ドローンの活躍がもたらす価値を誰もが享受できるドローン前提社会を実現するには、イノベーションが生まれやすい社会であることが望ましい。しかし日本は世界に比べて後れていると指摘される。そこで、イノベーション、国家戦略特区、クールジャパンなど新たな価値を生み出す取り組みに奔走している平将明元内閣府副大臣に、その背景や対応法についてインタビューを実施した。平氏は、日本でイノベーションが生まれにくい背景に「法体系」が関わっていると分析し、四つソリューションを提示した。インタビューには、高橋伸太郎氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師)が同席した。
――日本のイノベーションについて、現状認識を
ドローンや自動走行は以前から注目されていました。私が地方創生担当の副大臣だった頃(2014年9月~2015年9月)、国家戦略特区の担当でもあって、自動走行やドローン、遠隔医療にフォーカスしてベストプラクティスを作り出したいということで、「近未来技術実証特区」を私の発案で創設した経緯があります。でも世界のスピードはもっともっと早くて、ドローンにしても自動走行にしても、遅れ気味の現状があると思っています。
(参考:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/kaikaku/dai3/siryou9.pdf)。
問題は、規制の体系にあります。DXを進めている国の規制環境を見ると、いくつかに分類できます。中国のように政府主導で物事が決まる国家、英米法を採用するアメリカ、イギリス、イスラエル、シンガポールなどの国家。日本は、カッチリと法体系ができていて 規制が隅々まで整備される大陸法の国です。最近のイノベーションの潮流を見ると、速度としては中国が一番早いですよね。リーダーが決めれば進められる。データ・ドリブン・エコノミーの観点からも、個人情報と紐づけが容易です。そして次に早いのが英米法の国。シリコンバレーのアメリカがそうです。ベンチャー企業を多く輩出しているイスラエルでは、FinTechの導入も、ワクチン接種も対応が早かったですね。
私は大陸法の国が後れを取っていると分析しています。日本やドイツがそうです。これらの国はついこの間まで工業製品では世界を席巻していました。工業機械とか、自動車とか。ところがイノベーションの速い流れの中で、ドイツも日本も乗り遅れ、取り残されつつあります。ドイツはそれに気が付いてインダストリー4.0(製造業のオートメーション化、データ化、コンピュータ化を目指す技術コンセプト。ドイツ工学アカデミーと連邦教育科学省が2011年に発表した)を始めました。日本はものづくりの現場のみならず社会全体ということでソサエティ5.0(Society 5.0。日本が提唱する未来社会のコンセプト)と言い出しましたが、やはり規制の仕組みにぶつかっています。
――大陸法国家である日本で、イノベーションがぶつかっていることとは
英米法はネガティブリスト方式のルールです。何かを始めようとしたときに法律に禁止、と明記されていなければやれます。もしもやってみて問題が起きれば、そこでやり方を考える。または解決をする。
日本はポジティブリスト方式です。原則としてすべて禁止で、やっていいことがリスト化される。何かをやろうと思って法律を見に行くと、何をやっていい、それをやっていい、と書いてあるわけです。
ところが新しいことをやろうとしても、想定していないものは書いていない。書いていなければどうしていいか分からない。その時にどうするかというと、法律そのものを作るところから始めるのです。既存の法律に当てはめようとすることもありますが、無理やり当てはめるとグレーゾーンになってしまう。グレーゾーンになると、進まないのです。日本を代表するような大企業がイノベーションの先頭を走ればよいと思いますが、一方で、大企業はコンプライアンスに注意を払っています。グレーゾ―ンには踏み込めません。従ってそこでフリーズしてしまいます。
だからといって日本の法体系を全部、英米法に置き換えるわけにはいかない。部分的には可能でも、全部を置き換えることは現実的ではありません。中国やロシアのように政府主導でイノベーションを進める国や、英米法の国に比べ、日本はハンディキャップを抱えているということです。
ただ、それを嘆いていてもしょうがないわけです。
――考えられるソリューションは
一つは国家戦略特区です。TRONプロジェクトを進めた東大の坂村健先生(東京大学名誉教授)は、国家戦略特区について、大陸法というOSで動いている日本に英米法というアプリケーションを入れる作業だ、という話をしました。国家戦略特区を使って実験的にトライアンドエラーができるように、レギュレーションもデザインしやすくするようにして、ドローンや自動走行を実装してみる方法です。成長戦略としても、イノベーションを促進する観点からも重要な政策だったのですが、加計学園など政治の問題で止まってしまいました。これが残念で仕方がありません。
