大阪・関西万博で2地点間デモフライトを計画している株式会社SkyDrive(豊田市<愛知県>)は、デモフライトに使う機体「SKYDRIVE」(SD-05型)のフルスケールのモックアップを3月28日、初公開した。快適な飛行を実現させるための上質なシートや、客席から景色を楽しめるように工夫した窓、お皿を逆さまにしたようにドーム状のローターのアームなどが目を引いていた。
「SKYDRIVE」(SD-05型)のフルスケールモックアップが公開されたのは、3月28日に大阪市内でOsaka Metro(株式会社大阪市高速電気軌道株式会社)と大阪市が開催した「大阪港バーティポート」の竣工セレモニーだ。式典会場が設置された格納庫の中に機体が置かれ参加者を出迎えた。これまで図面で見たことがある関係者も、「実物大でみるとさらにかっこいい」「さっそく乗りたくなる」などと声を掛け合っていた。
「SKYDRIVE」(SD-05型)はキャビン上から同心円に広がるアームに12のローターを備える。アームは中央を頂上にするようにやや山なりの、お皿をさかさまにしたようなドーム状で「推進力や安定性を追求した結果としてたどりついた」(SkyDrive広報)という。
シートは前に1席、後ろに2席の3人乗りで、前の1席は操縦席だ。SkyDriveは将来的にパイロットの搭乗が不要な機体を開発して実装することを目指していて、実現すると操縦席は不要になる。
展示機の前面ガラスは広い。操縦席に操縦用のモニターなどが設置されているが、操縦席からの視界をさえるものはほかにない。前面パネルの下にも窓が備えられ、着陸時に路面の確認を助けそうだ。
後部座席の客席から正面展望は前席の背もたれや操縦者で制約は受けるが、両サイドの窓スペースは広くとられている。特に機体前面に近づくほど足元あたりまで深くえぐられていて、視界確保に役立つとみられる。また飛行時は前傾姿勢になると想定されるため、地上の様子が見やすくなりそうだ。
シートも白地で上質さを前面に出していた。旅客運航が想定されていないため、現時点ではシートベルトはないが、実運用されるときにはシートベルトがつく。実運用時には軽量化や機体の強化のため仕様がかわる可能性もある。
エアコンは装備されていない。エアコンを搭載するさいには、重量、スペースなどとのバランスをとる工夫が必要になるとみられる。
3月28日に開催された竣工セレモニーでは、Osaka Metroの河井英明社長があいさつの中で「SkyDriveのこの機体は、技術、性能も素晴らしいがデザインも大変すぐれていると思います。この機体が空を飛ぶ姿を想像するとわくわくします」と絶賛した。
機体を開発したSkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは「SD-05は今回が初公開です」と紹介した。そのうえで「われわれは毎日飛行試験をしていますが、電動なのでヘリコプターに比べて騒音が三分の一かそれ以下とかなり静かです。エンジンでなくモーターなので環境にもやさしい。将来的には新大阪駅からここ(大阪港バーティポート)まで、電車や自動車で40分から60分程度のところを10数分で来られるような形のものを実現したいと思っています(中略)。空飛ぶクルマの会社は世界に多くありますが、我々はコンパクトカテゴリーで一番多くの方に、快適に、安く飛んで頂けるプロダクトになっているかな、と思っていまして、大阪を起点に世界のこの機体を実装したいと思っています」と機体を紹介した。
福澤CEOはさらに「やはりゼロからイチを作るのは難しいもので、想定外や見立て違いが起こりますし、こんなチャンスもあるのか、ということも多くあります。これからも山あり谷ありだと思いますが、大阪、日本、世界にみなさまに『この機体に乗って楽しい』と思って頂くべく取り組んで参ります。この展示しているモックアップにも乗れますので、セレモニー参加のみなさまにもぜひ乗って頂きたいと思います」と開発ストーリーを披露しながら、搭乗体験を促した。
大阪・関西万博でAAMの「会場外ポート事業者」を担う大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro=大阪メトロ、大阪市)は、大阪・中央突堤(大阪市港区海岸通)に「大阪港バーティポート」を完成させ、3月28日、土地を所有する大阪市と共同で竣工セレモニーを開催した。テープカットを行った格納庫には、日本のAAM開発事業者、株式会社SkyDrive(スカイドライブ、豊田市<愛知県>)が万博でデモフライトに運用する機体「SKYDRIVE」(SD-05)の実物大モックアップを展示した。
