海外勢に押され気味のドローンについて、日本国内の産業基盤を強化する取り組みに政府が本格的に動き始めた。経済産業省は日本国内での安定供給の確保を図るための「取組方針(案)」を策定し、現在パブリックコメントを受け付けている。システムを構成するモータ、フライトコントローラ、バッテリなどについては、「汎用品の転用が困難な中、特定国が大きなシェアを有し、海外では供給途絶の事例も」と警鐘を鳴らしており、強い危機感が伝わる。日本のドローン産業の見直し機運が高まってきた。
経産省の「取組方針(案)」はポータルサイト「e-GOV」の「無人航空機に係る安定供給確保を図るための取組方針(案)についての意見募集について」で確認できる。「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律第8条第1項」(経済安全保障推進法)に基づき、1月30日に公表され、2月28日9時59分まで意見を募集している。取組方針は表紙を含め24ページで、取組の基本方向、取組の施策、取組内容と期間または期限、支援業務と支援業務独立法人基金など7章で構成される。
ドローン(取組方針では「無人航空機」と表現)については「経済安全保障の観点から極めて重要なインフラ」で「安定供給の確保が求められる」と明記。一方、日本のメーカーが製造した完成機体も、バッテリ、モータ及びESC、フライトコントローラ、映像伝送モジュールは「特定国の部品メーカーから調達している例が複数確認」されていて、「他国に供給を依存している状況と考えられる」と分析している。
日本国内では45万台が登録される中、機体生産台数は2023年時点で年間1000台程度との推計値を表示し、「海外も含めて、特定国の部品サプライヤーから調達していて、完成機体、部品のいずれにおいても、国際的に特定少数の供給源に依存」と高い外部依存性を指摘。海外の輸出管理強化により「供給途絶リスクが高まっている状況」と警鐘を鳴らしている。
このため国内で安定供給を確保する必要があり、具体的に国内で生産基盤を整備し、自律性を高める必要性があると言及。従来の政府による支援対象が機体関連の研究開発にとどまることをふまえ、生産基盤整備が十分に進んでいないと断定し、法に基づく支援により他の取組とあわせて一体的に安定供給を図る必要がある、と結論づけている。
ドローンのサプライチェーンについては、複数の機能別構成部品と、それらを構成する汎用素材で成り立つと外観し、主な構成部品や汎用素材を列挙したうえで、途絶リスクの観点から、モータ及びESC、バッテリについては、ドローン特有の仕様が求められ、汎用品の転用が困難であるにも関わらず、「特定国」が大きなシェアを持ち、海外ではすでに供給途絶の事例が発生していると事例を紹介している。また映像伝送モジュール、フライトコントローラも、安定飛行、情報セキュリティ確保の観点からきわめて重要で「技術的に自律性を確保するため、国内で安定的な技術基盤及び供給基盤を確保することが極めて重要」と明示。これらから、バッテリ、モータ及びESC、フライトコントローラ、映像伝送モジュールを「重要な役割を果たし、これらの安定供給を確保することで我が国のサプライチェーン強靭化につながると考えられる」とまとめている。
なお、バッテリ、モータ及びESC、フライトコントローラ、映像伝送モジュールについて、「現在代替品が存在しておらず、多用途からの転用も困難」と指摘。これらの供給が途絶すると、ドローンの製造が停止するなど安定供給に重大な影響を及ぼし得ると危機感を表明している。
さらにドローンの量産基盤構築のうえでは、重要部品の効率的な生産を促す規格化、標準化、安全な利用を担保するための情報セキュリティ確保を進めることも併記。競争力ある機体については、飛行性能は現在高いシェアを持つ機体と同水準の性能を実現するための研究開発を進め、同時に防水・防塵性、閉所飛行などの性能で付加価値を強化することなどで市場での競争優位性を確立することに言及している。効率生産については、機体ごとの開発の非効率性について触れたうえで、「産業全体で重要部品の規格化・標準化を進め、一定の量産規格を確保する」と強調している。さらに情報セキュリティは、情報が窃取された場合の公共安全や秩序維持に生じるおそれのある支障に言及し、「適切な対策を講ずること」を求めている。
