ドローンの活躍がもたらす価値を誰もが享受できるドローン前提社会を実現するには、イノベーションが生まれやすい社会であることが望ましい。しかし日本は世界に比べて後れていると指摘される。そこで、イノベーション、国家戦略特区、クールジャパンなど新たな価値を生み出す取り組みに奔走している平将明元内閣府副大臣に、その背景や対応法についてインタビューを実施した。平氏は、日本でイノベーションが生まれにくい背景に「法体系」が関わっていると分析し、四つソリューションを提示した。インタビューには、高橋伸太郎氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師)が同席した。
――日本のイノベーションについて、現状認識を
ドローンや自動走行は以前から注目されていました。私が地方創生担当の副大臣だった頃(2014年9月~2015年9月)、国家戦略特区の担当でもあって、自動走行やドローン、遠隔医療にフォーカスしてベストプラクティスを作り出したいということで、「近未来技術実証特区」を私の発案で創設した経緯があります。でも世界のスピードはもっともっと早くて、ドローンにしても自動走行にしても、遅れ気味の現状があると思っています。
(参考:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/kaikaku/dai3/siryou9.pdf)。
問題は、規制の体系にあります。DXを進めている国の規制環境を見ると、いくつかに分類できます。中国のように政府主導で物事が決まる国家、英米法を採用するアメリカ、イギリス、イスラエル、シンガポールなどの国家。日本は、カッチリと法体系ができていて 規制が隅々まで整備される大陸法の国です。最近のイノベーションの潮流を見ると、速度としては中国が一番早いですよね。リーダーが決めれば進められる。データ・ドリブン・エコノミーの観点からも、個人情報と紐づけが容易です。そして次に早いのが英米法の国。シリコンバレーのアメリカがそうです。ベンチャー企業を多く輩出しているイスラエルでは、FinTechの導入も、ワクチン接種も対応が早かったですね。
私は大陸法の国が後れを取っていると分析しています。日本やドイツがそうです。これらの国はついこの間まで工業製品では世界を席巻していました。工業機械とか、自動車とか。ところがイノベーションの速い流れの中で、ドイツも日本も乗り遅れ、取り残されつつあります。ドイツはそれに気が付いてインダストリー4.0(製造業のオートメーション化、データ化、コンピュータ化を目指す技術コンセプト。ドイツ工学アカデミーと連邦教育科学省が2011年に発表した)を始めました。日本はものづくりの現場のみならず社会全体ということでソサエティ5.0(Society 5.0。日本が提唱する未来社会のコンセプト)と言い出しましたが、やはり規制の仕組みにぶつかっています。
――大陸法国家である日本で、イノベーションがぶつかっていることとは
英米法はネガティブリスト方式のルールです。何かを始めようとしたときに法律に禁止、と明記されていなければやれます。もしもやってみて問題が起きれば、そこでやり方を考える。または解決をする。
日本はポジティブリスト方式です。原則としてすべて禁止で、やっていいことがリスト化される。何かをやろうと思って法律を見に行くと、何をやっていい、それをやっていい、と書いてあるわけです。
ところが新しいことをやろうとしても、想定していないものは書いていない。書いていなければどうしていいか分からない。その時にどうするかというと、法律そのものを作るところから始めるのです。既存の法律に当てはめようとすることもありますが、無理やり当てはめるとグレーゾーンになってしまう。グレーゾーンになると、進まないのです。日本を代表するような大企業がイノベーションの先頭を走ればよいと思いますが、一方で、大企業はコンプライアンスに注意を払っています。グレーゾ―ンには踏み込めません。従ってそこでフリーズしてしまいます。
だからといって日本の法体系を全部、英米法に置き換えるわけにはいかない。部分的には可能でも、全部を置き換えることは現実的ではありません。中国やロシアのように政府主導でイノベーションを進める国や、英米法の国に比べ、日本はハンディキャップを抱えているということです。
ただ、それを嘆いていてもしょうがないわけです。
――考えられるソリューションは
一つは国家戦略特区です。TRONプロジェクトを進めた東大の坂村健先生(東京大学名誉教授)は、国家戦略特区について、大陸法というOSで動いている日本に英米法というアプリケーションを入れる作業だ、という話をしました。国家戦略特区を使って実験的にトライアンドエラーができるように、レギュレーションもデザインしやすくするようにして、ドローンや自動走行を実装してみる方法です。成長戦略としても、イノベーションを促進する観点からも重要な政策だったのですが、加計学園など政治の問題で止まってしまいました。これが残念で仕方がありません。
なにしろ、改革を進めるのはものすごく大変なのです。既得権との戦いですから。ドローンも一見、既得権と干渉しないように見えますが、そうではありません。例えばドローンを活用して遠隔医療を完結させるためには、遠隔での服薬指導を解禁しないといけない。そうでないと離島にドローンで薬を運べない。その、解禁させることがすごく大変な作業なのです。自民党はいろいろな団体、いろいろな人たちの利益を守る集合体です。改革のためには、国民、世論の後押し、マスコミの応援がないと戦い切れない。改革派の議員が動けるためにも、私は国家戦略特区を再起動させるべきだと思っています。
――国家戦略特区で現状打破を図ろうとする考えですね
それと、ベンチャーの人、アカデミアの人たちは、もっと我々のようなローメーカーとコミュニケーションをとるべきだ、というのが私の持論です。
全く新しい発想で、新しいサービスを社会実装させようとすると、それを想定していない時代に作られた法律や条例には書いてありませんからできないことになります。だからといって役人に話をしてもできるものではありません。彼らの仕事は現状のルールの通りにすることですから。ルールを変えないとできないことであれば、それは我々、ローメーカーの仕事です。ローメーカーである我々と意見交換をよくすれば、法律も作れるし、運用の方法をアドバイスすることもできます。法律を作る場合も、閣法(内閣提出法律案)で行くのか議員立法で行くのか、などオプションが多くあります。特に日本の勝ち筋となるような 技術力を持つ有望なベンチャーは、できるだけローメーカーや、政策を作る人たちと密にコミュニケーションをとる必要があると思います。
ただ、国会議員と話をしようとする人はなかなかいない。実際、旧来型の国会議員の所に行くと旧来型の陳情になりかねない。そうではなく、一緒に、実現させるためにどういうパスがあるかを考える。どういう風にレギュレーションを変えるのかを考える。そこから先は、通常国会なのか、臨時国会なのか、または野党も巻き込んで議員立法なのか。1回、党から出して閣法で出させるのか。そこが政治家のプロの仕事というわけです。
京都に株式会社メガカリオン(京都市下京区)という、iPS細胞を使って血小板を作る技術を持つベンチャー企業があります。メガカリオンが活躍すれば安全な血小板を世界中にデリバーできる。しかし、原料に血液を使うことが、日本の法律にひっかかりました。日本では献血で血液を集めることになっています。その血液は治療か研究開発にしか使えない。原材料としては使えないわけです。そこで私が副大臣のときに問題提起を行い、その地域を国家戦略特区として認めた経緯があります(2014年5月に京都府、大阪府、兵庫県を国家戦略特区に指定)。