大阪港バーティポートは、Osaka Metro中央線「大阪港」駅から徒歩10分の中央突堤に整備された。入口には「大阪港バーティポート」の案内板が掲げられていて、足を踏み入れると路面には英字表記で「OSAKAKO Vertiport」と白文字で描かれていることがわかる。上空からの視認を助けることになる。
敷地は約12,000㎡で、AAMが離着陸する場所を示す「V」マークが施されたポートや、利用者が認証を受けたり待機したりする幅20m、奥行き5mの旅客ターミナルに加え、幅25m、奥行き20m、天井高が最大で9mの格納庫、消火設備、風向指示器、オンデマンドバスやシェアサイクルのためのモビリティポート、駐車場などが備わる。充電ケーブルが埋設されている場所には、近く充電設備が整備される。
万博期間中はデモフライトをするSkyDrive専用だ。ただし大阪港バーティポートは2025年10月に万博が閉幕した後も2026年度末までは活用できることになっているため、SkyDrive以外の機体の利用も想定している。万博期間に離着陸するSkyDriveの機体「SKYDRIVE」(SD-05型)は全長11.5m、幅11.3mで、最大離陸重量が1.4トンだが、大阪港バーティポートは15m×15m、5トンまでの機体の運用が可能だ。
大阪港バーティポートのある大阪市港区は、Osaka Metroが今年(2025年)1月27日から万博終了までの期間限定で、オンデマンドバスを運航させている。Osaka Metroは将来的に、オンデマンドバスとバーティポートの連結を想定していて、オンデマンドバスでポートまで来た利用者が、旅客ターミナルに横付けされたバスを降り、顔認証でチェックインをすませ、AAMに乗る運用を目指している。
セレモニーではOsaka Metroの河井英明代表取締役社長が「私たちは大阪の交通を格段に進化させていきたいと考えています。交通と社会サービスをかけあわせて大阪をより便利で快適な都市にしていきたいと思っています。大阪港バーティポートを使い、SkyDriveといっしょに二地点間飛行を実現して技術開発を促進し、さらに多くの人に見てもらうことで社会受容性を進展させて、地下、地上に加え将来は空の移動サービスも発展させていきたいと思っております。大阪において、日本初の商業運航を目指して参りたいと思います」と改めて決意を表明した。
大阪市の高橋徹副市長も「大阪港バーティポートは万博会場とつながる未来社会の実験場の一部になるとともに、万博会場外でも市民のみなさまに未来社会を体験頂き、これまでにない新しい移動手段を目の前で御覧頂ける場所となります。万博終了後も実証実験フィールドとして引き続き活用することを考えております」と大阪市として空の移動革命をけん引する意欲と決意を表明した。
また来賓として参列したSkyDriveの福澤知浩代表取締役CEOは「大阪・関西万博、そしてその後の商用飛行を見据えたポートがこの大阪の地に誕生したことを大変うれしく思っています」と歓迎した。
竣工セレミニーではこのほか、内閣官房内閣審議官で国際博覧会協会事務局次長の西海(にしうみ)重和氏、公益社団法人2025年国際博覧会協会企画局長河本(かわもと)健一氏があいさつをした。
またあいさつ後には、国交省大阪航空局長の石井靖男氏や大阪・関西万博公式キャラクター、ミャクミャクをまじえてテープカットで竣工を祝った。
Osaka MetroとSkyDriveが連名で公表したプレスリリースは以下の通り
~2025 年大阪・関西万博にて SkyDrive のデモフライトの離着陸場に~
(※編集部注:脚注は省略)
大阪市高速電気軌道株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 河井英明、以下「Osaka Metro」)は、2025 年大阪・関西万博で株式会社 SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役 CEO 福澤知浩、以下「SkyDrive」)が開発した「空飛ぶクルマ」のデモフライト時に使用する夢洲の万博会場外の離着陸場「大阪港バーティポート」が、2025 年 3 月 28 日(金)に完成し、大阪市と共催で竣工セレモニーを開催したことをお知らせします。
