貯留場内において、川へと雨水を放流するボックスカルバートタイプの雨水管渠内にガス検知器を搭載した ELIOS2 を飛行させ、約 100m の地点まで進入して酸素濃度を測定しました。その結果、人体に無害な程度ではありますが、通常濃度より 0.3%(3,000ppm)の濃度低下が確認できました。また、2 回目の測定では、データ値に変化はなく均一な数値でした。これは 1 回目の飛行の際に内部の空気が攪拌され均一化されたためと考えられ、1 回目の飛行で測定することが重要だと分かりました。また、別の人孔において、硫化水素濃度を測定しましたが、冬季で低温のため、硫化水素の発生は確認できませんでした。
■ELIOS2 を活用した、屋内狭小空間の点検ソリューションについて
ブルーイノベーションでは、2018 年、Flyability SA(本社:スイス ローザンヌ、共同創業者兼 CEO:PATRICK THÉVOZ、以下 Flyability)と業務提携し、屋内狭小空間での飛行に最適な性能を持つ Flyability のELIOS2 を採用し、これまでにない屋内点検分野での新たなソリューション・サービスを展開してまいりました。Flyability は点検分野に特化したドローン機体開発のベンチャー企業です。同社の機体は、これまで屋内で懸案のコンパスエラーがなく、パイプラインや狭小空間で安定した飛行が可能です。ブルーイノベーションでは、この機体を活用し、ボイラーやタンク、工場の高所等、狭小空間の点検において着実にユーザー層を広げ、2018 年 6 月からプラント、発電所、大型の工事、下水道等を中心に約 120 現場以上の屋内施設で導入を進めてまいりました。
https://www.blue-i.co.jp/bi-inspector-elios2/
映像にガードが映らず、2D 距離計測が可能。
補助センサにより高い飛行安定性を実現。
■ブルーイノベーション株式会社 概要
所在地:東京都文京区本郷 5-33-10 いちご本郷ビル 4F
設立:1999 年(平成 11 年) 6 月 10 日
事業内容:「ドローン・ロボットを通じて、世界に貢献するグローバルカンパニーになる」をビジョンに掲げ、ドローンの先駆的サービス・プロバイダーとして、複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームである Blue Earth Platform(BEP)を基軸に、点検、警備、物流、教育・安全の 4 つの分野でサービス展開しています。
■株式会社東京設計事務所 概要
所在地:東京都千代田区霞が関 3-7-1
設立:1959 年(昭和 34 年) 8 月
事業内容:上水道、工業用水道、下水道における調査、計画、設計、工事監理から、水資源開発、水質汚濁解析、環境アセスメントまで水に関する幅広い分野のコンサルティング業務及び関連のコンピュータシステムの調査、計画、設計、構築、ならびに管理の業務
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は石油化学プラント点検へのドローン活用技能を備えていることを証明する専門ライセンス「JUIDAプラント点検スペシャリスト」の提供を開始した。ライセンスは所定の講習を受け、講習内で行われる試験に合格すると授与される。第1回の講習は12月2日から行われ、3人が受講した。12月3日には、福島ロボットテストフィールド(RTF、福島県南相馬市)で行われた実技講習の様子が公開された。講習はブルーイノベーションが担当した。受講生は3人で、受講者はこのライセンスの初の所有者になる見込みだ。また今回の受講者は、講習の評価、手順の確認も担う。講習はこれらのフィードバックもふまえ、第2回以降に反映される。第2回以降は、広く受講者を募り、プラント点検へのドローンの担い手養成事業が本格化する。
提供が開始されたライセンス「JUIDAプラント点検スペシャリスト」は今後、本格運用に入る。12月下旬に第2回の講習を予定しており、以降、毎月開催される見込みだ。座学、実技のそれぞれが行われ、実技講習はRTFが会場となる。座学は動画が配信されるなどオンライン受講となる見込みだ。
12月3日に公開された実技講習は、RTFの設備のうち、「試験用プラント」「試験用トンネル」などを使って行われた。
「試験用プラント」は、径の異なる配管や模擬ボイラ、ポンプ、計器、表示機、模擬タンク、径の異なる煙突3本、垂直梯子などを備えた5階、高さ30メートルの模擬プラントで、内部にはSGP500A、300A、200A、100A、50Aの配管がはりめぐらされ、プラントで採用されているものと同じ計器、表示機が設置され、溶接部、サビなどが実物のように再現されている。
