アマナグループでドローン人材育成やドローン空撮事業を展開する株式会社アマナビはこのほど、DJI の産業用パイロット教育機関「UTC」プログラムのひとつとして開発した「アマナ空撮技術コース powered by airvision」の提供を開催した。空撮を体系的に学べるカリキュラムが特徴で、当日は約 20 人が参加した。運営には DJI JAPAN 株式会社と株式会社 ORSO が共同出資で設立したドローン利活用推進サービスを手掛ける do 株式会社が協力した。次回は 2020 年1月 22日、23日に開催される予定だ。初日の基礎編を見学すると、情報、知識が整理され、経験談が随所で生かされていた。

「アマナ空撮技術コース powered by airvision」は、空撮サービスチーム「airvision」のパイロットが講師を務める。ドローンの飛行や操作に関する理論を体系的に整理し、実践で活かせるよう技能、知識をわかりやすく伝える講習だ。基礎編と上級編があり、基礎編では、カメラの構造や「解像度」の解説、カメラの設定方法などから、機材の種類、特徴、空撮映像をとるためのポイント、インテリジェント機能とフライトモードの活用、関連法、保険などを網羅している。
講師らが所属する「airvision」は、映画『魔女の宅急便』の実写版、NHK 大河ドラマ『真田丸』のオープニング映像など、テレビ、映画、CM、ミュージックビデオなどの製作に関わってきた、アマナグループ内のアマナビが結成している撮影チームだ。2011 年からドローン空撮を通じて「情報の見える化」に取り組んでおり、今回のコースでは、これまでの案件での空撮やスクールの運営によって築き上げてきたノウハウを UTC のプログラムのもとで編集し、提供することになった。
講習の冒頭、do 株式会社の角井洋介氏が登壇し、UTC が DJI の産業用パイロット育成機関であることについて説明した。この中で、「UTCは 2016年に中国で設立され、東南アジア、ヨーロッパ、北米で展開しています。日本では、初心者向けトレーニングや産業利用を目的とした測量系プログラムを中心に提供しています。DJIの技能認定であるDJI CAMPもUTCブランドで展開されています。DJI の機体の特性をいかすノウハウを盛り込んだことが特徴で、先日発表されたばかりの『MAVIC MINI』で空撮がより手軽になる中、講習がレベルの高い作品づくりに役立てることを願っています」とメーカー直結の講習であることを伝えた。
また、アマナビの児玉秀明代表取締役社長が「ドローンの人材育成を進めており、今回、DJI が設立した教育機関 UTC への参加をお誘い頂きました。2011 年から取り組んでいる空撮のノウハウ、技術、表現を共有させていただきたいと考えております」とあいさつし、参加者の期待を高めた。

今回の講習では airvision の深田康介さんが講師を担当。受講者にはテキストが配布され、講習はその順番で順を追うように展開された。
深田氏は自己紹介のあと、ドローンで撮影された映像が使われた映像を紹介し、「最初から最後までドローンで取られた映像を使う作品は多くなく、むしろ映像を効果的にスパイス的な演出と使われることが多いです」と、解説を加えた。事例として、オープニングタイトルバック映像、場面から場面の転換、客観視点の表現などを例示した。そのうえで「空を飛ぶことはとても特別なことで、落下するリスクを念頭に、安全への意識と向き合わないといけないと思います」と、安全意識を強調した。

基礎編では、カメラの構造から講義を開始。DJIの ZenmuseX7 を例示しながら、ドローンのカメラが、ジンバルの中にすべてがおさまっているわけではないことや、焦点距離や画角と、その違いによる表現の違いについて、映像をまじえて説明。シャッタースピード、ISO 感度、露出補正、撮影モード、シャッター機構、イメージセンサーのサイズの種類と静止画、動画の画質、動画の場合のフレームレート、フレームサイズ、コーデック、ビットレート、データ保存メディアや規格、ND フィルターについて説明。Mavic2 をはじめ各機体の特徴についても解説が行われ、一とおりの説明後にはスペック表が理解できることを確認した。
午後には、機材の説明をしたあと実際の airvision の空撮映像を元にカメラワークの基本パターンを説明したうえで、グループごとにシミュレーターを使って実践。airvision の講師がそれぞれのグループを巡回しながら、カメラワークのコツを受講生の動きを見ながら助言した。その後の、法律やルールの解説の中では、申請手続きの実際を、airvision の経験談をまじえて説明。どんな申請をした結果、なにが実現したのかを含めた解説に、参加者は「実践的で現場で役立つ話が聞けた」「これまで独学で空撮業務をやっていたので体系的に学べてとても参考になった。」と充実感をにじませていた。

