ドローン前提社会が近づいています。そうだ、ドローンスクールに行こう!そう思って検索すると、想像以上にたくさんのスクールが表示されてしまいます。国土交通省のホームページに掲載されているものだけで638団体。ナットク!できるスクールはどう選べばいいのでしょう。そんな相談の声にこたえて今回は、「ここでよかった」と思えるドローンスクール探しをサポートするため、14のチェックポイントをまとめました。あわせて、実績が多数の安心して学ぶことができるスクールをいくつか紹介します。
1、チェックポイントの確認が「ナットク!」を支える
2、理由や目的を書き出して、照らし合わせる
3、「ナットク!」のスクール選びのための14のチェックポイント
3-1、第一印象 パッと見をチェック あとで振り返る
3-2、カリキュラムを点検!~自分向きか? わかりやすさへの工夫はあるか?
3-3、機体は何か? 見落としがちな「モード」も確認を
3-4、時間はどれだけ? 座学、実技の内訳も知りたい 日程も!
3-5、会場の立地は? 座学はどこ? 実技はどこ?
3-6、環境は魅力的? 教室はキレイ? 飛ばす場所は?
3-7、講師はどんな人? 実績は? 少人数?
3-8、スクールの実績は? 本業も確かめておく
3-9、卒業後のサービスは? 交流、修理、申請などの頼り先
3-10、「講習団体」? 「管理団体」の認定校?
3-11、受講料は? 得られる価値に見合う?
3-12、マイ・チェックポイントは?
3-13、説明会へGO! 直接訪問で雰囲気、熱意、相性を確認
3-14、第一印象を振り返る
4、バラエティ豊か! ドローンスクールの個性を生かす
4-1、アキバ徒歩1分の好立地 補講は追加料金なし 秋葉原ドローンスクール
4-2、会場は一流ホテル 専門家が高いホスピタリティーを発揮 アマナドローンスクール
4-3、教習コンテスト入賞、「満足度90.6%」が示す教える力 行田ドローンスクール
4-4、日本初のドローン専用飛行場が講習会場 つくばドローンスクール
4-5、8日間の圧倒的な分厚さ 卒業後も集まる濃いコミュニティー ドローン大学校
4-6、Inspire1で2オペ練習 屋外実技はサバゲーフィールド? 日本ドローンアカデミー
4-7、機体はヤマハ製「YMR―08」 アグリテック人材を強力サポート ヤマハマルチローターアカデミー北陸
4-8、野生鳥獣調査、災害対策の専門家が寄り添う基礎講習 Sky Seeker Academy
4-9、日本初のDJI代理店が運営 機体を熟知した講習 SUSCドローンスクール
5、最後に~ドローン前提社会を担う人材への第一歩を
自分にあったドローンスクールを選ぶには、押さえておくべきポイントをチェックすることが第一歩です。
ただ、確認すべきチェックポイントを自分で洗い出す作業そのものが一苦労。そこで、今回、14のチェックポイントを用意しました。これにそって確認していくと、きっと、ふさわしいスクール像が見えてくるはずです。また、チェックポイントを眺めているうちに、自分だけのオリジナルのチェックポイントが浮かび上がることもあります。そんなときにはそれも加えると、より絞り込めます。
チェックポイントを確認するときに大事なことは、ドローンスクールに通いたいと思った理由や通う目的です。旅行先で空撮を楽しみたいから、とか、仕事にいかしたいからなどを書き出して、いつでも見られるようにしておくと、照らし合わせるときに便利です。
理由や目的を考えるさいの参考に、ドローンはこれから社会で幅広く頼られる、ということをお伝えしておきます。減り続ける労働力を補ったり、きつい仕事から人間を解放したりするのに大きな期待が寄せられているのです。ほかに映画やテレビなどの映像の現場でも、田んぼや畑でも、ショービジネスやレースなどエンターテインメントでも使われ始めていて、幅広い活躍が予想されています。
もうひとつ、ドローンスクールでは、ドローンを使う人が知らないといけない機体の仕組み、法律、ルール、飛行許可、申請のための手続きなどの知識、正しく安全に操縦するための技術を、まとめて学べます。ドローンを飛ばすために国家資格は必要ありませんので、自力で身に着けてもいいでのですが(実際、自力で腕を磨いた第一人者が第一線で活躍しています)その方たちが、後進が効率的に学べるように必要な知識、情報、トレーニングなどをまとめたものがスクールにいかされているのです。
これまで述べてきたことをふまえて、ドローンスクールを選ぶさいにチェックしておきたいポイントを14点、書き出してみました。これまで一口に「ドローン」という言葉を使ってきましたが、ここでは航空法が対象としている無人航空機のスクールをとりあげます。
最初のチェックポイントは、気になるスクールが検討の俎上に乗ったときの、第一印象です。印象だけで決めつけることは危険なので、このあと細部を検討するわけですが、その前に、最初の印象を記録しておくと、後に比べるさいに役立ちます。そのスクールで学ぶ自分がイメージできるかどうか、それをイメージしたときに前向きな感情が芽生えたかどうか、ご自身が抱えておられる通う目的や理由を満たしてくれそうかなどになると思います。
インターネットのホームページやパンフレットに書かれている概要や内容からの印象や、ひきつけられた言葉、魅力に感じた表現、写真があったら、どの言葉、どの表現、どの写真を魅力に感じたのか、記録しておくと、複数のスクールを比較検討するとき役立ちますし、チェックポイントを一通り確認し、見る目が備わったあとに見返すと、第一印象が変わることがあるので、その気持ちの変化を確認することも有効です。
気になるスクールが見つかったときには、そのスクールのカリキュラムが、ご自身の理由や目的に合っているかどうかを確認します。初心者でドローンに不慣れ、などと自覚しているなら、そのカリキュラムが初心者に適しているかどうかが確認のポイントになるかもしれません。その場合はたとえば電源の入れ方や、プロペラの取り付け方などといった、準備や機体の扱い方を初歩から教えてもらえるかどうかなども事前に確認しておきます。ほかにも、テキスト、シミュレーター、Eラーニングなど、講習内容を身に着けるための工夫は事前に把握しておけば比較のさいに役立ちます。
機体の知識がなくても、そのスクールでトレーニングに使う機体を確認しておくと判断を助けます。練習機が、卒業後に自分で使う可能性が高い機体であれば、スクールでのトレーニングがそのまま卒業後の準備に直結します。卒業後に使う機体がトレーニングする機体と違う場合については、スクールに相談をすると、多くの場合相談に乗ってくれます。
ドローンを操縦するときに手元で操作する送信機の扱い方には、モード1、モード2などの方法があり、そのスクールで教えるのはどのモードであるかを知っておくことも地味ではありますがとても大事です。操作の方法が異なり、一度学ぶと、事後に変更することが難しいといわれます。日本ではラジコン飛行機の操縦に慣れている人はモード1で飛ばすことが多く、現在もモード1で活躍されている方が大勢いらっしゃいます。その後、ドローンの普及とともにモード2が増えているといわれ、海外ではモード2が主流です。スクールのホームページで紹介されていることもありますし、ないこともありますが、事前にモード1か、モード2かそれ以外かを聞いておきましょう。
講習は教室で学ぶ座学と、実際にドローンを飛ばす実技があります。それぞれにどの程度の時間を使うのかを確認することも大切です。スクールごとの個性も出やすいところです。講習時間が長いスクールは、そこに力を入れていると読み取ることができます。一方、指導の密度の濃さを磨き上げているスクールなら短時間でひと通りをマスターできます。日程が、ご自身の学業や勤務に影響がないか、無理なくこなせるか、融通がきくかなども確認しておくことも判断の前提になります。
ドローンスクールの会場の立地を確認することは必須です。オフィス街に座学の会場を設けているスクールがあるので、勤務終了後の帰宅前に寄れる利便性もあります。
なお、テキストで学ぶ座学のほかに、実際にドローンを飛ばす実技の会場が分かれていることがあるので注意が必要です。スクールによっては実技をさらに、屋内で飛ばす会場、屋外で飛ばす会場に分けているところもあります。一か所で集中的に学べるかどうかが大切になるかもしれませんし、実技だけ郊外に出向いて広々とした場所を確保していたり、飛ばす準備から体験できたりするほうが目的にあうかもしれません。合宿形式でスクールを開講しているところもあります。会場までのアクセスとともに確認しておくことが大切です。
ドローンスクールの会場として確認すべきポイントは、立地だけではありません。学ぶ環境や設備に魅力があるかどうかも判断材料になります。