■完成までの経緯
Osaka Metro は、地下鉄およびニュートラムを 9 路線運営しており、大阪を各段に便利で快適なまちにしていくことを目的に、都市型 MaaS 構想「e METRO」を推進しています。「e METRO」では、お客さまの多種多様なニーズに対応するため、さまざまなモビリティを一元的に提供することを目指しており、空飛ぶクルマを新たな空の移動手段と位置付けています。SkyDrive の空飛ぶクルマは、短距離~中距離をスピーディに移動できる新たな空の交通手段であり、これまでの陸の移動と組み合わせることで新たなニーズに対応できる点に加え、レジャー性が高い点において、既存のモビリティ(地下鉄、バス、オンデマンドバスなど)と異なる特性を持っており、お客さまに提供するモビリティのベストミックス実現のために有望な交通手段であると考え、2024年8月に両社で業務提携契約を締結しました。
2025年大阪・関西万博を見据え、2024年1月に大阪市が実施した「『空飛ぶクルマ』会場外ポート事業者」の公募にOsaka Metroが選定され、大阪市港区(中央突堤)でバーティポート(空飛ぶクルマの離着陸場)の整備を進めてきました。2025 年大阪・関西万博では、SkyDrive の空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive 式 SD-05 型)」が万博会場内ポート「EXPO Vertiport」と「大阪港バーティポート」の二地点間運航等を予定しています。
「大阪港バーティポート」の名称は、最寄り駅となる Osaka Metro 中央線「大阪港」の駅名と、空飛ぶクルマの離着陸場の呼称(バーティポート)を掛け合わせたものです。2025 年大阪・関西万博をきっかけに、バーティポートという名称が広がることに期待を込めています。
■施設概要
バーティポートの施設には、空飛ぶクルマの整備や補給、待機などを行う格納庫、空飛ぶクルマの離着陸面、顔認証チェックインからモックアップへの搭乗までを体験できる旅客施設がある他、オンデマンドバスやシェアサイクルなどのモビリティとの結節点となる機能も備えています。
■3 月 28 日に竣工セレモニーを開催
「大阪港バーティポート」の完成を記念し、2025年3月28 日(金)に竣工セレモニーを開催しました。登壇した皆さまからは、バーティポートへの期待等が語られました。また、2025年大阪・関西万博でデモフライトを行う空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05 型)」のフルスケールモックアップを初公開し、報道陣の皆さまに搭乗体験いただきました。
■「大阪港バーティポート」の活用方法
2025 年大阪・関西万博で SkyDrive の空飛ぶクルマがデモフライト時に使用する他、一般のお客さまにもご来場いただけるよう 2025 年 4 月中旬以降からイベントを実施します。空飛ぶクルマ開発の歴史パネルの展示等で空飛ぶクルマの特徴を紹介する他、顔認証チェックイン、待合室待機、空飛ぶクルマのモックアップへの搭乗といった一連の流れをシームレスに体験できるイベントです。2025 年 4 月中旬にイベント公式ホームページからご予約が可能となります。さらには、バーティポート近隣地域で開催されるイベントに合わせて、気軽にお楽しみいただける空飛ぶクルマに関するイベントの実施も予定しています。
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本、東京)は3月25日、JR高輪ゲートウェイ駅に直結する一体型大規模開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」の「まちびらき前見学会」を開催し、米ASKA社が開発中のAAM「ASKA A5」のモックアップをお披露目した。報道関係者や株主ら見学会関係者がスタッフから説明を受けたり、写真に収めたりと関心を集めていた。このほかゲキダンイイノ合同会社(大阪市)が開発した、歩く速度で移動する自動走行モビリティも来場者を乗せるなどして会場を盛り上げていて、「未来の実験場」をコンセプトに打ち出している「TAKANAWA GATEWAY CITY」のにぎわいを演出していた。3月27日の「まちびらき」から一般利用者を迎える。