なにしろ、改革を進めるのはものすごく大変なのです。既得権との戦いですから。ドローンも一見、既得権と干渉しないように見えますが、そうではありません。例えばドローンを活用して遠隔医療を完結させるためには、遠隔での服薬指導を解禁しないといけない。そうでないと離島にドローンで薬を運べない。その、解禁させることがすごく大変な作業なのです。自民党はいろいろな団体、いろいろな人たちの利益を守る集合体です。改革のためには、国民、世論の後押し、マスコミの応援がないと戦い切れない。改革派の議員が動けるためにも、私は国家戦略特区を再起動させるべきだと思っています。
――国家戦略特区で現状打破を図ろうとする考えですね
それと、ベンチャーの人、アカデミアの人たちは、もっと我々のようなローメーカーとコミュニケーションをとるべきだ、というのが私の持論です。
全く新しい発想で、新しいサービスを社会実装させようとすると、それを想定していない時代に作られた法律や条例には書いてありませんからできないことになります。だからといって役人に話をしてもできるものではありません。彼らの仕事は現状のルールの通りにすることですから。ルールを変えないとできないことであれば、それは我々、ローメーカーの仕事です。ローメーカーである我々と意見交換をよくすれば、法律も作れるし、運用の方法をアドバイスすることもできます。法律を作る場合も、閣法(内閣提出法律案)で行くのか議員立法で行くのか、などオプションが多くあります。特に日本の勝ち筋となるような 技術力を持つ有望なベンチャーは、できるだけローメーカーや、政策を作る人たちと密にコミュニケーションをとる必要があると思います。
ただ、国会議員と話をしようとする人はなかなかいない。実際、旧来型の国会議員の所に行くと旧来型の陳情になりかねない。そうではなく、一緒に、実現させるためにどういうパスがあるかを考える。どういう風にレギュレーションを変えるのかを考える。そこから先は、通常国会なのか、臨時国会なのか、または野党も巻き込んで議員立法なのか。1回、党から出して閣法で出させるのか。そこが政治家のプロの仕事というわけです。
京都に株式会社メガカリオン(京都市下京区)という、iPS細胞を使って血小板を作る技術を持つベンチャー企業があります。メガカリオンが活躍すれば安全な血小板を世界中にデリバーできる。しかし、原料に血液を使うことが、日本の法律にひっかかりました。日本では献血で血液を集めることになっています。その血液は治療か研究開発にしか使えない。原材料としては使えないわけです。そこで私が副大臣のときに問題提起を行い、その地域を国家戦略特区として認めた経緯があります(2014年5月に京都府、大阪府、兵庫県を国家戦略特区に指定)。
よく日本のイノベーションが遅い理由について、「日本にはアニマルスピリットがない」とか、「日本人の元気がない」とか言う方がいらっしゃいますが、それは間違いです。もっと本質的な問題です。新しいアイディアとレギュレーションのデザインと、その両方の歩調を合わせて行かないといけない。それは法体系の問題だと思っています。嘆いてみても物事は進まないので、それを背負いながら前に進める方法を政治家として考えて、今のようなソリューションを出したわけです。
ほかに、立法事実問題があります。その解消が3つ目のソリューションです。
宇宙で資源開発をすることについて認定を受けた企業が、宇宙で資源開発をした時には、その資源に対する所有権を認める、という法律があります(「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」。2021年6月に成立)。これがなぜ必要か。
現在、世界中で宇宙開発が進んでいます。ベンチャーを含めいろいろな企業が宇宙に出て行こうとしています。企業が拠点を置く場所を考えるときに、法律が整備されている場所が選ばれます。たとえば月で資源開発をして他国と揉めたとすると、管轄裁判所をどこに設置するか、という話になります。その場合も、法律のある国に作りましょうということになりえます。国際ルールを作る時にも、法律のある国の発言権が強くなります。反対に法律がないと発言権が弱い。
日本でも宇宙開発ベンチャーが頑張っています。しかし放っておくと、他の国に成果を取られてしまう事態になりかねない。それでこれを作ろうとしたわけです。