座学の会場であれば、清潔かどうか、新しいかどうか、受講生を迎える設備として機能するか、などそこで学ぶ意欲をかきたてそうかどうかを見ておくと、適否が判断しやすくなります。スクールによっては、休憩スペースを準備しているところや、トイレの清潔に気を使っているところもあれば、一流ホテルを活用して受講生が学びやすい環境を用意しているところもあります。環境が学ぶ満足感を左右することがありますので、環境重視の方には重要なポイントです。
実技では、ドローンを飛ばす会場環境を知っておくことが重要です。屋外で周囲を気にすることなく思い切り飛ばす体験をしたい、という方には、その要求を満たす会場を確保しているかどうかはひとつの判断基準になりそうです。
講師の人物像や実績、講師と受講生の人数比も、多くの受講生が気にするポイントです。講師については、性別、年齢のほか、活動領域や実績などを知っておくと、スクール選びの助けになるだけでなく、受講したさいに、その講師からより深く学べる領域が何であるかをイメージできます。スクールの中には、よく知られたテレビ番組の映像を提供している空撮の専門家を講師にそろえていたり、教え方のコンテストでの入賞経験者を抱えていたりするところもあります。あわせて、その講師に対して受講生が何人いるのかも知っておくことも、受講状況を想像しやすくします。
ドローンスクールや、スクールを運営している会社のドローンについての実績を事前に知っておくと、選択の判断に大きく関わることがあります。
映像などビジュアル制作が本業の会社が映像の機器のひとつとしてドローンを扱い、そこからドローンスクールを運営しているケースもあれば、本業のひとつが農機製造でそこから農薬散布ドローンの生産を手掛けた流れで操縦士の育成の一環でスクールも手掛けているケースもあります。ドローンの代理店として豊富な経験を持ちドローンを熟知しているところもあります。
スクールや運営企業の本業や専門領域が、自身の学ぶ理由や目的にそっているかどうかも判断するさいの情報として重要です。
受講生のドローン活動は主にスクールを修了したあとに本格化します。そのさいに新たな課題が発生したり、仲間や相談相手が欲しくなったりすることがあります。ドローンスクールによっては、受講終了後にも定期的に集まる機会を設けていたり、相談をできる仕組みや、機材修理、割安購入、飛行申請の補佐などのサービスを提供していたりするところがあります。
卒業後の頼り先、駆け込み寺にしたい人には、重要なチェックポイントです。
ドローンスクールは現在、民間で運営されており、その信用度をはかる公的な指標はありません。参考になるのが、国土交通省航空局のホームページです。
パソコンの検索窓に、「国交省航空局」「ドローン」と入力し、表示された「無人航空機(ドローン・ラジコンなど)の飛行ルール」のページ
を見ると、「無人航空機の講習団体及び管理団体一覧」があります。(2020年改訂:2020年以降、「ドローン情報基盤システム」(DIPS)内の「申請書類の一部を省略することができる技能認証を発行する団体」で公開されています)ここに一覧表があります。表には、一定の要件を満たしたドローンスクールを「講習団体」として、講習団体を管理する統括機関を「管理団体」として表示してあります。
原則、毎月1日に更新されていますので、気になるスクールが「講習団体」ここに表示されているかどうかを調べられます。「講習団体」に見当たらない場合、次に、そのスクールが「管理団体」に所属しているかどうかをスクールに問い合わせれば、一定の要件を満たした「管理団体」に認められたスクールかどうかが確認できます。航空局のHPに掲載された「講習団体」が発行した技能認証、ライセンスを取得すると、ドローンの飛行申請手続きをのさいに、手続きの一部が免除される利点があります。たとえば一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールを修了すると、「JUIDA無人航空機操縦技能証明証」や「JUIDA無人航空機安全運航管理者証明証」の発行を受ける資格が得られ、それが申請手続きの簡略化に役立ちます。
一方、航空法の適用を受けない機体の操縦を教えるスクールや、点検、測量などすでに基礎技能を保有している技術者向けの専門的な講習、エンジニアを要請する講習などは、掲載対象になっていないことが多いようです。基礎的な技能をみにつけたあとに、さらなる技能向上を目指すときに検討することがよいかもしれません。
受講料は、受講生にとって大きな検討要素です。相場や平均的な価格との比較をするでしょうし、ご自身の支出可能額との相談も重要ですが、もうひとつ、その金額で得られる価値が何か、いう視点も大切です。そこでもう一度、ドローンルクールに通う理由や目的を確認し、それが得られるかどうかを見ることが大切になります。またこれまで見てきたチェックポイントの中で、ご自身が重視する項目が何かを判断して、それらをもっとも多く満たすスクールがどこであるかを確認することも大切になります。ご自身が得たい価値と照らし合わせることで、受講料の適否を判断することが重要です。
ここまで11のチェックポイントを点検して、もう一度自分の理由や目的を確認します。ここで、自分の目的を果たすために大事なポイント、こだわりのポイントが抜けていれば、それをチェックポイントに加えます。オリジナルの“マイ・チェックポイント”を加えることで自分だけの確認表が出来上がります。
気になるスクールが絞り込まれてきたら、実際に講習会場や説明会に足を運ぶと、それまでに分からなかった重要な情報が得られることがあります。講師やスタッフの熱意や物腰、会場の雰囲気、受講生の表情などが代表的です。インターネットの書き込みや知人の評価も参考になりますが、ご自身の感覚ほど重要なものはありません。スクールによっては説明会の参加が申し込みの条件になっていることも多く、未確認ポイントのチェックにも役立ちます。
最後にもう一度、最初の第一印象を振り返ってみることは、大きな意味があります。
第一印象で魅力的に感じた項目を忘れていないかを確認するとともに、養われた目で再確認することで、当初、魅力と感じていたものの価値に変化がないかどうかを確認できるからです。このときには、内容、立地、会場、講師、受講料を含めて総合的に判断できます。
ここまで確認作業を重ねてくれば、自信をもって自分で選択したスクールに通うことができるようになっているはずです。
ドローンスクールはそれぞれに個性を持っています。自分にあったドローンスクールを選ぶことは、ドローンスクールの個性を見極めて、自分の目的達成に生かすことでもあります。ここからは、いくつかのスクールを取り上げ、その個性を読み解いてみます。以下に掲載するスクール、またはスクール運営母体は、国交省航空局のホームページで「講習団体」として掲載されています。複数の講座、コースを運営している場合もありますが、本文では原則として、そのうちのひとつを取り上げています。記事を書くにあたり、各スクールにはアンケートへの回答や、問い合わせ対応などで協力を頂きました。ここで掲載していないスクールも含めて、豊かな個性があることを理解する参考となれば幸いです。
記載内容は2019年11月現在の状況に基づきます。掲載の順番は日本語表記で五十音順に並べたのち、英語のアルファベット順です。本文中の金額は税別です。
無線通信工事業の田中電気株式会社は「秋葉原ドローンスクール」を運営し、「ドローン操縦士及び安全運航管理者養成コース」を展開しています。一般社団法人日本UAS産業振興協議会の認定スクールで、終了後には「JUIDA無人航空機操縦技能証明証」「JUIDA安全運航管理者証明証」の発行を申請できます。
受講生がこのスクールを選ぶ最大の理由は、座学会場の立地。JR秋葉原駅から徒歩1分の場所にある「田中電気ショールーム」のセミナールームが会場で、通いやすさが評判です。また飛行実技も都心から1時間の埼玉県さいたま市にサッカーコート1面の広さの「田中電気グランド」を確保してあります。講座は座学2日間、実技2日間ですが、実技2日間はあくまでも最短。GPSなど位置情報機能を切った状態での操縦もしっかりと身に着けたうえで修了させることにしています。ただ、修了までは追加料金をとらない面倒見のよさが、実は受講生から信頼される大きな理由です。
運営主体である田中電気は無線通信工事業を手掛けているため、ドローンに重要な無線通信事情に詳しい点も受講生にとっては心強いポイント。未経験者がほとんどで、合格までサポートをする姿勢が家族的だと受け止められていて、修了後のアンケートでは多くの受講生から「アットホームな雰囲気」と評価されています。
・講習:ドローン操縦士及び安全運航管理者養成コース
・日程:最短4日(座学11時間、実技最短12時間)
・人数:定員10名
・講師:6人、男性5人、女性1人、20~60代
・機体:Phantom3、Phantom4。モード1、モード2
・会場:
座学=田中電気ショールーム内セミナースペース
実技=田中電気グランド(埼玉県さいたま市)