まちびらき前見学会は報道陣や株主ら関係者向けにJR東日本が開催した。ASKA A5はJR東日本が導入の検討を公表した機体で、この日の見学会では実機の実機の3分の1にあたる大きさのモックアップが展示され、主要見学コースのひとつとなっていた。
ASKA A5は米ASKA社が開発中のAAMで、JR東日本は将来的にTAKANAWA GATEWAY CITYを発着する「プレミアム国内観光」を担う機体となることを想定している。報道陣向けの説明会では、JR東日本マーケティング本部まちづくり部門の出川智之氏が、ASKA A5が路上走行と飛行の両方ができる機体であることや、仕様上の航続飛行が250マイル(約400㎞)に及ぶことを紹介した。また出川氏は、JR東日本がASKA A5を中・長距離型のAAMと位置付けていて、ASKA A5とは別の短距離型AAMなどを導入する可能性にも言及した。
AAMに関する取り組みのひとつとしてJR東日本は、TAKANAWA GATEWAY CITYで開催される企画展「未来へつながる鉄道とまちづくり展」で、「空飛ぶクルマと鉄道の未来について」と題した展示を用意している。JR東日本が鉄道とAAMとを連携させた新しい移動のスタイルや、駅へのAAMポート設置による新サービス構築などを模索していることを展示で伝えている。岩手・小岩井農場ではじめる取り組みや、この取り組みで活用することを想定しているAAMが株式会社SkyDriveの機体であることなどもパネルで紹介している。
見学会では、AAM以外の自動運転モビリティに触れる機会も提供された。駅の改札を抜けた広場、ゲートウェイパーク(Gateway Park)では、ゲキダンイイノが開発した乗車用のモビリティ5台が無人運行されていて、訪れた人がひょいと立ち乗りできる。
モビリティは車輪のついた台座に、動力の装置が置かれているであろう場所を木目調の覆いで囲われた構造物が置かれた形だ。座席はなく、立つスペースだけがある。構造物のうえには手すりがあり立ち乗りして移動しているさいにつかまったり、もたれかかったりすることができる。運航速度は最高で時速5㎞。少し早歩きをした程度の速度で、歩行者と同じ場所を進む。ゲキダンイイノは「目的地に到着することより、移動そのものの楽しみを味わうことを目指した」と話していて、まわりをきょろきょろと見渡しながら移動できる楽しみを味わえる。
移動コースは管理者が事前にプログラムしておく。運用時はプログラムした通りのコースをたどる。複数のコースを設定することも可能だ。乗る時は動いているモビリティに近づいてひょい、と乗ればいい。LiDARが搭載されていて、障害物を検知すると止まり、人が近づくと減速する。乗っているときにも手を触れると減速できる仕組みが取り入れられている。降りるときなどに使える。走行を監視、管理するコントロールセンターが「Area Informatiron&Movility」にそわなっていて、モビリティが発着するようになっているので、ここから乗ることもできる。
このコントロールセンターでは冷凍のスティックチーズケーキを販売している(500円)。「これを持ちながら乗ると、移動中にちょうど食べごろの固さになります。これを味わって移動するスタイルを提唱したいと思って、販売しています」と説明を受けたので、実践してみた。コースを1周するころにちょうど食べ終わる。その間、まわりを見渡すこともできて、数分間の移動をエンタメ気分で味わった。
モビリティを開発したゲキダンイイノは関西電力株式会社(大阪市)発のスタートアップだ。すでに羽田空港には荷物を載せて、座れるシートもついた、高輪とは異なるタイプのモビリティを導入して済みであるほか、丸の内、神戸など各地で試運転が行われ、利用者の反響を集めている。
TAKANAWA GATEWAY CITYではほかにも、株式会社ZMP(東京)が開発したデリバリーロボや、清掃ロボ、警備ロボなどが自動運転で運用され、見学会でも稼働する様子を公開した。TAKANAWA GATEWAY CITYがコンセプトに掲げる創造拠点LiSH「未来の実験場」としての役割を果たす。