よく日本のイノベーションが遅い理由について、「日本にはアニマルスピリットがない」とか、「日本人の元気がない」とか言う方がいらっしゃいますが、それは間違いです。もっと本質的な問題です。新しいアイディアとレギュレーションのデザインと、その両方の歩調を合わせて行かないといけない。それは法体系の問題だと思っています。嘆いてみても物事は進まないので、それを背負いながら前に進める方法を政治家として考えて、今のようなソリューションを出したわけです。
ほかに、立法事実問題があります。その解消が3つ目のソリューションです。
宇宙で資源開発をすることについて認定を受けた企業が、宇宙で資源開発をした時には、その資源に対する所有権を認める、という法律があります(「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」。2021年6月に成立)。これがなぜ必要か。
現在、世界中で宇宙開発が進んでいます。ベンチャーを含めいろいろな企業が宇宙に出て行こうとしています。企業が拠点を置く場所を考えるときに、法律が整備されている場所が選ばれます。たとえば月で資源開発をして他国と揉めたとすると、管轄裁判所をどこに設置するか、という話になります。その場合も、法律のある国に作りましょうということになりえます。国際ルールを作る時にも、法律のある国の発言権が強くなります。反対に法律がないと発言権が弱い。
日本でも宇宙開発ベンチャーが頑張っています。しかし放っておくと、他の国に成果を取られてしまう事態になりかねない。それでこれを作ろうとしたわけです。
しかし閣法で出せません(注:国会では閣法を議員立法に優先して審議する)。なぜかと言うと「立法事実がない」と言われるからです。立法事実とは、たとえば「この人たちは公害で大変な被害を受けているから救済しましょう」といった立法の必要性や正当性の根拠となる事実です。国会では野党が「それは立法事実がないではないか」などとよく言います。
宇宙資源開発でいうと、確かに現時点で、宇宙で資源開発をしている会社はないわけです。だから立法事実がない、と言われることになる。でもこれをやらないとイノベーションが遅れる。そこで「将来こうなるから、こういう法律を作っておきましょう」ということになります。大陸法の国でも、先に法律を作っておけばいいのです。ドローンでも、自動走行でも、遠隔医療でも、「将来はこうなりますね」と見据える。将来を展望できるのであれば、現時点でサービスが始まっていなくても法律を作ればいい。ただ、それをしようとすると「立法事実がない」という指摘にぶつかるので、将来を見据えた展望を立法事実とすることができれば、対応しやすくなります。立法事実問題を解消したいというのはそのためです。
なお、宇宙資源開発法は議員立法で出さざるを得ませんでした。成立はしましたけれども。
――展望を立法の根拠として認めるという話ですね
そうです。将来を見据えて法律を作ることをローメーカー自身も自覚しないと日本のイノベーションは進まない。自民党にもそのようなローメーカーが出始めています。日本の活力を取り戻すためにどういうレギュレーションの変更が必要なのかを未来志向で考えるローメーカー。これは明るい兆しです。
もうひとつ、「首相のフルコミット」があります。私が3年かかると思っていたデジタル関連法案は1年でできました。デジタル庁も1年でできました。「10兆円ファンド」も今度できます。東大とか京大とかの研究者をしっかり支援をするために、年間3000億円ぐらい新規に出す事業で、私が副大臣の時にこれをやると言い出しました。これも1年です。財務省は大反対。ようやく話がつきました。首相のフルコミットは大きいと実感しています。この4つが、私が考えるソリューションです。
――今のままでは大変という話がありました
既得権と戦わざるをえないので大変なのです。政策立案をしてから何かに取り組もうと思うと、始めるまでにだいたい2年かかります。まずは自民党内を通さなければいけない。ここで問われるのが通す力です。政治家の評価として、政策立案ができるとか、切れ味がいいとかありますが、本当の専門性は通す力だと思います。自民党で言うと政調審議会があって、その上に自民党の総務会があります。この二つを通さないと法律案はできない。
さきほど国家戦略特区をソリューションとしてあげましたが、これがいい理由のひとつに「特区限定です」と言えるという側面があります。一律でひっくり返すことが難しいものでも「特区限定」であれば認められやすい。反対に特区がなければ多分、動かないです。
――本当なら一律でひっくり返したいところです
本当は、そうです。ただし特区で認めると、一律でひっくり返ることがあります。それは、今のレギュレーションが、体系としてはよくできていることと関係があります。もちろん時代に合っているかどうか、とか、ユーザーにとって良いかどうか、という話とは別ですが、体系として美しいわけです。
特区は、その“美しい”体系を崩すことになるわけです。役所の立場としては、体系に特区で穴を開けられることは屈辱的です。だから徹底的に抵抗する。一方で特区ができそうだ、となると「全体を変えます」ということがありえます。安倍晋三元首相がダボス会議で、岩盤規制に自分がドリルの刃先となって穴を開ける、と言いましたが、そんな意味があったのです(注:2014年1月22日、当時の安倍晋三首相がダボス会議で講演して言及)。
――イノベーションを進める体制として望ましい体制とは
内閣でいえば、若手の登用は大事ですが、一番大事なのはリーダー層の若返りです。トップがDXの感覚を持っていることが大事なのです。
デジタルを使いこなしている人は、デジタルで何ができ、何ができないかを分かっています。一方、デジタルが得意でない人は2種類に分かれます。一つは、デジタルが怖くて、とりあえずやめておこうと思っている人。もう一つは、デジタルで何でもできると思っている人。実際はどちらでもないわけです。さらに、デジタルと言っても、なんでもデジタルで進めるわけではない。アナログとデジタルと両方を組み合わせて生態系をぐるぐる回すわけです。リーダー層にはその感覚を持っていてほしいのです。
政治の場合、選挙などを通じて入れ替えが可能です。アナログのチューナーをデジタルの受信ができるチューナーに入れ替えればいい。すべてに精通している必要があるということではなく、感性さえあればいいのです。DXは経済、外交、内政など政策のすべてに関わります。DXの感性がないリーダーだと、すべての指示のピントが微妙にずれる恐れがあります。
――多様性のある社会モデルの重要性について
多様性の中でいろいろな価値観がぶつかり合って全く新しい価値が生み出されることには合意ができます。イスタンブールという都市は、ヨーロッパとアジアの結節点で、多様な人々が混ざり合って活気を生み出しているわけですが、私は「アナログとデジタルのイスタンブール状態」をつくりたいと思っています。それはなぜか。日本のアナログの価値は、世界一だと思っているからです。
アナログの価値が高いことは、日本でデジタルの浸透が遅れた理由にも関わります。わざわざ標準化しなくても、日本の人々はみんな仕事にプライドや誇りを持っている。だから、ちゃんと仕事をする。海外にはそうはいかない国もあります。リーダーシップ層はモラルが高いけれど、従業員はそれほどでもないといったことがあります。標準化をしないと仕事にならないから、標準化の必要があるのです。日本はみんな仕事をするから、あえて標準をしなくても済んできた。デジタル化が進んでこなかった理由のひとつがこれです。
