米国シアトルで開催された Microsoft Build 2019でマイクロソフトは、救命措置を支援するロボット、遠隔地の施設を点検してくれるドローン、工場の機器を自律的に調整してくれるシステムなど、自律型システムの構築を容易にするための新プラットフォームを発表した。このコンポーネントの最初のバージョンは、現在、限定的プレビュープログラムとして利用可能だ。
Microsoft Build開発者カンファレンスでマイクロソフトは、自律型システムの構築を容易にするプラットフォームの最初のコンポーネントを発表した。開発者が専門家と協力してMicrosoft AIとAzureツールを使い、物理システムを自律的に実行できるインテリジェントエージェントを構築する限定プレビュープログラムになる。
開発者が自律システムを作成するのを支援するマイクロソフトのプラットフォームは、以下になる。
・データサイエンスのスキルがなくても、ドメインエキスパートが自分の知識を使ってAIシステムを構築できるようにする独自の機械教育ツール
・MicrosoftのAirSimや業界のシミュレータなど、安全でありながら非常に現実的な環境で機械の学習を可能にするシミュレーションテクノロジ
また、マイクロソフトの多様なIoT(Internet of Things)サービス、使いやすい深層強化学習プラットフォームやその他のAIソリューション、および開発者がインテリジェントなロボットシステムを構築できるようにするROS for Windowsなどのツールも利用できる。そして、デバイス上でもクラウド内でも、安全なプラットフォームを構築できる。
限定プレビュープログラムに参加する初期の開発者は、マイクロソフトと協力してインテリジェントで自律型のフォークリフトを開発しているToyota Material Handlingのような企業と同じ自律システムツールを使用する方法を学べる。
Sarcosのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高マーケティング責任者であるKristi Martindaleは、次のように述べている。
「今日、商用のGuardian Sロボットを制御している人は、狭いスペースやさまざまな地形でそれを導くためにジョイスティックのボタンやレバーを押すことに注意を向けなければなりません。階段のような共通のランドスケープ上でヘビの各セグメントを適切に操作するには、いくつかのステップが必要です。マイクロソフトのツールチェーンの要素を使用して、エンジニアは、蛇型ロボットが障害物を回避し、階段を移動し、金属製の壁を独力で登ることを可能にする自律制御システムを開発することができました。現実のシナリオでは、オペレーターはロボットを誘導する役割を果たします。しかし、Guardian Sロボットが周囲の状況を感知して、階段を横切るためにすべての中間動作を実行できる場合、オペレーターはシーンの評価とより重要な判断の呼びかけに集中することができます」
マイクロソフトが公開したブログによれば、マイクロソフトのAI開発者プラットフォームは、自動化システムから自律システムへの加速を目指している。対象となるロボットは、ドローンを含むあらゆる遠隔制御機器となる。
例えば、地震の余波の中で、がれきや狭い空間を通って這う蛇のようなロボットは、救助隊員などが行くことができない、あるいは調査できない場所にアクセスできる。また、小さなロボットのカメラを通した目視検査プラットフォームは、工業用パイプラインの亀裂を探したり、不安定な建物の中に閉じ込められた人を見つけたり、事故現場での有害ガスの有無など、最初の対応者への安全上のリスクを検出できる。
しかし、現在のロボットの多くは、安全な距離で作業している誰かによって制御されている。誰かがカメラを通してシーンを見て、ビデオゲームのジョイスティックのようなコントローラーで遠隔操作している。現在、MicrosoftとSarcos社は、Guardian Sにインテリジェント機能を追加して自律的にナビゲートできるようにすることで、オペレーターがより重要な決定に集中できるようにしている。
自動化された産業用アプリケーションとロボットを使用するという考えは新しいものではない。ロボットアームは、製品を組立ラインに沿って移動させ、工作機械は金属の塊を部品に変える。車は運転者の操作なしでギアをシフトする。
しかし、それは実際に自律的なシステム、つまり周囲の状況を感知し、なじみのない状況に直面したときの対処方法を知っているシステムからはかけ離れている。特定のタスクを変更せずに繰り返し実行する代わりに、これらの自律システムは、困難な問題を解決するために変化する環境に動的に対応できる。自律システムによって稼働するロボットは、人々の仕事の方法を変革し、人々にとって危険か費用がかかる仕事を解決するための大きな可能性を有する。
マイクロソフトは、すべての開発者や組織に向けて、ロボットやドローンなどが簡単に自律化できるように、エンドツーエンドのツールチェーンを構築し、各自のシナリオに合った自律システムの開発を支援する。そして、生命を脅かす状況で救難者を救助することができるロボットや、リモート機器を検査することができるドローン、自律的に機器を調整して工場のダウンタイムを減らすシステムなどの開発を可能にする。
マイクロソフトのビジネスAI担当副社長、Gurdeep Pallは、「私たちは、顧客にAIの専門家チームを持つことなく、その目的を達成する一助になりたいと思っています」と話している。