「取組方針(案)」は、これらの「特定国」依存体質の改善で、2030年時点で約8万台の基盤を構築することを目標に掲げている。同時にそのための措置を講じなかった場合には、日本の供給能力の喪失、公共安全分野で情報セキュリティリスクのある機体が利用されるおそれがあり、「早急に対応する必要がある」と指摘している。
この認識をベースに、政府は供給確保計画を支援することになる。まず計画の認定要件を定め、ここには条件を満たした機体開発と、バッテリ、モータ及びESC、フライトコントローラ、映像伝送モジュールが対象品目に記されている。支援対象の取組は、生産ライン増強、生産能力強化などとそのための研究開発が柱だ。安定供給確保の目標である、2030年時点での8万台生産基盤構築については、2030年時点で完成機体の生産台数が年間で1万台以上となる体制のための取組であることが明記されている。
このほか取組方針(案)には、期限、実施体制、技術流出防止措置などについて整理している。また制度運用の業務を行う法人としてNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)を選定している。
ドローンは、政府が2022年に成立した経済安全保障推進法の「特定重点物資」に、2025年12月に追加指定した。半導体、蓄電池、重要鉱物などと並び、サプライチェーンの強靭化の柱に位置付けられた形だ。今後、これらの生産を担う産業や、生産した製品を運用する事業者、その事業の成果を享受する幅広い産業、娯楽などの領域が、ドローンのサプライチェーン構築の動きを見守り、発言し、応援することになる。
国内登録45万台という市場規模を抱えながら、完成機の国内生産は年間1000台規模にとどまるという現状は、産業政策の課題にとどまらず、安全保障、災害対応、公共安全維持を含めたインフラとしてのドローンを、他国依存のままでよいかをつきつけている。パブリックコメントの募集は、産業にとって行政手続きを超えて、供給網の構築に参画する意思を示す機会でもあると考えられる。声を上げられる期間は2月28日までだ。

経産省は、能登半島地震の災害支援対応にあたった企業、団体などに感謝状を贈った。贈呈先が明らかにされている207組の中には、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、ブルーイノベーション株式会社、株式会社Liberaware、株式会社エアロネクストなどドローンに関わる企業・団体28組が含まれる。6月17日に行われた式典ではJUIDAの鈴木真二理事長が齋藤健経産相から感謝状を受け取った。
JUIDAが受け取った感謝状には、「貴団体は令和六年能登半島地震への対応において格別な支援を行い復旧復興活動に大きく貢献されました。その支援活動に敬意を表し心から感謝申し上げます」と記されている。
能登半島地震にあたりJUIDAは発災直後の1月1日夕刻から幹部間で調整を開始。被災地上空が原則としてドローンの飛行が禁止される「緊急用務空域」に指定される中、JUIDA の嶋本学参与が被災地入りし、現地自治体にドローンの有効性を説明するなどして飛行要請の発出を掛け合った。輪島市が1月4日に被災地として最初の要請を出したことから、JUIDAがドローン関連各社にも応援を呼びかけ、倒壊家屋内点検、橋梁点検、緊急物資輸送、土砂ダム警戒などにドローンが使われた。ドローンでの対応は復興局面により形をかえているものの、6月に入ってもJUIDAは現地と定期的に情報交換を続けている。
感謝状の対象のドローン関連企業、団体は以下の通り。(順不同)
株式会社Liberaware
ブルーイノベーション株式会社
株式会社ACSL
株式会社ドローンオペレーション
株式会社エアロネクスト
株式会社NEXT DELIVERY
川崎重工業株式会社
イームズロボティクス株式会社
日本DMC株式会社
株式会社やさか創研
株式会社スペースエンターテインメントラボラトリー
エアロセンス株式会社
合同会社SKYTRYING
日本システムバンク株式会社
五光物流株式会社
佐川急便株式会社
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
株式会社ウェザーニューズ
双葉電子工業株式会社
ANAホールディングス株式会社
伊藤忠商事株式会社
日本航空株式会社
KDDIスマートドローン株式会社
埼玉ドローンサービス株式会社
株式会社チェンジ
一般財団法人日本気象協会
Drone Quest(株式会社Phoegend)