アマナ空撮技術コースは基礎編と上級編があり、それぞれ1日。基礎編コースは「あらためて空撮技術と知識を学びたい」、上級編は「空撮による映像表現をさらに磨きたい」と考えているユーザー、愛好家、研究者などに向けて構成してある。上級編では、ダイナミックレンジを活かした撮影法、一人でできる Inspire2 のカメラワーク攻略法、実際の撮影現場での重要ポイント、実践空撮シミュレーション・トレーニングなどが盛り込まれる。受講料は基礎編が 48,000 円(税別)、上級編が 68,000 円(税別)。基礎編+上級編は98,000 円(税別)。次回は 2020 年1月に開催する。
プログラム受講後にオンラインテストに合格すると、修了証が発行される。また受講者特典として、アマナグループの株式会社アマナイメージズが運営す
るストックフォト販売サービス(https://amanaimages.com)の静止画・動画クリエイターとして、登録が可能になる(要審査)。
アマナビは一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定校でもあり、JUIDA 認定スクールの中でもっとも多くの卒業生を輩出するなど実績を重ねている。こうした実績は、このコモースでも、効率的でわかりやすい指導や運営に発揮されていた。すでに実績があるアマナビだが、この日講師をつとめた深田氏は、より役立つ講習にするため、直前一週間はこのコースのため
にかなりの準備を重ねて当日にのぞんだという。深田氏は「終わりはないと考えているので、今後もさらにブラッシュアップして、みなさまのお役にたちたい」と意欲を見せていた。
アマナ空撮技術コース powered by airvisionの詳細はこちら
do 株式会社の詳細はこちら
株式会社アマナの詳細はこちら
株式会社アマナビの詳細はこちら
都心上空に巨大「Oasis」ロゴ登場 来日公演前に再結成祝うドローンショー
モビショー10月31日一般公開 SkyDrive、KDDI、ミズノの履物ギア、『トロン:アレス』のバイクも
所信表明演説でドローン、AIに言及 「世界で最もAIを活用しやすい国に」
えりんぬが中学生にドローン授業 「かわいいっ」「おおっ」連発の盛況
DJIが「手のひらドローン」DJI Neo 2を発表 日本勢も発売、レビュー動画も
DJI、航空LiDAR「Zenmuse L3」発表 国内でも販売開始、セミナーや対応ソフト発表も
VTOLレース「VTOL-1」 ハウステンボスで11月29日に開催へ
仙台市が11月5日、ドローン使い津波避難訓練 ブルーのBEP技術活用
エアロネクスト,和歌山の市街地(DID)含むルートで補助者なし飛行
Dアカデミー、2度目の理事長賞 スクールフェスタで表彰と発表と報告
経営再建を目指すドイツのAAMメーカー、ヴォロコプター(Volocopter)は2025年11月18日、AAMの開発について、実運用に近い環境を再現する「サンドボックス・プログラム」と呼ぶ試験運用プログラムを2026年に欧州で開始すると発表した。対象機体は「VoloCity」と「VoloXPro」(「2X」から改称)で、型式証明取得と商用航開始を視野に入れた重要な工程と位置づけている。今回の発表は、昨年末の破産公表から今年3月の経営体制刷新を経て、改めて開発姿勢を示した形だ。
ヴォロコプターの発表によると、サンドボックス・プログラムは都市部と地域間を想定した実飛行で構成され、離着陸場での地上オペレーション、乗客体験、ポイント-ツー-ポイント(Point-to-Point)ミッション遂行手順など、商用運航を見据えた要素を盛り込む計画だ。運用データを蓄積し、同社が目指す型式証明取得に向けた準備を進める。
今回の取り組みにはドイツの救急航空を担うADAC Luftrettungがパートナーとして加わり、将来的な医療用途への展開可能性も含めて評価を進めるとみられる。
対象機体の一つであるVoloCityは、同社が都市空間でのエアタクシー運用を想定して開発するeVTOL型AAMで、乗客輸送を中心に据えたモデルである。もう一つのVoloXProは、600kg級の軽量eVTOLで、これまで「2X」の名前で公開されてきた機体をリブランディングした機体だ。同社はこれまでエアタクシーとしての都市内移動サービスを目指しており、都市内の短距離移動から郊外連絡まで幅広いミッションに対応する見込みだ。両機とも今回の試験で運航準備性の確認を進める。