Bonsai社の元CEOで、マイクロソフトのビジネスAI担当ゼネラルマネジャーを務めるMark Hammond氏は、「自律システムについて考えると、後部座席に座って本を読んでいる間に自律走行する完全自律走行車のビジョンを直視する人が多い」と指摘する。
しかし、自動車メーカーは、何年もの間、運転手が湿った滑りやすい路面で危険に遭遇したときに何をしようとしているのかを感知するクルーズコントロールやアンチロックブレーキシステムなど、自律機能を自動車に組み込んできた。運転手が車輪をロックするような方法でブレーキをかけた場合、その制御システムが引き継ぎ、自動車がけん引力を失うのを防ぐ。
マイクロソフトのビジョンは、スマートビルディングやエネルギー企業から産業メーカーまで、他の種類の企業が自社の産業における自律性に向けてこれらの段階的なステップを達成するのを支援すること。
Hammond氏によると、サルコス社のロボットの例が示すように、多くの人が現状のテクノロジーで最大の価値を見つけようとしている。それに対して、「物理的な世界と相互作用する機械的システムを持っているあらゆる種類の操作において、おそらくよりスマートにより自律的にすることができます。しかし、人々を特定の運用周期の中にとどめることは依然として非常に望ましいことであり、目標は本当にそれらの人間ができることの能力を向上させることです」(Hammond氏)
強化学習はAIの一分野であり、アルゴリズムは一連の決定を実行することによって学習し、どのアクションが最終目標に近づくかに基づいて報酬またはペナルティを課している。それは、地質が塊であるか砂であるか岩であるかに応じて地下ドリルを操縦する方法やトラクターブレードを傾ける方法を決定するなど、機械が自律制御タスクを行う方法を学ぶのを助けるのに適している。
しかし、徹底的な強化学習アルゴリズムがビデオゲームのプレイヤを凌駕する一方で、現実世界のタスク習得は、より困難になっている。物理的な世界では、自律システムが遭遇する可能性のある動的な環境(人や物が予測不可能な方法で移動したり、気温や天候が少しずつ変化したり)は、はるかに複雑になる可能性がある。システムが長い一連のステップのどこでうまくいかなかったかを正確に特定することは、困難な計算作業だ。
マイクロソフトの自律システムプラットフォームは、マシンティーチングと呼ばれる独自のアプローチを使用して、これらの課題のいくつかを克服する。それは開発者または専門家の知識(AIの背景は持っていないがドリルを操縦する方法や安全なレベルでオフィスビルの気流を保つ方法を理解している人)に頼るものだ。
強化学習アルゴリズムを使って問題をランダムまたは素朴に解決する方法を探る代わりに、Inklingというプログラミング言語を使用して、より単純な問題を最初に解決する方法を示し、重要な問題についての手がかりを提供する。これにより、学習プロセスが短縮され、アルゴリズムがはるかに早く解を見つけられるようになる。
マイクロソフトのプラットフォームは、非AI専門家が報酬システムを確立し調整することを可能にする。それは本当にうまくいく解決策に到達するための鍵となる。そしてタスクに取り組むためのアルゴリズムを選択して設定し、機械学習の専門家がカスタムビルドソリューションを作成する必要性を排除する。
一例として、住宅、建物、産業のエネルギー管理をデジタル化する世界的企業であるSchneider Electricと協力して、大型商業ビルの冷暖房に使用されるHVACシステムの二酸化炭素排出量削減に役立つかどうかをテストした。
Schneider ElectricのEco Buildings Division担当シニアバイスプレジデント兼最高技術責任者であるBarry Coflanは、次のように述べている。
「Schneider Electricは持続可能社会に焦点を当てています。大きな建物は炭素排出の最大の原因です。長年の関係を中心に、マイクロソフトのツールチェーンとシュナイダーが提供するシミュレーションを使用して概念実証テストを実施し、AIシステムをトレーニングして、会議室の換気と暖房を制御するHVACシステムを自律的に実行しました。それは、省エネと他の目標、例えば室内の温度を快適に保つこと、二酸化炭素レベルが上がらないようにするのに十分な新鮮な空気があることを確認してバランスをとる必要がありました」
MicrosoftのHammond氏によると、これらすべての要因(異なる物理システムによって制御される要素)を最適化するには、単純なサーモスタットよりもはるかに高いインテリジェンスが必要になるという。システムは常に変化している環境変数を考慮する必要があり、一日を通して変動するエネルギーコスト、部屋から出入りする人々、外の天気がしていること、空気がどのように流れるかの物理学も求められる。
そこで、機械学習のアプローチを使用して、Schneider Electricとマイクロソフトの専門家は最初に温度をうまく制御するための強化学習システムをトレーニングした。その後、AIシステムは、空気の質を健全なレベルに保つために空気の流れを制御する方法を学習した。それからは部屋の占有がそれらの結果にどのように影響したかを考えることを学んだ。
これらすべての要因を考慮すると、MicrosoftのAIシステムは、快適さと空気の質を維持しながら、室内のエネルギー消費量を約20%削減することができた。チームは現在、さまざまなタイプの部屋にまたがってシミュレーションを拡張し、さらに省エネを促進するための共同作業の第2段階に着手している。