実技では、試験用プラントを外部、内部からそれぞれドローンを使って確認をすること想定した操作法や注意点を学ぶ。外からの確認では、DJIのMatrice210を使い、サビの有無、ネジのゆるみの確認、ひび割れの有無などを確認する作業を学んだ。そのさい2人1組で、1人が飛行、1人がカメラを操作するオペレータに役割を分担。カメラ担当者が確認したい個所をカメラでとらえるために、ドローンを最適な場所に動かすようパイロットに指示する。パイロットは指示に従って位置をカメラオペレータに確認しながら微妙に位置を調整する。適切な場所にたどりつくと、カメラオペレータがカメラの向きを調整、ズーム使用の適否を判断するなどして、該当箇所をモニターにうつしだされた画像で確認する。
実技講習の中で、煙突を上空から確認する作業を実施したさいには、煙突内にはれれた網に画像の焦点があたり、網の内部が見にくい状況が発生。講師が「マニュアルフォーカスに切り替えて、網の奥に焦点をあたるよう調整してください」などと伝授した。
試験用プラント内部では、Flyability社のELIOS2で点検する運用を学んだ。配管のひび、サビ、傷などの劣化の有無の確認や、計器の読み取り、フランジ、ネジなどの劣化、ゆるみなど不具合の有無の確認をする作業をELIOS2で実施する方法だ。ELIOS2は、機体がガードで覆われ、確認したい個所に接触させて撮影することもできる。受講生は確認したい場所に機体を接近させる運用について指導を受けた。また、プラント内部では操縦者が機体の位置を目視で確認できないことが一般的であるため、講習でもパイロットが後ろ向きになり、機体を見ずに手元の画面をみて操作するFPV操作に慣れる練習も行った。
講習ではこのほか、煙突内での点検や、試験用トンネルの出入り口をふさぎ、光のないところで点検作業などの講習を受けた。
講習は最大4人1組で、1か月に2組まで受け入れる見込み。第2回は12月22、23日に予定している。
「JUIDAプラント点検スペシャリスト」は、JUIDAが9月に創設を明らかにしていた石油化学プラントのドローンによる点検技能を証明するライセンスで、日本の基幹産業である素材産業の生産を支える生産設備の保守、点検に関わる品質確保、効率性向上、作業員の安全性確保などを目的につくられた。創設にあたっては、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と連携した。講習はブルーイノベーション株式会社が担うが、ブルーイノベーションだけが担うものではなく、要件をみたしていれば他の事業者も講習側になれる。発表時には別名称だったが、その当時から提供時の名称変更の可能性を示唆しており、今回、提供を開始するにあたり「JUIDAプラント点検スペシャリスト」に整理した。
講習内容は、JUIDAが公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構・福島ロボットテストフィールドから委託を受けてとりまとめた「プラント点検分野におけるドローンの安全な運用方法に関する実務マニュアル」、 「プラント点検分野におけるドローンの安全な運用方法に関するチェックリスト」 、「ドローンを用いたプラント点検事業者教育カリキュラム」が土台となっている。
背景には総務省消防庁、厚生労働省、経済産業省で構成する「石油コンビナート等災害防止3省連絡会議」が3月27日に、カメラを搭載したドローンによる点検作業を「目視点検」の一部について代替ができるとガイドラインに明示した経緯があり、新ライセンスは3省の合意に基づいているといえる。
受講には、JUIDA小型無人機操縦技能証明証、安全運航管理者証明証を取得している必要がある。
石油化学設備の維持管理の方法は、高圧ガス保安法、消防法、労働安全衛生法、石油コンビナート等災害防止法の「保安4法」で管理されていているが、こうした動きを背景にr-ルの見直しがすすめられていて、高圧ガス保安法ではドローンを目視に代替することが可能となった。
「JUDAプラント点検ライセンス」は、RTFを実技講習の会場に指定している。RTFにとってライセンス授与の指定会場になるのは今回が初めてだ。
RTF技術部技術企画課の持田佳広課長は、「試験や訓練も含めて教育のために役立てて頂けることがありがたいと思っています」という。また、「試験用プラントは実際のプラントを模していて、有事、平時を想定した試験が可能です。経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催するWorld Robot Summit(WRS)では競技会場にもなります。研究開発、性能評価など人に近いものを作るさいに使って頂けるとありがたい。地元福島復興と発展に役立ちたいと思っています」とRTFの担う役割を解説した。
また技術企画課担当の中村泰拓さんはRTFで利用希望の多い施設として滑走路をあげた。敷地内に500mの滑走路がある(ほかに13キロ離れた場所に400mの浪江滑走路がある)。「ドローンや空飛ぶクルマの研究開発などを目的とした利用とみられます。広いエリアを飛ばすことができますので、活用をご検討頂きたいと思います」と話し、ドローンや空飛ぶクルマの開発関係での利用拡大を呼び掛けた。