・料金:228,000円。団体割引あり。合格まで追加不要
・備考:より実践的な「チャレンジコース」あり
★説明会参加フォーム★
「アマナドローンスクール」はビジュアルコミュニケーションのエキスパート、アマナグループのアマナビが展開しているスクールです。基礎から専門までさまざまなコースをそろえる中で、「JUIDA操縦技能取得講座」は千葉県木更津市にある研究開発拠点かずさアカデミアパークを会場に、1泊2日の集中合宿スタイルで行われていることで知られています。オークラアカデミアパークホテルに宿泊するなど洗練された環境で、知識や技能の習得に集中できます。これまでに1000人以上の卒業生を輩出し、2019年8月には、JUIDAから「JUIDA認定スクール最多卒業生輩出校」として感謝状が贈られました。
1泊2日で成果を出すカギは、効率的、かつ快適な環境で学べる会場の選定とともに高い技能を持つ専門家集団の講師陣にあります。アマナドローンスクールの講師はアマナグループの空撮チームairvisionのプロフェッショナル。映画「魔女の宅急便」の実写版やNHK大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像など映画、CM、MVなどの実績があるほか、2017年にスタートしたairvision surveyでは、インフラ点検、測量、精密農業などの実証実験を経て、産業用ドローン導入の企業向けコンサルティングを数多く展開していて、講師一人一人がドローンの操縦にとどまらない広範囲な知識と経験を持っています。こうした知識と経験をもとに、アマナドローンスクールが独自に、飛行に必要な47の評価ポイントを設定して実技の基礎固めに活用するなど、質の高いカリキュラムにも定評があります。
★説明会参加フォーム★
・講習:JUIDA操縦技能取得講座
・日程:1泊2日合宿(座学6時間、実技13時間)
・人数:最大10人(実技は講師1名に生徒5人以下)
・講師:男性8名、全員が空撮のプロ、30代~60代
・機体:Mavic2シリーズ、モード1、モード2など
・会場:かずさアーク(千葉県木更津市)
講習場所=かずさアカデミアホール会議室など
宿泊場所=オークラアカデミアパークホテル
・料金:198,000円。企業向け割引制度あり
・備考:上記コースのほかにJUIDA安全運航管理者取得講座、DJI CAMP 検定&特訓コース(DJI CAMPスペシャリスト技能認定講習、管理団体はDJI JAPAN株式会社)、アマナドローングラファーライセンス講座(管理団体は株式会社アマナビ)、ドローン空中写真測量基礎講座、アマナ空撮技術コース(UTCキャンパス内でのみ申込可能)も展開。企業にあったオリジナルカリキュラムの提供も可能。卒業生限定勉強会あり
★説明会参加フォーム★
「行田ドローンスクール」は、有限会社羽生モータースクールが運営していて、「JUIDA総合取得コース」などのコースを開設しています。このコースを修了すると一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の「技能証明証」「安全運航管理者証明証」を申請できます。
特徴は「卓越した教える力と笑顔」。スタッフは全員、教習所検定員、または指導員の資格を持つ教えるプロで、教える技術を競うコンテスト「令和元年一般社団法人埼玉県指定自動車教習所協会教習技能競技大会」で第3位に入賞した指導員ら高い教育力を持った講師が、オリジナルの動画を活用しわかりやすさを重視しています。座学と屋内実技講習は平成29年12月に竣工した自社所有の最新の施設が会場。トイレに最新ウォシュレットを採用していたり、休憩スペースにハンモックを備えていたりと、学ぶ環境の居心地のよさを追求しています。なお屋内コースは全天候型で、25m×25mの広さを確保。約5キロ(約8分)離れた羽生モータースクールに、屋外の実技会場も確保しています。
羽生モータースクールでは卒業生を対象に満足度を調査していて、平成30年1~12月の調査では90.6%の満足度を獲得。この教習ノウハウをドローンスクールにもつぎ込み、さらに高い満足度を目指しています。
★説明会参加フォーム★
・講習:JUIDA操縦技能取得コース(他にもコースあり)
・日程:平日3日、土日2日(共に座学6h、技能11h)
・人数:1開催5名以下
・講師:6人(男性5人、女性1人、平均29.4才)
・機体:Phantom4 Pro Plus ver2.0、モード2
・会場:
座学=行田ドローンスクール教室(埼玉県行田市)
技能屋内=行田ドローンスクール屋内コース
技能屋外=羽生モータースクール(埼玉県羽生市)
・料金:200,000円(操縦技能取得コース)
・備考:料金には説明会参加割引、団体割引あり。受講生層は10~70代、初心者~経験者と広範囲。「笑顔・キレイ・楽しさ、想像以上!」がモットー
★説明会参加フォーム★
茨城県つくば市には日本で初めてのドローン専用飛行場「JUIDA・GOKOつくば試験飛行場」があります。2015年5月のオープンしたのですが、オープン直前の4月22日に、首相官邸の屋上で不審なドローンが見つかり、ドローンの存在が広がるきっかけになりました。試験飛行場もこの事件をきっかけに話題性が高まり、オープン記年式典は多くのメディアが取り上げました。
飛行場は主に実験や練習に使われますが、一般でも使用料(午前、午後とも40,000円、学生や教員など教育機関関係者は20,000円)を払えば利用できます。
ここを管理している五光物流株式会社が運営しているドローンスクールが「つくばドローンスクール」で、JUIDAの認定スクールでもあります。国土交通省航空局がホームページで掲載している「講習団体」として、2017年6月1日の初回掲載時に名を連ねたスクールのひとつでもあります。
甲子園の高校野球、花園のラグビーのように、特定領域にとって特別な意義を持つ場所があることがあります。ドローンの歴史に名を刻んだこの飛行場もそのケースにあたるかもしれません。
★説明会参加フォーム★
・講習:JUIDA認定スクール座学・実技
・日程:4日(座学2日=12時間、実技2日=12時間)
・人数:座学は最大20人、実技は最大5人
・講師:4人、30~60代の男性、JUIDA認定講師
・機体:Phantom4シリーズ、モード1、モード2
・会場:
座学=五光物流株下館物流センター
実技=JUIDA・GOKOつくば試験飛行場
・料金:340,000円
・備考:国立の研究機関、警察、自衛隊など法人、団体の受講が多い
★説明会参加フォーム★
一般社団法人ドローン大学校が運営している「JUIDA無人航空機操縦技能証明証・無人航空機安全運航管理者証明証取得セミナー」は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)認定スクールで、他の認定スクール同様、修了後には標題のライセンスを取得できますが、内容の分厚さが他と一線を画します。
日程はほかのスクールの2~4倍の8日間。学科(座学)39時間、実技39時間で、JUIDA のカリキュラムに加え319ページフルカラーのオリジナルのテキストを使い、オリジナルのメニューに則った学科講義(座学)、実技実習を⾏います。安全運航管理修了検定では、実際の運航を想定した模擬運航シミュレーションを実施。
⻑時間の濃密なカリキュラムは基礎を徹底的にしみこませる内容で、学科では海外も含むルールなどの知識、実技では、DJI GO4のカメラ設定やインテリジェントフライトモードの設定、 DJI GS PROのウェイポイント⾶⾏のミッション作成を教えます。講義期間中に「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力」の要件をすべて満たし、ドローン情報基盤システム(DIPS)を使った許可承認申請も体験。一貫して受講生に向き合い続ける面倒見のよさが評判を呼び、米インテル社、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社、テラドローン株式会社、株式会社スカイマティクスとの提携にもつながり、現在は修了生向けにより高度な講座も開講しています。
ビジネス志向の受講生が多く、空撮、測量、農薬散布、害獣調査、スクール講師などの第一線で活躍している修了生が多くみられます。また、イベントなどが開催されるごとに修了生が顔を出す仲の良さ、コミュニティーの濃さも特徴で、魅力のひとつに数えられます。
料金は受け取る価値を理解したうえで評価すべきとチェックポイントで指摘しましたが、受講料が説明会でのみ示される理由もそこにあります。
★説明会参加フォーム★
・講習:⼀般社団法⼈ドローン⼤学校・JUIDA無人航空機操縦技能証明証・無人航空機安全運航管理者証明証取得セミナー
・日程:8⽇間、学科39時間、実技39時間
・人数:各期とも定員12人