一方で芸術、観光、豊かな自然、食文化、伝統文化、サブカルなど、日本はアナログの宝庫です。こうしたアナログの価値はデジタルで生かせます。
デジタルの美術品をノンファンジブルトークンで本物であることを示してオークションにかけると、ものすごく高額が付くことがあります。アニメでもそうです。アナログの価値はデジタルで最大化できます。アナログの素材を日本はふんだんに持っているわけですから、 DXはアナログ大国の日本にこそチャンスなのです。アナログとデジタルのイスタンブール状態をつくることが、日本の勝ち筋だと、私は思っています。なんとなく思っている日本人は多いと思いますよ。アナログなら日本は負けないと。
――アカデミアと政治家の関係性について
アカデミアの方々と話をしていておもしろいと思ったことがあります。それは、政治家同士で話をしている中での一番の悪口は「お前、学者みたいだな」ということ。でも学者同士で話をしていると一番の悪口は「お前、政治家みたいだな」なのだそうです。日本ではアカデミアと政治は、相性が悪いです。しかし、わが国のリソースは限られています。中国と比べてもはるかに少ない。だからこそ、もっとコミュニケーションを取っていきたいと思っているのです。
毎月、いろいろな意見交換をしています。それを政府の仕組みに落とし込むのが大事です。今は有志で行っていますが、硬直化しないように政府の仕組みに落とし込むことができればいいと思っています。こういうことを通じて、イノベーションを前に進めることができる体制を作っていきたいと思っています。
平 将明(たいら まさあき) 元内閣府副大臣、自由民主党内閣第2部会長。イノベーション、デジタル改革、IT政策、クールジャパン戦略、宇宙政策などを担当。経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官、自民党副幹事長、衆議院環境委員長を歴任。家業である大田青果市場の仲卸会社の3代目社長。1967年2月21日生まれ。東京都出身。
高橋 伸太郎(たかはし しんたろう) 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師。DRONE FUND最高公共政策責任者。ドローン、次世代エアモビリティ、海洋モビリティ分野の産業構想に関する研究や政策提言を推進。
ホバーバイクの開発で知られる株式会社A.L.I. Technologies(東京)の米国法人で同社株式を100%保有する親会社、AERWINS Technologies Incの株式の取引が2月6日午前9時半(日本時間6日23時半)、米ナスダック市場で始まり、取引開始後に6.39ドルの初値を付けた。AERWINSはそれまで未上場だったが、すでに上場しているSPAC(特別目的買収会社)のPONO Capital Corp(米デラウェア州)と2月4日付で合併したことにより、2月6日以降、PONOからAERWINSに名称を変え、市場でAERWINS株として市場の取引が始まった。
米AERWINSが合併したPONOはSPACと呼ばれる事業会社の買収を目的とした会社でナスダック市場には上場済み。2月4日の取引では11.05ドルでこの日の取引を終えていた。未上場のAERWINSと合併し、その手続きが2月4日に終了したことから、週明けの2月6日以降、「AWIN」をティッカーシンボル(銘柄を識別するための証券コード)として、NASDAQ市場で取引されることになった。CEO、会長にはShuhei KOMATSU(小松周平)氏が就任している。
PONOの上場にはDRONE FUND創業者でエンジェル投資家の千葉功太郎氏が関わっており、昨年(2022年)8月には、PONOの第二弾となるSPAC、「PONO CAPITAL TWO」(ティッカー、PTWOU)も上場させている。今後PONO同様、未上場企業の買収で上場させるDe-SPACを進めるとみられる。
参考:「PONO CAPITAL TWOがNASDAQ上場」の記事はこちら
2月4日にA.L.I.が発表したDe-SPAC完了の発表は以下の通り。
株式会社A.L.I. Technologies(東京都港区:代表取締役社長 片野大輔、以下「A.L.I.」)は、A.L.I.の米国法人であるAERWINS Technologies Inc(米デラウェア:Chairman & CEO Shuhei KOMATSU、以下「AERWINS」)と、SPAC(特別目的買収会社)のPONO Capital Corp(米デラウェア:CEO Dustin SHINDO : Ticker Code “PONO”)が、当事者間のDe-SPAC契約による企業合併が完了したことをお知らせいたします。
この合併により、AERWINSの株式が、NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)にて、「AWIN」のティッカーシンボルで米国ニューヨーク時間の2023年2月6日から取引開始予定です。
詳しくは、AERWINSのIRページを参照ください。
Investor Relations
De-SPACによるNASDAQ上場は、日本国内史上初の事例であり、日本勢で唯一の上場エアモビリティカンパニーとなります。また、日本の製造業系スタートアップ企業で米国上場を果たした初めての事例とも言えます。
また、合併手続き完了に伴い、AERWINSのCEO(最高経営責任者)/会長/取締役として、Shuhei KOMATSUが就任いたしました。取締役メンバーは下記の通りです。
■取締役
伊東 大地
■社外取締役
山田 希彦
Steve Iwamura
Dr. Mike Sayama
さらに、AERWINSの役員に就任したメンバーは下記の通りです。
■CFO(Chief Financial Officer)
岡部 健介
■CPO(Chief Product Officer)
三浦 和夫
■Global Markets Executive Officer
伊東 大地
<A.L.I. Technologies 代表取締役社長 片野大輔>
当社のお客様、お取引先様、株主様をはじめ、創業以来支えてくださったすべてのステークホルダーの皆様のご支援、ご高配に心より御礼申し上げます。私の人生の夢は、日本発の技術力で世界を席巻する会社を作ることです。今回の米国上場によって、ようやくグローバル展開のスタートラインに立てたと思います。ここから皆様の期待に恥じぬよう頑張って参ります。
<AERWINS CEO Shuhei KOMATSU>
I think Japan is originally a manufacturing country. Precision is rooted based on Japanese culture. We will continue to pursue the possibility of new mobility with the culture of Japanese to be global company. I understand it is a big responsibility, but to talk about the ideal, I recognize that it is necessary to have the ability and I will devote myself to it every day.
