DJIは3月2日午後11時、FPVドローン「DJI FPV」を正式に発表した。約795gの機体のほか、ゴーグル、プロポなど飛ばすための一式がセットになった。レース機の機敏な飛行性能と撮影機の高品質な映像撮影を可能にしていることが特徴。飛行はノーマル、マニュアル、スポーツと熟練度などに応じた3種類があり使い分けができる。最高速度は時速140㎞で、緊急ブレーキとホバリングの機能を備える。プロポで操作するほかに、手の動きで直感的に操作するモーションコントローラーも別売りで用意された。最大飛行時間は20分。日本国内での伝送距離は6㎞で遅延時間は28 ms以下。「DJI Flyアプリ」には、操作法を解説するチュートリアルも盛り込んだ。価格は基本セットの「DJI FPV コンボ」が税込み154,000円。インテリジェントフライトバッテリー、専用の充電ハブのセット「DJI FPV Fly Moreキット」が税込み33,000円、オプションのモーションコントローラーは別売で税込み17,600円だ。桜の季節を前に、FPVへの関心を高めるプロダクトが登場した。
「DJI FPV」の主な特徴は
・機体、ゴーグルなどがフルセットで組み立て不要
・熟練度や用途に応じて3つの飛行モード
・最高速度は時速140㎞、0→100㎞/hまで2秒
・ホバリング、緊急ブレーキあり
・最大飛行時間約20分
・モーションコントローラーに対応。ただし別売り
・日本では伝送距離6㎞、レイテンシー28ms
・センサーは1/2.3インチCMOS
・142°のFOVで60fps、150°FOVで50 fps
・無料のシミュレーターアプリ
などだ。同社の専用サイトに詳細が掲載されている。
DJIは3月2日の夜に発表。翌日、日本語のプレスリリースを公表した。リリースは以下の通りだ。
民生用ドローンと創造性あふれるカメラ技術で世界をリードするDJIは、これまでにない直感的かつ没入感あふれる飛行体験を実現するフルセット版FPVドローンDJI FPVを発表しました。DJI FPVは、レース用FPVドローンの高速飛行性能、従来型ドローンのシネマティックな映像撮影を実現するカメラ性能、DJIの一般向けドローンが持つ安全機能と伝送技術の全てを兼ね備えています。また、オプションとして、片手の動きだけでドローンを制御できる画期的なモーションコントローラーにも対応しています。DJI FPVは、新しいドローンカテゴリーを生み出し、初心者からプロに至るあらゆるドローンファン、コンテンツクリエイターに対して、新たな可能性を提示します。
「2006年の創業以来、DJIはドローンの可能性の限界に挑戦し続けてきました。創業15周年となる今年、DJI FPVの発売を以てドローン飛行をさらに再定義し、これまでの15年間のイノベーションに敬意を表したいと思います。DJI FPVは他社製のFPVドローンとは違い、開梱後の組み立ては必要ありません。すぐに使用することができ、FPVドローンと従来型カメラドローンの最高レベルの技術を持ち併せています。レース用ドローンのように飛行でき、さらに従来型ドローンのようにホバリングでき、カスタム仕様のドローンのように加速、他のドローンよりも素早く停止します。このDJI FPVは初心者には取り扱いの難しかったFPVドローンのハードルを下げ、また、最初からシステムが構築されているので、何時間もかけシステムをゼロから組み立てる必要もありません。没入感あふれるドローン飛行の中でも、最高級のスリルを誰でも味わうことができます。世界中の皆さんが、このDJI FPVを楽しんでいただけることを心待ちにしています。」と、DJI Europe クリエイティブ・ディレクター、Ferdinand Wolfは述べています。
DJI FPVには、ドローン、ゴーグル、専用送信機に加え、オプションとして、手の動きに基づきドローンを直感的に操作できる全く新しいモーションコントローラーが含まれます。ドローンには高速飛行を可能にする高性能モーターを搭載。また、直感的に使えるUIと最新の安全機能により、優れた操作感を実現しています。FPVシステムは、DJI独自のO3伝送技術(旧名OcuSync伝送技術の3世代目)により、低遅延かつ高解像度でドローン映像を伝送します。他に類を見ない高い信頼性と優れた伝送技術に加え、RockSteady電子式映像ブレ補正技術により、非常に滑らかで安定した4K動画を60fpsで撮影することができます。