・講師:11人(20〜50代)
・機体:Phantom 4 Advanced、Tello Boost Combo
・会場:キャンパスは東京、名古屋、瀬戸内、博多に開設
・料金:ドローン大学校主催の学校説明会などで説明
・備考:修了後も学科講義・実技実習に参加可能。クリスマスパーティーなどのイベント、測量・リモートセンシングなどの修了⽣向け講座を定期的に開催
★説明会参加フォーム★
「日本ドローンアカデミー」は、俳優や監督を要請する映画と演劇の学校として知られ、最近では映画『カメラを止めるな!』の製作元として話題になったENBUゼミナールが運営しているドローンスクールで、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の認定スクールです。「ドローン操縦士+安全運航管理者コース」では、修了生は「JUIDA無人航空機技能証明証」と「JUIDA安全運航管理者証明証」を申請できます。
座学は東京本校のあるJR五反田駅から徒歩2分の立地。この利便性が注目されがちですが、ドローンを飛ばす屋内実技、屋外実技にそれぞれ別の環境を選んでいることも注目されています。屋内会場は、都内にあるもともとプールだった場所を改装したフィールド、屋外の実習場所は千葉市郊外でサバイバルゲームにも使われる広いエリア。実践重視のため、実技には18時間をかけ、その中にはInspire1という映像作品をつくるための機体で、ドローンとカメラの操作を分担する練習も組み込まれています。
修了生を対象に、1泊2日の空撮合宿を開催していることでも知られていて、20~70代と幅広い年齢層から支持されています。
★説明会参加フォーム★
・講習:ドローン操縦士+安全運航管理者コース
・日程:12日間(座学12時間、実技18時間)
・人数:最大10人
・講師:3人、現役パイロット、男性、50〜60代
・機体:、Phantom2および4、Inspire1、モード1、2
・会場:
座学=ENBUゼミナール(東京都品川区)
実技屋内=TOKYO POOL LABO Drone Field
実技屋外=SKY GAME SPLASH(千葉県千葉市)
・料金:270,000円
・備考:平日コースと週末コースの間で授業の振替が可能など日程に融通がきく余地あり
★説明会参加フォーム★
石川県金沢市で病害虫防除、農薬や種子の散布など、農業の現場で産業用無人ヘリコプターを使ったサービスを展開している北陸スカイテック株式会社が、ヤマハ発動機が開発した農薬散布ドローン「YMR-08」の操縦技能を教える「ヤマハマルチローターアカデミー北陸」を運営し、産業用ドローンのトレーニングに力を入れています。「YMR-08」の機体販売も含め、全国でも高い実績をあげていることから注目度が高まっています。
北陸スカイテックは、無人ヘリによる水稲基幹防除、麦、大豆などの防除、除草剤散布のほか、栽培システムの設計なども手掛け、農業のテクノロジー導入支援を手広く手掛けています。一般社団法人農林水産航空協会の指定校として、無人ヘリの教習も実施しています。
「ヤマハマルチローターアカデミー」でもサポート精神は生かされていて、座学ではEラーニングを活用。受講生はここで航空法、農薬取締法、食品衛生法などドローンを農業に使うための知識を学びます。実技ではYMR―08の実機を操縦するほか、専用シミュユレーターも用意し練習環境を充実させています。機体の操作や散布のさいの飛行などの農業での基本のほか、突風体験など、現場でのリスク対応も組み込んでいます。
卒業後も、散布シーズン前に練習会を実施しています。現場で立会いや、整備場の見学や整備士との面談も可能と、サポートの充実も評価の背景にありそうです。
★説明会参加フォーム★
・講習:ヤマハマルチローターアカデミー北陸
・日程:新規受講は5日間、別機種取得者は2日間
・人数:1教習3~5人
・講師:5人、全員男性、30~50代
・機体:YMR-08、「ノーマルモード」などを練習
・会場:
座学=北陸スカイテック株式会社本社(金沢市)
実技=河北潟フライト場
・料金:新規受講は280,000円、他機種取得者140,000円
・備考:ヤマハマルチローターアカデミー北陸の管理団体は一般社団法人農林水産航空協会。北陸スカイテックはDJIの産業用機向けのマルチローターアカデミー北陸、エンルートや丸山製作所の産業機向けのクロノスアカデミー北陸も運営
★説明会参加フォーム★
株式会社スカイシーカーは、産業用ドローンを活用した野生鳥獣調査、災害対策などのソリューション開発を手掛けています。実務を担えるだけの高い技術を持つ人材の育成に力を入れる中、初心者向けの講習を求める声もあがるようになり、その声にこたえて開設したのが「Sky Seeker Academy一般技能認定コース」です。
本業は物資運搬、物件投下、夜間飛行、目視外飛行などの技術を使っているため、高度な技術を教えるスクールと思われがちですが、あくまでも初心者向け。実務に特化した「Sky Seeker Academy (SS.A)特殊技能習得コースA」と区別しています。使う機体はPhantom4シリーズが中心です。
SS.A専用テキストをベースに、座学では安全に飛行させるために必要な航空法、飛行原理、申請などを学ぶほか、機体の組み立て方、点検事項、アプリによる飛行設定を習得します。受講生が講習修了後に一人で安全に飛行させることができるよう、受講者の習熟にあわせて丁寧な助言をすることで定評があります。要件を満たした修了生には、国交省ホームページ掲載の管理団体でもあるスカイシーカーが「Sky Seeker Academy一般技能認定証」を発行します。
なお、講師は野生鳥獣調査、点検、空撮などの実務経験を持ち、受講生からは現場のエピソードが役に立ったという声が聞かれます。
★説明会参加フォーム★
・講習:「Sky Seeker Academy一般技能認定コース」
・日程:4日間
・人数:2人以上10名以下
・講師:男性3人、30~40代、女性補助者配置も
・機体:Phantom4シリーズが原則、モード1、モード2
・会場:戸倉しろやまテラス(東京都あきる野市)
・料金:200,000円、別途テキスト代、ライセンス発行料
・備考:DJI代理店のため、DJI製最新機種を特別価格で購入できる。実務飛行に特化した「Sky Seeker Academy特殊技能習得コースA」ではクアッドコプターQS4、物資運搬用オクトコプターQS8、Matrice210RTKなどを飛ばし、ズームカメラZ30、赤外線カメラXT2なども使う
★説明会参加フォーム★
2012年に日本国内初の正規販売代理店としてDJI製ドローンの取り扱いを開始した、株式会社セキドが2017年から運用している技能認証制度「SUSC 無人航空機操縦士」は、東京、横浜、新潟、福岡、宮崎など全国の「SUSCドローンスクール」で受講できます。各地のスクールは順次、国交省航空局のホームページで「講習団体」として掲載されていて、管理団体の「SUSCセキド無人航空機安全運用協議会」も国交省のホームページに掲載されています。
DJIのドローンを黎明期から知るセキドだからこそ構築できる、ドローンを安全に運用するために必要な、必要最低限の知識や技能の習得が可能な技能認証で、ドローンオペレーターとしての普遍的な心構え、法律、気象、電波などの知識、実用的な飛行の技能、ドローンの最新機能などを網羅しています。3級は入門者向け、2級では業務利用など、より実務的な内容となり、3級の内容に自動航行の操作法などが加わります。カリキュラム受講後の技能審査で認められると、「無人航空機操縦士」の認定書や携帯に便利な認定カードが発行されます。飛行許可申請のさいに添付することで手続きの一部が簡略化できます。
インストラクターが付き添うフライト練習などを含んだうえで3級は3日間、2級は4日間のカリキュラムですが、料金設定がリーズナブルであるところにも受講生の評価を高めています。なお1級は講師資格。ドローンスクールの講師を目指す受講生の目標のひとつです。ドローン測量に特化した「ICT測量講習」なども展開していますので、終了後の次の目標に設定する人もいます。
★説明会参加フォーム★
・講習:SUSC 無人航空機操縦士
・日程:3級3日、2級4日、講師資格の1級4日
・人数:最大6人
・講師:講師はスクールごとにホームページで紹介
・機体:Phantom 4 Pro Plus V2.0、Mavic2 Pro など
・会場:全国のSUSCドローンスクールで受講可能
・料金:3級125,000円、2級155,000円
・備考:技能認証はSUSC 無人航空機操縦士、管理団体はセキド無人航空機安全運用協議会。スクールは東京、横浜、茨城、新潟、徳島、広島、宮崎、熊本、福岡。受講者は飛行技術に関するオリジナル動画コンテンツの視聴が可能。機体などを特別価格で購入可能。業務紹介あり。
★説明会参加フォーム★
