DJIは3月2日午後11時、FPVドローン「DJI FPV」を正式に発表した。約795gの機体のほか、ゴーグル、プロポなど飛ばすための一式がセットになった。レース機の機敏な飛行性能と撮影機の高品質な映像撮影を可能にしていることが特徴。飛行はノーマル、マニュアル、スポーツと熟練度などに応じた3種類があり使い分けができる。最高速度は時速140㎞で、緊急ブレーキとホバリングの機能を備える。プロポで操作するほかに、手の動きで直感的に操作するモーションコントローラーも別売りで用意された。最大飛行時間は20分。日本国内での伝送距離は6㎞で遅延時間は28 ms以下。「DJI Flyアプリ」には、操作法を解説するチュートリアルも盛り込んだ。価格は基本セットの「DJI FPV コンボ」が税込み154,000円。インテリジェントフライトバッテリー、専用の充電ハブのセット「DJI FPV Fly Moreキット」が税込み33,000円、オプションのモーションコントローラーは別売で税込み17,600円だ。桜の季節を前に、FPVへの関心を高めるプロダクトが登場した。
「DJI FPV」の主な特徴は
・機体、ゴーグルなどがフルセットで組み立て不要
・熟練度や用途に応じて3つの飛行モード
・最高速度は時速140㎞、0→100㎞/hまで2秒
・ホバリング、緊急ブレーキあり
・最大飛行時間約20分
・モーションコントローラーに対応。ただし別売り
・日本では伝送距離6㎞、レイテンシー28ms
・センサーは1/2.3インチCMOS
・142°のFOVで60fps、150°FOVで50 fps
・無料のシミュレーターアプリ
などだ。同社の専用サイトに詳細が掲載されている。
DJIは3月2日の夜に発表。翌日、日本語のプレスリリースを公表した。リリースは以下の通りだ。

民生用ドローンと創造性あふれるカメラ技術で世界をリードするDJIは、これまでにない直感的かつ没入感あふれる飛行体験を実現するフルセット版FPVドローンDJI FPVを発表しました。DJI FPVは、レース用FPVドローンの高速飛行性能、従来型ドローンのシネマティックな映像撮影を実現するカメラ性能、DJIの一般向けドローンが持つ安全機能と伝送技術の全てを兼ね備えています。また、オプションとして、片手の動きだけでドローンを制御できる画期的なモーションコントローラーにも対応しています。DJI FPVは、新しいドローンカテゴリーを生み出し、初心者からプロに至るあらゆるドローンファン、コンテンツクリエイターに対して、新たな可能性を提示します。
「2006年の創業以来、DJIはドローンの可能性の限界に挑戦し続けてきました。創業15周年となる今年、DJI FPVの発売を以てドローン飛行をさらに再定義し、これまでの15年間のイノベーションに敬意を表したいと思います。DJI FPVは他社製のFPVドローンとは違い、開梱後の組み立ては必要ありません。すぐに使用することができ、FPVドローンと従来型カメラドローンの最高レベルの技術を持ち併せています。レース用ドローンのように飛行でき、さらに従来型ドローンのようにホバリングでき、カスタム仕様のドローンのように加速、他のドローンよりも素早く停止します。このDJI FPVは初心者には取り扱いの難しかったFPVドローンのハードルを下げ、また、最初からシステムが構築されているので、何時間もかけシステムをゼロから組み立てる必要もありません。没入感あふれるドローン飛行の中でも、最高級のスリルを誰でも味わうことができます。世界中の皆さんが、このDJI FPVを楽しんでいただけることを心待ちにしています。」と、DJI Europe クリエイティブ・ディレクター、Ferdinand Wolfは述べています。
DJI FPVには、ドローン、ゴーグル、専用送信機に加え、オプションとして、手の動きに基づきドローンを直感的に操作できる全く新しいモーションコントローラーが含まれます。ドローンには高速飛行を可能にする高性能モーターを搭載。また、直感的に使えるUIと最新の安全機能により、優れた操作感を実現しています。FPVシステムは、DJI独自のO3伝送技術(旧名OcuSync伝送技術の3世代目)により、低遅延かつ高解像度でドローン映像を伝送します。他に類を見ない高い信頼性と優れた伝送技術に加え、RockSteady電子式映像ブレ補正技術により、非常に滑らかで安定した4K動画を60fpsで撮影することができます。