Coflan氏によると、段階的なアプローチとさまざまな評価を重ねることで、AIシステムがどのように学習しているかを理解し、最大の要因を追跡できたという。
「私たちがしていることの多くには安全上の問題があるので、AIシステムがどのように意思決定を下しているのかを本当に理解する必要があります。このアプローチにより、システムの賢さが増し、安全性と再現性に欠かせない監査証跡が得られます。私たちの顧客もそれを望んでいるでしょう。」とCoflanは話している。
実際の工場や風力発電所や高速道路では、学習中にロボットやインテリジェント制御システムが何百万ものミスを犯すことは許されない。そのため、強化学習アルゴリズムは何千ものシミュレーション環境で再現する必要がある。例えば、自律ドローンの実現には、遭遇するかもしれない何百万もの実世界のシナリオが求められる。
マイクロソフトのツールチェーンには、AirSimも含まれている。これは、もともとマイクロソフトの研究者がAIを使用してドローン、自動運転車、またはロボットを忠実度の高いシミュレーション環境で学習するために開発したオープンソースシミュレーションプラットフォーム。開発チームは、顧客と協力して既存の業界固有のシミュレータを使用して自律システムをトレーニングできる。
トレーニング環境では、Azureクラウドでこれらのデータを大量に消費するシミュレーションを実行し、システムは何千もの異なる意思決定シーケンスを並行してテストできる。
マイクロソフトの主任研究マネージャであるAshish Kapoor氏は「一度に何千ものシミュレーションを生成することができ、それぞれで通りを横断する歩行者が異なり、道路のカーブが異なる場合、AIシステムは短時間でより多様な経験を集めることができます。Azureはこれらのシミュレーションを大規模に実行する機能を提供します。これは非常に重要です」と話している。
AirSimは、開発者がより複雑な問題のさまざまな部分を解決するために、さまざまなAIおよび制御ツールを訓練することを可能にする。公開された動画のように、トヨタのマテリアルハンドリングのための自律型フォークリフトの開発を支援する際に、研究者は課題を学習とデバッグがより簡単なサブコンセプトに分割している。
「複雑なシナリオでは、パレットを拾うなどの基本的な制御作業についてフォークリフトを訓練するために強化学習を使用することが合理的であるかも知れません。機械教育は、リフトを水平に調整してから適切な角度を見つけるなど、システムが段々と困難なステップで学習するのに役立ちます」(Kapoor氏)
しかし、問題の他の部分は、障害物の検出と回避のアルゴリズム、ロボット工学の経路計画、または古典的な制御技術など、まったく異なるツールによってよりよく解決される可能性がある。大きなタスクを小さなタスクに分解することで、開発者はその特定の仕事に最適なツールを選択して展開できる。
Hammond氏は、「開発、運用、そしてエンドツーエンドのライフサイクル管理をカバーするインテリジェントな自律システムを構築したい開発者のための包括的なプラットフォームの提供に取り組んでいます」と述べている。
AR、VRなどに強いFoxtrot株式会社は、XRでリアル環境を再現しドローン操縦のトレーニングに役立てる「XR Drone Simulator」を開発した。米Meta社のヘッドセットMeta Quest 2 、Meta Quest 3 に対応し、マルチコプター、固定翼などのドローンを仮想空間で疑似操縦できる。千葉・幕張メッセで6月4~6日に開催されるドローンの大規模展示会、JapanDroneでは⼀般社団法⼈ドローン操縦⼠協会(DPA)が出展するブースでコンセプト展示を予定している。
Foxtrotが開発したXR Drone Simulator はHMD (ヘッドマウントディスプレイ) で屋内や屋外の飛行環境を再現する。障害物も設定できる。空撮用のマルチコプターのほか、大型機、固定翼機など現場でのトレーニングが難しい機体も、操作感や挙動を再現する。GPSモード、ATTIモードなどでの操縦も可能だ。操縦ログの取得、分析ができるためトレーニングの進捗管理や安全教育での活⽤も想定される。
XR Drone Simulator は、Meta Questへのアプリインストールで導⼊される。法⼈向けに提供する計画で、初期セットアップやトレーニングのサポートへの個別対応、専⽤機体の連携、社内⽤ログ管理機能のカスタム開発飛行に加え、飛行空間内の障害物を自由に配置・変更できるシナリオ設計機能の提供も可能だ。
Foxtrotは建設業やプラントなど実機の使⽤に、安全面、コスト面、運用面などでの制約の伴う現場でドローンを運用させるパイロットのスキル維持のための活用を提唱している。Japan Droneでの展示はコンセプトだが、実証検討や導⼊に向けた相談や問い合わせも受け付けるという。
問い合わせはこちら → https://foxtrot.biz/xr-drone/
株式会社ドローンショー・ジャパン(金沢市)、株式会社電通(東京)、KDDIスマートドローン株式会社(東京)は5月29日、ドローンショービジネスの普及、拡張に関する基本合意書を締結したと発表した。マーケティング活動や地域活性化に寄与するソリューションの提供を通じドローンショーの普及と発展を目指すという。
発表文は以下の通り。
ドローンショー・ジャパン、電通、KDDIスマートドローンがドローンショービジネスにおいて協業