TAKANAWA GATEWAY CITYにはビジネス創造拠点LiSH(リッシュ、TAKANAWA GATEWAY Link Scholoers’ Hub)が設けられ、100社以上のスタートアップが入居する。この日の見学会では、いくつかのスタートアップがブースを構えた。自動走行モビリティを開発したゲキダンイイノのほかにも、睡眠の質を測定するウェアラブルデバイスを開発した株式会社ACCEL Stars、下剤も内視鏡もいらないバーチャル内視鏡検査システム 「AIM4CRC」を開発したBoston Medical Sciences株式会社、100%菌糸由来“キノコの皮”とも呼ぶべき素材「KINOLI(キノリ)」やその素材を使った製品を展示したMYCLJapan(マイセルジャパン)、植物内部に共生する微生物(植物共生菌)を活用し通常なら栽培困難な条件下で有機農業を可能にする技術を開発した茨城大学・筑波大学発のスタートアップ、株式会社エンドファイト、おコメを原料にバイオプラスチックを開発する株式会社ライスレジンなどが来場者に自社技術や製品をアピールしていた。
この日の夜には27日のまちびらきを祝うドローンショーも行われた。JR東日本は報道陣向けに「地元のみなさま向けに開催する」とシークレットの開催であることを伝え、特別感を演出した。
・関連記事
JR東、米ASKA社のAAM導入を検討:https://dronetribune.jp/articles/24535/
JR東日本、ASKAを中距離、別に短距離も:https://dronetribune.jp/articles/24577/
東京ビッグサイト(東京)で開催中の商談向け展示会「スマートエネルギーWEEK」で、ドローン関連技術が多く展示されている。埼玉・八潮の道路陥没で下水道内に入った株式会社Liberaware(リベラウェア、千葉市)の超狭小空間用小型点検ドローン「IBIS2(アイビスツー)」や、ブルーイノベーション株式会社(東京)のリアルタイム3Dモデリングが可能な球体ドローン「ELIOIS3(エリオススリー)」などのデモンストレーションも来場者の視線を集めている。 2月21日まで。入場無料で事前登録が必要。
スマートエネルギーWEEKは、エネルギー関連技術の総合展で、H2 & FC EXPO(水素燃料電池展)、PV EXPO(太陽光発電展)、BATTERY JAPAN(二次電池展)、SMART GRID EXPO(スマートグリッド展)、WIND EXPO(風力発電展)、BIOMASS EXPO(バイオマス展)、ZERO-E THERMAL EXPO(ゼロエミッション火力発電EXPO)、CCUS EXPO(CO₂分離回収・利用・貯蔵 技術展)の8つの展示会をまとめた総称だ。いずれも業界関係者の商談を促すことを目的とした展示会だ。これに脱炭素経営EXPO、サーキュラー・エコノミーEXPOのふたつが「GX経営WEEK」として同時開催している。
ドローン関連技術は多くの展示でみられる。リベラウェア、ブルーイノベーションはゼロエミッション火力発電EXPOに出展していて、それぞれのブースともフライトエリアを設置し、適宜デモフライトを公開して、機能を説明している。
リベラウェアのIBIS2は20cm四方でありながら産業用の機能を備える小型機で、管路内、屋根裏などを飛行するさいに障害となる粉塵対策が施されていて安定して飛行できる。ブースでは協力なライトを装着してブース内を難なく飛行する様子が確認できる。八潮(埼玉県)の道路陥没事故では埼玉県がキャビンらしきものを発見した2月5日に「超狭小空間ドローン」として機体の画像を公開した。またブルーイノベーションのELIOS3は機体に搭載したLiDARセンサーでスキャンした空間情報を高精度3Dマップとしてリアルタイムで表示する。SLAM搭載で飛行が安定している様子も確認できる。
WIND EXPO風力発電展には株式会社渋谷潜水工業(本社:平塚市<神奈川県>、本店:藤沢市(同))などが出展。同社は水中ドローンなどを展示し、リアルタイムで水中の構造物を3次元データとして表示する機能を紹介している。ジオグループの株式会社ジオシステム(大阪市)も、3本アームの旧型ドローンにリーグルのレーザースキャナーを搭載する測量ソリューションを紹介している。
株式会社小笠原工業所(松山市<愛媛県>)は、風力発電などを空から確認するために開発中の最大75分の航続飛行が可能なドローンを展示している。今後、現場での実証を進める計画だ。ドローン関連技術や業務用カメラなどの研究開発を手掛ける株式会社D-eyes(ディ・アイ、堺市<大阪府>)と株式会社APES(エイプス、東京)は風力発電所落雷監視システムLightning-eyes」を紹介している。風力発電に落雷した場合に、落雷したブレードとその位置を特定することをアピールしている。