3種類のフライトモードは、どんなスキルレベルのパイロットでも操作できるよう設計され、FPVシステムにすぐに慣れることができ、アマチュアでもプロでも、安心して飛行することができます。初心者がより安心かつ安全に飛行することができる緊急ブレーキ&ホバリング機能を新たに搭載し、空域制限や潜在性のある危険をパイロットに知らせるGPSベースのジオフェンスシステム、また、付近を有人航空機が飛行する場合にパイロットに警告するDJIのAirSence ADS-Bレシーバーシステムなど、DJI FPVにはDJIの安全機能が多数搭載されています。多くの国・地域では、FPVゴーグルを装着しながらドローンを飛行させる場合、補助者を設け、空域や周辺に危険がないか監視してもらう必要があります。(日本国内において屋外でゴーグルを使用しての飛行は目視外飛行になり、国土交通省航空局からの飛行の許可・承認を取得する必要があります。) 常に安全に注意しながら、責任を持って飛行し、飛行に関する現地の法律及び規制を遵守してください。

DJI FPVは、初心者からプロに至るまで、誰でも自分のスキルレベルに合ったフライトモードを選択することができる、DJI史上初の統合型FPVドローンです。
▶ノーマル (N)モード:Nモード中、DJI FPVは、GPSやドローン底部のビジョンポジショニング システム (VPS)を使用してその場でホバリングするなど、他のDJIドローンと同様の動作をします。最も使いやすいモードで、フロント部にある障害物検知センサーで近くにある障害物を検知すると、機体は減速します。ただし、パイロットは検知された障害物をドローンが回避するよう操作する必要があります。
▶マニュアル (M)モード:経験豊富なユーザー向けに設計されたMモードでは、自由度の高い操作が可能です。Mモード中は、全てのセンサーとホバリング機能が無効になります。
▶スポーツ (S)モード:ハイブリッドモードであるSモードは、Mモードのダイナミックな動作性とNモードの主要な安全機能という両方のモードの特性を併せ持ちます。Sモードは、3種類のモードの中で中間に位置し、FPV飛行に慣れてきたパイロットが、自分のスキルをより探求できるように設計されたモードです。
飛行中、パイロットは様々な安全機能を使用できるため、思い出に残るようなスリル満点の飛行体験ができると同時に、飛行安全性も確保できます。緊急ブレーキ&ホバリング機能は、どのフライトモードでも利用でき、飛行中いつでもドローンを停止させ、その場でホバリングすることができます。
障害物検知センサーはNモード使用中に有効で、障害物が検知されるとパイロットに警告し、自動的に機体を減速させます。ビジョンポジショニングシステム (VPS)や機体底部の補助ライトを利用でき、スムーズな離着陸が可能です。もう一つの重要な機能であるRTH(Return-to-Home)機能は、ボタンを一度押すだけで、自動でドローンをホームポイントまで帰還させます。また、伝送信号が消失した場合にもRTHが発動します。さらに、ADS-Bレシーバーシステムは、ADS-Bトランスミッターを搭載した航空機やヘリコプターなどの有人飛行機が近くを飛行している場合にパイロットに通知します。

DJI FPVは、最先端のHD伝送技術を使って、今までにない世界を私達に見せてくれます。DJI FPV Goggles V2を装着中、パイロットはDJI FPVからの鮮明な映像を長距離からでも低遅延で見ることができます。最先端のレース用モーターを使用しているため、飛行中に高速アクションが可能で、O3伝送システムは素晴らしい信頼性を確保します。新たに開発されたこのモーターは最大飛行速度が140 km/h、停止した状態から100 km/hまで加速するのにたった2秒。心揺さぶられるレース飛行体験が可能です。さらに進化した伝送技術O3伝送システムは、伝送距離10 km(日本向けの最大伝送距離は6km=<注1>)、デュアル周波数自動切替(日本国内は2.4 GHz帯のみ対応)、50 Mbpsの高ビットレート、最先端の耐干渉機能に対応し、信頼性の高いフィードを伝送します。2019年に発表したDJIのHD伝送システムは、世界初の低遅延のHDデジタル動画伝送を市場にもたらしました。DJI FPVシステムも同じ技術を使用し、低遅延で鮮明な映像をゴーグルに伝送します。パイロットは以下の表示オプションから選択することができます:
▶高品質モード:142°のFOVで60fps、または150°FOVで50 fpsの1440×810p動画を表示します。このモードでは、遅延は40 ms以下です。
▶低遅延モード:高フレームレートのシネマティックな映像を楽しみつつ、遅延時間は28 ms以下です。142°FOVで120 fps、または150°FOVで100 fpsの1440×810pの動画を表示します。
▶オーディエンスモード:パイロットの見ている映像を、最大8台まで接続しているゴーグルと共有できるため、周囲のオーディエンスも一緒にスリリングな飛行を体験できます。
優れた飛行性能と、息を呑むほど美しい撮影映像 DJI FPVは、飛行性能に優れているだけではなく、今すぐ共有したくなるような映画のようなダイナミックな映像を撮影することができます。120 Mbpsでの4K/60fps動画撮影に対応しているカメラが1軸ジンバルに搭載されているため、複雑な動きをしているときでも安定性を維持しつつ、垂直にカメラを回転させ、ユニークな角度で撮影することもできます。また、RockSteady映像ブレ補正により、滑らかな映像を撮影し、動きの速いシーンを撮影するときでも歪みを低減します。高度な歪み補正ソフトウェアによりFPV映像でありがちな歪みを補正し、魚眼レンズ撮影のような外観になるのを防ぎます。また、パイロットは1080p/120 fpsの4倍スローモーション動画を撮影することができるため、印象的な瞬間を細部まで 鮮明に再現できます。さらに、撮影した映像はH.265またはH.264フォーマットで保存できるため、メモリーカードの容量を節約できると同時に、圧縮しても高画質のまま保存することができます。
<注1: DJI FPVの最大伝送距離は10 kmで、これは障害物や電波干渉がなく、FCC準拠の場合の値です。MIC(日本)での最大伝送距離は6 kmです。最大飛行距離の仕様は、無線の接続強度とレジリエンス(復元力)を踏まえた概測になります。必ず現地の法律および規制に従い、許可がない限り、目視範囲内でドローンとその周囲を常時監視して飛行させてください。>

インタラクティブかつ実用的なサポートツールが豊富に揃っているため、パイロットは自信を持って飛行を開始できます。DJI FPVで使用する最新版のDJI Flyアプリには、DJI FPVの操作方法について詳しく解説してくれるチュートリアルが含まれています。新たに開発されたDJI Virtual Flightアプリは、無料で利用できるシミュレーターアプリ2で、初心者パイロットでも楽しく簡単に、安全な環境で、ドローン飛行の動きに慣れることができます。シミュレーターでは専用コントローラーを使用し、様々な設定でDJI FPVドローンを飛行させることができます。
DJI Care Refresh DJI Care Refreshは包括的な保証プランで、DJI FPVにもご利用いただけます。少額の追加料金で、ご使用中の衝突や水没、経年劣化を含む故障が発生した際、DJI Care Refresh(1年版)は1年間に最大2回まで、(2年版)は2年間に最大3回までの製品交換サービスを受けることができます。その他専用テクニカルサポート、無料の往復配送料などのサービス特典も含まれ、2年版のプランにおいては、通常1年間のメーカー保証を2年間まで延長するサービスも適用されます。尚、飛行紛失保証の特典はこの製品では利用できません。詳細はhttps://www.dji.com/service/djicare-refreshでご確認ください。

DJI FPVは、DJI公式オンラインストアstore.dji.comやDJI認定ストア、DJI正規販売代理店等、およびAmazonにて販売中です。FPVドローン、送信機 2、FPV Goggles V2、ケーブル全てとバッテリー1個が含まれるDJI FPV コンボが154,000円(税込)です。また、追加のインテリジェントフライトバッテリーと専用の充電ハブが同梱されたDJI FPV Fly Moreキットは33,000円(税込)で販売します。オプションのモーションコントローラーは別売で、17,600円(税込)です。