3種類のフライトモードは、どんなスキルレベルのパイロットでも操作できるよう設計され、FPVシステムにすぐに慣れることができ、アマチュアでもプロでも、安心して飛行することができます。初心者がより安心かつ安全に飛行することができる緊急ブレーキ&ホバリング機能を新たに搭載し、空域制限や潜在性のある危険をパイロットに知らせるGPSベースのジオフェンスシステム、また、付近を有人航空機が飛行する場合にパイロットに警告するDJIのAirSence ADS-Bレシーバーシステムなど、DJI FPVにはDJIの安全機能が多数搭載されています。多くの国・地域では、FPVゴーグルを装着しながらドローンを飛行させる場合、補助者を設け、空域や周辺に危険がないか監視してもらう必要があります。(日本国内において屋外でゴーグルを使用しての飛行は目視外飛行になり、国土交通省航空局からの飛行の許可・承認を取得する必要があります。) 常に安全に注意しながら、責任を持って飛行し、飛行に関する現地の法律及び規制を遵守してください。
DJI FPVは、初心者からプロに至るまで、誰でも自分のスキルレベルに合ったフライトモードを選択することができる、DJI史上初の統合型FPVドローンです。
▶ノーマル (N)モード:Nモード中、DJI FPVは、GPSやドローン底部のビジョンポジショニング システム (VPS)を使用してその場でホバリングするなど、他のDJIドローンと同様の動作をします。最も使いやすいモードで、フロント部にある障害物検知センサーで近くにある障害物を検知すると、機体は減速します。ただし、パイロットは検知された障害物をドローンが回避するよう操作する必要があります。
▶マニュアル (M)モード:経験豊富なユーザー向けに設計されたMモードでは、自由度の高い操作が可能です。Mモード中は、全てのセンサーとホバリング機能が無効になります。
▶スポーツ (S)モード:ハイブリッドモードであるSモードは、Mモードのダイナミックな動作性とNモードの主要な安全機能という両方のモードの特性を併せ持ちます。Sモードは、3種類のモードの中で中間に位置し、FPV飛行に慣れてきたパイロットが、自分のスキルをより探求できるように設計されたモードです。
飛行中、パイロットは様々な安全機能を使用できるため、思い出に残るようなスリル満点の飛行体験ができると同時に、飛行安全性も確保できます。緊急ブレーキ&ホバリング機能は、どのフライトモードでも利用でき、飛行中いつでもドローンを停止させ、その場でホバリングすることができます。
障害物検知センサーはNモード使用中に有効で、障害物が検知されるとパイロットに警告し、自動的に機体を減速させます。ビジョンポジショニングシステム (VPS)や機体底部の補助ライトを利用でき、スムーズな離着陸が可能です。もう一つの重要な機能であるRTH(Return-to-Home)機能は、ボタンを一度押すだけで、自動でドローンをホームポイントまで帰還させます。また、伝送信号が消失した場合にもRTHが発動します。さらに、ADS-Bレシーバーシステムは、ADS-Bトランスミッターを搭載した航空機やヘリコプターなどの有人飛行機が近くを飛行している場合にパイロットに通知します。
DJI FPVは、最先端のHD伝送技術を使って、今までにない世界を私達に見せてくれます。DJI FPV Goggles V2を装着中、パイロットはDJI FPVからの鮮明な映像を長距離からでも低遅延で見ることができます。最先端のレース用モーターを使用しているため、飛行中に高速アクションが可能で、O3伝送システムは素晴らしい信頼性を確保します。新たに開発されたこのモーターは最大飛行速度が140 km/h、停止した状態から100 km/hまで加速するのにたった2秒。心揺さぶられるレース飛行体験が可能です。さらに進化した伝送技術O3伝送システムは、伝送距離10 km(日本向けの最大伝送距離は6km=<注1>)、デュアル周波数自動切替(日本国内は2.4 GHz帯のみ対応)、50 Mbpsの高ビットレート、最先端の耐干渉機能に対応し、信頼性の高いフィードを伝送します。2019年に発表したDJIのHD伝送システムは、世界初の低遅延のHDデジタル動画伝送を市場にもたらしました。DJI FPVシステムも同じ技術を使用し、低遅延で鮮明な映像をゴーグルに伝送します。パイロットは以下の表示オプションから選択することができます:
▶高品質モード:142°のFOVで60fps、または150°FOVで50 fpsの1440×810p動画を表示します。このモードでは、遅延は40 ms以下です。
▶低遅延モード:高フレームレートのシネマティックな映像を楽しみつつ、遅延時間は28 ms以下です。142°FOVで120 fps、または150°FOVで100 fpsの1440×810pの動画を表示します。
▶オーディエンスモード:パイロットの見ている映像を、最大8台まで接続しているゴーグルと共有できるため、周囲のオーディエンスも一緒にスリリングな飛行を体験できます。
優れた飛行性能と、息を呑むほど美しい撮影映像 DJI FPVは、飛行性能に優れているだけではなく、今すぐ共有したくなるような映画のようなダイナミックな映像を撮影することができます。120 Mbpsでの4K/60fps動画撮影に対応しているカメラが1軸ジンバルに搭載されているため、複雑な動きをしているときでも安定性を維持しつつ、垂直にカメラを回転させ、ユニークな角度で撮影することもできます。また、RockSteady映像ブレ補正により、滑らかな映像を撮影し、動きの速いシーンを撮影するときでも歪みを低減します。高度な歪み補正ソフトウェアによりFPV映像でありがちな歪みを補正し、魚眼レンズ撮影のような外観になるのを防ぎます。また、パイロットは1080p/120 fpsの4倍スローモーション動画を撮影することができるため、印象的な瞬間を細部まで 鮮明に再現できます。さらに、撮影した映像はH.265またはH.264フォーマットで保存できるため、メモリーカードの容量を節約できると同時に、圧縮しても高画質のまま保存することができます。
<注1: DJI FPVの最大伝送距離は10 kmで、これは障害物や電波干渉がなく、FCC準拠の場合の値です。MIC(日本)での最大伝送距離は6 kmです。最大飛行距離の仕様は、無線の接続強度とレジリエンス(復元力)を踏まえた概測になります。必ず現地の法律および規制に従い、許可がない限り、目視範囲内でドローンとその周囲を常時監視して飛行させてください。>
インタラクティブかつ実用的なサポートツールが豊富に揃っているため、パイロットは自信を持って飛行を開始できます。DJI FPVで使用する最新版のDJI Flyアプリには、DJI FPVの操作方法について詳しく解説してくれるチュートリアルが含まれています。新たに開発されたDJI Virtual Flightアプリは、無料で利用できるシミュレーターアプリ2で、初心者パイロットでも楽しく簡単に、安全な環境で、ドローン飛行の動きに慣れることができます。シミュレーターでは専用コントローラーを使用し、様々な設定でDJI FPVドローンを飛行させることができます。
DJI Care Refresh DJI Care Refreshは包括的な保証プランで、DJI FPVにもご利用いただけます。少額の追加料金で、ご使用中の衝突や水没、経年劣化を含む故障が発生した際、DJI Care Refresh(1年版)は1年間に最大2回まで、(2年版)は2年間に最大3回までの製品交換サービスを受けることができます。その他専用テクニカルサポート、無料の往復配送料などのサービス特典も含まれ、2年版のプランにおいては、通常1年間のメーカー保証を2年間まで延長するサービスも適用されます。尚、飛行紛失保証の特典はこの製品では利用できません。詳細はhttps://www.dji.com/service/djicare-refreshでご確認ください。