~ 空が情報空間に。自治体・企業に新たな価値を創造 ~
株式会社ドローンショー・ジャパン(本社:石川県金沢市、代表取締役:山本 雄貴、以下、ドローンショー・ジャパン)、株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長 執行役員:佐野 傑、以下、電通)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文、以下、KDDIスマートドローン)は2025年 5月29日、ドローンショービジネスの普及、拡張に関する基本合意書を締結しました(以下、本提携)。
近年、ドローンショーは革新的なエンターテインメントとして世界的に急速に拡大しています。多彩な光の演出と高度なプログラミング技術を融合させ、夜空を彩る幻想的なショーが国内外で注目を集め、夜空に描かれる多彩な光の演出は、観客に感動と驚きを提供し、新しい価値創造を促進しています。日本国内においても、イベントやプロモーションの新たな手法として積極的に採用され、地域の活性化やプロモーションにおいて重要な役割を果たしています。
本提携により、国内実績No.1(注1)のドローンショー・ジャパンと、従前よりマーケティング支援やコンテンツ制作を行ってきた電通、そしてドローンで取得した膨大なデジタルデータの解析に関する豊富な経験を有しているKDDIスマートドローンの知見をかけ合わせることで、シナジーを創出し、企業のマーケティング活動や地域社会の活性化に寄与する革新的なソリューションを提供することにより、ドローンショーのさらなる普及と発展を推進します。
■各社の役割
(注1)日本国内におけるドローンショー案件数、実績回数の実績として算出(ドローンショー・ジャパン調べ 2025年 5月現在)
■ドローンショー・ジャパンについて
ドローンを用いた航空ショーを国内で最も早く取り入れて事業化し、機体も自社開発する国内最大手のドローンショー企業です。「当たり前にドローンが上空を飛び交い人々の生活を豊かにする社会の実現」をミッションに、ドローンショーの未来をより創造的で、よりエキサイティングなエンターテインメントへと進化させるための更なる挑戦を続けています。
会社概要は https://droneshow.co.jp/ をご覧ください。
■電通について
顧客のマーケティング全体に対するさまざまなソリューション提供に加え、デジタル時代の変革に対応する効率的な広告開発、最適なお客様体験のデザイン、マーケティング基盤そのものの変革、さらには顧客の事業変革などを支援しています。また、マーケティング領域を超えて進化させた多様なケイパビリティを掛け合わせ、顧客と社会の持続的成長に貢献する統合ソリューションを提供していきます。
会社概要は https://www.dentsu.co.jp/ をご覧ください。
■KDDIスマートドローンについて
KDDIスマートドローンは、上空電波(4G LTE)を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・監視・測量・物流・農業などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
また国内15拠点以上でドローン国家資格に対応した無人航空機操縦士資格コースとソリューションに特化した領域専門コースを運営するドローンスクール「KDDIスマートドローンアカデミー」も展開しています。
会社概要は https://kddi.smartdrone.co.jp/ をご覧ください。
DRONE STARブランドを展開する株式会社ORSO(オルソ、東京都千代田区、代表取締役社長:坂本義親、以下ORSO)は、千葉・幕張メッセで6月4〜6日に開催される「Japan Drone 2025」で、国家資格練習用ドローン「DRONE STAR TRAINING」のプレミアム体験会を実施すると発表した。開催期間中にはしろまい、ササモモ、谷プラスワン。ほかの人気講師、有名パイロットら総勢14人が連日インストラクターとして登壇し、来場者と1対1の飛行体験を行う。またJapan Drone 10周年を記念して体験会の予約者全員に「DRONE STAR TRAINING ドローン・コントローラーセット」(1台)を贈呈する。予約は本日5月28日から予約を受け付ける(予約はこちらから)。また新サービスも初公開する予定だ。
プレミアム体験会に登壇するのは、大沢忍さん、渡邉秋男さん、白石麻衣さん、廣島美和子さん、谷+1。(たにぷらすわん)さん、小栗幹一さん、矢口康平さん、野元善州さん、後藤正和さん、獅子内珠羅さん、佐々木桃子さん、高橋元さん、青山祐介さん、田本 久さんの人気、有名パイロット14人(登壇日程順)。予約をすればJapan Drone 2025に開設されるORSOの体験ブースで、登壇者の飛行を間近で見たり、操縦や練習のコツを聞けたりとプレミアムな体験ができる。
界隈で名が知られた14人ものパイロットがひとつのブースに次々と登場する企画は珍しく、ブース今回のプレミアム体験会は、著名アーティストが次々と登場する音楽フェス、ロックフェスのような豪華な企画となる。また、登壇するパイロットが同じ機体を扱うため、来場者はそれぞれの感想やコツを見比べたり、聞き比べたりすることができる。予約枠が埋まるなどで1対1の体験の予約ができなくても、ブースを訪問することで様子を見学できる可能性がある。