モータ、フライトコントローラ、バッテリなどで強い危機感 政府、国内のドローン供給網強化へ パブコメ募集中
SkyDrive、東京で初のデモフライト 飛行中のヘリと音量差が歴然
新会社「GMO Preferred Security」設立発表 イエラエとPreferredが合弁、国産AI環境構築
NTT東のドローン、eスポーツ学校など多彩な事業紹介 「地域ミライ共創フォーラム2026」
「JUIDA新年の集い」東京會舘で開催 総選挙公示日と重なり政治家の姿なし
SkyDrive福澤代表、特派員協会の会見でコンパクトの優位性アピール 日本製へのこだわりも説明
エアロジーラボのG4-S、往復72㎞を無給油で飛行 九州整備局が南海トラフ対策の実験
ブルーがドーム屋根の漏水箇所特定にドローン活用 ELIOS3が内装側を飛行、外装はMatrice 3TD
音楽とドローンの2026年への期待 2025年には「RED LINE」や「ジ・エンプティ」話題
GMOインターネットグループは3月5日、サイバーセキュリティの分野で活躍する第一人者が登壇するカンファレンス「第3回GMO大会議・春・サイバーセキュリティ2026」を東京・渋谷で開催し、この中でAI半導体開発、生成AI開発の株式会社Preferred Networks(PFN、東京)とGMOインターネットグループ株式会社、GMOサイバーセキュリティbyイエラエ株式会社(東京)と合弁会社「GMO Preferred Security株式会社」を設立することに合意したと発表した。設立は3月27日。セキュリティが担保された国産AI開発環境を構築する。近くプレスリリースを公開する。
セキュリティの確保はドローンでも必要性が高まっている。ドローンは災害対応、点検など日本でも重要なインフラになりつつある一方、重要な技術や素材を海外からの供給に頼ることが多く、海外からの供給途絶や情報漏洩などさまざまなリスクに対応する必要が生じている。このため、国内での生産基盤構築が急務で、2025年12月には政府が経済安全保障推進法に基づき「ドローン(無人航空機)」を特定重要物資に追加指定した。ドローンの国産化、安定供給を強化するため、研究開発や設備投資費用を最大50%助成し、2030年に8万台の生産体制整備を目指す方針だ。
ドローン開発の国内化強化には、国産半導体、国産AIなどの開発が不可欠といわれ、このためサイバーセキュリティが担保された開発環境の必要性が高まっている。
合弁会社GMO Preferred Securityは、PFNのAI半導体開発力、生成AI開発力とGMOイエラエの脆弱性診断、セキュリティ評価技術に加え、GMOグローバルサインなどGMOグループ各社が持つインフラ基盤や電子認証技術を集め、ハードウェアからソフトウェアまで一貫したセキュリティが担保された国産AI環境を構築し、提供することを目指す。これにより海外技術に依存しない国産AI環境の信頼性向上を図る。
新しい合弁会社GMO Preferred Security設立の合意は3月2日で、3月27日に発足する。代表取締役には、GMOインターネットグループの専務執行役員で、GMO AI & ロボティクス商事株式会社の代表取締役社長である内田朋宏氏が就任する。3月5日の「第3回GMO大会議」では、代表に就任する内田氏が登壇し合弁会社の設立を発表したうえ、PFNの岡野原大輔代表取締役も登壇し、抱負を述べた。
合弁会社設立にあたっては、PFNが49%出資し、GMOイエラエとGMOインターネットが25.5%ずつ出資する。
GMOインターネットグループの熊谷正寿グループ代表は「日本が世界と戦っていくためには海外技術に依存しない信頼できる『日の丸AI』環境の確立が不可欠です。今回、反半導体からソフトまで一貫した安全が担保された国産AI環境を提供できることを大変うれしく思うとともに強い使命感を感じています。本定型は日本の経済安全保障を支えお客様に『笑顔』と『感動』を届ける最強の武器となります」とコメントしている。