ヴォロコプターは2030年までに複数の機体をサービス投入する方針を掲げてきたが、経営体制の変化によりAAMの発部隊に登場する機会が減っていた。今回の発表は改めてAAMの開発計画を進める意向表明で、2026年以降の事業計画の軸を明確化した形となった。実運用を想定したサンドボックス・プログラムを通じ、欧州でのエアタクシーサービス実装につなげる方針だ。
ヴォロコプターは昨年(2024年)12月26日に破産申請し、今年(2025年)3月14日、中国の自動車部品・機器製造で航空部門も持つ浙江万豊汽車有限公司(ワンフェン・オート・ホイール)のグループ会社でオーストリアの軽飛行機メーカー、ダイヤモンド・エアクラフト・インダストリーズが統合すると発表した。日本では2023年3月にVoloCityのフルスケールモックが大阪市で公開されたほか、同年12月12日には2X(現VoloXPro)が大阪・北港緑地でデモフライトを披露している。現在、経営再建とAAMの社会実装を目指している。
(参考)
DroneTribune記事「ヴォロ、中国系オーストリア社が統合」



SkyDriveはアブダビ首長国の政府機関である交通統合センター(ITC)とAAM(いわゆる空飛ぶクルマなどの先進的エアモビリティ)の社会実装に向けた協力覚書(MOU)を結んだと発表した。空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」(SD-05型)の導入可能性を調査し、離着陸場や充電設備などのインフラ整備、エコシステム構築、事業化検討を進めることが盛り込まれた。アブダビはすでに複数のAAM企業と提携を拡大しており、SkyDriveにとっても今回のMOUをUAE展開の加速につなげたいところだ。
SkyDriveがアブダビのITCとのMOUの調印式は、2025年11月11日にアブダビで開催された自動運転技術、ドローン、スマート交通インフラをテーマとした国際的なイベント・展示会「DRIFTx 2025」で行われた。今回のMOUでSkyDriveは同社の「SKYDRIVE(SD-05)」をアブダビの都市交通に活用する可能性を探る。離着陸場としてのヴァーティポート整備や充電インフラの検討、AAMのエコシステム形成、需要調査を含む事業化の検討などが中心となるとみられる。SkyDriveはITCと協力してAAMの導入に必要となる制度面の調整や技術要件の整理も進めていく姿勢を示している。
SkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは、「世界の中でも空飛ぶクルマの早期商用化を目指し、インフラや規制の整備を先進的に進めているアブダビ首長国と提携できることを光栄に思います。今回の提携は『日常の移動に空を活用する』という、われわれの目標を現実のものにするために、非常に重要な一歩となると考えております。今後、ITCと協力しながら、アブダビ首長国の住民の方、ビジネスや観光で訪れる方に、革新的で持続可能な移動体験を提供できるように活動をおこなってまいります」とコメントした。
ITCのDr. Abdulla Hamad AlGhfeli氏は「われわれは、未来のモビリティへの移行を加速させるため、国内外での戦略的パートナーシップを進めています。今回の合意は、スマートで統合的な交通システムを構築し、最新の自動運転や先進的な航空モビリティの技術を導入するという、アブダビの強いコミットメントを示すものです。今後、人々の生活の質を高め、アブダビ首長国を先進モビリティシステムの世界的な中心地にするという、政府の統合交通インフラのビジョン実現に貢献します」と期待を示している。
SkyDriveは今回の合意以前からUAEでの事業展開を進めてきた。2023年にはAAMのインフラ開発を手掛けるカナダのVPortsと協力し、ドバイに設置が進む「AAMインテグレーター・ワールドセンター」を活用する覚書を締結している。また、2025年にはドバイのヘリコプターチャーター会社AeroGulf Servicesと同社の「空飛ぶクルマ」の導入を検討するMOUを交わした。今回のITCとの連携はこうしたUAEでの活動の延長線上と位置づけられる。ドバイの観光市場、アブダビの都市交通政策が現時点でのUAEでのAAM展開だ。