ドローンが催事の種類を問わず展示される機会が増えている。11月22日に東京都北区の北区中央公園などで開催された「令和2年度東京都・北区総合防災訓練」では、自衛隊東京地方協力本部が出展したテントなどにドローンが展示され、来場者が足を止める姿がみられた。地元在住のタレント、林家ペーさん、パー子さん夫妻も会場を訪れELIOS2を手に興味津々で説明に聞き入った。
自衛隊東京地方協力本部のテントでは、協力を要請された一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、設備内点検向けのスイスFlyabiltyの「ELIOS2」を展示。協力本部も仏Parrotの「ANAFI」を展示した。また、テクノロジーの高度化による災害対応の高度化を目指す特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究機構(IRS)は、自律制御システム研究所(ACSL)のPF-2をベースにした機体を「飛行ロボット」として展示した。
この日の防災訓練、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者を絞って開催された。それでも開場と同時に熱心な来場者がテントを訪れ、展示をのぞきこんだり、係員に話を聞いたりしていた。催事中には、地元在住のタレント、林家ペーさん、パー子さん夫妻が会場を訪れ、展示を見て回ったり、ファンと交流をしたりする姿がみられた。自衛隊東京地方協力本部のテント前では展示してあったELIOSを手に取り写真に納まる場面もあった。
自衛隊東京地方協力本部の展示について、企画室の佐藤勇介さんは「東京都、北区と防災関係者との連携促進を目的としています。自衛隊の活動の一般広報に寄与したい」と来場者に対応していた。テントには、今年7月の九州豪雨や2019年10月の豪雨での人命救助の様子や、被災者の給水、風呂、瀧だしなど生活支援、瓦礫撤去な処理支援、自衛官による巡回医療の提供の様子が写真で紹介されていた。その中に、新型コロナウイルスの感染対策を指導している様子もあり、佐藤さんは「(横浜に停泊していた)ダイヤモンドプリンセス号での支援活動では一人の感染者も出さずに任務を遂行しました。このことから自治体などからその知見の提供を求められることがあり、自治体に対し感染防護の教育支援を多く行っています」と話した。
ドローンについては、「陸上自衛隊東部方面総監部がJUIDAと協定を結んでいるので、東部方面を通じてJUIDAに展示をお願いし快諾頂いたところです。自衛隊が最新技術のひとつであるドローンの団体とも交流を持っていることを知って頂く機会になればいいと思っています」と展示の意味を説明した。
またIRSはテント内に災害時に活躍することを想定したロボットの写真を展示。村田美香事務局長は「そのうちのひとつである飛行ロボットとして、ドローンを展示しました。救援物資などを自律飛行で運ぶことで災害時に活躍することを想定しています。ここにある機体はカメラが搭載されていますが、物資を運ぶさいには運送用のアタッチメントを取り付けます」などと説明した。
ブルーイノベーション株式会社(東京)が、生産設備点検の実績を積み重ね続けている。9月16日には石油精製大手、出光興産株式会社(東京)の北海道製油所で、検査会社の日本工業検査株式会社(神奈川県川崎市)とともに、設備のダクト内部や煙突内部を点検し、時間短縮などの成果をあげたと発表した。点検にはスイス・Flyability社製の球体ドローン「ELIOS2」を使用。ダクト内点検では、通常なら1日がかりの作業範囲を30分で仕上げたという。
ブルーイノベーションによると、出光興産北海道製油所でのドローンを使った点検は6月と7月に行われ、作業時間の短縮、コスト削減、点検品質の確保などの成果を得たという。
具体的には、ダクト内壁で剥がれの有無などを確認する点検では、通常であれば作業員が1日がかりで作業する範囲をELIOS2で30分に短縮し、煙突内点検でも、ゴンドラを使って2~3日かがりで作業する範囲を半日で終えるなど時間を短縮。費用も百万円単位で削減できたという。またELIOS2の映像が鮮明なため、付着、剥がれなどの状況が肉眼での確認と同じように分かったという。
撮影後すぐに、専用ソフト上で不具合箇所の大きさの確認や、赤外線での熱検知の映像を確認でき、発熱の状況が把握できました。
ELIOS2で撮影した映像は専用ソフトで解析をすると、AIが不具合箇所を自動検知し、不具合個所の大きさなど状況も把握できる。必要に応じ、点検個所の立体模型を作ることもできる。
ブルーイノベーションは2018年6月からの約2年で、工場、発電所など100以上の現場で屋内設備点検の実績を積み重ねている。作業員に重労働を強いる狭い場所、暗い場所、足場を組むなど準備に費用、時間がかかり安全への注意に配慮が必要な高所、有毒ガス発生リスクのある場所、酸素欠乏のリスクのある場所などの点検に、ドローンの導入による危険回避、重労働からの解放、コスト削減を提案していく方針だ。