NTT東日本グループは、多彩な取り組みを紹介する年次イベント「NTT東日本グループ地域ミライ共創フォーラム2026」をNTT中央研修センター(調布市<東京都>)で開催した。会場にはグループ各社のイノベーション人材が地域で課題解決や利便性向上に取り組むプロジェクトの展示ブースが設置され、担当者が来場者に直接、説明した。展示内容はドローンパイロット育成、e-Sports教育、ベニザケなどの陸上養殖、夏秋イチゴ、ボリュメトリックビデオシステムの新たな価値創出など多岐にわたり、各ブースでは来場者が実演に見入ったり、説明に聞き入ったりする姿がみられた。
設定されたテーマは「地域の未来を切り拓くソーシャルイノベーション人材」で、NTT東日本グループの多様な取り組みとともに、それを率いる人材やNTT東日本グループとしての人材育成にもスポットライトをあてた。
「ドローンパイロット育成×ICT活用を通じたDX人材の育成」のブースにはドローンの実機が置かれ、パイロット育成方針などがパネルで展示されていた。担当者は同社グループで500人規模のドローンパイロット育成する方針を持っていることや、競技会の開催などを通じた育成スキームなども紹介していた。NTT東日本グループは、グループにドローンの開発製造、運用受託、スクール事業などを担う株式会社NTT e-Drone Technology(朝霞市<埼玉県>)がある(4社による設立)などドローンの活用に積極的だ。
「NTT e-Sports高等学院・フリースクール開校」のブースでは、eスポーツに関心のある高校生に教育の場を提供するNTT e-Sports高等学院が、eスポーツのスキルアップのため、1人1台のゲーミングPCを備えるほか、教室が照明の切り替えで競技場になるなどの打ち込める環境をアピール。同時にゲーム制作や動画編集などのデジタルスキル、インターンシップ、業界研究などのキャリア教育ものカリキュラムを融合して提供する取り組みをパネル展示した。不登校問題の解決、協調性、戦略的思考を育み社会との接点を意識した教育方針も伝えている。2025年12月には中等部を設置。2026年6月には全国オンラインコースも開設する方針だ。このプロジェクトには元eスポーツプロ選手も関わっている。
「スマートシティ長井2.0の実現に向けたデジタルツイン活用」では、長井市(山形県)に非常勤職員として派遣されたNTT東日本ビジネス開発本部営業戦略推進部の小倉圭氏が、RFIDでバスの乗降データを取得しバス停や時刻表ダイヤを改善するなど行政のDX化で課題解決と利便性に取り組んでいる事例が紹介された。有害鳥獣対策にもデジタル機器を活用している。
「陸上養殖で切り拓く未来の水産業」では、NTTアグリテクノロジーの越智鉄美さんが、都農(つの)町(宮崎県)で取り組む陸上養殖事業を紹介した。海や河川ではなく陸上の閉鎖循環システムでICT技術の活用で塩分濃度や水温などの条件を魚種ごとに調整し最適な環境を提供する取り組みを進めている。養殖しているのはベニザケや高級魚とされるタマカイなどで、ベニザケは一般の2倍、タマカイは3倍の速さで成長すると報告した。ふるさと納税の返礼品にも「つのタマカイ(鍋用・ぶつ切り)2~3人前」などのラインナップがある。
ボリュメトリックビデオシステムの新たな活用シーン創出に向けた技術検証としてダンスパフォーマンスをリアリタイムで、自由な視点で鑑賞できる体験を公開した。NTT東日本は地域ミライ共創フォーラムの開催当日にキヤノン株式会社と「All-Photonics Connect powered by IOWNを活用したボリュメトリックビデオシステムの新たな活用シーンの創出に向けた協業」を発表していて、この日はキヤノンの川崎市(神奈川県)にあるスタジオとフォーラム会場とを遠隔接続した。ダンサーは川崎のスタジオでパフォーマンスをし、フォーラム会場で自由な視点で鑑賞することで価値創出の可能性を確認した。
このほか、本田技研工業製の一人乗りの次世代モビリティ「UNI―ONE」にARグラスを装着して乗車することで、グラスのナビゲーションで周囲を移動できる体験をデモンストレーションし、西松建設株式会社(東京)とは同社の栃木県にある重機を、約200㎞離れたフォーラム会場にある操作用コクピットから遠隔操縦して、ディスプレーに栃木県の重機が砂利を救う様子がうつるデモンストレーションが披露された。IOWNのオール・フォトニクス・ネットワーク(APN)とローカル5Gを活用して遅延は約100㍉/秒だという。秋田県湯上町で夏秋に収穫できるイチゴを生産する取り組みをすすめ、産地形成とブランド化に取り組む様子もインパクトがあった。