しかし閣法で出せません(注:国会では閣法を議員立法に優先して審議する)。なぜかと言うと「立法事実がない」と言われるからです。立法事実とは、たとえば「この人たちは公害で大変な被害を受けているから救済しましょう」といった立法の必要性や正当性の根拠となる事実です。国会では野党が「それは立法事実がないではないか」などとよく言います。
宇宙資源開発でいうと、確かに現時点で、宇宙で資源開発をしている会社はないわけです。だから立法事実がない、と言われることになる。でもこれをやらないとイノベーションが遅れる。そこで「将来こうなるから、こういう法律を作っておきましょう」ということになります。大陸法の国でも、先に法律を作っておけばいいのです。ドローンでも、自動走行でも、遠隔医療でも、「将来はこうなりますね」と見据える。将来を展望できるのであれば、現時点でサービスが始まっていなくても法律を作ればいい。ただ、それをしようとすると「立法事実がない」という指摘にぶつかるので、将来を見据えた展望を立法事実とすることができれば、対応しやすくなります。立法事実問題を解消したいというのはそのためです。
なお、宇宙資源開発法は議員立法で出さざるを得ませんでした。成立はしましたけれども。
――展望を立法の根拠として認めるという話ですね
そうです。将来を見据えて法律を作ることをローメーカー自身も自覚しないと日本のイノベーションは進まない。自民党にもそのようなローメーカーが出始めています。日本の活力を取り戻すためにどういうレギュレーションの変更が必要なのかを未来志向で考えるローメーカー。これは明るい兆しです。
もうひとつ、「首相のフルコミット」があります。私が3年かかると思っていたデジタル関連法案は1年でできました。デジタル庁も1年でできました。「10兆円ファンド」も今度できます。東大とか京大とかの研究者をしっかり支援をするために、年間3000億円ぐらい新規に出す事業で、私が副大臣の時にこれをやると言い出しました。これも1年です。財務省は大反対。ようやく話がつきました。首相のフルコミットは大きいと実感しています。この4つが、私が考えるソリューションです。
――今のままでは大変という話がありました
既得権と戦わざるをえないので大変なのです。政策立案をしてから何かに取り組もうと思うと、始めるまでにだいたい2年かかります。まずは自民党内を通さなければいけない。ここで問われるのが通す力です。政治家の評価として、政策立案ができるとか、切れ味がいいとかありますが、本当の専門性は通す力だと思います。自民党で言うと政調審議会があって、その上に自民党の総務会があります。この二つを通さないと法律案はできない。
さきほど国家戦略特区をソリューションとしてあげましたが、これがいい理由のひとつに「特区限定です」と言えるという側面があります。一律でひっくり返すことが難しいものでも「特区限定」であれば認められやすい。反対に特区がなければ多分、動かないです。
――本当なら一律でひっくり返したいところです
本当は、そうです。ただし特区で認めると、一律でひっくり返ることがあります。それは、今のレギュレーションが、体系としてはよくできていることと関係があります。もちろん時代に合っているかどうか、とか、ユーザーにとって良いかどうか、という話とは別ですが、体系として美しいわけです。
特区は、その“美しい”体系を崩すことになるわけです。役所の立場としては、体系に特区で穴を開けられることは屈辱的です。だから徹底的に抵抗する。一方で特区ができそうだ、となると「全体を変えます」ということがありえます。安倍晋三元首相がダボス会議で、岩盤規制に自分がドリルの刃先となって穴を開ける、と言いましたが、そんな意味があったのです(注:2014年1月22日、当時の安倍晋三首相がダボス会議で講演して言及)。
――イノベーションを進める体制として望ましい体制とは
内閣でいえば、若手の登用は大事ですが、一番大事なのはリーダー層の若返りです。トップがDXの感覚を持っていることが大事なのです。
デジタルを使いこなしている人は、デジタルで何ができ、何ができないかを分かっています。一方、デジタルが得意でない人は2種類に分かれます。一つは、デジタルが怖くて、とりあえずやめておこうと思っている人。もう一つは、デジタルで何でもできると思っている人。実際はどちらでもないわけです。さらに、デジタルと言っても、なんでもデジタルで進めるわけではない。アナログとデジタルと両方を組み合わせて生態系をぐるぐる回すわけです。リーダー層にはその感覚を持っていてほしいのです。
政治の場合、選挙などを通じて入れ替えが可能です。アナログのチューナーをデジタルの受信ができるチューナーに入れ替えればいい。すべてに精通している必要があるということではなく、感性さえあればいいのです。DXは経済、外交、内政など政策のすべてに関わります。DXの感性がないリーダーだと、すべての指示のピントが微妙にずれる恐れがあります。