ドローンの展示会Japan Droneのスピンオフ企画第二弾となる「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2024 in 関西」が12月18日、JR大阪駅に直結する複合施設、ナレッジキャピタルのコングレコンベンションセンターで開幕した。株式会社ORSO(東京)が開発した国家資格トレーニング用のマットを初公開したほか、白銀技研株式会社(岐阜県)の1人乗り機Beedol-0などを展示、飛行機好きの有志団体が開発したソーラー無人飛行機も展示されている。開催は19日まで。
18日午前9時20分から行われた開幕セレモニーでは、主催する一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の鈴木真二理事長のほか、経済産業省、国土交通省、総務省、大阪府などの来賓があいさつにたち、開催に期待を寄せたあと、登壇者によるテープカットが行われた。
展示会場では午前10時の開場とともに来場者が出展ブースを訪れた。
ORSOのブースでは開発してきた新製品「DRONE STAR トレーニングマット」を初披露。同社の小型練習機DRONE STAR TRAININGを飛行させて使い心地を試せる体験会も開かれ、来場者が次々と飛ばした。ドローン人材育成の第一人者として知られる株式会社Dron é motion(ドローン・エモーション、東京)の田口厚代表取締役が効果的なマットの使い方を伝授するトークセッションも行われ、多くの来場者が足を止めた。
田口氏のトークセッションは19日も午前11時30分から行われる。
白銀技研は1人乗りのパーソナルエアモビリティBeedol-0の実機と、機体の剛性を高めるために開発中のBeedol2号の1/4試験機を展示している。設置したモニターでは試験飛行の映像が見られる。
宇都宮市(栃木県)を拠点に飛行機好きが部活のように集まって活動している有志団体、飛行機研究所は固定翼にソーラーパネルをはりつけたソーラー無人飛行機を展示し客足を止めている。設計上は24時間の飛行が可能で、一昨年時点で7時間の航続飛行を達成している。今後24時間飛行への挑戦を目指している。
伴走するコンサルティングを展開する株式会社Suzak(東京)、上場したブルーイノベーション株式会社、株式会社Liberawareなども人垣を作っていた。
自動車整備用具の株式会社サンコー(東京)のブースには水の気化熱で空気を冷やす業務用冷風機「ECO冷風機」が展示してある。ドローンの「ド」の字も見当たらないため客足が止まりにくいが気になった来場者が展示の趣旨をたずねると「体育館など屋内練習施設で空調が未整備な場所に設置して頂くとお役に立てるかも」という発想だったことがわかり、感心して話し込む姿がみられた。
このほか講演、パネルディスカッションなどにも多くの来場者が詰めかけている。
主催は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、共催は株式会社コングレ。総務省近畿総合通信局、農林水産省近畿農政局、経済産業省近畿経済産業局、国土交通省近畿地方整備局、国土交通省近畿運輸局国土交通省大阪航空局、大阪府、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、公益社団法人関西経済連合会などが後援している。開催は19日まで。
DRONE STARを手がける株式会社ORSO(オルソ、本社・東京都千代田区、坂本義親代表取締役社長)は12月3日、先月末に発表した新製品「DRONE STARトレーニングマット」を、12月18、19日に大阪で開催される「Japan Drone 2024 in 関西」で初公開する。ORSOが出展するブースで使い勝手を試せる体験会も開く。体験会の予約も12月3日に開始した(予約はこちら)。ブースではトークセッションも予定していて、ドローン教育の第一人者、株式会社Dron é motion(ドローン・エモーション)の田口厚代表取締役や株式会社オーイーシーの野﨑浩司上席執行役員の登壇が予定されている。