DJI FPVは、DJI公式オンラインストアstore.dji.comやDJI認定ストア、DJI正規販売代理店等、およびAmazonにて販売中です。FPVドローン、送信機 2、FPV Goggles V2、ケーブル全てとバッテリー1個が含まれるDJI FPV コンボが154,000円(税込)です。また、追加のインテリジェントフライトバッテリーと専用の充電ハブが同梱されたDJI FPV Fly Moreキットは33,000円(税込)で販売します。オプションのモーションコントローラーは別売で、17,600円(税込)です。
AAM(アドヴァンスト・エア・モビリティ)運航事業を手掛け、大阪・関西万博の運航事業者にも名を連ねる株式会社Soracle(ソラクル、東京)が、2027年中にも大阪・関西エリアで旅客運航を目指す計画を明らかにした。9月10日に大阪府、大阪市と連携協定を結んでおり、その席で計画を明らかにした。米Archer Aviation(アーチャー・アヴィエーション)のパイロット1人を含めた5人乗りのeVTOL型AAM、Midnight(ミッドナイト)を使うことを想定しているという。
Soracleは2026年にも大阪府内で実証飛行を実施し、必要な審査をふまえ27年にも大阪ベイエリアでの遊覧飛行などを始める。周回して出発点に戻る運航のほか、離陸地点から別の場所に移動する二地点間飛行も想定する。
大阪府と大阪市との連携協定は、ソラクルの事業環境を整えることや、運航網整備に必要なインフラ整備に向けた調査、制度の整備、関連ビジネスの展開支援などの事業環境整備に向けた取り組みを進める。締結式では太田幸宏CEOが、大阪に来れば全国に先駆けて空飛ぶクルマに乗ることができる未来を実現し、中長期的には関西・瀬戸内海地点を結ぶ観光体験を創ると抱負を述べた。
吉村洋文知事は「さまざまな課題はあろうかと思いますが、Soracleさんと協力し、大阪府・市も全面的に当事者として取り組むことで、2027年に商用運航を、そして大阪に来れば空飛ぶクルマに乗ることができるということをめざしていきたいと思います。大阪・関西から、空の移動革命を実現していきましょう」と述べた。
Soracleの公式発表はこちらにあります
スウェーデン航空ベンチャーJetsonは、同社が開発した1人乗り用のパーソナルeVTOL型AAM「Jetson ONE」を米カリフォルニア州で購入者に初めて納入したと公表した。引き渡しを受けたのは経験豊富な航空愛好家パーマー・ラッキー氏で、50分ほどの地上訓練を受けたのちその場で飛行に挑み、低高度での飛行を楽しんだ。同社が公開した動画にその様子が納められている。納品時にはJetson創業者兼CTOのトマシュ・パタン氏(Tomasz Patan)とCEOのステファン・デアン氏(Stephan D’haene)が開封と飛行前点検を手伝った。
Jetson ONEは機体重量が86㎏で、飛行そのものについて航空当局のライセンスの有無の制約を受けず、機体のトレーニングを受ければ引き渡しを受けられるウルトラライトクラスに当たる。同クラスのパーソナルAAMには、米LIFT Aircraft社の「HEXA」や米Pivotal社の「Helix」がある。
日本ではこのうちHEXAが2年半前の2023年3月に、大阪城公園でデモフライトを行っている。このさいAAMの普及に力を入れているGMOインターターネットグループ株式会社(東京)の熊谷正寿代表が、日本国内で日本の民間人とし初めて搭乗し、披露の様子を公開した。現在開催中の大阪・関西万博では「空飛ぶクルマ」のひとつとして飛行が披露された。
なお日本でのAAMの議論の中心は操縦士が搭乗して旅客運航する「商用運航」などが中心で、個人用AAMの導入環境に関する議論は大きな進展を見せていない。一方で米国で飛行経験を積むことはいまでも可能だ。
今回、米国で購入者に納品されたJetson ONEは、アルミとカーボンファイバーのフレームに8つのローターを備え、ジョイスティックで操作するタイプの機体で、最高速度102㎞で20分まで飛行できる性能が公表されている。主に個人利用向けの機体だが、救助訓練に参加した経験も持つ。ポーランドとスロバキアの国境にまたがるタトラ山脈では、ポーランド山岳救助隊(GOPR)と連携して緊急時を想定した訓練に2機のJetson ONEが2機用いられたことが今年7月に公表されている。ルバニ山(標高1211m)頂上など遠隔地への迅速対応ミッションを含む訓練で、目的地まで4分未満で到着するなど、現場に迅速に到着し、応急対応を実施したり、状況を把握したりする「ファーストレスポンダー」としての役割を果たす可能性を示した。