<PONO Capital Corp / DIRECTOR 千葉功太郎氏>
今回のAERWINSの上場は、「日本のスタートアップを、SPACという枠組みを通じてニューヨークへ連れて行く日本史上初の大プロジェクト」と位置付けています。また、当社のようなディープテック企業は、米NASDAQに上場し、海外投資家に評価いただいた方が、よりグローバルでの成長と活躍が見込めるでしょう。米国ハワイ本社のPONO Capital のボードメンバーは、私を除きハワイ在住の日系アメリカ人です。「日本人と日系米国人とのコラボによって、ニューヨークへの架け橋になる」ことを願っております。
企業合併に関する詳細は、2022年9月7日のNASDAQからの発表を参照してください。
なお、AERWINSの株式はSBI証券、マネックス証券、他、国内からもご購入いただけます。(五十音順)
SBI証券 https://www.sbisec.co.jp/
マネックス証券 https://www.monex.co.jp/
当社は、「空中域(地面と空のあいだ、人の生活範囲の空中)から社会の仕組みを変えていく」をスローガンに、実用型ホバーバイク「XTURISMO」、エアモビリティプラットフォームとなる管制アプリケーション「COSMOS*」を展開しています。A.L.I. Technologiesは、既存の発想に捉われず、エアモビリティ(有人・無人)社会の実現に必要なシステムをグローバルに発信する日本発のスタートアップ企業として、イノベーションを起こし続けてまいります。今後も、「Establish the Theory」というセオリーや常識に囚われないミッションの実現に向けて、さらなる事業拡大と企業価値の向上に努めてまいりますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
*COSMOS: Centralized Operating System for Managing Open Sky
大阪府は実用化に向けて官民を挙げた取り組みが進むいわゆる「空飛ぶクルマ」について理解を深める「空の移動革命シンポジウム」を2月23日(木・祝)に大阪・堂島のエルセラーンホールで開催する。参加は無料だ。ビジネスをテーマにした第一部と、生活面をテーマにした第二部の二部制で、それぞれ第一線で活躍するキーパーソンや著名人、有識者らがパネルディスカッション形式で意見を交わす。第一部にはDRONE FUNDの大前創希共同代表パートナーや、空飛ぶクルマ関連事業を手掛ける住友商事株式会社、兼松株式会社、丸紅株式会社の商社3社の担当者が登壇する。第二部ではテレビプロデューサー結城豊弘氏がファシリテーターを務め、株式会社SkyDriveの川田知果氏、フリーアナウンサーの薄田ジュリア氏、タレントRaMu氏、経済ジャーナリスト須田慎一郎氏、経済ジャーナリスト井上久氏ら多彩な顔ぶれでステージを彩る。DroneTribuneの編集長、村山繁は第一部でファシリテーターを、第二部でパネリストを務める。
シンポジウムは、2025年の大阪・関西万博の開催地として、空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みを加速している大阪府が主催する。大阪府は空飛ぶクルマの実現をより確実にするために、より多くの人々が受け入れる社会受容性を重視していて、シンポジウムは大阪府が進める空飛ぶクルマの社会受容性向上策の一環だ。
第一部は「空飛ぶクルマで大阪は儲かりまっか?~空飛ぶクルマが起こす大阪経済の活性化~」をテーマに、関連産業の範囲や展望、参入機会の探索を行う。
登壇する大前氏が率いるDRONE FUNDは、「ドローン・エアモビリティ前提社会の実現」を掲げる関連産業特化型のベンチャーキャピタルで、スタートアップへの資金供給、政府への提言など幅広く活動している。兼松は空飛ぶクルマの離着陸場となるバーティポート(Vertiport)の開発を手掛ける英Skyports社と資本業務提携するなど、空飛ぶクルマ事業に取り組む。丸紅は子会社の丸紅エアロスペース株式会社とともに、乗客が乗れるeVTOL(電動垂直離着陸)の機体を開発する英Vertical Aerospace社と業務提携し、今年2023年1月に25機分を前払いした。同社はすでに南海電鉄などとともにヘリコプターを使った空飛ぶクルマの模擬体験ツアーも開催するなど、社会実装を視野に入れた取り組みを加速している。住友商事株式会社も米Bell社(Bell Helicopter Textron)と業務提携し、日本などで無人物流やエアタクシーのサービスの提供を検討している。
第二部は「ほんまに暮らしが変わるの?空飛ぶクルマ」がテーマで、空飛ぶクルマの実現により生活がどう豊かになるのか、独自の視点を持つ多彩な顔触れが話しあう。
ファシリテーターを務める結城豊弘氏は政治、経済から芸能までの話題を掘り下げる人気バラエティ番組『そこまで言って委員会NP』のチーフプロデューサーを担当するなどの経歴を持つ名物テレビプロデューサー。著名番組のディレクターを務めたほか、自身も取材に飛び回り豊富な情報を持つ。著書も多く、近著『オオサカ大逆転!』(ビジネス社刊、1600円+税)では、大阪・関西万博について「その先では、さらに大阪が飛躍するための可能性に満ちている」と、本人は鳥取県生まれながら、大阪にエールを送っていて、空飛ぶクルマが起こす生活の変化をパネリストから引き出す。
結城氏の進行に応じる登壇者も多彩だ。須田慎一郎氏、井上久男氏は独自の情報網と切れ味鋭い評論で知られる。タレントのRaMu氏は『そこまで言って委員会NP』の出演時に機転の利く発言で出演者をうならせた。フリーアナウンサー薄田ジュリア氏、空飛ぶクルマを開発するスタートアップSkyDriveの開発担当の川田知果とパネリストの半分が女性で彩り豊かな話題が示されそうだ。
■シンポジウム概要
・日時:2023年2月23日(木・祝)、12:30開場、第一部13:30~、第二部14:45~
・会場:エルセラーンホール(大阪市北区堂島、ホテルエルセラーン5F)
・参加:入場無料。公式サイトから申し込み
公式サイトはこちら:https://soratobu-kuruma.jp/symposium.html
第一部予約フォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/63083dfc273991
第二部予約フォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/79f9b157273992
懇親会の予約は、第一部の予約フォーム内で。
KDDIスマートドローン株式会社(東京都)などは2月3日、東京・北区と足立区の間を流れる荒川下流で2機のドローンを同時に自律飛行させる実験を1月に実施したと発表した。機体には株式会社プロドローンの「PD6B-Type3」を物流機として、DJIの「Matrice 300 RTK」を河川巡視機として使った。それぞれのドローンにはKDDIスマートドローンが開発したドローン専用通信モジュール「Corewing 01」を各機体に搭載。国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所(東京都北区)からKDDIスマートドローンの自律飛行技術「スマートドローンツールズ」の運航管理システムを使い、モバイル通信の環境を整え、遠隔制御した。