ブースで飛ばすのは直径12cm、重量50.5gの手のひらサイズの練習用ドローン「DRONE STAR TRAINING」の操縦。専用のコントローラーがあるほか、ビジョンセンサーのON/OFFを切り替えられるため、ドローン国家試験の実技試験を想定した練習が室内でもできることで話題になっている。
またORSOはDRONE STARシリーズの新サービスとして、初心者向けドローン操縦シミュレーター「DRONE STAR PILOT」も初公開する。
同社の発表は以下の通り
@Japan Drone 2025、本日より予約開始
~予約者全員にDRONE STAR TRAININGを無料プレゼント~
DRONE STARブランドを展開する株式会社ORSO(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:坂本義親、以下ORSO)は、2025年6月4日(水)〜6日(金)に幕張メッセで開催される「Japan Drone 2025」にて、国家資格練習用ドローン「DRONE STAR TRAINING」のプレミアム体験会を実施いたします。
本企画では、総勢14名のプロパイロットがインストラクターとして参加。1対1形式での操縦体験を通じて、実際の練習方法や操縦のコツをその場で聞ける特別な機会となっております。
また、Japan Drone 10周年を記念して、ご予約いただいた方全員に「DRONE STAR TRAINING ドローン・コントローラーセット」(1台)をプレゼントいたします。
本体験会は完全予約制・各日限定枠での実施となります。
ご興味のある方は、ぜひお早めにご予約ください。
▶ ご予約はこちら:https://reserva.be/dronestar
■ 株式会社ORSO出展概要/DRONE STARプレミアム体験会概要
【出展概要】
出展イベント名:Japan Drone 2025
開催期間:2025年6月4日(水)〜6日(金)
開催場所:幕張メッセ
出展ブース:AP-10
【プレミアム体験会 概要】
内容:プロのドローンパイロットによる1対1形式の操縦体験(20分)
体験枠数:3日間合計72枠(担当インストラクター14名)
ご予約はこちら: https://reserva.be/dronestar
※予約状況・インストラクターの詳細は予約サイトをご確認ください。
※予約枠数が埋まり次第終了します。
※ご予約の入っていない時間帯には、当日の体験を受け付けます。
※「DRONE STAR TRAINING」のプレゼントは、予約枠での体験者が対象です。
■ インストラクターのご紹介とスケジュール(敬称略)
6月4日(水)10:30〜13:30
大沢 忍
AME TSUCHI 代表 / 一等無人航空機操縦士 / DroneMovieContest2024 グランプリ受賞
山梨を拠点に空撮・映像制作を手がけるクリエイター。一等無人航空機操縦士資格を活かし、物語性のある作品づくりを得意としています。
渡邉 秋男
有限会社クレセントエルデザイン 代表 / ドローングラファー
富士山ドローンスクール主宰。一等無人航空機操縦士。第1回Drone Movie Contestグランプリ。ドローン歴14年。
6月4日(水)13:30〜15:00
白石 麻衣
ドローンレース日本代表団団長
スクール講師も務める。一等無人航空機操縦士資格保有。ドローン歴8年。
6月4日(水)15:00〜16:30
廣島 美和子
ドローンスクール新潟 講師 / 新潟工科大学 特任助教
新潟市にあります株式会社スカイフォトサービスが運営しているドローンスクール新潟で国家資格講師として皆様をサポートしています!
6月4日(水)13:30〜16:30
谷+1。(たにぷらすわん)
ワタナベエンターテインメント ドローン芸人 / ギネス世界記録保持者 / エンターテイナー
世界唯一のドローン芸人。ギネス3冠の未来型パフォーマー。
6月5日(木)10:30〜12:00
小栗 幹一
日本DMC株式会社 代表取締役
UAVモニタリング操縦経験12年目(一等無人航空機操縦士)。
6月5日(木)12:00〜13:30
矢口 康平
双葉電子工業ドローンスクール 講師 / JUIDA特別講師
様々な国プロに参画。
6月5日(木)10:30〜13:30
野元 善州
株式会社ノーベル UAV事業部 部長
大分県で登録講習機関の講師を務めています。空撮から測量、物流の運航管理まで幅広くドローンの利活用に努めています。よろしくお願いいたします!
6月5日(木)13:30〜16:30
後藤 正和
株式会社オーイーシー DX・海外連携推進室 / ドローンサッカーパイロット
大分ドローン協議会、日本ドローンサッカー連盟所属。
獅子内 珠羅
有限会社ワールドファニッシング・グループ ドローン事業部 / ドローンパイロット / 二等国家資格修了審査員
ドローン国家資格教習所「JULC(日本無人航空機免許センター)」の群馬教習所にて二等の修了審査員を務める。DJI CAMPの講師として勤める。一等無人航空機操縦士資格保有。
6月6日(金)10:30〜13:30
佐々木 桃子(ササモモ)
株式会社ジュンテクノサービス
2015年、専業主婦からドローンパイロットをめざし、事業を開始。ブロガー・動画配信など多岐にわたる活動でドローンの普及に貢献。現在は株式会社ジュンテクノサービス取締役、水中ドローンを活用したインフラ点検現場などの現場にて国内外を問わず活躍。
高橋 元
株式会社ozora CEO / GlobeXplorePro開発 / FPVドローンパイロット