このあと、澁谷直樹代表取締役社長による基調講演
やパネルディスカッションが行われ人の果たす役割などについての議論を深めた。










一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、会員やドローンの関係者が新年のあいさつを交わす「JUIDA新年の集い2026」を1月27日、東京・丸の内の社交施設、東京會舘で開催した。当日が第51回衆議院選挙の公示と重なり政治家の姿はなかった。省庁からのあいさつでは、経済産業省が日本のドローン産業基盤整備に力を入れる姿勢を強調するなど、ドローンの役割が高まっていることを印象付けた。なお鈴木真二理事長はあいさつの中で新年のスローガンを「天馬行空」と掲げ、初めて「〇〇元年」以外の表現を使った。
新年の集いは東京會舘7階ロイヤルの間に多くの関係者が集まるなどにぎやかにあいさつをかわした。総選挙の公示と重なったため政治家の姿はなく、ドローンの促進活動に力を入れる「無人航空機普及・利用促進議員連盟」所属の国会議員らによるメッセージ供呈や秘書の代理出席に留まった。司会が代読したメッセージには「丙午は新たな挑戦が芽吹く1年。本年が飛躍の年となることを願っています」「次世代移動体産業の発展に尽力されているJUIDAのみなさまに敬意を表し、活躍に期待しています」など期待の言葉が並んだ。
関係省庁の各省からのあいさつでは、内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(災害緊急事態対処担当)の小林弘史(ひろふみ)氏が、災害対策にとってのドローンの重要性について触れた。
「昨年12月の青森の地震、11月の大分の火災、8月の雨に伴う災害などでの対応でドローンという言葉を聞かないことがないほどになりました。災害が激甚化する中、内閣府防災として2026年度から『鳥の目プロジェクト』を開始しようと考えていて新年度予算案にも所要の額を計上しています。災害対応の高度化で一人でも多くの命を救いたいと思っています」
総務省総合通信基盤局電波部移動通信課長の五十嵐大和(ひろかず)氏は、電波利用への検討への協力を呼び掛けた。
「無人航空機は成長戦略の中でも大変重要な位置を占めています。昨年5G、5.2GHz帯の上空利用について制度化が行われました。5.8GHz帯についても使用可能地域の拡大の検討を進めています。有限な資源である電波をいかに有効に活用するかについて、今後もみなさまと連携しながら検討して参りたいと考えています」
日本のドローン産業の産業基盤強化についての取り組みを紹介したのは、経産省製造産業局航空機武器産業課次世代空モビリティ政策室長の古市茂氏だ。
「私は困ったときには鈴木代表理事に相談しています。昨年は検討会の座長もお務め頂き、成長戦略のワーキンググループの委員も務めて頂いています。ドローンが幅広い分野で貢献していることに感謝したうえで、経済産業の観点からみると、どう産業基盤を構築していくのか、産業としてどう発展させるのか、社会実装をどう進めるのか、ここが重要だと思っています。JUIDAは地方と連携協定を結んだり展示会を実施したり貢献は大きく感謝します。展示会は来場者が2万人を超えるということですが、これはなかなかの規模。これからも支援させて頂きたい」
「経産省の取組として、昨年の補正予算でドローンの産業基盤強化について、139億円の手当をしました。同じタイミングで経済安保物資にドローンを指定することもできました。(ドローンは)今日の日本の国民、経済になくてはならないものになっています。成長産業分野では高市内閣のもと、17分野が指定され、その中の航空宇宙のひとつが、民間航空機・無人機・空飛ぶクルマで、無人機も成長産業分野です。第1回のWGも開催され、成長戦略をまとめる中で、日本の成長産業分野に育てていけるよう、発展していただけるよう、経産省としても貢献していきたいと考えております」
国土交通省航空局安全部無人航空機安全課長の江口真氏は、いわゆるUTM導入に関する取り組みを紹介した。
「昨年の2025年は航空法で無人航空機を定義してから10年の節目の年でした。2023年12月に創設したレベル3.5については約140の事業者、団体のみなさまにご活用頂いています。航空局としては技術革新に遅れないよう迅速、不断に制度を見直し、安全を確保しつつ利活用促進の環境整備を進めたいと考えています」