実験は1月27日、荒川下流で、KDDIスマートドローン、プロドローンのほか、国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所、八千代エンジニヤリング株式会社が合同で実施した。実験の目的は河川上空利用ルールの策定と運航管理の有効性確認。「PD6B-Type3」が東京都足立区側にある「都市農業交流館」から飲み物と食べ物を対岸の北区側にある「荒川岩淵関緑地バーベキュー場」に自律飛行で配送し、「Matrice 300 RTK」が北区にある岩淵水門・低水護岸の河川巡視を想定して画像データを取得した。
発表は以下の通り
KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)は2023年1月27日、国土交通省 関東地方整備局 荒川下流河川事務所(所在地:東京都、事務所長:出口 桂輔、以下 荒川下流河川事務所)、八千代エンジニヤリング株式会社(本店:東京都台東区、代表取締役社長執行役員:高橋 努)、株式会社プロドローン(本社:愛知県、代表取締役社長:戸谷 俊介 、以下 プロドローン)と合同で、荒川下流河川内において、全国初(注1)の河川上空利用ルールの策定に向けたフードデリバリーおよび河川巡視の実飛行・運航管理の実証実験(以下 本実証)を実施しました。
■背景
2022年12月に施行された改正航空法で「有人地帯における補助者なし目視外飛行(レベル4飛行)」が可能となったことを機に、都市部におけるドローンの利活用に期待が高まっています。 ドローンは生産年齢人口の減少に伴う労働力の代替や、災害時における状況把握や物資配送など、さまざまな社会課題を解決するテクノロジーのひとつとして、社会実装に向けた取り組みが進められています。
■本実証について
将来の荒川下流(都心部)におけるフードデリバリーや河川巡視のドローン運航を想定し、荒川上空で物流用と河川巡視用のドローンを同時に自律飛行させ、河川上空利用ルールを策定する上での実用性・有効性を検証しました。
KDDIスマートドローンが開発したドローン専用通信モジュール「Corewing 01」(注2)を各機体に搭載し、「スマートドローンツールズ」(注3)の運航管理システムを利用することで、モバイル通信によるドローンの自律飛行を可能とし、事務所内から遠隔制御を実施しました。
1.実施内容
(1)物流・河川巡視用途での実用性・有効性の検証
①フードデリバリー
都市農業交流館内のマルシェの飲食物等を荒川岩淵関緑地バーベキュー場に自律飛行で配送しました。
②河川巡視
岩淵水門・低水護岸の河川巡視を想定し、ドローンの自律飛行により巡視に必要な画像データの取得を行いました。各種データの送受信にもモバイル通信を使用しました。
(2)遠隔オペレーションの実用性・有効性の検証
荒川下流河川事務所の災害対策室をオペレーションルームに見立て、運航管理システムを通して、機体の飛行位置、状態、電波状況、GPS 精度、気象情報や、機体に搭載されているカメラからのリアルタイム映像を確認しながら、遠隔操作によるドローンの運航を行いました。
2.使用した機体
・PD6B-Type3(プロドローン製)
「PD6B-Type3」は、最大ペイロード30kgを誇る大型機で、高い安定性と可搬性を両立させた産業用プラットフォームです。レーザー測量機や物資輸送機として、すでに多くの企業、幅広い産業用途で使用されている現行のPD6B-Type2をさらに進化させました。目視外自律飛行に対応し、今後のレベル3、4前提社会において活躍する機体構成となっています。
今回の実証では、①フードデリバリー において飲食物を、荒川をまたいで対岸へ運びました。
・Matrice 300 RTK(DJI製)
「DJI Matrice 300 RTK」は、最新の航空技術から着想を得て設計された産業用ドローンです。安定した飛行性能と30倍ズームカメラ、360度衝突回避センサーなどの優れた空撮機能を備え、あらゆる点検や監視での利用に最適な機体です。
今回の実証では、②河川巡視 において、岩淵水門・低水護岸の空撮を行いました。
3.飛行ルート
フードデリバリー: 足立区都市農業公園前の荒川高水敷から荒川岩淵関緑地バーベキュー場まで、高度約50~100mで運航しました。
河川巡視 : 荒川下流河川事務所屋上から高度約30mで一帯を運航しました。
4.結果
本実証により、都市部のドローン物流において、河川上空の活用が有効であること、河川巡視において必要な画像データをドローンの自律飛行によって取得できることを確認しました。また、物流用・河川巡視用の2機のドローンを同時に遠隔自律飛行させることで、複数用途のドローンの運航管理を一カ所に集約することの実用性・有効性の検証を行いました。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、ドローンの飛行ログを自動でアップロードできるなど、飛行日誌の作成作業を簡略化できる、ドローン飛行日誌作成・情報管理サービスを、2月1日にJUIDA個人会員向けとして無料提供を始めた。JUIDAの公式サイトから入ることができ、機体を同期させるなどの手続きをして使える。このサービスは、ブルーイノベーション株式会社(東京)が同社開発の情報統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」と、米国のリアルタイムフライトストリーミングプラットフォーム「AirData UAV」とのシステム連携で実現させたもので、JUIDA会員以外にも、今年(2023年)夏をめどに販売する計画だ。
対応する機体はDJI Mavic 3、Mavic 3 Cine、Mavic 3 Classic、Mavic 3 Enterprise、Mavic 3 Thermalのほか、Phantom 4 Original、Pro、Pro+、Pro V2、RTKなど、DJIの48機のほか、Flyability Elios 2、FreeflyのAstro、ParrotのAnafi Ai、senseFlyのeBee X、SkydioのSkydio 2+、Skydio X2、WingtraのWingtraOneなど約20メーカー、80機種。ACSL、エアロジーラボ、プロドローンなど日本メーカーの機体には現時点で対応していない。
ブルーイノベーションは2023年夏にJUIDA会員ではないドローンユーザーにも販売する方針だ。またJUIDA会員になれば会員と利用が可能だ。
(ブルーイノベーションの発表は以下の通り)
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーショ ン)は、2022年12月5日の改正航空法施行に伴って義務化されたドローン飛行時の飛行日誌作成や機体情報の管理などを自動化するサービス「ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス|BLUE SKY」の提供を、2月1日(水)10:00より開始します。
BLUE SKYは、ドローンのフライトログの自動アップロードやデータ分析、航空局指定フォーマットでの飛行日誌の自動生成、機体・バッテリー管理などがパソコンやスマートフォンなどで簡単に管理・作成・出力できるサービスです。