トレーニングマットは今年(2024年)6月に千葉・幕張で開催されたイベント「Japan Drone」で、ORSOがDRONE STAR TRAININGの体験会を開催したさい、体験者から機体などとともに好評で問い合わせが相次いでいたアイテムを市販用に開発したもの。製品化までの間に、ドローンの専門家やスクール関係者などからのフィードバックを受けて製品としての価値向上の行程を重ねてきた。ORSOは11月26日にトレーニングマットの開発を発表しており、12月18日のJapan Drone関西はユーザーが直接目の当たりにする初めての機会となる。
ブースでは、体験会、第一人者が知見を披露するプレミアムトークセッション、即売会などが行われる。トークセッションに登壇するドローン・エモーションの田口氏はドローン講師の第一人者で、トークセッションでは国家資格取得のためのトレーニングで「ドローン・コントローラーセット」と「トレーニングマット」を活用する実践例を解説する予定だ。田口氏は18日(水)11:30~12:00、19日(木)11:30~12:00にORSOブースに登場する。
またオーイーシーの野﨑氏は、大分県内を中心に行政や教育機関と連携してドローンを活用した地域課題解決や人財育成、エンタメを活用した地域活性化に取り組んでいて、その事例を紹介する。野﨑氏の登壇は18日(水)15:00~15:30を予定している。
ブース内では即売会も行われ、対象となるセットを購入した場合、追加バッテリーやドローン国家資格向け練習ガイドなどの特典を用意しているという。
ORSOの発表は以下の通り
~「Japan Drone 2024 in 関西」初出展~
DRONE STARブランドを手掛ける株式会社ORSO(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:坂本義親、以下ORSO)は、2024年12月18日~19日までJR大阪駅直結のナレッジキャピタルコングレコンベンションセンターにて開催される「Japan Drone 2024 in 関西」へ、初出展いたします。本展示では西日本で教育・スクール事業を行われている皆様向けに基礎操縦力を効果的に鍛える練習セット「DRONE STAR TRAINING」の展示を初めて行います。
展示ブースでは、基礎操縦力を効果的に鍛える練習機「DRONE STAR TRAINING ドローン・コントローラーセット」と、新製品である「DRONE STAR トレーニングマット」のドローン国家資格に特化した練習セットを、いち早く体験できる体験会を開催し、本日より体験会の事前予約を開始いたしました。また、登録講習機関や、ICT教育現場における具体的な活用方法、事例について田口氏、野崎氏の両名をお迎えしてプレミアムトークセッションを実施いたします。
さらにブース内では新製品発売を記念した即売会を開催し、対象セットをご購入の方に追加バッテリーやドローン国家資格向け練習ガイドなどの特典を用意しております。この機会にぜひ、ブースにお立ち寄りください。
Japan Drone 2024 in 関西 DRONE STAR ブースでは、新製品である「DRONE STAR トレーニングマット」を初公開し、実際の試験内容である「スクエア飛行」、「8の字飛行」、「異常事態における」を想定した、基礎操縦力を効果的に鍛える体験会を開催いたします。
当日混雑が予想される為、事前に予約された方を優先してご案内させていただきます。
体験会の事前予約はこちら:https://reserva.be/dronestar
■ プレミアムトークセッションのご案内
展示ブースでは、体験会と同時に、プレミアムトークセッションを実施いたします。「DRONE STAR TRAINING ドローン・コントローラーセット」と「DRONE STAR トレーニングマット」の登録講習機関や ICT 教育現場における効果的な活用方法や、資格取得や教育に役立つ実践的なノウハウをご紹介いたします。参加は無料です。
【トークセッション①】「現役ドローンパイロット兼、登録講習機関講師から見る操縦技能習得の課題を紐解き」
ゲスト:株式会社 Dron é motion 代表取締役 / ドローングラファ 田口 厚 氏
登録講習機関講師として、資格取得のためのトレーニングで「ドローン・コントローラーセット」と「トレーニングマット」を活用する実践例を解説いたします。
12 月 18 日(水) – 11:3012:00
12 月 19 日(木) – 11:3012:00
【トークセッション②】「産官学連携、大分県でのドローンを活用した地域人材の育成、取り組み事例について」