「ドローンの事業化促進のため、効率化のために多数機同時運航の取組を進めています。従来は操縦者1人が5機までのガイドラインを策定していますが、対象範囲や機数を拡大して効率化につながる検討を進めていきたい。今後さらにドローンが増え空域が混雑する中、高密度運航を実現するため運航管理、いわゆるUTMの段階的導入も進めたい。今年度はSTEP2の初期として、UTMサービス事業者認定制度の要件を整備し、段階的に導入を進めたい」
会場を親しみのある話し方で沸かせたのは防衛省陸上自衛隊東部方面総監部幕僚副長の竹内哲也氏(様制服)だ。
「(省庁あいさつの)トリをつとめさせていただき誠に光栄です。本来、上司の東部方面総監が来場予定だったが所要のため私が参りました。選挙もはじまっていますので『失言だけはするなよ』と言われていますので慎重に話したい」
「われわれは非常にお世話になっています。原則として協定に基づいて災害現場にドローンを派遣して頂いています。しかも無償です。先般は山梨県上野原市、大月市の火事も熱源を見つけて頂いて、自衛隊のヘリが消火する活動を支援して頂いております。災害に加え、海外の情勢も不安定になってきています。われわれは安全保障についてよく、『戦後最大の試練の年』、『新たな危機に突入していく』などと表現しています。不安をあおるつもりはありませんが、実際に防衛費も増額されています。とはいえ、ドローンは(有事と平時のいずれでも活用する)デュアルユースの時代です。軍事装備とはどこまでか、という線引きはほとんどありません。みなさんのお力をお貸しいただき、我が国の平和を守らせて頂きたいと思っています。これまでもいろいろなご協力を頂いております。また今年、今後もみなさまの協力で防衛力の抜本的な強化を図っていきたいと思っております。失言はなかったと思っております」
このあと、JUIDAが山梨県上野原市、大月市にまたがる火災現場でのドローンを用いた消火支援活動を報告。会員企業である、富士山ドローンベース、ブルーイノベーション株式会社、株式会社Prodroneの奮闘ぶりを紹介した。
JUIDAの公式サイトでは、火災発生からのJUIDAの対応を日々紹介しているほか、富士山ドローンベースの活動、ブルーイノベーションの活動は個別に取り上げている。
また会場には、JUIDAの顧問に就任した国際オリンピック委員会(IOC)副会長(現在は名誉委員)で、1956年のイタリアのコルティナ・ダンペッツォ五輪アルペンスキー回転競技で銀メダルを獲得し日本人初の冬季オリンピックメダリストとなった猪谷千春氏の姿もあった。











ブルーイノベーション株式会社(東京)が、開閉式屋根を持つドーム施設、「仙台市屋内グラウンド(通称:シェルコムせんだい)」の漏水箇所をドローンで特定したことを報告している。天井の外装側、内装側のそれぞれでドローンを使い分けて点検し、内装側を飛行したELIOS3が特定した。足場を組んで点検するより短時間で危険もなかったという。
仙台市屋内グラウンドは市民スポーツを中心にイベントなどに活用されている施設だ。仙台市が所有し公益財団法人が運営している。2000年7月に開場した開閉式屋根が特徴で、1050の観客席を備え、硬式野球、テニス、サッカー、フットサルなどに対応する。アイドルのコンサートで使われたこともある。
特徴的な屋根のため点検作業には難しさが伴う。内装では、グラウンド面から天井まで約51mの高さがあり、足場を組むと費用も時間もかかり危険も伴う。外装面だけを点検しても、開閉式の構造を持ち、点検しきれない。今回は漏水箇所の特定を目指したため、雨水の侵入経路となる屋根の外装面に加え、屋根から入った雨水が屋内にしたたる内装面側(天井側)からもそれぞれ別々のドローンを使って点検した。
作業にあたったブルーイノベーションは、外装側をDJI製の「Matrice 3TD」を使って屋外から飛行して点検し、内装側をスイスFlyability社製「ELIOS 3」を屋内グラウンドから飛ばして点検した。特に、内装面側からの点検では、天井裏の空間に入り込むなど細かく点検することができ、漏水箇所を発見につながった。発見した漏水箇所はその位置を3Dマップ上に表示するなどして、特定したという。