ドローンスクールの個性の一端をご紹介してきましたが、日本にあるドローンスクールは、いずれもそれぞれの個性を磨き続けています。そのほかのスクールもチェックポイントを参考に個性を見抜いて、ご自信の「通う理由や目的」にあった、ナットク!に出会い、ドローン前提社会を担う人材としての第一歩を踏み出されると信じています。
ドローンの普及促進を応援し続けているシンガーソングライター、Saashaがパーソナリティーをつとめるレディオ湘南(藤沢エフエム放送株式会社、藤沢市<神奈川県>)のラジオ番組「Saashaの bees fly」に、DroneTribuneが応援している湘南エリア盛り上げプロジェクト「湘南Boysコンテスト2023」「湘南Gilsコンテスト2023」の「湘南Boys」部門でグランプリを獲得した濱宮明日香さん、準グランプリの渡邊純さんがゲスト出演し、Saashaと湘南への思いなどについてトークを繰り広げた。
濱宮明日香さん、準グランプリの渡邊純さんが出演した様子は4月9日、16日にオンエアされた、番組ではそれぞれの湘南の思い出、好きな場所のほか、コンテストで得たものやお互いの印象などについて話した。辻堂駅南口にある人気ハンバーガーショップ、COOKER’S GRILLでアルバイトとして働いたときの経験談や、2人でTikTok配信を始める計画なども飛び出した。
コンテストは湘南エリアを盛り上げることを目指し、ライブ配信サービスの株式会社マシェバラ(東京)、湘南スタイル (株式会社EDITORS、東京)、JCOM湘南・鎌倉局、レディオ湘、DroneTribuneなどが2022年から運営しているプロジェクト。2022年にスタートし現在活躍中の入賞者は第二期だ。
コンテストは応募者がライブ配信サービス「マシェバラ」を通じた活動や、SNS、リアルイベントでの活動を通じて獲得したポイントで入賞を競う形式。2023年10月には、JR辻堂駅が最寄りの株式会社ジェイコム湘南・鎌倉極のホールで表彰式が開催され、プロ野球中継などで知られる田中大貴アナウンサーが進行する中、入賞者が発表された。表彰式会場ではSaashaの楽曲がBGMとして流れた。
入賞したのは湘南Boysグランプリに濱宮明日香さん、凖グランプリに渡邊純さん、湘南Girlsグランプリに絹岡ぬー子さん、凖グランプリにみゆさん。2024年夏にかけて湘南エリアをPRする。
「新スマート物流」実用化の原点である小菅村(山梨県)で4月17日、この取り組みの土台となってきた連携協定が、ほぼ3年半越しに新たな協定に更新された。新協定にはセイノーホールディングス株式会社(大垣市<岐阜県>)が加わり、小菅村、株式会社エアロネクスト(東京)、エアロネクストの子会社である株式会社NEXT DELIVERY(小菅村)を含む4者が小菅村役場で締結式に臨んだ。協定の有効期限は5年間。今後は結束して、新たなテクノロジーの導入も見据え、オープンイノベーションで地域物流の高度化にあたる。締結式では各代表が書面ではなく分厚い無垢材の協定書を受け取った。小菅村の舩木直美村長は「ここは人口減少の先進地。この村がなんとかなれば日本はなんとかなる」と決意を新たにした。
新協定は「ドローン配送事業を含む次世代高度技術の活用による新しい地域物流のビジネスモデルの構築に向けた包括連携協定」で、農業、観光などの産業振興から雇用、人材育成、環境負荷低減との両立、防災、新しいインフラ整備まで幅広く盛り込んだ。次世代高度技術について、「人、モノを区別した現在の移動の形は変わっていく必要がある考えています。ドローン、トラック以外に、自動運転なのか、ロボットなのか、あらゆるテクノロジーの活用を、みなさんの声を聞き、相談しながら検討したい」(エアロネクストの代表取締役CEOでNEXT DELIVERYの代表取締役も務める田路圭輔氏)や、「荷物をパケットに例えて革新的な物流をを示す『フィジカルインターネット』という言葉が物流の世界で幅広く使われているが、まだ具体例はない。高度技術が必要なフィジカルインターネットを進めたい」(セイノーHDの河合秀治執行役員)などと意欲を示した。
新協定への期待について小菅村の舩木村長は「2024年問題もあり物流が滞ることになれば、ここは一番先に切られる可能性のある地域だと思っています。これまでなんとかみなさんのお力をお借りしてありがたくおもっています。うちの村は課題が多いので、課題解決のために、お知恵とお力を貸して頂き、新しいモデルを作って頂きたいしもうけにもつなげて頂きたい。そのためにどんどん小菅村を使って頂きたい」と展望を述べた。
エアロネクストの田路CEOも「新スマート物流は全国で17の自治体と連携協定を結び、これまでに9地区、現時点では8地区で社会実装をしています。これは小菅村が原点。協定の更新ができ、ますますがんばりたいと気持ちが固まりました。次々と『日本初』の事例をここであみだしたい」と抱負を述べた。
セイノーHDの河合秀治執行役員は「2023年8月に小菅村で始まった複数の物流会社が一本にまとまった共同配送は継続的に行われている全国でも非常に珍しいももっとも先進的な事例で、全国の過疎地で共同配送の検討が進みはじめていて、そのお手本となるプロジェクトとしてしっかり進めたい。モデル化して標準化することが重要で、継続できるビジネスにするためには環境負荷低減が不可欠。共同配送は5社分を1社で扱えば環境負荷も5分の1になるのでグリーンという領域も取り組みたい」と持続可能なモデルづくりに意欲を示した。
会見では、エアロネクストが開発した物流用ドローンが1月に発生した能登半島地震の被災地で活動した話題に展開。来賓としてあいさつした小菅村議会の青柳諭議長が「議会としても何度も見学をさせていただいたので、テレビで薬を配送しているのをみたときにすぐにわかりました。石川県に小菅のドローンが行ってると」と言及した。石川県でドローンの運航を担ったNEXT DELIVERYの青木孝人取締役が「小菅村での経験が役に立ちました。日頃から飛ばしていたことが現場力になることが証明できたと思っています」と応じた。一方、「課題も分かりました。みなさんが不慣れなので、ドローンを飛ばす前に、現地のみなさまや担当者にこのように飛んできて『置き配』をします、などと説明をしないといけなくい。機体も現地にないので、この小菅村から現地に20時間ほどかけて運びました。慣れていれば、現地にあれば、と感じました」と、小菅で得た機会がいきたこととと、教訓についても披露した。
エアロネクストの田路CEOはこれを受けて、「青木さんの話からも、ドローンは配送手段でありながら社会インフラであることがわかります。震災は痛ましい出来事ですが、ドローンという日本の強靭性を担うインフラが存在することも証明したと思っています」とインフラとしてのドローンの認知の拡大と整備の推進に期待を寄せた。
また、連携協定が継続できている背景については、登壇者全員が「信頼関係」と回答。小菅村の舩木村長は「人です。信頼関係あってこそ。私は田路さん、河合さんを会ったときから信じていますしかれらも信じてくれています」と話すと、田路CEOも河合執行役員もうなずいた。河合執行役員は「村長のイニシアチブがすごいし、支える役場のみなさん、ご担当のみなさん、議会のみなさんのサポートも非常に大きい。なにより小菅村への視察の数の多さがその証左」と応じた。
4月27日には、先行で稼働している無人コンビニ「SkyHubスマートストアこすげ」が、村内の「道の駅こすげ」に正式にオープンし、連携協定による過疎対策がさらに充実する。
プレスリリースにはこれまでの経緯や談話が掲載されている。内容は以下の通りだ。
~地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築を目指して~
山梨県小菅村(村長:舩木直美)と株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)は、2024年4月17日に、ドローンを含む次世代高度技術の活用による地方創生に向けた包括連携協定を締結いたしました。
エアロネクストと小菅村は、2020年11月に、ドローン配送事業の実現化およびドローン配送導入による地域活性化に向けた連携協定を締結し、ドローン配送導入による産業振興、地域雇用・人材育成等への貢献および社会・インフラの整備を推進してまいりました。
具体的には、小菅村ならびに村民の理解と協力のもと、2021年1月に小菅村内に設立した戦略子会社NEXT DELIVERYが、セイノーHDと連携し、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこんだ地域の新たな物流インフラ、新スマート物流SkyHub(R)を、日本で初めて2021年4月から試験的運用を開始し、2021年10月からは社会実装フェーズに移行させました。