アブダビ政府はAAMを都市交通戦略の柱として掲げ、多くの国際企業と協力関係の構築を進めている。Joby Aviationとは飛行運航、訓練、製造拠点の検討を含む包括的MOUを締結しており、Archer Aviationとはアブダビ空港やEtihadトレーニングなど複数機関との協力関係の枠組みを構築している。また英Skyportsとはヴァーティポートネットワーク整備に関する協力が進むなど、AAM実装に向けたパートナーはすでに多岐にわたる。
アブダビは複数企業との連携を通じてAAM運用の実証基盤を整備する段階に入りつつあり、SkyDriveの参画はAAM実装の選択肢を広げる役割を担う。SkyDriveにとってもUAEでの実装に向けた取り組みが進む契機となる可能性がある。
一方、Joby、Archer、EHangなど主要プレーヤーも、アブダビの都市間移動、観光需要、物流用途などの領域でAAMの活用を見据える。SkyDriveを含む各社は今後、実装への道筋をかけて都市のニーズに合わせた運用モデル構築に取り組むことになる。SkyDriveは軽量機体をいかした短距離移動や観光用途に強みがあり、UAE市場で他社とは異なる運用領域を打ち出せる可能性がある。

DJIが11月13日、151 gの新型手のひらサイズドローン「DJI Neo 2」を発表し、株式会社セキド、株式会社システムファイブなども同日、販売開始を発表した。軽量でジェスチャー操作や4K撮影ができ、全方向障害物検知の機能を備える。旅行やアウトドア、Vlogなどでの活用を想定している。セキド、システムファイブはそれぞれ公式サイトでレビュー動画なども公開している。
DJI Neo 2は、151 gと初代Neoの135gよりやや大きくなったものの、DJI製ドローンで最軽量・最小クラスで、バッグやリュックの隙間に収まりやすい携帯性が大きな特徴だ。手のひらに乗せられ、カメラを自分に向けたままテイクオフボタンを押すと離陸する。終了後には手を差し出すと手のひらに戻る。機体の真下にてのひらをさしだす必要はなく、離れた場所でてのひらを示せば戻ってくる。左右前後の移動、距離の調整は送信機を使わないジェスチャー操作もできる。
Neo2は音声操作ができるほか、スマートフォン、ゴーグル、モーションコントローラーにも対応し、FPVで飛行させることも可能だ。Neoからの性能の強化ポイントのひとつだ。
カメラとしては12 MPの1/2インチCMOSセンサーとf/2.2のレンズ、2軸ジンバルを搭載し、動画解像度は4K/60fps、4K/100fpsと、従来機Neoから大幅に向上した。4Kスローモーション動画や2.7K縦向き動画を撮影できる。被写体追従機能は追尾速度がNeoの8m/秒から最大12 m/秒に増強した。ランニング、サイクリングの動きを納めることが可能だ。
全方向障害物検知機能、前方LiDAR、下方赤外線センサー、および全面保護プロペラガードも採用し、初心者の安心に配慮した。
日本国内でもすでに各社が取り扱いをはじめている。セキド、システムファイブはそれぞれの公式サイトで複数のレビュー動画を公開している。






三井不動産株式会社(東京)とKDDIスマートドローン株式会社(東京)が11月13日、東京・日本橋の高層ビル「日本橋三井タワー」屋上にドローンの離着陸場となるドックを設置し、遠隔操作のドローンで周辺の情報収集に役立てられるかどうか検証する実験を公開した。ドローンには米Skydio社のAIドローン「Skydio X10」を使い、専用の格納庫「Dock for X10」に格納して屋上に設置した。ドローンは垂直離陸し上空約200mから橋や建物、道路の状況をリアルタイムでとらえた。今後、取り組みの有効性を検証する。
実験場となった日本橋三井タワーは東京・日本橋にある高さ約200m(公式サイトでは「最高高さ194.69m」)と、現時点では日本橋エリアで最も高い建物だ。屋上にSkydio X10を格納したDock for X10を設置し、通信環境を整えるため衛星通信「Starlink Business」を準備した。隣の日本橋室町三井タワー5階に運航管理責任者が待機した。
実験は大規模災害発生を想定して実施。遠隔操作で起動したX10はDockから離陸すると8m上昇し、搭載されたカメラで周辺の様子をとらえた。ドローンの飛行はタワー屋上での垂直離着陸に限られ、目的地に向かうなどはしなかった。ドローンでとらえた映像は、運航管理者が待機する隣のビルのモニターにリアルタイムで映し出された。離陸地点から地上距離にして1.3㎞離れたビルなどもズームで、人がいる様子まで確認できた。