なお能登半島地震の災害対応として現地で支援にあたったドローン関連事業者、運航者が上記のほかにも複数存在することをDroneTribuneは把握している。上記の表彰された企業、団体とかわらぬ敬意を表したい。



国土交通省は3月2日、港湾施設をドローンで点検する業務を想定した実証を川崎港の関東地方整備局首都圏臨海防災センター(川崎市・東扇島)で行った。行政用途向けドローンの標準的性能を規定化する取り組みの一環で、災害時の臨時点検で想定される自動飛行に向けたドローンポートの有効性の検証や、施設の経年劣化を発見するのための接近撮影の検証などを実施した。実証には国内の複数の事業者が技術を持ち寄り、国交省、内閣官房、経済産業省が参加、視察した。国交省の髙田昌行技術総括審議官は「業務効率化のため検討会も立ち上げており、取り組みを加速して参ります」とあいさつした。今後も物資輸送の取り組みなどを実施する計画で、政府が主導するドローンの実証にはずみがつきそうだ。
この日の実証は、防波堤や消波工など港湾施設の点検に役立つドローンや関連技術の性能を確認することを目的に行われた。点検は、災害発生直後などに設備の損傷や異常の有無を確認する臨時点検と、補修が必要な経年劣化の有無を確認する日常点検のそれぞれを想定した。
臨時点検では、自動飛行を支えるドローンポートの有効性確認を中心に実証が行われた。実証では、会場となった臨海防災センター庁舎のテラスに設置されたドローンポートから、ドローンが自動で離陸。2㎞離れた防波堤まで予め設定されたコースを目視外で飛行し、所定の現場を撮影して自動で帰還した。設置されたドローンポートは風況を判断し、運航管理システムを機能させてドローンの飛行を支援し、ドローンが帰還したさいにはポートを機体が認識して、目標地点のほぼ中央に、オペレータが操作することなく自動で着陸した。
ドローンは地面から30メートルの高さを、毎秒1メートルの速度で飛び、異常の有無の判定に必要な映像を取得した。自然災害発生時には、防波堤に1メートル以上の沈下がないかどうか、消波ブロックの想定を超えた移動がないかどうかなどを確認する必要がある。このため今後、撮影する高さや機体の飛行速度を変えて、判定に必要な情報の取得に適した機体性能や運用方法を探る。
また施設の経年劣化を見つける日常点検を想定し、幅3mmのひび割れを検知するための撮影飛行も実施した。国交省は画像データから劣化をAI診断するシステムを開発中で、システムが判定するのに適切なデータを取得に適した性能、運用方法を確認することが中心的なテーマとなった。対象となる防波堤などの構造物に、どの程度接近して撮影すればよいか、どの程度速度を落とす必要があるか、などが検証のポイントで、実証では飛行速度について、静止、1m/秒、3m/秒の3通り、また、点検する対象物からの離隔距離もいくつか変えながら、手動飛行で適切なデータを取るために必要な性能などの検証を進めた。
さらに港湾施設での点検を想定し、海で起こりがちな強風、まき風、海面反射などの環境下で、ドローンポートが離発着を支援しうるかどうかについてを確認するため、護岸の先端にドローンポートを設置し、ドローンが自動着陸できるかどうかも確認した。実証では自動飛行したドローンが、ポート上空にたどりつくと、小刻みに位置を整えながら、ほぼポートの中央に着陸した。
この日は国内3つの民間事業者が機体やドローンポートなどの技術を持ち寄った。参加者は設置されてドローポートやドローンの動き、ドローンから送られてくるデータなどを見ながら、担当者に質問したり確認したりしていた。
国交省総合政策局技術政策課の斎藤輝彦技術基準企画調整室長は「今回の実証で使われた機体は、構造物に接近する撮影をこなし、耐風性能もあり、ユーザーとして安心して飛ばせるのではないかと感じました。手動で点検したケースについて、今後の検証では自動飛行で対応できるかどうかの検証も進めて参ります。実証を通じて(国内の技術は)リアルな点検現場での利活用に生かせるのではないかと思います。今後は物資輸送などについても実証をして参ります。こうした取り組みを通じて、我々が使う場合にどんなドローンが適切かを見定め、将来的には、国交省が活用するドローンの性能標準の規定化を行っていきたいと思っています」と国内技術への期待を示しながら総括した。
国交省のドローン実証は2月24、25日に行われた講習会に続き2回目で、3月中に物資輸送も含めたさらに4回の現場実証を計画している。
