橋立地区の閉店した商店の建物内を整えて新スマート物流SkyHub(R)の拠点、ドローンデポ(R)とし、現在は、SkyHub(R)Delivery(買物代行)、SkyHub(R)Eats(フードデリバリー)、SkyHub(R)Store (オンデマンドドローン配送)を展開しています。昨年8月からは、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送も開始するなど、小菅村の課題やニーズに合わせた配送サービスを提供しています。
さらに、住民の利便性、ならびに地域活性化による関係人口の増加に貢献するため、4月27日には、SkyHub(R)スマートストアこすげ(無人コンビニ)を道の駅こすげの物産館横に正式にオープンいたします。
なお、小菅村における新スマート物流SkyHub(R)の取組みは、デジタル田園都市国家構想の優良事例に採用され、全国で横展開が進んでいます。
本協定は、今後もさらにこのドローンをはじめとする次世代高度技術を活用した活動を推進し、相互の連携・協力により、地域発展に資する施策の推進を目的に締結するものです。
<連携協定の概要>
1.締結日
2024年4月17日
2.協定の内容
ドローンをはじめとする次世代高度技術の活用により、以下の事項において連携・協定する。
(1)農業・観光・産業・経済の振興に関する事項
(2)地域雇用、人材教育、人材育成および産業基盤整備に関する事項
(3)カーボンニュートラルと利便性が両立した持続可能な地域交通・物流の確保と住みやすい環境づくりに関する事項
(4)地域防災への貢献および新しい社会インフラの整備に関する事項
(5)その他、全ての当事者間にて協議し必要と認める事項
4月17日に実施された連携協定締結式において、代表三者が以下のとおりコメントしています。
<小菅村長 舩木 直美のコメント>
2020年11月より株式会社エアロネクストと連携協定を締結し約3年半が経過しましたが、その間多くの皆様のお力をお借りし、小菅村を取り巻く諸課題の解決にご尽力いただきました。その中心的な役割を担っていただいておりました株式会社NEXT DELIVERY、セイノーHDの皆様方と、改めて包括連携を締結できることを大変嬉しく、また心強く感じております。小菅村は全国の過疎、少子高齢化の先進地であります。小菅村がなんとかなれば日本は何とかなる。その想いで4者が今まで以上に強固な連携を図り、課題解決に取り組んで参ります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
<エアロネクスト代表取締役CEO/NEXT DELIVERY代表取締役 田路 圭輔のコメント>
2020年11月に連携協定を締結させていただき、2021年1月にNEXT DELIVERYを設立して以来、小菅村とは二人三脚で新スマート物流SkyHub(R)︎の社会実装を進めてきました。小菅村との出会いがなければエアロネクストグループの成長はもっと限定的なものになっていたと思いますし、感謝してもしきれない恩を感じています。この度、光栄にも連携協定を更新し、次のステージに進めることを心より嬉しく思います。しっかり小菅村の皆さまに寄り添って、新しい社会インフラの創造でお役に立つことができればと思います。
<セイノーHD執行役員 河合 秀治のコメント>
セイノーHDは、幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大しております。小菅村においては、物流2024年問題にいち早く対応し、昨年8月より、地域の物流各社様と中山間地域における物流の効率化、持続性の確保という共通認識のもと、小菅村におく旧商店を活用したデポ(集約拠点)に各社の荷物を集め、共同で配送するしくみを構築してまいりました。今後も同じ課題をもつ全国の地域にこの小菅モデルを展開し、住民の皆様が持続的に安心して暮せる環境づくり、住民サービスの維持、向上を進めてまいります。
この連携協定により、4者が相互に連携、協力し、村の課題や住民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用により、小菅村における地域の課題解決と地方創生に寄与してまいります。
精密切削加工の株式会社共和製作所(碧南市<愛知県>)は、モーターの振動を吸収する新開発の複合材サンドイッチプレート試作部品を、6月5~7日に千葉・幕張メッセで開かれるドローンの大規模展示会「Japan Drone 2024」で展示すると発表した。複合材サンドイッチプレートはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の間にNFRP(天然繊維強化プラスチック)をはさんで成形した素材で、ドローンに搭載することで振動がフライトコントローラー(FC)やアンテナに与える影響を抑える。
複合材サンドイッチプレートのほか、CFRPやNFRPの部品も展示する。株式会社リベラウェア(千葉市)の超狭小空間点検ドローン「IBIS2」のCFRP製サイドフレームをNFRPに換装したモデルも展示する。NFRPそのものが高い振動減衰性を持っているため、静音性や安定性の向上も期待されるという。
共和製作所の発表は以下の通り
・振動吸収に特化した新素材「複合材サンドイッチプレート」の試作部品を開発 ドローン展示会「Japan Drone 2024」にて初公開
株式会社共和製作所(本社:愛知県碧南市、代表取締役社長 河口 治也 以下、共和製作所)は、2024年6月5日(水)~7日(金)に幕張メッセで開催されるドローン展示会「Japan Drone 2024」に出展いたします。
本展示会では、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やNFRP(天然繊維強化プラスチック)の空飛ぶクルマやドローンの部品を展示いたします。また、新たに複合材サンドイッチプレートの試作部品も展示予定です。
ドローンモーター専用のNFRPスペーサー
CFRPのフレームにドローンモーターを設置すると、機体が共振を起こすことがあります。そこで、このNFRPのスペーサーを間に挟むことにより、NFRPが異なる共振周波数を持つため、共振の発生を抑制します。また、NFRP自体が高い振動減衰性を持つため、フライトコントローラー(FC)やアンテナへの振動による影響を大幅に低減します。
NFRP(天然繊維強化プラスチック)とは、植物由来の繊維でプラスチックを強化した素材です。軽量で強度があり、CFRPよりも振動減衰性が高いのが特徴です。また、環境負荷が少なく、CO2排出量削減にも貢献するエコな素材です。
小型ドローンのNFRP試作部品
リベラウェア社製の超狭小空間点検ドローン「IBIS2」に使用されているCFRPサイドフレーム部品をNFRPで製作しました。NFRPにすることで、従来のCFRPよりも振動減衰性と静音性に優れ、機体の安定性と操縦性を向上させる効果が見込まれます。
クローラーの複合材サンドイッチプレート試作部品
災害用遠隔操作クローラーのメインプレートをCFRPから複合材サンドイッチプレートに換装しました。 これにより、荒れ地を走行するタフさを維持しつつ、メインプレート上部に設置されているCPUや通信機、カメラなどの精密機器への振動を大幅に低減します。
複合材サンドイッチプレートとは、2層のCFRPの間にNFRPを挟み込んで成形した特殊な多層複合材です。表面はCFRP、中間層はNFRPという形状で、CFRPの持つ高強度高弾性に加えて、NFRPの高い振動減衰性を併せることで、従来の材料をはるかに超える性能を発揮します。
空飛ぶクルマ・ドローンへの取り組み
共和製作所は、1962年創業の精密切削加工会社です。2016年にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の切削加工を開始したのを機に、2017年からはCFRPと相性の良いドローン分野に参入。以降、CFRPの空飛ぶクルマやドローンの部品を多数製作してきました。
現在はCFRPだけでなく、NFRP(天然繊維強化プラスチック)や複合材サンドイッチプレートなどを用いた部品の試作も進行中です。これらの複合材は、従来の金属部品よりも軽量かつ高強度であり、空飛ぶクルマやドローンの性能向上に貢献します。
共和製作所の強み
共和製作所の空飛ぶクルマ・ドローン事業における強みは、以下の3つになります。
1. 複合材の精密・微細切削加工技術
共和製作所は、CFRPをはじめとする複合材の精密切削加工と微細切削加工を得意としています。特に小型ドローンやマイクロドローン向けの精密小型部品の製作において、高い技術力と豊富な経験を有しています。
2017年から様々な空飛ぶクルマやドローンの部品を製作してきた実績を持ち、生産体制も構築しています。また、複合材に関する深い知見を活かして、協力会社と共同で「ドローン専用の電源ケーブル入り強化アラミド繊維ロープ」の開発にも成功しています。