Jetson ONEは税抜きで12万8000ドルで注文を受け付けているが、2025年、2026年分の注文はすでにいっぱいになっている。
参考:GMO熊谷氏、HEXA搭乗し飛行を公開
参考:GMO熊谷氏にHEXA公開搭乗の理由を聞く
参考:米Pivotal、パーソナルAAM発売開始
ドローンショーの株式会社レッドクリフ(東京)が、フィンテックのフリー株式会社(freee株式会社)の活用事例に登場した。レッドクリフが搭乗したのはfreeeが提供しているプロダクト「freee販売」の活用事例で、ビジネスの急拡大に伴う業務管理の効率化に役立てていることが紹介されている。取引先の業務効率化をアピールすることが多いドローン事業者にとって、freeeの活用事例はモデルになりそうだ。またドローン事業者が他の事業者の活用事例に取り上げられることも今後、増えそうだ。
フリーが公表したレッドクリフの活用事例はこちらからみられる。
それによると、事業の急拡大で案件別の収支管理や、全体の把握、属人依存の管理に限界が見えてきた中で、それまでスプレッドシートに頼ってきた業務フローを見直しに着手した。freee販売の導入で、受発注データと原価情報を集約し案件ごとの収支把握が容易になり、部門を越えたデータ共有や、各部門がそれぞれの業務に集中できる態勢が整ったという。チェック漏れリスクの軽減と業務負担の軽減が同時に果たせ、人件費、立替経費、ドローンの減価償却費を案件単位で管理できるようになり、より正確な原価管理と利益把握が実現し、経営判断の精度向上にも繋がっている。
結果として、IPO準備に不可欠な「事業計画の妥当性」や「来期の成長性の蓋然性」をデータに基づいて説明できる環境ができたという。
ドローンの事業者も、取引先の効率化をソリューションとしてアピールする事例が多く、活用事例でも導入先の作業の時間短縮効果などが掲載されることが多い。一方で、導入先にとっては、その事例が解決したい課題の一部にすぎないことや、導入による新たな負担などが発生するケースもあり、活用事例のアピールの方法について、各者が試行錯誤している。
freee販売の活用事例では、汎用性の高い困りごとを取り上げていて、freee販売の商品性のアピールになるとともに、多くの企業にそのアピールの手法そのものが参考になりそうだ。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が、ドローンによるマンション外壁点検の仕事を請け負うための力を養う講座「ドローン点検スペシャリスト育成コース<マンション外壁編>」の内容を解説する「講座ご案内ウェビナー」をJUIDAの公式ページ上で公開した。ウェビナーは7月に視聴者を募って行われ、講座は8月に開講した。現在も受講生を募集している。
「ドローン点検スペシャリスト育成コース<マンション外壁編>」は、JUIDA、マンション管理など不動産管理大手の株式会社東急コミュニティー、ドローンスクール運営の株式会社ハミングバードの3者が作った講座で、5月に公表し、6月に開催された展示会「JapanDrone」で3者そろって発表会に臨んでいた。3者は新たな講座のマンション外壁点検の現場で求められる実務を盛り込んだことと位置付けている。
マンション外壁点検でのドローン導入期待は高いものの、外壁点検の現場や実務を知るドローン事業者は多くない。マンションの管理組合などから点検業務を請け負うマンション管理事業者側にとっては、現場知識の乏しいドローン事業者にドローンでの点検を依頼すると、ドローン事業者が担うべき実務を一から伝えなければならず、手間、時間、コストの負担が大きい。これがドローンの導入を阻む要因になっていると言われている。このため講座を通じてマンション外壁点検に求められる実務の知識を習得することで、マンションの外壁点検現場へのドローン導入を後押ししようとする狙いがある。
公開された動画は、全体で50分弱。事務局のあいさつ、カリキュラム概要、受講料、受講会場など講座に関わる説明が27分ごろまで行われる。この中では、点検作業後に作成し、依頼主に納める報告書の重要性が強調されている。ドローン作業者には、報告書の重要性や、報告書に掲載するための画像の要件が講座で解説されることなどが伝えられている。