――多様性のある社会モデルの重要性について
多様性の中でいろいろな価値観がぶつかり合って全く新しい価値が生み出されることには合意ができます。イスタンブールという都市は、ヨーロッパとアジアの結節点で、多様な人々が混ざり合って活気を生み出しているわけですが、私は「アナログとデジタルのイスタンブール状態」をつくりたいと思っています。それはなぜか。日本のアナログの価値は、世界一だと思っているからです。
アナログの価値が高いことは、日本でデジタルの浸透が遅れた理由にも関わります。わざわざ標準化しなくても、日本の人々はみんな仕事にプライドや誇りを持っている。だから、ちゃんと仕事をする。海外にはそうはいかない国もあります。リーダーシップ層はモラルが高いけれど、従業員はそれほどでもないといったことがあります。標準化をしないと仕事にならないから、標準化の必要があるのです。日本はみんな仕事をするから、あえて標準をしなくても済んできた。デジタル化が進んでこなかった理由のひとつがこれです。
一方で芸術、観光、豊かな自然、食文化、伝統文化、サブカルなど、日本はアナログの宝庫です。こうしたアナログの価値はデジタルで生かせます。
デジタルの美術品をノンファンジブルトークンで本物であることを示してオークションにかけると、ものすごく高額が付くことがあります。アニメでもそうです。アナログの価値はデジタルで最大化できます。アナログの素材を日本はふんだんに持っているわけですから、 DXはアナログ大国の日本にこそチャンスなのです。アナログとデジタルのイスタンブール状態をつくることが、日本の勝ち筋だと、私は思っています。なんとなく思っている日本人は多いと思いますよ。アナログなら日本は負けないと。
――アカデミアと政治家の関係性について
アカデミアの方々と話をしていておもしろいと思ったことがあります。それは、政治家同士で話をしている中での一番の悪口は「お前、学者みたいだな」ということ。でも学者同士で話をしていると一番の悪口は「お前、政治家みたいだな」なのだそうです。日本ではアカデミアと政治は、相性が悪いです。しかし、わが国のリソースは限られています。中国と比べてもはるかに少ない。だからこそ、もっとコミュニケーションを取っていきたいと思っているのです。
毎月、いろいろな意見交換をしています。それを政府の仕組みに落とし込むのが大事です。今は有志で行っていますが、硬直化しないように政府の仕組みに落とし込むことができればいいと思っています。こういうことを通じて、イノベーションを前に進めることができる体制を作っていきたいと思っています。
平 将明(たいら まさあき) 元内閣府副大臣、自由民主党内閣第2部会長。イノベーション、デジタル改革、IT政策、クールジャパン戦略、宇宙政策などを担当。経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官、自民党副幹事長、衆議院環境委員長を歴任。家業である大田青果市場の仲卸会社の3代目社長。1967年2月21日生まれ。東京都出身。
高橋 伸太郎(たかはし しんたろう) 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師。DRONE FUND最高公共政策責任者。ドローン、次世代エアモビリティ、海洋モビリティ分野の産業構想に関する研究や政策提言を推進。
株式会社ACSL(東京)の株価が800円台に戻して推移している。東京証券市場グロース市場の同社株は3月14日の午前の取引は、前日3月13日の取引でストップ高のまま終えた857円から7円下げた850円で初値をつけた。その後も800円近辺での取引が続いている。背景には前々日の3月12日の取引終了後に発表した、防衛装備庁からの3億7000万円の受注発表がある。発表翌日の3月13日には買いが集中し、値幅制限いっぱいの150円高でも取引が成立しなかった。14日午前もその勢いを維持した展開だ。受注は2月に発表した2024年12月通期業績予想に織り込み済みだが、市場関係者からは今回の大型受注に対し政府調達の呼び水期待が寄せられている。
同社が受注したのは高セキュリティ型の空撮用ドローン「SOTEN」(蒼天)」で、今年(2024年)12月の納入予定2月を予定している。ドローンで収集した情報の漏洩を防ぐ工夫が凝らされた機体で、秘匿性の高いインフラの点検などへの活用が期待されている。
2月14日の決算発表では、前期業績の悪化要因にSOTENの販売減を挙げていたが、今回の大型受注で不振からの脱出に期待が集まる。同社は今回の受注はすでに通期業績に織り込み済みとしている。同社が発表している2024年12月の通期業績予想は、売上高が33億4千万円、営業損益、経常損益はそれぞれ赤字を見込んでいる。