国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は4月13日、情報漏洩や乗っ取りなどへの対策が講じられたドローンの技術基盤開発を目的とした委託事業、助成事業として開発している高セキュリティドローンの試作機を公表した。暗号化、相互認証などを施したうえ、セキュリティの性能は国際規格ISO15408に基づいて分析し評価する。ここまでの開発期間は実質8か月で、今秋に完成予定。2021年度中の市場投入を見込む。当面は、高い安全性を背景に、政府の調達に対応できる準備を整え、各省の入札への参加を目指す。

試作機はNEDOが2020、21年度で進めている「安全安心なドローン基盤技術開発事業」として進めている技術開発の一環だ。株式会社自律制御システム研究所(ACSL、東京)、ヤマハ発動機株式会社(静岡県)、株式会社NTTドコモ(東京)、株式会社ザクティ(大阪市)、株式会社先端力学シミュレーション研究所(ASTOM R&D、東京)の民間企業5社がコンソーシアムを組んでNEDOから委託、助成を受けた。
コンソーシアムリーダーを務めるACSL社長の鷲谷聡之氏は説明会で、試作機のセキュリティについて、ドローン、GCS、クラウドシステムとその間の通信にまたがる「一気通貫のセキュリティ」と説明。具体的には「すべてを明らかにするとセキュリティにならないので」と細部の言及を避けながら、「ドローン本体で撮った画像データや、それが送られる先となるコントローラー、GCS、クラウド、その間の通信でしっかりと暗号化なり相互認証なりを実施します。飛行データについても暗号化などをする概念で対応しています」と述べた。
セキュリティ性能の高さについては、通信機器のセキュリティ機能要件を定めた国際規格ISO15408に基づいて分析する手法を採用すると表明。これにより「事業の名称通り、安全安心を確保することにつながります」(鷲谷氏)と述べた。

試作機はNEDOの「安心安全」事業の「標準機」で、納品先が用途に応じて機能を追加したりアタッチメントを取り付けたりするカスタマイズが想定されている。そのため、開発は拡張性や使い勝手の高さなどを重視した。仕様も、老朽インフラ点検、自然災害災害対応、農業など公共部門で、情報漏洩の不安を抱えずに使える条件での使用に耐えることを念頭に置いて開発されいるため、政府調達を想定している。
具体的には、試作機は点検や災害の被災状況把握に使い勝手のよい小型空撮機で、製品化想定仕様としての重さは1.7㎏、飛行時間は30分、防塵・防水性能はIP43。カメラは4K動画の撮影が可能なスタンダードカメラのほか、人命救助などでの活用が期待される可視+IRコンボカメラや、植物の生育状況の把握に活用が期待されるマルチスペクトルカメラへの切り替えがワンタッチで可能な機構を備える。プロポ、GCSも使いやすさを追求し、ユーザーとなり得る省庁などのフィードバックを受けて開発を進めており、今後も直感性の高い仕様を目指す。
そのほかASTOM R&Dが開発した機体専用の静音プロペラや、Bluetooth5.0採用のリモートID、高密度バッテリー、3方向の障害物検知なども備える。ドコモとACSLがタッグを組んで開発した独自フライトコントローラーは、APIを公開、仕様部品のインターフェイスも公開することにしており、カスタマイズが可能だ。
事業はNEDOによる委託、助成事業。委託事業として開発した知的財産は国に帰属、助成事業は実施者に帰属する。期間は2020、2021年度で、予算は16億800万円。ただし、実際に開発に着手したのは2020年5月で、説明会開催の2021年4月13日まで、実質8か月でここまでの開発を進めた。
ここまでの開発状況の評価について、企画を立案した経済産業省製造産業局産業機械課次世代空モビリティ政策室長の川上悟史氏は、「昨年5月から1年も経ずない期間の間に、ACSLの鷲谷さんが文字通り奔走し、短間で、品質も申し分ないものが出てきたという感想です」と評価した。それを受けたコンソーシアムリーダーの鷲谷氏も「まだ開発途中ですが、ここまでは100点満点で120点だと思っています。緊急事態宣言中の5月に事業を開始し、全国各地にある5社がリモートワークを駆使して、実際のモノづくりを行ってきました。そのうえで難易度の高いお題をクリアしてきたと思っています。一方で、開発はまだ途中です。事業終了後の品質に持っていくこと、量産体制にもっていくことにはまだ高い壁が残っていると思っています」と自己評価をしたうえで手綱を引き締めた。