世界中どこでも飛行できるドローンシミュレーターを開発。FPV歴5年。若者ドローンコミュニティ運営。
6月6日(金)13:30〜16:30
青山 祐介
記者、オペレーター
ドローン関連の書籍やWebサイトの記者として活動。オペレーターとしてもレベル4飛行や機体開発にも携わる。
田本 久
タモサンドローン合同会社 代表社員
長崎県を起点としてテレビ番組や企業PVなど空撮業務を中心にスクール講師などもやっております。ドローン歴12年。
▶ ご予約はこちら:https://reserva.be/dronestar
■ 新サービス「DRONE STAR PILOT」について
また会場では、DRONE STARシリーズの新サービスとして、初心者向けドローン操縦シミュレーター「DRONE STAR PILOT」も初公開いたします。
■「DRONE STAR TRAINING」について
「DRONE STAR TRAINING ドローン・コントローラーセット(2024年7月発表)」は、機体とコントローラー(プロポ)がセットになった製品です。本製品は練習用に特化して開発を行いました。機体は直径12cm、重量50.5gの手のひらサイズで、バッテリーは着脱式のため、長時間の練習にも対応できます。また、専用コントローラーには、ビジョンセンサーのON/OFF機能が搭載されており、ドローン国家試験の実技試験基準に準拠した、本番さながらの練習を可能にします。
【公式サイト】 https://www.dronestar.jp/product/training
DRONE STARとは
株式会社ORSOと、株式会社エルの共同プロジェクトである「DRONE STAR」は、2016年にドバイで開催されたドローンレース世界大会に日本代表として参加した高宮悠太郎を中心に、ドローンとスマホアプリを連携させ、楽しみながら学ぶ新しいコミュニケーションを提案するプロジェクトです。DRONE STARとは、お使いいただくユーザーの方々の中から新たなスターが生まれ、今後の新しい可能性を広がる未来が来ることを願ってつけられた名称です。
2017年には、室内で楽しく学べるアプリ「DRONE STAR」と対応機体「DRONE STAR 01」をリリースし、ドローンと共にリリースした連携アプリによって、スマホの画像認識とAR技術を活用し、操縦者の技能をスコア化する機能を提案。2018年には、教育現場でのICT教育を推進するために、ドローンプログラミングアプリ「DRONE STARプログラミング」をリリース。このアプリは全国各地の教育現場とともに研究開発され、創造的課題や動画撮影が可能で、論理的思考を育むツールとして注目されています。2023年には、お家で安心して飛ばせるバッテリー交換可能な「DRONE STAR PARTY」を発売。2017年にリリースした「DRONE STAR 01」と比べて飛行時間が延びたほか、高さだけでなく水平方向の飛行アシストも追加され、より安定したホバリングが可能となりました。引き続き、DRONE STARを通じて、楽しみながら学ぶ新しいコミュニケーションを提案していきます。
DRONE STAR公式ホームページ: https://www.dronestar.jp/
ブルーイノベーション株式会社(東京都)は5月27日、航空トレーニングサービスなどを提供する米PKL Services, Inc.(PKL)と「ドローン操縦訓練シミュレータの共同開発・提供覚書(MOU)を締結した」と発表した。用途特化型訓練プログラムや、実務を再現したシミュレーション訓練などを視野に入れている。締結した日時はプレスリリースに明記されていない。
ブルーイノベーションが発表したプレスリリースによると、同社はPKLのAIやMRを活用する航空訓練システム「OMNISPEC® トレーニングシステム」をカスタマイズし、ドローンの訓練シミュレータを共同開発する。ブルーイノベーションは
を想定しているという。
PKLのマイケル・ネイラーCEOは「お客さまの重要なニーズや複雑なミッションの要求に合わせた高度な訓練ソリューションをカスタマイズできる当社の能力は、ドローン市場に大きな価値をもたらすでしょう」、ブルーイノベーションの熊田貴之社長は「今回の取り組みにより、災害対応やインフラ点検など、社会の最前線で活躍できるプロフェッショナル人材の育成を加速し、持続可能で安心な社会の実現に貢献してまいります」とそれぞれコメントを発表している。
自動制御技術のブルーイノベーション株式会社(東京)は5月20日、一宮町(いちのみやまち、千葉県長生郡)で、津波避難広報システムの運用を始めた。津波警報などの発令を受けてドローンが自動で離陸して海岸に飛び、海岸にいるサーファーらに高台への避難を呼びかける。一宮町役場で完成記念式典が行われ、馬淵昌也町長は「サーフタウンとしてみなさまに安心して頂けるレベルがはるかに上昇すると大変うれしく思っています」などとシステムの運用開始を歓迎した。この日はドローンのデモ飛行も行われ、海上を飛びながら避難を呼びかける様子が公開された。
運用が始まった津波避難広報システムは、ブルーイノベーションが独自開発した制御システム、Blue Earth Plarform(ブルーアースプラットフォーム、BEP)をドローンポートの自動運用に適用した「BEPポート|防災システム」を一宮町向けに調整したシステムだ。同じ仕組みを使ったシステムが仙台市に導入されていて、一宮町での導入は津波避難広報システムとして2例目となる。