大型受注の発表は3月12日の取引終了後に行われた。これを受けて翌3月13日の東京株式市場では、午前9時の取引開始直後から買いが殺到して。値幅制限いっぱいの857円のストップ高となって推移し、結局同日は取引が成立しないままとなった。3月14日も800円台を維持した取引で始まっており、2月16日つけた上場来安値の585円からの底割れを回避した水準の取引が続いている。。
ACSLが2月14日に発表した23年12月期連結決算では、売上高が前期比45.2%減の8億円9600万円と大幅に減少した。業績のけん引役と期待された高セキュリティ型の小型空撮ドローン「SOTEN」の販売台数が伸び悩んだことが響いたと分析するととともに、20.7億円の受注残があることも明らかにしていた。
ブルーイノベーション株式会社(東京都)は3月11日、能登半島地震で被災した輪島市(石川県)で、決壊の危険性が指摘される土砂ダムを定期的に自動で点検する河川監視活動を実施したと報告した。土砂崩れにより道路がふさがり作業員が現地に近づけない中、ブルーイノベーションが開発したドローンの自動離発着システム「BEPポート」を適切な場所に設置し、ドローンが自動離陸することで点検を遂行した。点検は1月31日から2月6日にかけて行われ、五光物流株式会社(筑西市<茨城県>)、VFR株式会社(名古屋市<愛知県>)が協力した。
河川監視活動の対象となったのは輪島市内を流れる牛尾川につみあがった土砂が河川の水をせきとめている土砂ダムで、1月31日から2月6日にかけて、輪島市の要請を受け、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が統括して行われた。監視活動ではBEPポートに待機したドローンが、定期的に自動で離陸し、往復約3㎞を飛行して状況把握に必要な情報を収集した。ブルーイノベーションのドローンポートシステムは東日本大震災で被災した仙台市<宮城県>が設置している。災害支援活動として活用されるのは今回が初めてとなる。
発表内容は以下の通り
ブルーイノベーション株式会社
五光物流株式会社
VFR 株式会社
令和 6 年能登半島地震 二次災害に備え、ドローンポートシステムを活用
した自動監視システムを国内ではじめて実災害現場に導入・社会実装
ドローンポートから自動離発着するドローンにより、
河川上流の土砂ダム決壊の危険性を定期監視
この度の能登半島地震の影響により、被災された方々やご家族の皆様に、心よりお見舞い申し
上げると共に、皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、五光物流株式会社(本社:茨城県筑西市 代表取締役社長:小林 章三郎、以下五光物流)、VFR 株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長 蓬田 和平、以下 VFR)と、石川県輪島市からの要請を受け、ドローンの業界団体である一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA)の指揮の元、ドローンポートシステムを活用した河川監視活動を実施しました。
本取り組みは、輪島市内を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)に出来た土砂ダムの状況を、ブルーイノベーションが開発したドローンポートシステム「BEP ポート」を活用し、自動かつ定期的に離発着するドローンにより土砂ダムを撮影・監視し、決壊の危険性有無を常時把握することで、二次災害による被害を未然に防ぐことを目的としています。
なお、実災害現場でのドローンポートシステムの社会実装は国内初となります。
■BEP ポートを活用した災害支援活動内容
・巡回点検実施日:2024年 1 月 31 日(水)~ 2 月 6 日(火)
・場所:石川県輪島市町野町
・活動内容:
輪島市を流れる牛尾川(鈴屋川の支流)では、土砂災害による河口閉塞が数か所発生したため、道路も寸断され、人が近づくことが困難な状況でした。輪島市から JUIDA に、ドローンによる二次災害予防のための巡回点検要請があり、JUIDA指揮の元、ブルーイノベーションが開発したBEP ポートからドローンが自動で離発着し、牛尾川の上流往復約 3km を飛行。土砂ダムの状況を上空から定期的に監視を実施しました。
<鈴屋川の経時変化(同一地点)>
定点観測による撮影画像の比較から、河口閉塞による溜まり場の大きさに大きな変化がないことを確認することができました。
・使用機材
■協力
第二回京阪奈ドローンフォーラムには、課題解決に向けたカスタマイズを手がけるドローンを手がける菱田技研工業株式会社(堺市)が、吸盤で壁にくっつく仕掛けの“ひっつきドローン”と家庭用コンセントから電源を得る“コンセントドローン”を披露する。“堺のエジソン”の呼び声高いエンジニアのプロダクトが、来場者の創造意欲を掻き立てそうだ。