建物内側でのドローンの活用については、災害発生現場で倒壊家屋、道路陥没などの内部を点検などですでに使われている。ドローンという言葉は「空高く」など空や航空、空域などとともに使われがちだが、屋内イベントの空撮などに活用促進の余地が見込まれる。
2024年3月に大阪市内の木造モジュール施設「咲洲(さきしま)モリーナ」で行われたドローン体感イベント「SUPER D★EXPERIENCE」(主催:京阪奈ドローンプロジェクト実行委員会、実行委員長、増尾朗・株式会社奈良自動車学校代表取締役社長)では、施設の美しい木組みが特徴の天井の木組みの間を、狭小空間ドローンが飛行したり、FPVドローンで周回したりする様子を、一般来場者の目の前で披露し、屋内活用の可能性を示した。
仙台市屋内グラウンドでの点検に関するブルーイノベーションの報告はこちら




国土交通省九州地方整備局は、30年以内に高い確率で発生が予想される南海トラフ巨大地震を想定し、株式会社エアロジーラボ(箕面市<大阪府>)が開発したハイブリッドドローン「AeroRange G4-S」で、宮崎県内の沿岸部往復72㎞を無着陸で飛行させた。飛行は被災状況の新たな調査手法の実証実験として行われ、飛行中は約100mの高さから沿岸を撮影した。九州整備局は映像が被災状況の確認に寄与することを確認した。
実証実験は2月5日、延岡市<宮崎県>の五ヶ瀬川河口と日向岬(日向市<同>)の間の沿岸部で行われた。G4-Sは五ヶ瀬川河口を離陸し、遠海半島の周囲など沿岸部をたどりながら時速36㎞で飛行し、日向岬グリーンパークで折り返したあと、往路と同じルートで出発地に帰還した。G4-Sは燃料とバッテリーを併用するハイブリッド機で長距離飛行に強く、この日も途中でバッテリーの交換をすることなく無着陸のまま約2時間飛行した。
飛行中、高さ約100mから沿岸の港湾施設、河口部、海浜、半島映像を撮影、情報収集の可否などを確認した。
実験は南海トラフ巨大地震による津波被害を想定しており、九州整備局が得られた映像の実用性を確認した。今後、3次元点群データの精度も検証する。九州整備局は、今回の実験での飛行は無人地帯での補助者を配置しない完全目視外飛行(レベル3.5飛行)で、ハイブリッドドローンでの実施は国土交通省の取り組みの中で初めてと話している。



2026年の音楽シーンでも2025年に引き続きドローンが付加価値を引き出す役割を担う可能性がある。ステージとフロアとが一体となった会場の熱狂を保存するツールになり得るうえ、MVの活用法としてさらに効果的な方法の模索も期待される。
2025年中にリリース、または公開されたドローンが使われた音楽シーン関連映像では、2024年末に千葉・幕張メッセで開催された株式会社ジャパンミュージックシステム (JMS、東京・下北沢)主催のライブイベント「RED LINE ALL THE FINAL」の動画(2025年初頭に公開)がドローンの関係者の間で話題となった。
屋根のある屋内の大型会場で、アーティストと来場者の熱狂を通常のカメラのほかドローンがとらえたシーンもまじえた迫力ある映像に、エンタメ産業との共存共栄の模索や、ドローンの屋内活用促進を提案する声も大きくなった。
MVでは福岡県出身の4人組ロックバンド「ジ・エンプティ」の『俺たち大人になれるかな』(2025年8月発売の『覚醒少女』に収録)が話題を集めた。高校の敷地、教室、渡り廊下、屋上などでバンドの4人が力強く演奏、歌唱する様子を、全面的にドローンが印象的にとらえた作品だ。ドローンの操縦したのはドローンレーサーで、一般社団法人ジャパンドローンリーグ(三郷市<埼玉県>)の代表理事としても活躍する高橋亨氏だ。
ドローンはこれまでにもMVやライブ撮影など音楽にいろいろな角度から彩りを添えてきた。一方で、屋内でのイベントの撮影には、閉鎖空間での通信不全、会場や来場者などへの安全性確保、空調が飛行に与える影響、飛行音の音響に与える影響などの不安がつきまとい、主催者がカメラクレーンを使った撮影に切り替えるなどドローン以外の撮影を選択することもある。ドローンによるライブやMVに関する撮影も体系化されたノウハウが蓄積途上で、ドローンの活用がライブや音楽の付加価値をさらに引き出す可能性がある。いわば開拓途上だ。
はじまったばかりの2026年の音楽シーンとドローンとのかかわりにも期待したい。