NEDOロボット・AI部統括主幹、金谷明倫氏は「NEDOにはもうひとつのドローン事業であるDRESSプロジェクト(「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」)があり、これと組み合わせることでシナジーが得られると考えています」と手ごたえを表明した。

公開された試作機が標準機として完成したあとは、市場に投入されることになる。NEDOの金谷統括主幹は「事業終了後に速やかに商品化を進めて頂き、2021年度中の市場投入を着実に実現して頂きたい」と市場投入を注文。「事業終了後に公開されるフライトコントローラーのAPI、部品のインターフェイスを活用頂くことで付加価値が高まる。高機能バッテリー、モーターによるカスタマイズや、このドローンが取得したデータを活用頂けることで、ビジネスのエコシステムが醸成されることを期待しています」と事業を拡大させる効果に期待した。
経産省の川上室長は「ACSL以外のドローンメーカーも、公開されたAPIを活用してドローンを開発して頂けることが、国のプロジェクトとして実施する意味だと思っています。機体も普及させ、技術も普及させたい」と述べた。
ドローンによる設備点検高度化を目指す電力会社のコンソーシアム、グリッドスカイウェイ有限責任事業組合の神本斉士チーフエグエクティブオフィサーは「電力設備の高経年化、自然災害対策に取り組んでいるが、全国に43万期ある電力設備の点検の生産性を高めるには、複数の鉄塔を、一緒に、一度に、一気に見ることができないといけない。多種多様な形状があるので可能な限り近寄りたい。今回の機体はいろんな機能がついているので楽しみに思った次第です」と期待を表明した。
開発した5社は、事業終了後、政府調達に向けては年後半にもはじまる調達むけの入札に参加することを目指す。また、民間市場への販売にも力を入れる。コンソーシアム内での収益配分などは今後調整する。コンソーシアムリーダーの鷲谷氏は、「ACSLの立場としては、他のコンソーシアム参画企業と調整できれば、この機体をACSLブランドで発売したいと考えています。政府調達だけで投資回収ができるかといえばNO。ほかの民間企業、海外も含め、たとえばシンガポールやインドなど東南アジアを中心に積極的に販売したい」と表明した。
また、普及に必要な条件や要素について、経産省の川上室長は「価格」を指摘。「国が作ったものだから高いのではないかと見られていると聞いています。その予測を裏切りたいと思っています。政府機関だけでなく、民間にも多く使って頂きたい。機体も技術も普及することを通じ、ドローン市場の拡大につながることを期待しています」と述べた。
ACSLの鷲谷氏は、川上氏の「価格」という回答を受けて「台数が多く売れるほど部品などの調達コストの低減が図れるので、しっかりと製品の優位性を伝え、日本にも海外にも発信していきたいと考えています」と決意を表明した。






一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、設立6周年を記念して企画した「JUIDA創立6周年記念ウェビナー」をインターネットで公開中だ。内閣府、経済産業省、国土交通省、農林水産省、総務省のドローン関係部局の代表者がそれぞれの取り組みを紹介していて、レベル4実現への展望を概観できる。JUIDAの最近の取り組みや、9月に発表した石油化学プラントのドローン点検に関する新資格などの説明も行われている。
「JUIDA創立6周年記念ウェビナー」は、新型コロナウイルスの流行に伴い、JUIDAが毎年開催している周年セミナーのかわりに企画した。ドローンにかかわる行政機関がのきなみ登壇しており、それぞれの現在の取り組みを概観することができる。
登壇した内閣官房小型無人機等対策推進室の長崎敏志内閣参事官は、レベル4を目指すうえでの課題のひとつに環境整備と技術開発の連携をあげた。制度整備では、所有者情報の把握、機体の安全性確保、操縦者の技能、運航管理の4点が重要と位置づけ、すでに法案が成立している所有者情報把握については法の律施行に向けた準備を進め、「残る3点については2021年度までに制度化を果たしていく」と述べている。またドローンの新たなユースケースと社会実装の論点には、物流、災害対応、医療、警備の4点を列挙し、それぞれの考え方について言及している。