菱田技研は壁面吸着親子ドローンと家庭用コンセントにつないで飛ぶ有線給電のドローンを持ち寄る。
壁面吸着親子ドローンは、ビルの高層階の外壁など高所での反力(支持箇所に生じる力)の発生する作業を実現可能にするドローンシステム。子機には、ハンドドリルを搭載する。実際に吸着によるコンクリートボードへの穴あけに成功している。親機の動力源に採用している燃料電池も展示する。フォーラムではモニタの映像で動きが核にできるほか、吸着グリッパを手持ちのアクリル板に吸着させる実演も行う。来場者は吸着中の吸着グリッパ、アクリル板に触れて吸着の安定性を体験できる。
家庭用コンセントからの有線給電で飛行する機体は、会場となる咲洲モリーナのフライトエリアで飛行の実演を実施する予定で、来場者は飛ぶ姿を間近で見られる。
菱田技研工業株式会社はカスタマイズドローンによる課題解決を手がけていて、その工夫には高い評価が寄せられている。2023年6月に千葉・幕張メッセで開催されたJapanaDrone2023では、技術論文「ポスターセッション」の出品者の優秀作品を顕彰するポスターアウォードで最高賞を受賞している。
第二回京阪奈ドローンフォーラムで、長時間、長距離飛行チャレンジに取り組んでいる株式会社エアロジーラボ(AGL、箕面市〈大阪府〉)が、ハイブリッド機の最新機、AeroRange G4S(エアロレンジジーフォーエス)を持ち寄る。ハイブリッド機ならではの機構と、軽量化のために随所に凝らされた工夫が来場者のクリエイティビティを刺激しそうだ。
AGLはハイブリッドドローンを中心に開発している。ハイブリッドドローンはバッテリーとガソリンなどの燃料を併用して推進力を得るドローンて、バッテリーに頼る機体に比べ、長距離、長時間の飛行が期待できる。主力機AeroRangeQuadはペイロードなしで140分以上、ペイロード 2kgで90分の性能を持ち、国産ハイブリッド機の代表モデルの一つとして多くの現場で飛行実績を積み上げている。
今回、第二回京阪奈ドローンフォーラムに出展する機体「G4S」は、機体の構造をゼロベースで構造、素材、機構を見直した新型機、ハイブリッド機では、燃料、電力の併用で強い推進力が得られる一方、発電機とモーターを積むため自重が大きくなるため、推進力を生かすには、軽量化の工夫が欠かせない。軽くしたために剛性がおろそかになるわけにもいかず、技術者の知恵と工夫が試される。
AGLは国交省が2月29日に福島県で行った実証実験にも参加し、長時間、長距離飛行性能を測定した。福島ロボットテストフィールド浪江滑走路を離発着場に行われ、敷地と沿岸を飛行した。現在、詳細な計測結果が集計されているが、不具合発生で中断するまでだけでも60㎞を超える距離を実際に飛行したとみられる。確報値では実飛行距離と、残りの燃料から推計した性能がはじき出される予定だ。
第二回京阪奈ドローンフォーラムは、確報値が公表される前のG4Sを間近で確認する機会となる。驚く準備はここでできる。
<イベント概要>
催事名:「SUPER D★EXPERIENCE~第2回京阪奈ドローンフォーラム」
日時:2024年3月12日(火)、10:00~16:00(予定)
会場:咲洲モリーナ(西尾レントオール株式会社R&D国際交流センター内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-12-75
アクセス:「コスモスクエア」下車徒歩5分、「トレードセンター」下車徒歩6分
会場MAP: https://www.nishio-rent.co.jp/sakishima/access/
主催:京阪案ドローンプロジェクト実行委員会(代表企業:マスオグループ本社=奈良県奈良市三条大路1丁目1番93、株式会社奈良自動車学校)
参加費:無料
※詳細は参考資料及び公式サイトをご確認ください。
参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d101951-10-f1c576f0f6d030002fa6df5bd75f525b.pdf
第二回京阪奈ドローンフォーラム(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会)として3月12日に開催する超体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」では、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京)が、会場の咲洲モリーナから、東京オフィスに待機させている米Skydio(スカイディオ社)の 機体を動かす様子を披露する計画だ。約500㎞の遠隔操作は、防災、警備、点検、エンターテインメント、観光など幅広い事業にヒントを与えそうだ。