両社は「都心エリアで高層ビル屋上に設置したAIドローンの遠隔飛行の実証実験は初の取り組み」と話している。
三井不動産日本橋街づくり推進部の吉田信貴氏は、同社と日本橋活性化の取り組みや、産業創造とモビリティの関係などを踏まえてこの実験の意義を説明。「日本橋にとってレジリエントな街づくりを推進するうえで防災機能を高めることは欠かせない。今回は防災機能向上の実証実験で、遠隔操作で周辺の被災状況が把握できるのではないかと仮説をたてた。有効な情報なら従業員、テナント、帰宅困難者に判断材料となりうるし、行政や消防機関との連携も検討する。直接の収益事業ではないがテナントの物件価値の向上につながる面はある」と述べた。
KDDIスマートドローンソリューションビジネス推進1部の福井悠貴氏は、KDDIグループやKSDの強みを説明したうえで、「人流の多い東京駅前の八重洲交差点、増水などに注意を払いたい墨田川の湊橋(1928年竣工)、離陸地点から1.3㎞離れている浜町センタービルで見えるかどうかを検証ポイントにします」と述べた。
今回得られた成果は今後の検証に活用する。三井不動産の吉田氏は、「有効であれば他のエリア、他の物件への展開の推進も検討したい」と展望した。
プレスリリースはこちら






DJIは今年7月に発売したDJI Agricultureの農業用ドローン「DJI Agras T70P」と「DJI Agras T25P」を日本でも11月10日販売を始めた。DJI Agriculture認定代理店で購入できる。
| Agras T70Pは最大飛行速度が20m/s、積載能力は、散布時で最大70L、撒布時で最大100L、リフティング作業では最大65kgに対応する。より大きな流量と微かいミスト粒径の散布システムを備えた。また新しい安全性システム3.0を搭載し、ミリ波レーダーとTri-Visionシステムで高精度に障害物を検知し、ルート選択をよりスマートにし、障害物回避性能も向上させた。 |
| Agras T25Pで単独操作もコンパクトかつ柔軟に |
| Agras T25Pは、従来機のコンパクトで折りたたみ可能な設計を引き継ぎながら、20kg高精度スクリュー式散布システム4.0と安全性システム3.0を搭載している。散布作業時の最大積載量は20kg、流量は16L/分で、液滴サイズは50~500μmの範囲をカバーする。空中マッピングや作物保護の完全自動運用にも対応するほか、圃場や果樹園の測量をプログラムしたり、山間地の斜面で地形追従散布を行ったり、複数区画で連続的に散布・散剤処理をしたりすることができる。 |
いずれもDJI Agriculture認定代理店を通じて購入できる。Agras T70Pの公式サイトはこちら
Agras T25Pの公式サイトはこちら

インターネットインフラ、広告、金融、暗号資産事業を展開し、ドローン事業、AAM(いわゆる空飛ぶクルマ)に積極的に関わっているGMOインターネットグループ株式会社(東京、熊谷正寿グループ代表)は、2025年12月3~6日に、東京の大規模展示会場「東京ビッグサイト」で開催される「2025国際ロボット展」(主催:一般社団法人 日本ロボット工業会/日刊工業新聞社)に出展すると発表した。GMOの同展示会への出展は初めてだ。GMOは「すべての人にインターネット」を掲げ、インターネットに関わるインフラ、セキュリティ、フィンテック、メディアなどの事業を展開しつつ、AI、ドローン、エアモビリティ、ヒューマノイドでの取り組みも広げている。2026年を「ヒューマノイド元年」と位置付けるなど、今後も取り組みを拡大させる方針だ。
GMOは国際ロボット展に出展するブースで、グループ会社のGMO AI&ロボティクス商事株式会社(東京、内田朋宏代表取締役社長、GMO AIR)による人とロボットが共存する未来の体験を提供する方針だ。現時点では最新ヒューマノイドロボットの実機デモンストレーションのほか、AI・インターネットインフラ・セキュリティ技術を融合した新しいロボットソリューションや「ロボット人材派遣型サービス」の活用事例の紹介、労働力不足を解決する実証実験の成果展示などを行う予定だ。展示会の出展に関わる特設ページも開設した。
GMO AIRはすでに「ロボット人材派遣型サービス」を展開している。2025年4月に提供を始めたこのサービスでは、Unitree社「G1」を中心に、エンターテインメント領域、研究機関、実証実験現場に派遣している。用途や目的に応じて動作プログラムを実装し、多様なニーズに対応できる特徴を持つ。