ブルーイノベーションのデバイス・情報統合プラットフォーム「Blue Earth Platform TM(以下、BEP)」と、世界で約26万人のユーザーを持つ米国のリアルタイムフライトストリーミングプラットフォーム「AirData UAV」とのシステム連携により提供されるもので、ドローンメーカー20社のドローンやアプリケーションに対応しています。
なお、BLUE SKYは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会JUIDAを通して、JUIDA会員(個人・団体 約2万5千会員)向けに「BLUE SKY for JUIDA」として2月1日より無料提供を開始し、一般向けには2023年夏より提供開始する予定です。
一般の方もJUIDA会員となることで2月1日より無料でご利用いただけます。
詳しくは https://www.blue-i.co.jp/flight_services/ をご覧ください。
■背景|レベル4の実現に向けた改正航空法にワンストップで対応
「空の産業革命」をもたらすと言われているドローンは、従来の空撮や農薬散布に加え、点検や物流、警備など用途が拡大すると共に、都市部での利活用も急速に進んでいます。このドローンの社会実装をさらに加速するべく、2022年12月5日に改正航空法が施行され、これまで飛行不可だったレベル4(都市部など有人地帯での目視外飛行)でのドローン飛行が可能になりました。
一方、改正航空法では、ドローンの安全飛行や事故防止、事故原因の究明などを目的に、ドローン機体の事前登録・承認、操縦ライセンスの取得と共に、ドローン飛行に伴う飛行計画や飛行日誌の作成などが義務化されました。
BLUE SKYでは、これら手続きの際に必要となる飛行データの自動取得や申請データ作成の他、機体やバッテリー管理などを一元化し、ドローン飛行に係る工数削減とスムーズで安全な運用をサポートします。
■主な機能|個人も法人も、ドローン活用をより安全に、よりスムーズに
AirData UAVとは
米国カリフォルニアのAirData社が提供するリアルタイムフライトストリーミングプラットフォーム25万8千人以上のユーザーにサービスを提供し、これまでに2700万フライトをアップロード、1日平均2万フライトを処理し、フライトごとに高解像度データを保存できる他、ドローン飛行に関するデータ管理、解析、レポーティング、共有、機材のメンテナンスなど、飛行安全のためを支援する各種機能を有しています。
対応ドローンメーカー(2023年1月24日時点)
DJI、Parrot、Autel、Freefly、Skydio、SenseFly、PX4、Flyability、AEE、ArduPilot、Ascent、Harris、Microdrones、Percepto、Teal、Vantage Robotics、Watts Innovations、Wingcopter、Wingtra、Yuneec
詳細は、https://airdata.com/features#tab-panel-2 (AirData社 Webサイト|英文)をご覧ください。
(JUIDAの発表は以下の通り)
一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(所在地:東京都文京区、理事長:鈴木真二 以下:JUIDA)は、2022 年 12 月5日に施行された改正航空法に伴い義務化されたドローン飛行時の飛行日誌作成や機体情報の管理などを自動化するサービス「ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス」を、JUIDA 会員向けに、2023 年 2 月 1 日(水)10:00 より、無料提供いたします。
■背景
2022 年12 月 5 日に施行された改正航空法により、従来飛行を認められていなかった「有人地帯(第三者上空) での補助者なし目視外飛行」(レベル4飛行)でのドローン飛行が可能になりました。
その一方で、改正航空法では、ドローンの安全飛行や事故防止、事故原因の究明などを目的に、ドローン機体の事前登録・承認、操縦ライセンスの取得と共に、ドローン飛行に伴う飛行計画や飛行日誌の作成などが義務化されました。
JUIDA は、約25,000 会員(2023 年 1 月現在)の安全なドローン飛行をサポートするため、これら手続きの際に必要となる飛行データの自動取得や申請データ作成の他、機体やバッテリー管理などを一元化し、ドローン飛行に係る作業工数の削減とスムーズで安全な運用を可能にする「ドローン飛行日誌作成・情報管理サービス」を JUIDA 会員限定で無料提供いたします。
https://uas-japan.org/business/flight_report/
■サービス提供内容
本サービスは、ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下ブルーイノベーション)が提供するドローンのフライトログの自動アップロードやデータ分析、国土交通省航空局指定フォーマットでの飛行日誌の自動生成、機体・バッテリー管理などがパソコンやスマートフォンなどで簡単に管理・作成・出力できるサービス『BLUE SKY』(https://www.blue-i.co.jp/flight_services/)を利用いたします。『BLUE SKY』は、ブルーイノベーションのデバイス・情報統合プラットフォーム「Blue Earth Platform TM(以下、BEP)※1」と、世界で約 26 万人のユーザーを持つ米国のリアルタイムフライトストリーミングプラットフォーム「AirData UAV」※2 とのシステム連携により提供されるもので、ドローンメーカー20社※3のドローンやアプリケーションに対応しています。
このサービスは、米国 のサービスを活用しています。
※1. Blue Earth Platform®(BEP)
ミッションをベースに複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目視外で自動制御・連携させることができる、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォームです。複数のドローンやロボットを BEP で統合管理し、さらに各種OSやシステムと連携させることで、単体では成し得なかった広域での任意・複数のミッションを同時に遂行します。
詳細はこちら(https://www.blue-i.co.jp/technology/bep/)をご覧ください。
※2. AirData UAV
米国カルフォルニアの AirData 社が提供するリアルタイムフライトストリーミングプラットフォーム 25 万 8 千人以上のユーザーにサービスを提供し、これまでに 2700 万フライトをアップロード、1 日平均 2 万フライトを処理し、フライトごとに高解像度データを保存できる他、ドローン飛行に関するデータ管理、解析、レポーティング、共有、機材のメンテナンスなど、飛行安全のためを支援する各種機能を有しています。
※3. 対応ドローンメーカー(2023 年 1 月 24 日時点)
DJI、Parrot、Autel、Freefly、Skydio、SenseFly、PX4、Flyability、AEE、ArduPilot、Ascent、Harris 、 Microdrones 、 Percepto 、 Teal 、 Vantage Robotics 、 Watts Innovations 、Wingcopter、Wingtra、Yuneec、