部品製作にとどまらず、操縦技術や関連する知識の習得、機体の構造まで幅広く学ぶことで、空飛ぶクルマ・ドローンへの深い理解を培ってきました。さらに、深圳で開催される世界最大のドローン展示会視察や新スポーツ「ドローンサッカー」への参加など、常に最新技術と市場動向を把握し、情熱を持って事業に取り組んでいます。
[空飛ぶクルマ・ドローンに関連する保有資格]第1級陸上特殊無線技士
第2級海上特殊無線技士
無人航空従事者試験1級
DPAドローン操縦士回転翼3級
第3種電気主任技術者(電験3種)
第2種電気工事士
■株式会社共和製作所について
共和製作所では 「“技術力”と“行動力”でモノづくりに貢献する」 の理念を元に、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)やNFRP(天然繊維強化プラスチック)などの複合材の切削加工を行っております。
また、複合材の可能性に着目し、様々な工業製品(部品)を製作・導入することで、日本全体の労働生産性を向上し、世界に負けない日本の製造業と成れるよう尽力して参ります。
株式会社共和製作所(キョウワセイサクショ)
代表取締役社長:河口 治也
所在地:〒447-0857 愛知県碧南市大浜上町二丁目35番地2
電話番号:0566-70-8481
創業:1962年1月
設立:1973年12月
資本金:1000万円
従業員数:4名
事業概要:カーボン(CFRP)商品の製造・加工・販売
会社ホームページ: https://www.kyowa-tokai.com/
材料販売サイト : https://cfrp-plate.com/
ブルーイノベーション株式会社(東京)は4月9日、球体点検ドローンELIOS3にとりつけて使う新たな検査装置「UT検査ペイロード(UT Payload)」を5月7日にリリースすると発表した。同日に運用サービスを始め、7月には販売も始める方針だ。詳細は今後調整する。UT検査ペイロードには人の耳でとらえられる可聴域を超えた高い周波数の超音波を発生させるプローブと呼ばれる端子が備わり、検査対象の壁にくっついて超音波を発生させ壁の厚さを測定したり内部の空洞の有無などを検査したりする。ELIOS3に搭載することで、足場を組まずに高所壁面の検査が可能になる。橋梁などの定期点検では詳細点検の必要性を判断するための一次点検に限らず、より詳細な二次点検にも対応可能という。インフラの維持管理の重要性が高まる中、非破壊検査の効率化に貢献しそうだ。4月10~12日に東京ビッグサイトで開催される展示会でデモンストレーションを実施する。
4月9日にブルーイノベーションの本社で行われた発表会では、UT検査ペイロードを搭載したELIOS3が展示され、熊田貴之社長、田中健郎取締役が機能や動作を説明したほか、ELIOSの本体容器に張り付けた小さな鉄製プレートの厚さを実際にUT検査ペイロードで検査する様子を実演した。熊田社長は、「ELIOSはELIOS3以降、センサー類の搭載が可能になり拡張性が広がっています。放射線量測定のRADペイロード、レーザー照射量が2倍の130万発となった測量ペイロードに続く今回は『診る』という新しい機能を搭載しました。これまでのドローンによる点検は簡易的な一次点検を担ってきましたが、今回はより詳細な二次点検ができることが大きなポイントです」と説明した。
UT検査ペイロードは、超音波の送受信をするプローブヘッド(探触子、トランスデューサー)、プローブを対象物に接触させる飛行の妨げにならないよう工夫されたプローブアーム、探触子と測定物の間の空気層をなくし超音波を測定物に伝えるためのジェル、カプラント(接触媒質)と、作業中に適量を供給するディスペンサー、点検の妨げになる表面のほこりを払う清掃モジュールなどで構成される。超音波測定機器大手、英シグナス・インスツルメンツ社(Cygnus Instruments)が、ELIOSを開発したスイスのフライアビリティ(Flyability)社と共同開発した。測定結果はリアルタイムでA-Scan表示される。ELIOS3専用ソフトで測定位置を3D表示できる。
デモンストレーションでは、パイロットがFPVでUT検査ペイロード搭載のELIOS3を飛行させた。会場にはあらかじめ本体容器の壁面に5cm四方程度の小さな鉄製のプレートをはりつけてあり、プレートの厚さの測定がミッションだ。ELIOS3がアーム先端を前に、チョウチンアンコウのように進みながら検査対象の鉄板に近づく。接近すると期待がレーザーポインタを照射してプローブの設置点を確認しながら、機体位置を細かく調整して接触させる。接触すると、操縦者の手元のコントローラー画面にA-Scanの波形や、測定されたプレートの厚さなどが数字で表示される様子が、モニターにうつしだされた。
UT測定は、超音波を照射した時間と反射した音波の受信した時間から肉厚を測定する。測定対象の材質が変わると音波の一部が反射する特性から、内部の腐食やキズなどによる空洞の有無も判定できる。ELIOS3は3Dモデリングでできるため、測定した素材の厚さを3Dモデル上に表示させることもできる。
熊田社長は「圧倒的なパフォーマンスを発揮できるようになったと思います」と期待をのぞかせた。
ブルーイノベーションは10~12日に東京・臨海副都心の東京ビッグサイトで開催される国愛海事展SeaJapan2024にFlyability社とともに実機を展示し、デモンストレーションも行う。
同社が発表したリリースは以下の通りだ
ブルーイノベーション株式会社
ドローンで非破壊検査(UT 検査|超音波厚さ測定)が可能
屋内点検・測量ドローン「ELIOS 3 用 UT 検査ペイロード」、5月 7 日リリース
ELIOS 3・UT 検査ペイロードを用いた運用サービス提供開始
4 月 10 日から開催 Sea Japan(東京ビッグサイト)にてデモンストレーションを披露
ブルーイノベーション株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:熊田 貴之)(以下、ブルーイノベーション)は、この度、屋内点検・測量ドローン「ELIOS 3」※1に着脱可能な専用ペイロードシリーズの新製品として、ドローンによる遠隔かつ安全な超音波厚さ測定を可能にする「UT 検査ペイロード」(以下、UT検査ペイロード)をリリースし、運用サービスは5月7日より、販売サービスは 7 月(予定)より開始します。
なお、UT検査ペイロードは、4月10日から東京ビッグサイトにて開催される Sea Japan のブルーイノベーション / Flyability 共同ブース(ブースNo. 1A-12)において、ELIOS 3 と共に実機展示ならびにデモンストレーションを実施します。
UT 検査ペイロードは、ELIOS 3 の開発メーカーである Flyability 社※2が、超音波厚さ計の世界的トップメーカーである Cygnus Instruments 社※3 と連携して開発した、ELIOS 3 に最適化されたUT 検査用デバイスです。
UT 検査ペイロードを搭載した ELIOS 3 を用いることで、プラント施設やインフラ施設(道路橋、トンネル、下水道など)、自動車や航空機の工場、船舶ドックなど、従来は足場や特殊な機材等を要した点検対象箇所において、遠隔で安全に、かつ効率的・低コストでドローンを用いた超音波厚さ測定が可能になります。
さらに、高精度な点群データを短時間で取得可能な「測量ペイロード」※4(2024 年 1 月販売開始)とUT検査ペイロードを併用することで、従来はそれぞれのチームで行っていた外観目視検査や測量、厚さ測定といった複数の点検作業が ELIOS 3 のみで実施可能(パイロットチーム2名)となり、点検業務における作業効率を飛躍的に向上させます。
【【ご参考事例】※5
5 年ごとの定期検査が義務図けられている船舶において、足場が必要となる大型船舶のバラストタンクの厚さを測定する場合、UT 検査ペイロードを導入することで足場設置などが不要となり、15,000 時間の作業を削減しました。また、測量ペイロードと組み合わせることで、従来 16 名以上で行っていた点検作業を 2名で行うなど、効率化・省人化を実現しています】
※1 ELIOS 3:https://blue-i.co.jp/elios3/
※2 Flyability 社:https://www.flyability.com/
※3 Cygnus Instruments 社:https://cygnus-instruments.com/
※4 測量ペイロード:https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240118.html