システムは国が緊急事態を知らせる「全国瞬時警報システム(Jアラート)」と連動していることが特徴だ。Jアラートのうち、大津波警報、津波警報、津波注意報の3種類の津波関連情報を受信すると、自動制御システムであるBEPが自動でドローンポートにドローンの飛行を指示し、ポートに待機していたドローンが自動で離陸する。
離陸したドローンは海岸に向かって飛行し、海岸線から10~20m程度の海上上空にたどりつくと、水面から25mほどの高さにまで飛行高度をさげて、機体に搭載しているスピーカーから「ただちに高台に避難を」などと海上のサーファーや周辺の人々に呼びかける。スピーカーのメッセージの種類はJアラートが受け取った津波情報によってBEPが使い分けを指示する。
システムは頭脳であるBEPと、ドローンポート、ドローン本体がセットになっている。採用されたドローンポートは「DJI DOCK」、ドローンは「DJI Matrice30T」。ポートと機体は一宮町役場の屋上と、町役場から直線で2.7㎞離れた一宮町立東浪見小学校にそれぞれ1組ずつ設置された。機体は視認しやすいように白い機体がオレンジ色で塗装されている。
BEPがJアラートを受信すると、ふたつのドローンポートを同時に制御し、それぞれのポートから自動でドローンが離陸する。一宮町の海岸は約7.5㎞あり、2機のドローンが呼びかけエリアを分担する。飛行時間に限りがあるドローンのバッテリー環境を健全に保ち、沿岸での呼びかけを終えるまでの時間を短縮する。
ドローンの飛行経路や、ドローンのカメラからとらえた映像はBEPでリアルタイム管理され、本部(町役場や災害対策本部、消防など)にいながらに確認できるため、職員が現場に向かう危険を回避することにもつながる。
システム導入までは、一宮町では防災無線が避難広報の中心的な役割を担ってきた。サーファーたちの心強い味方だが、固定された無線では呼びかけ効果に濃淡ができることや、建物の影になった場所への呼びかけなどが課題として指摘され、防災体制の強化が検討されてきた経緯がある。一宮町の馬淵昌也町長は「高台から光を照らして知らせるなどの方法も検討したが網羅性に課題があった」という。
完成記念式典で馬淵町長は「防災では災害情報を瞬時に正確にすべてにもれなくお知らせすることが大事です。今回のシステムはその一歩として期待していますし、サーフタウンとしてみなさまに安心して頂けるレベルがはるかに上昇すると大変うれしく思っています」と述べた。
式典では小関義明一宮町議会議長が「わが町の防災体制の向上に大きく寄与すると期待しています」とあいさつしたほか、一宮町サーフィン業組合長の鵜澤清永組合長の「今回のシステムはまさに命を守るための仕組みです。情報をいちはやく正確に必要な人にしっかり届けることは、早めの避難行動に直結し、被害を最小限に抑える力になります」と期待を寄せるメッセージや、プロサーファー岩見天獅さんの「海の上で危険をどう伝えるかは本当に大切。今回導入されるシステムは聞こえない、と必ず届く、に返す取り組みだと思います」というメッセージが紹介された。
この日行われたデモフライトでは、一宮町役場の屋上に設置されたドローンポートから離陸したドローンが、一宮海岸の上空からスピーカーで呼び掛ける様子が披露された。
一宮町は昨年(2024年)11月に、ブルーイノベーションのシステム導入を発表し、その後、調整を続けてきた。この日の発表から実運用に入る。原則としてJアラートの発表がないとドローンは出動しないが、防災訓練などのさいに飛行を公開する可能性があるという。
ブルーのドローン津波避難広報システム、一宮町が導入 仙台市の導入を教訓に決定
公表されたプレスリリースは以下の通り
~Jアラートと連動、避難広報と状況把握を完全自動化。千葉県一宮町で2例目の社会実装~
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之、以下 ブルーイノベーション)は、自治体向けに開発した「BEPポート|防災システム」(以下 本システム)の本格提供を、2025年5月20日より開始しました。
同日、千葉県一宮町にて本システムを活用した津波避難広報システムの完成記念式典が開催され、津波対策としては2022年に導入された宮城県仙台市に続く2例目の社会実装となります。
本システムは、Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動し、災害発生時の避難広報および現場の状況把握を自動化することで、迅速かつ的確な初動対応を可能にする次世代型の防災ソリューションです。ブルーイノベーションは今後、人に依存しない無人防災の実現を目指し、全国自治体への展開を進めてまいります。
■災害対応に求められる「初動対応」・「迅速な状況把握」・「確実な伝達」
地震・津波・豪雨・森林火災など、頻発する自然災害が懸念される中、自治体には迅速な「避難広報」と「被災状況の可視化」が求められます。しかし、実際の現場では「人手不足」や「安全確保」が課題となり、迅速な初動対応が困難なケースも少なくありません。
そこでブルーイノベーションは、自治体が抱える防災対応の課題に対し、「避難広報」と「状況把握」を自動化する次世代型防災ソリューションとして、「BEPポート|防災システム」を開発しました。
■「BEPポート|防災システム」の3つの特長
本システムは、ブルーイノベーションが開発したドローンポート情報管理システム「VIS(Vertiport Information System)」※1を基盤とし、Jアラートと連携することで、災害発生時にドローンが自動で発進。広域への避難広報とリアルタイム状況把握を実現し、自治体の防災力向上に大きく貢献します。