その後、事務局が設定した想定質問に、担当者が回答する一問一答が行われる。一問一答の中では、講座の修了生には必ず外壁点検の仕事があっせんされるのか、タワーマンションにも対応可能なのか、など受講判断に関わりそうな質問がいくつも盛り込まれていて、担当者の回答は、受講を検討者の参考になりそうだ。
高校生FPVドローンレーサー・山本悠貴選手が、9月13日にドイツで開幕する国際レース出場に向けてクラウドファンディングを実施中だ。山本選手をスポンサーとして応援している株式会社ドローンショー・ジャパン(金沢市)がプレスリリースで山本選手の活躍を紹介している。
山本選手は今年7月12日~13日にイタリア・アルビッツァーテで開催された「World Drone Cup Italy 2025」で予選を総合3位で通過してジュニア部門の決勝に進出した。山本選手としては初の決勝進出で、決勝でも4位入賞に食い込む活躍を見せた。なお、ジュニア部門ではすでに数々の大会で優勝経験を持つ日本の橋本勇希選手が優勝している。
山本選手は、2024年10月30日から11月3日まで中国杭州市のShangcheng Sports Centre Stadiumで開催されたドローンレースの世界戦主権「2024 FAI World Drone Racing Championship(WDRC)」で、橋本選手とともに日本からの5人の選手の一人として出場し、各選手の成績を集計した国別順位で日本代表チームが3位に導く立役者の一人となっている。 なお、イタリア大会で優勝した橋本選手は、中国杭州市の大会でも個人総合、ジュニア部門の2部門で優勝している。
ドローンショー・ジャパンのプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000080729.html?fbclid
イタリア大会結果詳細: https://fpvscores.com/events/0DNj73gpMX/results
山本選手の動画:https://youtu.be/1auUXebjYTc
<参考>中国大会で日本総合3位、橋本選手は個人総合、ジュニア部門の二冠:https://dronetribune.jp/articles/24276/
山本選手のクラウドファンディング:https://camp-fire.jp/projects/876711/view?utm_campaign=cp_share_c_msg_projects_show
ブルーイノベーション株式会社は9月3日、沿岸防災ドローンとして注目されている「BEPポート|防災システム」の解説動画を公開した。仙台市と千葉・一宮町に配備されたシステムは津波警報のさいに初出動したことをきっかけに、自治体からの注目度がさらに高まっている。
動画は7分弱。「BEPポート|防災システム」について、「災害発生時の初動を支援する次世代型ソリューション」と説明していて、主に自治体の防災担当者や関係者、協力事業者らを対象としているとみられる。
開発したブルーイノベーションの紹介、災害時の初動対応に求められる3要素などの説明があり、それらの説明をうけて、2分50秒ごろから具体的な説明に入る。Jアラートを受けてBEPポートが自動的にドローンに離陸を指示する仕組みなどが説明されている。
また終盤の5分ごろからは、7月30日の津波注意報、津波警報を受けて一宮町<千葉県>のシステムが初出動した模様を紹介している。
システムは一宮町と仙台市<宮城県>に設置していて、7月30日の津波注意報、津波警報を受けてそれぞれ出動した。
なおブルーイノベーションは、東京都立産業技術研究センターの「クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業 公募型共同研究」に、同社が「BEPポート|防災システム」の活用を前提に提案した「自動離発着型ドローン多目的災害支援システムの研究開発」が採択されたことを9月1日付で発表している。孤立地域の状況調査、倒壊家屋の監視など災害現場で求められる機能を新規開発する計画だという。