※5 参考事例:https://www.flyability.com/casestudies/drone-elios-3-ut-ship-hull-inspection
■UT 検査ペイロード|機能
①プローブヘッド
超音波を発信するプローブ(探触子、接触する部分)は点検対象に応じて、2MHz、5MHz、7.5MHzから選択できます。また、プローブを覆うフードには強力な磁石があり、点検時の安定性を向上させます。
2MHz | コーティングなどの減衰材料 |
5MHz | 汎用、深刻な孔食または腐食のある壁 |
7.5MHz | ボイラーチューブなどの小径パイプ、腐食した薄板 |
②プローブアーム
プローブヘッドと ELIOS 3 のガード部分を接続します。プローブアームは、狭いマンホールの通過時や、複雑な空間内で飛行の妨げにならないよう、機体本体側に折りたためるように設計されています。
③カプラントディスペンサー(塗布装置)
プローブと点検対象の間には、プローブから発信される超音波を点検対象に伝達するのにゲル状のカプラント(接触媒質)が介在している必要があります。このカプラントディスペンサーは、必要量のカプラントをプローブヘッドに供給し、点検に最適な状態を保ちます。
UT 検査ペイロードは、プローブヘッドからレーザーポインタが照射されており、パイロットは照準を定めて対象を測定することが可能です。測定結果は、リアルタイムで表示されるほか、ELIOS 3 の飛行位置情報と共に記録され、飛行後の解析時に位置特定が可能です。
■UT 検査ペイロード 主な特長とメリット
【取付位置が自在なプローブアーム】
プローブアームは、ドローンの上部や前面、または下部に取り付け可能です。点検対象の位置に合わせて変更可能なため、幅広いシーンで測定できます。
【カプラント(接触媒質)残量表示】
カプラントの残量をリアルタイムに把握することができ、カプラントが不足した場合は、ディスペンサーのシリンジを補充または交換できます。
【清掃用モジュール】
点検対象物表面の付着物などにより測定が困難な場合、プローブヘッドを清掃用モジュールに交換し、対象を清掃することができます。清掃後、その位置を位置特定機能でマークできるため、一度機体を戻してからプローブヘッドを交換、再測定時にもパイロットは迷うことなく同じ位置で測定を行うことができます。
【リアルタイム A-Scan(測定結果の波形)表示】
UT 検 査 ペ イ ロ ー ド の 測 定 結 果 は 、 操 縦 専 用 ア プ リ「Cockpit」に A-Scan 結果をリアルタイムに表示されるため、使用するプローブヘッドの選択や清掃用モジュールの必要性など、その場で判断できます。
【測定結果の位置特定】
専用の解析ソフトウェア「Inspector」により、飛行中に記録した位置が 3D モデル上に表示されます。A-Scan 結果の同時表示も可能なため、結果を確認して再測
定の必要性など確認できます
■補足資料:A-Scan について
超音波による測定結果は、波形によって表されます。測定結果の表示の仕方によって名称が変わり、A-Scan、B-Scan、C-Scan などがあります。A-Scan は最も基本的な表示です。プローブ(探触子)からパルス波(連続波ではない波)で発信された超音波が、測定物の反対面で反射し、再度プローブに戻ってくるまで時間(伝播時間)を測定し、厚さを算出します。式で表すと、 [材質の中での音速]×[伝搬時間]÷2=[厚さ] となります。測定の結果は A-Scan の場合、図-1 のように表示されます。もし材質の中に空洞(内部きず)がある場合、図-2 のように伝搬時間が短くなり本来の材質の厚さよりも小さい数値が表示されます。
大阪・関西万博でいわゆる空飛ぶクルマの運航を目指している大阪府は3月28日に、空飛ぶクルマの運用が地域や日本にもたらすビジネスチャンスなどについて解き明かす「空飛ぶクルマビジネスセミナー~大阪・関西におけるビジネス展開の可能性~」を大阪で開催する。東京大学大学院特任研究員の中村裕子氏、株式会社日本政策投資銀行調査役の岩本学氏が登壇する。会場参加、オンライン参加のいずれも可能で参加は無料だ。
空飛ぶクルマビジネスセミナーは3月28日、15時30分から16時50分までで、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻特任研究員の中村裕子氏は「空飛ぶクルマの現在地、実装の課題と世界の取り組みについて」、株式会社日本政策投資銀行産業調査部兼航空宇宙室調査役の岩本学氏は「空飛ぶクルマのビジネスチャンス~万博後に登場する新産業~」の演題でそれぞれ講演する。会場は大阪・難波の産業経済新聞社大阪本社会議室でオンライン参加も可能だ。講演終了後の名刺交換などを目的とする交流会が催される予定で、会場参加の場合は交流会にも参加が可能だ。
参加は申し込みフォームから。締め切りは3月27日午前11時。
会場参加の申し込みはこちら
オンライン参加の申し込みはこちら
開催概要に関する大阪府の発表は以下の通りだ(以下、引用)
大阪府では、府内における空飛ぶクルマの社会実装に向けて、認知度の向上や有用性の理解促進等を図るため、「空飛ぶクルマ社会受容性向上事業」を実施しています。このたび、空飛ぶクルマの現在地、経済的なポテンシャルやビジネス展開の可能性について解説するセミナーを開催しますので、ぜひご参加ください。
【セミナー概要】
1.日時
令和6年3月28日(木曜日)午後3時30分から午後4時50分まで
2.開催方法
会場とオンラインの同時開催
会場:株式会社 産業経済新聞社 大阪本社 会議室(大阪市浪速区湊町2丁目1番57号)
3.定員(申込先着順)
会場:100名
オンライン:500名
4.参加費
無料
5.内容
(1)基調講演1 空飛ぶクルマの現在地、実装の課題と世界の取り組みについて
講師:中村 裕子氏(東京大学 大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 特任研究員)
(2)基調講演2 空飛ぶクルマのビジネスチャンス~万博後に登場する新産業~
講師:岩本 学氏(株式会社日本政策投資銀行 産業調査部兼航空宇宙室 調査役)
セミナー終了後、30分程度参加者交流会(名刺交換や情報交換)を行う予定です。
6.申込方法
関連ホームページ「空飛ぶクルマホームページ」https://soratobu-kuruma.jp/
の申請フォームよりお申し込みください。
7.申請期限
令和6年3月27日(水曜日)11時まで
株式会社ACSL(東京)の株価が引き続き堅調だ。3月25日午前の東京証券市場では株価は1100円から1200円圏で推移した。一時、年明けからの高値となる1290円を付け、2月15日の安値585円から2.2倍の水準で取引された。同社は3月21日、同日の取引終了後に同社製ドローンの航空自衛隊による空撮機としての採用を発表したあとに買いが集まりやすくなっており、市場では引き続き材料視されている。また3月25日は、3月14日に発表した株式会社りそな銀行を相手先とする相対型コミットメントラインの契約締結予定日となっていて、市場がACSLの財務基盤の改善と経営の機動性が高まる期待も好感したとみられる。同社は日本郵便株式会社(東京)と共同開発した物流ドローン「JP2」を3月4日から22日にかけて兵庫県豊岡市で飛行施行を実施しており、今後への期待が高まっている。
ACSL株3月12日に防衛装備庁による同社製品の3億7000万円の受注を発表すると、発表翌日の3月13日には買いが殺到しストップ高となった。3月21日には取引終了後に航空自衛隊による同社製ドローンの採用を発表し、再びストップ高となった。それまで市場環境や販売不振などから株価は低下傾向だったが、市場の見方に変化の兆しが表れた。
ACSLはこれまでも同社の市場へのアプローチについて情報を発信してきたが、市場は今回の情報を、大規模な取引の成立と、今後の取引の展望期待を含むと受け止め、買いが入りやすい状況となっている。
加えてりそな銀行との間で、期間を設定したうえ、限度額の範囲で自由に融資を受けられるコミットメントラインを締結する方針を3月14日に発表しており、3月25日がその契約締結日であることから、経営体制の自由度への期待を集めやすくなっている。なおACSLのコミットメトライン契約の限度額は10億円で、期間は3月25日から7か月間だ。
ACSL株は昨年(2023年)1月3日に最近の高値1811円をつけている。厳しい市場環境などもあり漸減傾向だったが、今回の政府調達と一連のその具体的な採用情報が、同社製品への見直しを強く促しそうだ。
また一連の政府調達とは別に、日本郵便と開発した物流ドローンを3月4日から22日にかけて、兵庫県豊岡市で飛行させた。今後、生活圏上空での飛行が可能になる型式の取得も視野に入れていて同社への期待をけん引することになりそうだ。