また総務省総合通信基盤局の翁長久(おなが・ひさし)移動通信課長は、LTEの上空利用申請処理機関の短縮について、「2か月かかっている審査期間を短くすることについて制度化を進めている。今年中に制度設計し、簡便な手続きでドローンへの搭載ができるようにしたい。たとえばキャリアに申請することにより1週間程度で認めるなどを考えたい」と話している。
そのほか、セキュリティ強化の取り組みや、登録制度の1年半後の開始計画、農業利用のうち散布などでの利用手続きの簡素化への取り組みなどが披露されている。
JUIDAの鈴木真二理事長、ブルーイノベーション株式会社の熊田貴之社長が石油化学プラントのドローンによる点検を可能にする新資格を説明。ジャパンドローン運営事務局の管埜寛之ゼネラルプロデューサーが「Japan Drone 2020」(9月29、30日に開催)の開催概要を説明した。開催概要は、このセミナーが「Japan Drone 2020」開催前日に公開されたことから催事の予告もかねているが、当時の開催に向けた思いや準備を知ることができる。
JUIDAの熊田知之事務局長は最後のあいさつの中で、JUIDAの取り組みを概観している。熊田事務局長はこの中で、株式会社アフロとの連携、プラント点検新資格創設、ドロミングラボの本格スタート、技術論文集『テックニカルジャーナル』の発刊、海外との連携や21か国30機関とのMOU(覚書)締結などに触れており、網羅している範囲の広さがうかがえる。
ウェビナーの視聴はここから申し込める。
視聴は無料で、動画の公開は10月23日、午後5時に終了する。視聴の申し込みは10月20日、午後5時まで受け付ける。申し込み後、2営業日以内に事務局がウェビナー情報をメールで送付する段取りとなっている。メールが届かない場合には事務局で問い合わせを受け付ける。
事務局が公開している式次第は以下の通り。
◇◇◇JUIDA創立6周年記念ウェビナー◇◇◇ [1]主催者挨拶 JUIDA理事長 鈴木 真二 『空の産業革命に向けた取組発表』 [2]空の産業革命に向けたロードマップの改定について ~我が国の社会的課題の解決に貢献するドローンの実現~ ◇内閣官房 小型無人機等対策推進室 内閣参事官 長崎 敏志 様 [3]空の産業革命に向けた総務省の取組について ◇総務省 総合通信基盤局 移動通信課長 翁長 久 様 [4]ドローンの利活用促進に向けた経済産業省の取組について ◇経済産業省 製造産業局 産業機械課 次世代空モビリティ政策室長 川上 悟史 様 [5]無人航空機に係る航空法の概要と環境整備に向けた取組 ◇国土交通省 航空局 官房参事官(航空安全) 成澤 浩一 様 [6]農業分野におけるドローンの活用状況について ◇農林水産省 生産局 技術普及課長 今野 聡 様 [7]「プラント点検上級操縦技能証明証の創設」 ◇ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之 様 ◇JUIDA理事長/福島ロボットテストフィールド所長 鈴木 真二 [8]JUIDA主催「Japan Drone 2020」最新情報 ◇Japan Drone 運営事務局 ゼネラルプロデューサー 管埜 寛之 様 [8]閉会挨拶 ◇JUIDA理事・事務局長 熊田 知之

経済産業省は7月20日、eスポーツ競技の国際ルール策定について、主要国の動向調査を行うと発表した。ルール形成に向けた全体戦略策定に取り組む。

海外eスポーツ大会では、ゲームのリリース主であるパブリッシャー企業が、独自にルールを構築しており、国際的な統一基準は形成されていない。経済産業省は3点について調査をし、eスポーツ競技大会の国際ルール形成を実行する上での全体戦略策定に取り組む。
調査をするのは、
の3点。
経産省は今年(2020年)3月、「日本の e スポーツの発展に向けて~産業の成長、社会への貢献の観点から~」(受託者:一般社団法人日本eスポーツ連合)を公表している。
その中で、「日本のeスポーツビジネス成長のための方向性」として、「ゲームの魅力向上」、「イベントの魅力向上」、「選手の経済的地位向上」、「チーム/選手によるファン獲得/コア化」、「法制度/ルール対応のハードル引下げ」の5点を指摘。「法制度/ルール対応のハードル引下げ」について、「Eスポーツ関連施設運営/イベント開催/メディア放映に際するパブリッシャーの保有IRに関わるルール・ガイドラインの普及と手続きの明瞭化」と「施設運営/イベント開催に際する風営法・賭博法等の対応手続きのスキーム化」に整理するなど、ルール整備が成長に重要であることを指摘していた。