ゲスト:株式会社オーイーシー 上席執行役員 DX プロデュース事業部事業部 兼 DX・海外連携推進室 野﨑 浩司 氏
行政や教育機関と連携し、ドローンを活用した地域課題解決、将来の人財育成、エンタメによ
る地域活性化に取り組んでいます。
12 月 18 日(水) – 15:0015:30
■ DRONE STAR トレーニングマットについて
「DRONE STAR トレーニングマット」は、ドローン国家資格の実地試験で行われる 3 つの飛行コースを 3 分の 1 スケールに集約した練習用マットです。このマットは、限られたスペースや空き時間を活用して、効果的にドローンの操縦技術を磨くために開発を行いました。
また、2024 年 7 月に発表された、ビジョンセンサーON/OFF 機能を搭載した「ドローン・コントローラーセット」と組み合わせることで、改正航空法に基づく実地講習や無人航空機操縦者技能証明の実技試験に必要な技術要素を繰り返し練習することが可能です。
【公式サイト】:https://www.dronestar.jp/product/training
■ 即売会&購入者特典のご案内
展示ブース内では、新製品「DRONE STAR トレーニングマット」の発売を記念して即売会を
開催いたします。対象セットをご購入いただいた方には、以下の特典をご用意しています。
税込価格:¥25,700(1,870 円分お得)
【特典】バッテリー1 個、ドローン国家資格向け練習ガイド
税込価格:¥80,700(3,740 円分お得)
【特典】バッテリー2 個、ドローン国家資格向け練習ガイド
いずれのセットにも「ドローン国家資格向け練習ガイド」を購入者特典としてお付けし、実地
試験のコースに基づいたスキル習得のための練習方法をご紹介いたします。また、長時間の練
習に対応できるよう、追加バッテリーも特典としてご用意しています。お得なこの機会に、ぜ
ひご検討ください。
■Japan Drone 2024 出展概要
展示会名 Japan Drone/次世代エアモビリティ EXPO 2024 in 関西
開催期間 2024 年 12 月 18 日(水)・19 日(木) 2 日間
開催場所 ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター
開催時間 10:0017:00
出展ブース番号 N-4
出展内容 新製品「DRONE STAR トレーニングマット」および「DRONE STAR
TRAINING ドローン・コントローラーセット」の展示・体験会
サイト URL https://www.japandrone-kansai.com/
体験会の事前予約はこちら:https://reserva.be/dronestar
■DRONE STAR とは
株式会社ORSOと、株式会社エルの共同プロジェクトである「DRONE STAR」は、2016年にドバイで開催されたドローンレース世界大会に日本代表として参加した高宮悠太郎を中心に、ドローンとスマホアプリを連携させ、楽しみながら学ぶ新しいコミュニケーションを提案するプロジェクトです。DRONE STARとは、お使いいただくユーザーの方々の中から新たなスターが生まれ、今後の新しい可能性を広がる未来が来ることを願ってつけられた名称です。
2017年には、室内で楽しく学べるアプリ「DRONE STAR」と対応機体「DRONE STAR01」をリリースし、ドローンと共にリリースした連携アプリによって、スマホの画像認識とAR技術を活用し、操縦者の技能をスコア化する機能を提案。2018年には、教育現場でのICT教育を推進するために、ドローンプログラミングアプリ「DRONE STARプログラミング」をリリース。このアプリは全国各地の教育現場とともに研究開発され、創造的課題や動画撮影が可能で、論理的思考を育むツールとして注目されています。2023年には、お家で安心して飛ばせるバッテリー交換可能な「DRONE STAR PARTY」を発売。2017年にリリースした「DRONE STAR 01」と比べて飛行時間が延びたほか、高さだけでなく水平方向の飛行アシストも追加され、より安定したホバリングが可能となりました。引き続き、DRONE S TARを通じて、楽しみながら学ぶ新しいコミュニケーションを提案していきます。
DRONE STAR公式ホームページ: https://www.dronestar.jp/