詳細は、https://airdata.com/features#tab-panel-2
(AirData 社 Web サイト|英文)をご覧ください。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は1月30日、東京・丸の内の総合宴会場、東京會館で「JUIDA新春パーティー2023」を開催した。会場での開催は2020年以来3年ぶりの会場開催で、会員、産業関係者、中央府省庁、国会議員らが賀詞を交換した。JUIDAの鈴木真二理事長は2023年のスローガンとして「レベル4実現元年」を掲げ、「レベル4実現させるべくJUIDAとしても貢献したい」と抱負を述べた。またレベル4で義務付けられる飛行日誌に関する情報管理サービスを準備しており、JUIDA会員に無料で提供すると発表した。
新春パーティーでは、鈴木理事長のほか、国会議員関係で無人航空機普及・利用促進議員連盟の田中和德元復興大臣、同議連顧問の山東昭子元参院議長、同議連副会長の櫻田義孝元東京オリンピック・パラリンピック担当相、同議連事務局長の山際大志郎前経済再生担当相、同議連幹事長の鶴保庸介元内閣府特命担当大臣が出席してあいさつをしたほか、同議連幹事の牧島かれん元デジタル相、同議連幹事の大野泰正国土交通大臣政務官がメッセージを寄せ会場で代読された。中央省庁関係では経済産業省製造産業局次世次世代空モビリティ政策室の宇田香織室長、国土交通省航空局の新垣慶太次長があいさつした。
鈴木理事長はあいさつの中でJUIDA会員が法人、個人あわせて24,845、操縦技能証明取得者が26,192人、安全運航管理者証明の取得者が22,828人となり「最近の伸びが大きい。ことがわかります」と説明した。
また鈴木理事長は昨年(2022年)12月5日の改正航空法施行に伴い整備された国家資格としての操縦ライセンスに関連し、「JUIDA認定スクールの中で、国家資格取得のための登録講習機関に登録を希望するスクールに対して、JUIDAも支援しています」と支援体制を構築している乗用を報告した。そのうえで「国家資格はクルマでいえば普通免許。業務に適用するには専門分野ごとの教育が必要になりその部分を充実させていきます」と、専門教育に力をいれる方針を述べた。
JUIDA会員向けのサービスとして、飛行日誌サービスを会員に対して無料で提供する準備をしていることも報告した。2023年のスローガンには「レベル4実現元年」を掲げ、「JUIDAとしても貢献したいと考えております」とレベル4実現を展望した。
会場では出席者が旧交を温め、情報交換をしたり談笑したりし、3年ぶりの開催を祝った。
衛星ブロードバンド「Starlink」を活用したモバイル通信のドローン配送が1月26日、埼玉県秩父市で始まった。場所はモバイル通信が困難な奥秩父・中津川のエリア。昨年(2022年)9月の土砂崩れ以降、通れなくなっている埼玉県道210号線の崩落現場を挟んで中津川の上流側に住む6世帯に、日用品などを毎週1回、Starlinkで通信環境を確保してドローンで定期配送する。ドローンは崩落場所の手前から向こう側の着陸地点まで2.8㎞を5~7分で飛ぶ。初日のこの日は7分で飛び、荷物をおろして帰還した。生活に不便をきたした住民を支える災害対応の重要なモデルケースになる。秩父市の北堀篤市長は「通信環境に恵まれない山間地域のみなさんに希望を与える日本初のハードル高きミッションに取り組んでいただいきました。期待大です」と述べた。当面う回路の凍結リスクがなくなる3月末まで行う予定だ。
取り組みは秩父市、株式会社ゼンリン(福岡県北九州市)が2022年10月25日に締結した「緊急物資輸送に関する連携協定」を軸に、KDDI株式会社(東京)、KDDIスマートドローン株式会社(東京)、株式会社エアロネクスト(東京)、生活協同組合コープみらい(埼玉県さいたま市)、株式会社ちちぶ観光機構(埼玉県秩父市)、ウエルシア薬局株式会社(東京)の6社が参加して「&(あんど)プロジェクト」を発足させ、遂行している。プロジェクト名には「地域に安堵を届ける」の願いを込めた。ほかにドローンへの電源供給などでサンセイ磯田建設株式会社(秩父市)が協力企業として名を連ね、秩父市大滝国民健康保険診療所(秩父市)も、オンライン診療や服薬指導に対応する。
ドローンは、現在通行止めになっている埼玉県道210号線の崩落場所の近くから離陸する。道路を落石から守る半トンネル状の覆い「大滑(おおなめ)ロックシェッド」の手前に離発着点と、Starlinkを通信網のバックホール回線として利用するau基地局を設置して環境を整えた。機体には重心制御技術を持つ株式会社エアロネクスト(東京)が自律ドローン開発の株式会社ACSL(東京)と共同開発し、日本各地で配送の実用に使われているAirtruckを採用。機体にKDDIスマートドローンが開発したドローン専用のノイズ耐性運航の高い通信モジュール「Corewing01」を搭載し、機体制御にKDDIスマートドローンの運航管理システムを用いることにした。
KDDIスマートドローンの博野雅文代表取締役社長は「林道が閉鎖の可能性もあり飛行先に作業員を配置しない前提で、離発着、荷下ろしを遠隔で行える機体、システムを使う必要がありました。またStarlink導入のau基地局設置で、山間部でも島嶼部でもモバイル通信の提供が可能な環境も整えました。被災地域に導入する初の事例です。被災地のみなさまの生活に安堵を届けたいという関係者のみなさまの思いにこたえる貢献したいという思いです」とあいさつした。
プロジェクトを先導してきたゼンリンの古屋貴雄執行役員も「秩父市とは2018年から協定を結んで取り組んできました。ドローン配送はそのひとつです。9月13日に崩落が起き、住民の日常生活の支援、安全対応として通信確保、安全に飛べるドローンの確保のために各社の参画を頂いた経緯があります。社会的意義の高い取り組みでもあると思います。社会に貢献すべく、しっかり進めて参ります」と述べた。
土砂が崩落した現場は、国道140号線から埼玉県道210号に分岐して約3.5㎞進んだ場所だ。中津川と急峻な斜面との間を縫うように走る道路だが、中津峡にさしかかる手前で土砂崩落があり、道路を約20mにわたってふさいだ。2022年9月13日に崩落が見つかって以降、県道は通行止めとなっている。通行止めの向こう側にいまも住み続けている6世帯の必需品は、大回りする林道が頼りだが「片道2時間半から3時間かかる」うえ、冬季は凍結し閉鎖される可能性がある。
冬になるまでは、地元の宅配業者など事業者が各社個別に大回りをして届けてきた。頭の下がる努力だが、冬の凍結期を乗り越え、さらに持続可能性を高めるために、代案の構築が急務だった事情がある。今回の取り組みでは、地元商店の配達品をひとまとめにする、という工程をはさむ。これにより各事業者がそれぞれで配送していた手間を軽減することができ、持続可能性が高まる。これは配送の枠を超え、注文を受けてから、注文者の手元に届くまでの一連の流れを集約、整理、最適化した取り組みでもあり、被災地の生活支援の側面と、それを支える側である事業者の支援との両面がある。
現地では土砂崩落の復旧作業が続いていた。道路に積もった土砂を取り除けばよいのだが、実は積もった土砂の上にさらに土砂が積み重なっている。現時点ではざっと1万8000立方メートルの土砂が積もっているとみられている。狭い場所での作業で選択肢も限られる。現在は、斜面の土砂崩落やその可能性のありそうな場所に網をかける作業が進んでいる。そのための工事用モノレールが建設され、作業員が昇っていく様子も見られた。網をかけ、落石被害の危険を減らす。その後、路面に近い土砂を撤去する。上から流れ落ちてくる土砂も撤去する。当面、片側一車線の開通を目指しており、完全復旧のめどはたっていない。
