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山梨県は6月3日、操縦者が搭乗せずに旅客運航するAAMの社会受容性を引き上げる活動を進めるため、日本航空株式会社(東京)を含む産官学で連携協定を締結した。山梨県内で地域住民に受け入れられるために必要な対応を分析する。住民へのヒアリングや、飛行試験なども想定し、2030年代の社会実装実現を目指す。

MS&ADインターリスク、山梨大学、九州大学も参加

締結されたのは「山梨県での空飛ぶクルマの社会受容性向上に関する連携協定」で、山梨県、日本航空のほか、MS&ADインターリスク総研株式会社(東京)、山梨大学、九州大学の5者が署名した。

山梨県は2027年(令和9年)以降に開業を見込む山梨県内のリニア中央新幹線駅の効果を最大化する手段としてAAMに機体を寄せていて、とくにパイロット不足の解決、経済性の向上の面からパイロットが搭乗しない「無操縦者航空機」が有効と位置付けている。実現に向けて地域の受け入れ環境が重要になるため、パイロットレスAAMの社会受容性向上の協定を締結した。

社会受容性向上に関する調査、取り組みのほか、パイロットレスAAMの実証飛行、地域に適した活用方法の検討などを進める。

パイロットレスAAMの開発に取り組んでいる企業は限られており、事務局は「現時点で具体的な機体を想定して検討するということではない」と話している。一方、操縦者が搭乗するAAMと搭乗しないAAMでは、飛行エリアの住民の受け入れに差が生じる可能性があると想定し、パイロットレスAAMに関する住民の意識の調査をしたり分析をしたりすることにしている。対象をパイロットレスAAMに絞った社会受容性向上の取り組みは珍しく、「日本における社会受容のモデルを構築し世界をけん引」することを目指す。

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村山 繁
DroneTribune代表兼編集長。2016年8月に産経新聞社が運営するDroneTimesの副編集長を務め、取材、執筆、編集のほか、イベントの企画、講演、司会、オーガナイザーなどを手掛ける。産経新聞がDroneTimesを休止した2019年4月末の翌日である2019年5月1日(「令和」の初日)にドローン専門の新たな情報配信サイトDroneTribuneを創刊し代表兼編集長に就任した。現在、媒体運営、取材、執筆、編集を手掛けながら、企画提案、活字コミュニケーションコンサルティングなども請け負う。慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム研究所員、あおもりドローン利活用推進会議顧問など兼務。元産経新聞社副編集長。青森県弘前市生まれ、埼玉県育ち。
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