日本のヒューマノイドロボット開発企業支援のため、GMOインターネットグループとして、ロボット開発企業向けにクラウドサーバー、セキュリティサービスなどを一定期間提供するなどのインフラ商材の提供支援や、開発支援基金の設立を通じた日本発のロボット技術開発の資金面での支援、GMOグループのAI・セキュリティ技術との連携による開発支援を進める方針で、同社は「日本をヒューマノイドロボット産業における先進国へと押し上げることを目指してまいります」とコメントしている。





GMOのAIやロボティクスへの取り組みは加速している。
今年(2025年)9月25日にはAIやロボティクスの第一人者が登壇する大規模シンポジウム「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式2025」を開催した。熊谷正寿グループ代表は開会挨拶の中でAIとロボット、ヒューマノイドとの関係や、AI搭載のヒューマノイドの進化、その速度に対する恐怖感などに触れたうえ、1000人の来場者を前に「間違いなく来年は世界産業史上、『ヒューマノイド元年』と言われるようになると思います」と述べ、来場者に対しヒューマノイドへの関心と注意を喚起した。
同社は昨年(2024年)9月にGMO AIRを設立して、「AIとロボットをすべての人へ。」を掲げて活動することを公表した。12月には、熊谷代表の思考やフィロソフィー、GMOインターネットグループのカルチャーを学習した社内向けバーチャル知的ナビゲーター「AI 熊谷正寿」を発表し、今年(2025年)9月24日には、そのAIをヒューマノイド「Unitree G1」に搭載した「ヒューマノイド 熊谷正寿」を発表した。「ヒューマノイド 熊谷正寿」は投げかけられた質問に対し熊谷代表の思考に基づいて回答できる。「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式2025」でお披露目されたほか、終了後の報道陣の取材には、生身とヒューマノイドの“2人の熊谷正寿”がそろって記者団からの質問に答えてみせた。
大会議の冒頭のあいさつの中で、熊谷代表は「AIはパソコンやスマホの画面の中だけですが、ロボットに搭載されてフィジカルに世の中をかえていきます」とAIがロボットに搭載されることの意義を確認。「ヒューマノイド 熊谷正寿」についても「私は寝て食ってサボりますが、彼は電池を食わせれば24時間365日働けます。また私は年を取りますが彼は無限にコピーできます。無限の可能性を秘めているのがヒューマノイドだと感じています」と述べていた。
すでにドローンやAAM市場へのかかわりも強く持っている。ドローンについてはハッキングなどへの対策として、サイバーセキュリティ、情報セキュリティの点から関わっていて、ドローンの大規模展示会Japan Droneにスポンサーに名乗りを上げ、ブースも出展してきた。
AAMについては2023年1月23日に、熊谷代表が、アメリカの1人乗りAAMの開発を手掛けるLIFT社(LIFT Aircraft INC.)から操縦士証「BEGINNER PILOT CERTIFICATE」を日本人として初めて取得したと発表し、3月15日には丸紅株式会社(東京)が大阪城公園(大阪市)で行った実証実験で熊谷代表自身が、LIFT社の1人乗り乗りエアモビリティ、HEXA(ヘクサ)の操縦する様子を公開した。その後もGMOがスポンサーとしてかかわったJapan DroneのブースにHEXAを展示するなど、エアモビリティの社会受容性向上に貢献した。
GMOインターネットグループは「現在、ヒューマノイドロボットの技術革新は急速に進み、将来的には自動車産業を超える規模の産業革命をもたらす可能性があります。一方で、日本は中国・米国・欧州諸国に比べ、この分野での産業化分野において遅れをとっている状況にあります。他国では産官学が一体となってヒューマノイドロボット産業の育成に注力しており、日本においても同様の取り組みが急務となっております」と課題を指摘し、「GMOインターネットグループは、AI技術、堅牢なインターネットインフラ、高度なセキュリティ技術を融合し、ロボット社会実装の安全性と信頼性を支える基盤を提供することで、日本の社会課題解決に貢献してまいります。今回の出展は、日本のロボット産業の発展を後押しし、産官学連携による社会課題解決を推進するという、GMOインターネットグループの姿勢を示すものです」と出展の意義を伝えている。
参考「2025 国際ロボット展」(https://irex.nikkan.co.jp/)