準備に奔走したゼンリンの深田雅之スマートシティ推進部長も「昨年9月13日の朝に秩父市から土砂崩落の連絡があり、その日の午後に現地に入りました。それからドローン配送の検討を進めてきました。当初12月に開始の目標をたてていましたが実際には想定していたより過酷な状況で、今日まで検討を続け、やっと先週、今週になって可能な状況ができました。私たちは2018年に秩父市と提携してドローン配送の取り組みをしてまいりました。2019年には国内2例目のレベル3と呼ばれる飛行も実現し、その後も経験を重ねてきました。今回の取り組みはこれまでの経験で蓄積したノウハウを毛州させました。『&プロジェクト』は『地域に安堵を』がコンセプト。あきらめずに中津川のドローン配送実現を推進し、安堵に貢献したい。安堵とは、安全、安全がすべて確保し終えたあとにたどり着くものだと思っています。冬を乗り越え、林道閉鎖のリスクがなくなる春が来るまでやりきります」と宣言した。
秩父市産業観光部産業支援課の笠井知洋主席主幹は「(中津川の)みなさんが寂しい思いをされてきました。ところが(中津川の)みなさんにドローン配送がはじまると説明をしてから明るい気持ちになっています。この『&プロジェクト』をほかの地域にも展開できるよう願っています」と切望した。関係者によると、中津川の人々に説明を開いたさい、ドローン配送が可能になった場合に注文したいものは何か、という話題をふると、はじめのうちは買い置きでだいぶ我慢できる、という様子だったみなさんが、そのうち「たばこはほしいかな」「ビールもいいのかな」などと嗜好品をあげるようになり、表情がやわらかくなったという。
発表会や登壇の様子を見守っていたエアロネクストの田路圭輔代表取締役CEOは「このプロジェクトに参加しているみなさんはあたたかくて本気のいい人ばかり。取り組むみなさんの思いが結実し、多くのみなさんに届けば素晴らしいと思っています。われわれも全力で貢献したいと思っています」と話した。
発表は以下の通り
秩父市、株式会社ゼンリン(以下、ゼンリン)、KDDI株式会社(以下、KDDI)、KDDIスマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン)は、株式会社エアロネクスト(以下、エアロネクスト)、生活協同組合コープみらい(以下、コープみらい)、株式会社ちちぶ観光機構(以下、ちちぶ観光機構)、ウエルシア薬局株式会社(以下、ウエルシア)らとともに、2023年1月26日から、土砂崩落の影響が続く秩父市中津川地内で、Starlinkを活用したモバイル通信のもと、ドローンによる物資の定期配送(以下、本取り組み)を開始します。
本取り組みは、2022年9月に土砂崩落が発生し、物流が寸断された秩父市中津川地内の地域住民への冬季期間の生活支援を目的としています。2022年10月25日に秩父市とゼンリンが締結した「緊急物資輸送に関する連携協定」をもとに、賛同企業6社が加わり「&(アンド)プロジェクト」として連携・実施します。 ドローン定期配送の実現により、中津川地内へ食品や日用品、医薬品などを短時間で配送することが可能となります。
現在、ドローンによる物資の配送先となる中津川地内へアクセスするには、一部の緊急車両などの通行のみ許可されている森林管理道金山志賀坂線(※1)を通行する必要がありますが、冬季は降雪や凍結のため通行が非常に困難となります。また、当該地域の地形の特性上、モバイル通信が不安定な環境であるため、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を活用してauのモバイル通信環境を確保し、ドローンの遠隔自律飛行による物資の配送を実施します。食品や日用品など最大約5kgの物資をドローンで複数回配送し、中津川地内の住民のみなさまの冬季期間の暮らしに貢献します。
■ドローン定期配送の概要
■関係者・体制図
全国各地でドローン物流の実証・サービス実装を行うゼンリンが、プロジェクトの全体統括を担当し、技術面・配送面のノウハウを持つ各社と共に、体制を構築しました。
■配送フロー
(1)住民は、電話などで事前に商品を注文。
(2)コープみらい・ウエルシア秩父影森店、ファミリーマート道の駅大滝温泉店が、注文商品をピックアップ。
(3)各社トラックで道の駅大滝温泉まで配送。
(4)ちちぶ観光機構が、各社の注文品を個人ボックスごとに箱詰め。
(5)注文商品をドローン離陸地点まで配送。
(6)注文商品をドローンで配送。
(7)中津川地内の区長が注文商品を受け取り、各世帯まで商品を配送。
■「&プロジェクト」の命名に込めた想い
プロジェクト名には、“決して(A)あきらめずに、(N)中津川地内の(D)ドローン配送の実現を推進し、住民生活の安全・安心の確保を支援し、地域の安堵(AND)に貢献する”という想いを込めています。今回、このビジョンに賛同する8者が連携し取り組みをスタートすることになりました。
■Starlinkを活用したモバイル通信とドローン配送のシステム構成
中津川地内のドローン離発着地点には、操作者などの作業者を配置できず、また、崩落地手前の地点からは中津川地内の離発着地点を目視で確認することが出来ません。そのため、中津川地内までの飛行、機体の離発着、荷下ろしのすべてを遠隔操作で実施する必要があります。
そこで、本取り組みでは、以下の製品・サービスを組み合わせたシステムの構築を行いました。
1.Starlinkの活用
衛星ブロードバンドの「Starlink」を活用した、「どこでも、素早く、広い範囲」にauエリアを構築するソリューション「Satellite Mobile Link」により、映像を用いたドローンの遠隔制御も可能にするauのモバイル通信環境を確保しました。
2.スマートドローンツールズとAirTruckの活用
「スマートドローンツールズ」の運航管理システムと物流専用ドローン「AirTruck」を組み合わせることにより、遠隔制御による機体の飛行、離発着、荷下ろしを可能としました。
・スマートドローンツールズ
KDDIスマートドローンが開発した、ドローンの遠隔制御や自律飛行、映像のリアルタイム共有を可能とするシステム。
・AirTruck
エアロネクストがACSL社と共同開発し、ペイロード5kgに対応した日本発の量産型物流専用ドローン。物流用途に特化してゼロから開発した「より速く、より遠く、より安定した」機体。エアロネクストの空力特性を最適化する独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®により、荷物の揺れを抑え安定した飛行を実現。遠隔操作による荷物の切り離し、荷物の上入れ下置きの機構など、オペレーション性にも優れる。日本経済新聞社主催の「2022年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞」を受賞。
■今後の展望
通信不感地域におけるドローン定期配送の運用ノウハウを蓄積し、中山間地域や災害時などの通信環境が不安定な状況においても、ドローン配送を実現可能とするソリューション構築を検討していきます。これにより、全国の様々な地域・環境下でのドローン配送の社会実装を目指します。