1.Jアラートと連動した自動避難広報
Jアラートを受信すると、ドローンポートからドローンが自動発進。上空からスピーカーで避難を呼びかけ、人手を介さず、迅速な避難指示を行います。
2.被災状況のリアルタイム把握
あらかじめ設定された飛行ルートを自動飛行しながらドローンが被災地の映像を取得。複数機の同時運航で広域をカバーし、映像はBEPポートサーバー(国内クラウド)へ自動保存。現場の状況を安全・確実に把握・共有できます。
3.職員の負担軽減と安全確保
遠隔からの状況確認により、職員の現地出動を最小限に抑えます。専用アプリによる簡単操作で自動運航できるため、ドローンの操縦スキルに依存せず、安全な初動対応が可能です。
■サーフィンの聖地、千葉県一宮町への導入
全国有数のサーフスポットとして知られる千葉県一宮町は、年間約60万人のサーファーや観光客が訪れ、海岸エリアには常に多くの人が集まる地域です。一方で、約7.5kmにわたる広域な海岸線を有する同町では、津波などの災害発生時における避難指示の迅速かつ確実な伝達が大きな課題となっていました。
この課題を解決すべく、一宮町では当社が開発支援を行った宮城県仙台市での津波避難広報ドローン事業の事例に着目し、本システムの導入を決定し、4月から稼働開始しました。津波注意報以上が発令された際には、一宮町役場と東浪見小学校の屋上に設置されたドローンポートからドローンが自動で発進。上空からの避難広報と現場映像の取得を同時に実施します。
これにより、サーファーや観光客、地域住民を問わず、広域かつ迅速な避難支援と状況把握が可能となり、一宮町はより強固な災害対応体制を実現しています。
■「BEPポート|防災システム」の全国展開へ
本システムは、津波災害に限らず、地震・洪水・火山災害・森林火災など、多様な災害への対応を想定した汎用性の高いソリューションです。
今後、全国の自治体や公共団体への導入を積極的に推進し、特に人手不足や高齢化が進行する地域において、人に依存しない「無人防災インフラ」の構築と社会実装を目指してまいります。
神奈川県茅ヶ崎市の沖合上空を飛んでいたドローンが、漂流しているサーファーを発見し、漂流者は通報を受けて駆け付けた救助艇に助けられた。救助されたのは3人で、最初の救助は通報から約10分後と素早い救助につながった。
通報があったのは5月10日午前10時9分。茅ヶ崎市東海岸南の茅ケ崎ヘッドランド沖でサーファーが流されていると119番に通報があった。通報を受けて神奈川県水難救済会茅ケ崎救難所のライフセーバー5人が乗れる救助艇が現地に向かった。確認をしたところ3人が流されていて、湘南海上保安署によると最初の1人目を午前10時20分に救助し、救急隊に引き渡した。その後10時30分、10時40分と10分ごとに1人ずつ救助した。3人とも無事だった。
ドローンは、沖合200メートルの場所にいたサーファーの姿と、その漂流者が、ドローンに向かって手で「✕」印をつくってみせ、漂流していることを確認したという。
現場となったヘッドランドはT字型の人口岬で、沖合に向かった流れる離岸流が発生しやすく、遊泳には適していないとされる。離岸流は岸から置きに向かって流れるため、漂流時に岸にむかって泳ぐと、たどりつけないうえ、体力が消耗し危険とされている。また、当時は強風波浪注意報も出ていたという。
ドローンを使った沿岸パトロールや海難レスキューへの期待は高まっている。今年(2025年)2月13日には、海難レスキュー用に開発された機体が機能するかどうかを確認する実証実験が鎌倉市(神奈川県〕の材木座海岸で行われ、遭難者役のライフセーバーが海面に浮かぶと、ドローンが急行して救命浮環や、海水を着色して位置を示せるシーマーカーを投下した。シーマーカーはGPSを搭載したカプセルとともに投下され、陸上で現場の場所を特定できるなど、効果を確認できた。実験は神奈川県産業振興課が主催した。
このときのレスキュードローンは田村市(福島県)に本社を構える株式会社manisonias(マニソニアス)が、「Quick(クイック)」ブランドで国内のドローン開発を数多く手掛ける五百部商事有限会社(鹿沼市<栃木県>)の機体をベースにカスタマイズした機体で、「SAKURA」と名付けられている。
神奈川県では海岸パトロールの取り組みは5年前から行われている。新型コロナウイルス感染症が広がりはじめた2020年7月18日、神奈川県は感染拡大防止対策として県内の25カ所の海水浴場の開設を取り止めたが、このさい海水浴場の安全確保のため、ドローンとライフセーバーによるパトロールの実証実験を片瀬西浜(藤沢市<神奈川県>)で行われた。水難事故などのトラブル対策として、神奈川県は日本ライフセービング協会と包括協定を締結、藤沢市も海水浴場組合、神奈川ライフセービング協会、藤沢市サーフィン協会などと協議し「夏期海岸藤沢モデル2020(藤沢市夏期海岸ルール)」を定めていた。ドローンを積極的に活用することは対策に盛り込まれていて、この日の実験がドローンとライフセーバーの連携では初めての取り組みとなった。
サーファーが集まる場所での沿岸パトロールは地元自治体の課題のひとつで、年間60万人のサーファーが訪れる一宮町(いちのみやまち、千葉県長生郡)は昨年(2024年)11月15日、自動制御技術のブルーイノベーション株式会社(東京)が開発したドローン自動巡回システムの導入を決めたと発表し、近く実証実験を行う見通しだ。