JIWは鉄塔、橋梁などの点検業務をロボットやドローンなどのテクノロジーで支援する企業で、数多くの実績を重ねている。米AIドローンメーカー、Skydio(スカイディオ)社の機体をいち早く日本に導入したことでも知られる。今回の第二回京阪奈ドローンフォーラムでは、Skydioの機体と、機体の離発着場にもなる多機能格納庫、SkydioDockを東京オフィスに待機させ、会場の咲洲モリーナから操作をする。約500㎞離れた遠隔操作が見ものとなる。
点検や被災地支援、警備などドローンの活躍が期待される現場では、作業員を現場に待機させる必要性の有無が重要な検討項目のひとつになっている。Skydioのトム・モス氏は2020年のDroneTribuneのインタビューに「いつでも点検に、パトロールに、災害調査に出動できるようになったらいいと思っています」と話している。JIWによるパフォ-マンスは、Skydio機の特徴である高度な障害物検知能力とそれをフル活用した被写体への接近などを堪能しつつ、長距離遠隔操作の可能性を実感し、事業や取り組みの可能性を広げる機会となりそうだ。
第二回京阪奈ドローンフォーラム(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会)は超体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」として、東日本大震災が発生した3月11日の翌日、3月12日に大阪・咲洲モリーナ(大阪市住之江区)で行われる。防災意識が高まるこの時期に、イベントには能登半島地震、東日本大震災のいずれの対応にもあたっている株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)のIBIS2(アイビス・ツー)が、飛行シーンを御披露目する。活躍する現場は倒壊の危険のある建屋の中や、原子炉格納容器の中だが、今回は、咲洲モリーナの中で、来場者の目の前で飛行シーンを御披露目する。
リベラウェアは狭い、暗い、汚いなど作業員が入れない狭小空間に入り込んで内部を確認するドローンの開発を重ねてきた。第二回京阪奈ドローンフォーラムに登場するドローン、IBIS2は、20㎝×20㎝で243gの世界最小クラスの産業用ドローンで、ひっくりかえっても跳ね上がって体制を立て直すタートルモードを搭載するなど、狭小空間点検機に求められる性能を極めた機体だ。2023年6月に開催されたJapanDroneでの表彰企画「Japan Drone & AAM Awards 2023」では、ハードウェア部門の最優秀賞を獲得した。
作業員が立ち入れない場所の点検を得意とする特徴は、震災の被災地で活躍している。1月に起きた能登半島地震の被災地では、倒壊の危険がある建物の中に入り込み、取り残されている要救助者の有無を確認し、内部の状況の共有に大きな役割を果たした。
また2011年の東日本大震災で爆発した東京電力福島第一原子力発電所の原子炉格納容器の内部調査にも、IBISが4機使われ、デブリのたまり具合や落下物の有無、2015年に投入しながら途中で動けなくなって残置された機器の確認など、大きな役割を果たした。
第二回京阪奈ドローンフォーラムでは、会場である咲洲モリーナの特徴的な木材を組み合わせた天井部分をどうとらえるかがみもの。来場者はふたつの震災の被災現場で活躍するドローンが真価を発揮する瞬間の目撃者になることができそそうだ。
<イベント概要>
催事名:「SUPER D★EXPERIENCE~第2回京阪奈ドローンフォーラム」
日時:2024年3月12日(火)、10:00~16:00(予定)
会場:咲洲モリーナ(西尾レントオール株式会社R&D国際交流センター内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-12-75
アクセス:「コスモスクエア」下車徒歩5分、「トレードセンター」下車徒歩6分
会場MAP: https://www.nishio-rent.co.jp/sakishima/access/
主催:京阪案ドローンプロジェクト実行委員会(代表企業:マスオグループ本社=奈良県奈良市三条大路1丁目1番93、株式会社奈良自動車学校)
参加費:無料
※詳細は参考資料及び公式サイトをご確認ください。
参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d101951-10-f1c576f0f6d030002fa6df5bd75f525b.pdf